静岡県立ふじのくに国際高等学校完全ガイド:静岡初の公立IBワールドスクールが届ける世界基準の学び

「公立高校で国際バカロレア(IB)が学べるって本当?」「うちの子にも手が届くの?」――そんな驚きと期待の声が、いま静岡県内のお母さまたちの間で広がっています。

2024年4月に島田市に開校した静岡県立ふじのくに国際高等学校。この学校が2025年8月、国際バカロレア機構(IBO)から正式にIBワールドスクールの認定を受けました。静岡県の公立高校としては初めてのことです。そして2026年1月からは、いよいよディプロマ・プログラム(DP)が本格的にスタートします。

「IB教育って、学費が高い私立のイメージがあって…」と思われるかもしれません。でも、ふじのくに国際高校は県立の公立校。一般的な私立IB校と比べて3分の1以下の学費で、世界水準の教育を受けられるんです。これは本当に注目すべきことなんですよ。

この記事では、お子さまの進路を真剣に考えていらっしゃるお母さま・お父さまに向けて、ふじのくに国際高等学校の魅力を余すところなくお伝えしていきます。学校の特色、IB DPの内容、入試のこと、気になる学費のこと、そして将来の進路まで――一緒に見ていきましょう。

  1. 学校概要:島田市に誕生した「フレックスハイスクール」とは
    1. 開校の経緯と学校の成り立ち
    2. 基本情報
    3. 「フレックスハイスクール」という新しい学びのスタイル
    4. 探究型の学びが根幹にある
  2. IB DP教育の特徴:世界基準の学びを公立校で
    1. IBワールドスクール認定の意義
    2. DP(ディプロマ・プログラム)とは
    3. デュアルランゲージ・ディプロマ・プログラム(DLDP)の採用
    4. 少人数制のきめ細かい指導
  3. 入学方法:公立校ならではの選抜方式
    1. 春季選抜と秋季選抜の2回チャンス
    2. 静岡県公立高校としての入試
    3. IB DPへの参加について
  4. 学費:公立校だからこそ実現する優れたコストパフォーマンス
    1. 私立IB校との費用比較
    2. 公立高校の学費構成
    3. 高等学校等就学支援金制度の活用
    4. IB DP関連の追加費用について
  5. カリキュラムの特色:普通科の幅広い学びとIBの深い学び
    1. 多彩な選択科目
    2. 3部制で実現する柔軟な学び方
    3. 地域連携と実践的な学び
  6. 進路展望:国内大学から海外大学まで広がる選択肢
    1. IB DPスコアで広がる大学進学の道
    2. 海外大学進学の可能性
    3. IBで培われるスキルは社会に出てからも活きる
  7. 静岡県の国際教育への取り組み
    1. 県を挙げた国際教育推進
    2. 公立校でのIB実現の全国的な意義
  8. 学校生活:自由と多様性が共存するキャンパス
    1. 自主性を重んじる校風
    2. 多様なバックグラウンドの生徒が集う場
    3. アクセスと周辺環境
  9. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. IB DPは英語ができないと受けられませんか?
    2. Q2. 定時制ということは、全日制よりレベルが低いのですか?
    3. Q3. 学費は本当に安いのですか?
    4. Q4. 入試はどのような形式ですか?
    5. Q5. IB DPを途中でやめることはできますか?
    6. Q6. 通学が遠いのですが、寮はありますか?
    7. Q7. 卒業後の進路はどうなりますか?
    8. Q8. 学校説明会やIB説明会はありますか?
  10. まとめ:「ふじのくに」から世界へ羽ばたく未来を

学校概要:島田市に誕生した「フレックスハイスクール」とは

開校の経緯と学校の成り立ち

ふじのくに国際高等学校は、2024年4月に静岡県島田市金谷根岸町に開校した新しい県立高校です。旧・金谷高校のキャンパスを活用し、金谷高校(全日制)、藤枝東高校(定時制)、島田商業高校(定時制)の3校を統合・再編する形で誕生しました。

「統合って、つまり縮小でしょう?」と思われるかもしれませんが、実はまったく逆なんです。この統合は、静岡県が新しい時代の高校教育のモデルを作ろうという強い意志のもとに行われたもの。「多様な生き方を尊重し、生徒一人ひとりの個性を伸ばす学校」というコンセプトで、ゼロから教育方針を設計した、まさに静岡県教育の新たな挑戦なのです。

基本情報

項目 内容
正式名称 静岡県立ふじのくに国際高等学校
開校年 2024年4月
所在地 〒428-0018 静岡県島田市金谷根岸町35
課程 多部制・単位制・定時制課程
学科 普通科(単位制)
3部制 午前の部・午後の部・夜間の部
学期制 2学期制(前期4月〜9月、後期10月〜3月)
募集定員 160名(春季約130名、秋季約30名)
IB認定 2025年8月18日 IBワールドスクール認定
DP開始 2026年1月〜
アクセス JR東海道本線・大井川鐵道 金谷駅より徒歩約15分
電話 0547-39-5931

「フレックスハイスクール」という新しい学びのスタイル

この学校のもっともユニークな特徴は、「フレックスハイスクール」という仕組みです。「えっ、高校なのに自分で時間割を決められるの?」と驚かれる方も多いと思います。はい、その通りなんです。

ふじのくに国際高校は多部制・単位制の定時制課程。午前の部、午後の部、夜間の部の3部制をとっており、生徒は自分の生活スタイルや学びたいことに合わせて、通学する時間帯や履修する科目を自分で選択できます。

「うちの子は朝が苦手で…」「スポーツや芸術に打ち込みたい時間も確保したい」「アルバイトと両立できるの?」――そんなさまざまなご家庭の事情やお子さまの希望に柔軟に対応できるのが、このフレックス制の大きな魅力です。実際にアルバイトも認められていますし、制服もなく、校則もとてもシンプル。生徒の自主性・自律性を最大限に尊重する学校なんですね。

ある在校生は、「自分と違う価値観を持っている子たちがいて、みんな違うからこそ面白い」と語っています。多様なバックグラウンドを持つ生徒たちが自然に交流する環境。これって、実はIB教育が大切にしている「国際的な視野」や「多様性の尊重」と、まさにぴったり重なるんです。

探究型の学びが根幹にある

「自由な学校」と聞くと、「ちゃんと勉強するの?」と心配になるお母さまもいらっしゃるかもしれません。でもご安心ください。ふじのくに国際高校では、探究学習を教育の柱に据えています。

たとえば、地域の商店街の方々にインタビューを行い、その地域の魅力を発見して発表するプロジェクト学習。机の上の勉強だけでなく、実際に地域社会とつながりながら、課題発見力・解決力・表現力を養っていきます。こうした「自分で考え、行動する力」を育てる教育方針は、後述するIB DPの理念とも深くつながっています。

IB DP教育の特徴:世界基準の学びを公立校で

IBワールドスクール認定の意義

2025年8月18日、ふじのくに国際高等学校は、スイス・ジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構(IBO)から正式にIBワールドスクールの認定を受けました。これは静岡県内の公立高校としては初めてのことであり、全国的に見ても、公立高校でIB DPを提供する学校はまだ10校程度と非常に少ない中での快挙です。

「IBワールドスクールって何がすごいの?」と思われる方にご説明すると、これは世界159以上の国と地域で認められた国際的な教育プログラムの認定校であるということ。つまり、ふじのくに国際高校で学んだことが、世界中の大学で通用するということなんです。お子さまの進路の選択肢が、国内だけでなく世界中に広がる。これは本当にすごいことだと思いませんか?

DP(ディプロマ・プログラム)とは

IB DPは、16歳〜19歳を対象とした2年間の教育プログラムです。ふじのくに国際高校では2026年1月から本格開始となります。

DPでは、以下の6つの教科群からバランスよく科目を選択し、加えて3つのコア(核)科目を履修します。

教科群 内容
グループ1:言語と文学(母語) 日本語の文学作品を深く分析する力を養います
グループ2:言語習得(外国語) 英語をはじめとする外国語のコミュニケーション能力
グループ3:個人と社会 歴史、地理、経済学などの社会科学分野
グループ4:理科 物理、化学、生物などの自然科学分野
グループ5:数学 数学の論理的思考力と応用力
グループ6:芸術(または他グループから追加選択) 美術、音楽等の芸術分野

さらに、DPにはすべての生徒が取り組む3つのコア科目があります。

  • EE(Extended Essay/課題論文):自分で選んだテーマについて4,000語の研究論文を執筆します。大学での研究活動の基礎となる力が身につきます。
  • TOK(Theory of Knowledge/知の理論):「知識とは何か」「私たちはどのように知るのか」を哲学的に探究する授業。批判的思考力が鍛えられます。
  • CAS(Creativity, Activity, Service):創造性・身体活動・奉仕活動を通じて、教室の外での学びを実践します。

「なんだか難しそう…」と感じるかもしれませんが、大丈夫です。これらはすべて、お子さまが「自分で考え、自分の言葉で表現し、社会に貢献する力」を身につけるためのプログラム。暗記中心の受験勉強とは違って、「なぜ?」「本当にそうなの?」と問い続ける力を育ててくれるんです。

デュアルランゲージ・ディプロマ・プログラム(DLDP)の採用

ふじのくに国際高校のIB DPで特に注目すべきなのは、デュアルランゲージ・ディプロマ・プログラム(DLDP)を採用している点です。

これはどういうことかというと、英語と数学は英語で授業を行い、その他の科目は日本語で授業を行うというスタイル。「全部英語で授業」と聞くとハードルが高く感じますが、DLDPなら日本語で学べる科目もしっかりあるので、英語力に不安があるお子さまでも段階的にチャレンジできるんです。

「英語がペラペラじゃないと無理なんじゃ…」という心配は、DLDPの仕組みによってかなり軽減されます。もちろん英語力は伸ばしていく必要がありますが、すべてが英語ではないという安心感は大きいですよね。

少人数制のきめ細かい指導

DPクラスは約10名の少人数制で運営されます。一般的な高校のクラス(30〜40名)と比べると、先生との距離が格段に近い環境です。双方向のインタラクティブな授業が中心で、「ただ聞いているだけ」ではなく、自分の意見を述べ、議論し、考えを深める授業スタイル。

また、DP履修生以外の生徒も、興味のあるIB科目を個別に選択して受講できる仕組みも設けられています。「DPフル履修はちょっとハードルが高いけど、IB的な学びには興味がある」というお子さまにも門戸が開かれているのは、とてもありがたいですよね。

入学方法:公立校ならではの選抜方式

春季選抜と秋季選抜の2回チャンス

ふじのくに国際高校の入試には、大きく分けて春季選抜秋季選抜の2回のチャンスがあります。

選抜区分 募集人数(目安) 時期
春季選抜 約130名 3月頃
秋季選抜 約30名 9月頃

春だけでなく秋にも入試があるのは、フレックスハイスクールならではの特徴です。「春の進路決定に間に合わなかった」「途中から新しい環境で学び直したい」というお子さまにもチャンスがあるのは心強いですよね。

静岡県公立高校としての入試

ふじのくに国際高校は県立の公立高校ですので、入試問題は静岡県の公立高校入試と共通の形式で実施されます。特別な難関入試があるわけではないので、地元の中学校で普通に勉強していれば十分に対応できます。

選抜方法としては、以下のような要素が考慮されます。

  • 学力検査:静岡県公立高校共通の学力検査
  • 調査書(内申書):中学校での学習状況や活動実績
  • 面接:志望動機や将来の目標などを確認

また、特別選抜として、海外帰国生徒選抜、外国人生徒選抜、長期欠席生徒選抜、連携型選抜、県外生徒特別選抜なども実施されています。多様なバックグラウンドを持つ生徒を幅広く受け入れる姿勢が、入試制度にもしっかりと反映されているんですね。

IB DPへの参加について

入学後にIB DPを履修するためには、学校内での選考や面談があると考えられます。DPは約10名の少人数制ですので、すべての在校生が自動的にDPを履修できるわけではありません。

IB DPへの参加を希望される場合は、入学前から英語力を高めておくこと、そして「なぜIBで学びたいのか」という明確な意志を持っておくことが大切です。学校説明会やIB説明会に積極的に参加して、最新の情報を直接確認されることをおすすめします。

学費:公立校だからこそ実現する優れたコストパフォーマンス

私立IB校との費用比較

正直にお話しすると、IB教育の最大のハードルの一つが「学費」ですよね。日本国内の私立IB校やインターナショナルスクールでは、年間100万円〜300万円以上の学費がかかるケースが少なくありません。「うちにはちょっと無理かな…」と諦めてしまうご家庭も多いのが現実です。

でも、ふじのくに国際高校は静岡県立の公立高校。学校の公式サイトでも、学費は一般的な私立IB校の「3分の1以下」と明記されています。これは、IB教育を受けたいすべての家庭にとって、本当に大きな朗報ではないでしょうか。

公立高校の学費構成

公立の定時制高校の学費は、一般的に以下のような構成になっています。

費用項目 目安
入学料 数千円程度(県立の定時制課程の場合)
授業料 年間数万円程度(単位制の場合、履修単位数により変動)
教科書・教材費 年間数万円程度
その他諸経費 PTA会費、生徒会費等

※ 具体的な金額は年度や履修科目によって異なります。最新の情報は学校に直接お問い合わせください。

高等学校等就学支援金制度の活用

さらに嬉しいことに、高等学校等就学支援金制度を利用することで、授業料の負担をさらに軽減できます。2025年度からは所得制限が撤廃され、すべての生徒を対象に年間最大118,800円が支給されるようになりました。

公立の定時制高校の授業料は全日制と比べてもともと低額ですので、就学支援金を活用すれば授業料が実質無償になるケースも十分に考えられます。「IB教育=高額」という常識を覆す、まさに注目すべき選択肢と言えるでしょう。

IB DP関連の追加費用について

IB DPの履修にあたっては、IBO(国際バカロレア機構)への試験登録料や、英語の教材費などの追加費用が発生する可能性があります。ただし、これらの費用は私立IB校の学費と比較すれば格段に少額です。

学費の面での不安は、この学校を選ぶことでかなり解消されるのではないでしょうか。「経済的な理由でIB教育を諦める」ということが少しでも減るよう、静岡県が公立校でIBを実現してくれたことに、保護者として心から感謝したい気持ちです。

カリキュラムの特色:普通科の幅広い学びとIBの深い学び

多彩な選択科目

ふじのくに国際高校は普通科の高校ですが、選択科目が非常に充実しています。一般的な5教科に加えて、商業、家庭科、体育、美術、書道など、専門的な分野の科目も選択できるのが特徴です。

「うちの子は勉強だけじゃなくて、スポーツや芸術にも興味があるんだけど…」というお母さま、まさにこの学校はそういうお子さまのための場所です。自分の興味・関心に応じて科目を選び、自分だけのオリジナルな時間割を組み立てることができます。

3部制で実現する柔軟な学び方

午前・午後・夜間の3部制という仕組みは、さまざまなライフスタイルに対応しています。

  • 午前の部:朝から学びたい生徒向け。午後は自分の活動に充てられます。
  • 午後の部:午前中に別の活動をしてから登校するスタイル。
  • 夜間の部:日中は仕事やその他の活動に取り組み、夕方から学ぶスタイル。

「定時制」と聞くと少し抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも、ふじのくに国際高校の「定時制」は、従来のイメージとはまったく異なります。「多様な学び方を可能にする柔軟なシステム」としての定時制であり、生徒一人ひとりが最も効果的に学べる環境を選べるという、むしろ先進的な仕組みなんです。

地域連携と実践的な学び

ふじのくに国際高校では、島田市という地域の魅力を活かした学びも重視しています。地元の企業や団体との連携プロジェクト、地域の課題に取り組む探究学習など、教室の中だけでは得られない「生きた学び」が豊富に用意されています。

島田市は旧東海道の宿場町・金谷宿として栄えた歴史ある街であり、大井川鐵道のSL列車や茶畑が広がる美しい土地でもあります。こうした地域資源を教育に活かせるのは、この学校ならではの強みですね。

進路展望:国内大学から海外大学まで広がる選択肢

IB DPスコアで広がる大学進学の道

IB DPの最大のメリットの一つは、IBスコアを活用した大学進学が可能になることです。現在、日本国内でも多くの大学がIBスコアを活用した入試を実施しています。

  • 国公立大学:東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学、筑波大学、広島大学など、多くの国立大学がIB入試を導入
  • 私立大学:早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、国際基督教大学(ICU)など、有名私立大学でもIBスコア活用入試が増加
  • 海外大学:IBディプロマは世界中の大学で認められた資格。アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなどの大学への直接進学も可能

「IB DPを取得していると、一般的な受験勉強とは違うルートで大学に進学できるんですか?」――はい、その通りです。従来のセンター試験(共通テスト)型の受験とは異なる評価軸で、お子さまの探究力・思考力・表現力を評価してもらえる入試ルートが開けるんです。

海外大学進学の可能性

IBディプロマは、文字通り「世界への切符」です。IBのスコアは世界中の大学で認められており、高いスコアを取得すれば、海外の名門大学への進学も夢ではありません。

「まさかうちの子が海外の大学に…」と思われるかもしれません。でも、IB DPで2年間しっかり学んだお子さまは、英語力はもちろん、論理的思考力やプレゼンテーション能力、研究する力を身につけています。海外大学で学ぶ準備が、高校時代に自然と整うのがIB教育の素晴らしさなんです。

IBで培われるスキルは社会に出てからも活きる

「でも、大学入試のためだけにIBをやるのはどうかな…」という声もあるかもしれません。確かに、IBの本当の価値は入試テクニックではありません。

IB DPで身につく力は、お子さまが社会に出てからも一生役立つものばかりです。

  • 批判的思考力:情報を鵜呑みにせず、自分の頭で考える力
  • コミュニケーション力:自分の考えを論理的に伝え、他者と議論する力
  • リサーチ力:課題を見つけ、調査し、結論を導き出す力
  • 自己管理力:DPの課題やスケジュールを自分で管理する力
  • 異文化理解力:多様な視点を受け入れ、グローバルに活躍する力

これらは、AI時代にますます重要になるスキルばかり。「答えのない問いに向き合う力」を高校時代から鍛えられるのは、お子さまの将来にとって本当に大きな財産になると思います。

静岡県の国際教育への取り組み

県を挙げた国際教育推進

ふじのくに国際高校のIB認定は、静岡県全体の教育戦略の中で重要な位置を占めています。静岡県は「ふじのくに」の名を冠したこの学校を、グローバル教育と先進的な探究学習の旗艦校(フラッグシップ校)として位置づけています。

つまり、この学校はただの新設校ではないんです。静岡県が「世界を見据え、地域社会に貢献できるグローバル人材を育てる」という明確なビジョンのもとに、県の教育政策の象徴として設立した学校なのです。

公立校でのIB実現の全国的な意義

日本全国を見ても、公立高校でIB DPを提供している学校はまだ非常に限られています。多くの場合、IB教育は私立のインターナショナルスクールや一部の私立校でしか受けられませんでした。

ふじのくに国際高校が公立校としてIB認定を取得したことは、「家庭の経済状況に関係なく、意欲のある生徒がIB教育を受けられる」という大きな一歩。これは静岡県だけでなく、日本の教育全体にとって意義深いことだと思います。

「IB教育は一部の恵まれた家庭のもの」という壁を、公立校の力で打ち破る。ふじのくに国際高校には、そんな挑戦の最前線に立つ学校としての使命があるのです。

学校生活:自由と多様性が共存するキャンパス

自主性を重んじる校風

ふじのくに国際高校の校則は、驚くほどシンプルです。制服はなく、生徒は私服で通学します。「制服がないなんて大丈夫?」と心配されるお母さまもいらっしゃるかもしれませんが、これは「自分で考え、自分で判断する」力を日常的に養うための環境づくりの一環。TPOに合わせた服装を自分で選ぶという行為自体が、社会に出る準備になっているんですね。

多様なバックグラウンドの生徒が集う場

フレックス制という仕組みもあって、ふじのくに国際高校にはさまざまな背景を持つ生徒が集まってきます。学業に集中したい生徒、スポーツや芸術に打ち込みたい生徒、社会人として働きながら学ぶ生徒、海外から来た生徒……。

こうした多様性のある環境は、IB教育が掲げる「国際的な視野を持つ人間の育成」にとって、この上なく理想的な場です。教室の中だけでなく、日常の中で自然と異なる価値観に触れられる。これは、偏差値で序列化された均質な集団の中では得られない、かけがえのない経験です。

アクセスと周辺環境

学校はJR東海道本線・大井川鐵道の金谷駅から徒歩約15分。静岡駅からは約45分の距離です。島田市の自然豊かな環境の中で、落ち着いて学びに集中できる環境が整っています。

都会のような便利さはないかもしれませんが、それがむしろこの学校の魅力でもあります。自然に囲まれた静かな環境で、じっくりと探究学習に取り組む。そんな贅沢な学びの時間を過ごせるのは、この立地ならではです。

よくある質問(FAQ)

Q1. IB DPは英語ができないと受けられませんか?

ふじのくに国際高校ではデュアルランゲージ方式(DLDP)を採用しており、英語と数学は英語で、その他の科目は日本語で授業を行います。すべてが英語というわけではないので、英語力に不安があっても入学後に段階的に力を伸ばしていくことが可能です。ただし、DPを履修する以上、英語学習への意欲と努力は不可欠です。入学前から英語の基礎力を高めておくことをおすすめします。

Q2. 定時制ということは、全日制よりレベルが低いのですか?

いいえ、まったくそのようなことはありません。ふじのくに国際高校の「定時制」は、多様な学び方を可能にするフレックス制という意味です。IBワールドスクールの認定を受けていることからもわかるように、教育の質は世界水準です。むしろ、自分で学び方を選択できるという点で、従来の全日制以上に自律性と主体性が求められる環境と言えます。

Q3. 学費は本当に安いのですか?

はい。県立の公立高校ですので、一般的な私立IB校やインターナショナルスクールと比べて学費は3分の1以下です。さらに、高等学校等就学支援金制度を活用することで、授業料の大部分が支給される場合があります。IB DP関連の追加費用(試験登録料など)は別途発生しますが、それでも私立校と比べれば格段にリーズナブルです。

Q4. 入試はどのような形式ですか?

静岡県の公立高校入試として実施されます。春季選抜(約130名)と秋季選抜(約30名)の年2回チャンスがあります。学力検査、調査書、面接等を総合的に評価する形式です。海外帰国生徒や外国人生徒を対象とした特別選抜もあります。最新の入試情報は学校の公式サイトや説明会で必ずご確認ください。

Q5. IB DPを途中でやめることはできますか?

DPは2年間のプログラムですので、途中で挫折してしまうことが不安なお母さまもいらっしゃると思います。IBの仕組みとして、フルディプロマの取得を目指す以外にも、個別のIB科目を「サーティフィケート(証明書)」として取得する道もあります。また、ふじのくに国際高校ではDP履修生以外もIB科目を個別に選択できる仕組みがあるため、お子さまの状況に応じた柔軟な対応が可能です。詳しくは学校に直接ご相談されることをおすすめします。

Q6. 通学が遠いのですが、寮はありますか?

現時点で、学校が独自の寮を運営しているという情報は確認できていません。金谷駅からは徒歩約15分、静岡駅からは約45分の距離ですので、静岡県内の多くの地域から通学は可能です。遠方からの通学や住居について心配がある場合は、学校に直接お問い合わせいただくのが確実です。

Q7. 卒業後の進路はどうなりますか?

2024年開校の新設校のため、まだ卒業生の実績データはありません。しかし、IBディプロマを取得すれば、国内の多くの大学(東京大学、京都大学をはじめとする国公立大学、早稲田・慶應などの私立大学)のIB入試ルートでの進学が可能です。また、IBディプロマは世界中の大学で認められているため、海外大学への直接進学という選択肢も開けます。

Q8. 学校説明会やIB説明会はありますか?

はい、ふじのくに国際高校では学校説明会やIB説明会を定期的に開催しています。実際に学校の雰囲気を感じたり、先生方に直接質問したりできる貴重な機会ですので、ぜひ積極的に参加されることをおすすめします。日程は学校の公式サイトで随時公開されます。

まとめ:「ふじのくに」から世界へ羽ばたく未来を

静岡県立ふじのくに国際高等学校は、日本の公教育の新しい可能性を示してくれる学校です。ここまでの内容を振り返ってみましょう。

  • 静岡県初の公立IBワールドスクール:2025年8月に認定、2026年1月からDP開始
  • 優れたコストパフォーマンス:私立IB校の3分の1以下の学費で世界基準の教育
  • デュアルランゲージ方式:英語と日本語のバイリンガル授業で、英語力に不安があっても挑戦可能
  • 少人数制(約10名):きめ細かい双方向型の授業
  • フレックスハイスクール:3部制で自分に合った学び方を選択できる
  • 多様な進路:国内大学のIB入試ルートから海外大学進学まで
  • 探究学習の充実:地域と連携した実践的な学び

「公立校でIB教育を受けられる」。このシンプルな事実が持つ意味は、本当に大きいと思います。経済的な事情に関係なく、意欲のあるお子さまが世界水準の教育にアクセスできる。それが、ふじのくに国際高校が私たちに提示してくれている新しい選択肢です。

もちろん、2024年開校のまだ新しい学校ですから、「実績がないのが不安」と感じるお母さまもいらっしゃるでしょう。その気持ちはよくわかります。でも、「実績がない」ということは「これからの歴史を作れる」ということでもあるんです。お子さまが、この学校の最初の世代として、新しい道を切り拓いていく。それって、とても素敵なことだと思いませんか?

島田市の豊かな自然と歴史に囲まれた環境で、世界とつながる学びを体験する。「ふじのくに」の名を胸に、お子さまが世界へ羽ばたいていく姿を想像してみてください。その第一歩を踏み出す場所として、ふじのくに国際高等学校は最高の選択肢の一つになるはずです。

まずは学校説明会やIB説明会に参加して、学校の雰囲気を直接感じてみてください。きっと、「この学校なら、うちの子の可能性を広げてくれる」と感じていただけると思います。

お問い合わせ先:
静岡県立ふじのくに国際高等学校
〒428-0018 静岡県島田市金谷根岸町35
TEL:0547-39-5931
公式サイト:https://www.edu.pref.shizuoka.jp/fujinokunikokusai-h/

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