はじめに
茨城県つくば市で世界最高水準の国際教育と科学研究との連携学習をお求めの保護者の皆様にとって、つくばインターナショナルスクール(Tsukuba International School、TIS)は他に類を見ない理想的な選択肢です。1992年に地域の外国人研究者コミュニティによって設立された同校は、つくば学園都市という世界有数の研究環境の中で33年間の歴史を重ね、2017年にIBディプロマプログラム(DP)認定を取得して日本で6番目のIB完全認定校となりました。約300名の生徒が25カ国以上の多様な国籍を持つ国際的な学習環境で、PYP・MYP・DPの3つのIBプログラム全てを提供する関東圏唯一の森林キャンパス型インターナショナルスクールとして、JAXA、AIST、NIMS等の世界最先端研究機関との連携により、他では体験できない科学的探究学習を実践しています。
つくばインターナショナルスクールの歴史と建学の精神
33年の歴史:研究者コミュニティから生まれた学校
つくばインターナショナルスクールは、1992年につくば学園都市に在住する外国人研究者やその家族のニーズに応えるため、地域コミュニティの手によって設立されました。つくば市が国際的な研究都市として発展する中で、世界各国から集まる研究者の子どもたちに質の高い英語教育を提供する必要性が高まり、地域住民が主体となって設立された草の根的な国際学校です。
初代校長のティモシー・ボイル氏は宣教師として日本に派遣された教育者で、同校の教育理念の基盤を築きました。学校の発展において転機となったのは2008年で、明慶学園で29年間勤務した創設メンバーの一人である加納氏が、つくばにIBワールドスクールを設立するという夢を追求するため早期退職し、学校の教育法人化と国際バカロレア認定への道筋をつけました。
教育法人認可とIBワールドスクールへの発展
2009年3月、茨城県はつくばグローバルアカデミー(学校の運営母体)を教育法人として認可し、つくばインターナショナルスクールを「各種学校」として正式に認定しました。これは日本におけるインターナショナルスクールの標準的な認定形態であり、同校の教育活動が公的に認められたことを意味しています。
2011年にPYP(初等教育プログラム)、2014年にMYP(中等教育プログラム)、そして2017年にDP(ディプロマプログラム)の認定を順次取得し、pre-kindergartenから12年生まで一貫したIB教育を提供する、日本で6番目の完全IB認定校となりました。
「国際的思考力の育成」という教育理念
つくばインターナショナルスクールの使命は、1992年の創立以来一貫して「北関東地域における国際的思考力(international-mindedness)の推進」です。この理念は単なる語学力の向上ではなく、多様な文化的背景を持つ生徒たちが共に学ぶ環境の中で、グローバルな視点と地域への貢献意識を併せ持つ人材を育成することを意味しています。
世界屈指の研究環境:つくば学園都市での学び
つくば学園都市の研究機関との連携
つくばインターナショナルスクールの最大の特色は、つくば学園都市という世界有数の研究環境を活用した教育です。つくば市には筑波大学をはじめ、産業技術総合研究所(AIST)、物質・材料研究機構(NIMS)、高エネルギー加速器研究機構(KEK)、国立環境研究所(NIES)、防災科学技術研究所(NIED)、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、農業・食品産業技術総合研究機構(NIAH)等、世界最先端の研究機関が集積しています。
生徒たちは定期的にこれらの研究機関を訪問し、世界最高レベルの科学者から直接研究の現実と科学的理解の限界について学ぶ機会を得ています。この経験は、理論的な学習だけでは得られない、実際の科学研究の最前線に触れる貴重な体験となっています。
科学的探究学習の実践
同校の生徒たちは、つくば学園都市の研究環境を活用して、以下のような多様な実体験学習に参加しています:
- 研究機関見学:JAXA、NIES、NIED、AIST、NIAH等への定期的な訪問学習
- 科学者との対話:地域の研究者を学校に招いての講演会と質疑応答
- 地域文化体験:竹掘りや稲植え等の農業体験学習
- 伝統工芸学習:陶芸等の専門職人からの実技指導
- 環境学習:つくばの豊かな自然環境を活用した生態系研究
国際的な研究コミュニティとの交流
つくば学園都市には世界各国からの研究者が集まっており、同校の生徒たちはこの国際的な研究コミュニティと日常的に接する機会があります。保護者の多くが研究者であることから、家庭においても高い学術的関心と国際的な視野が共有され、学校教育と家庭教育が相互に補完し合う理想的な教育環境が形成されています。
IB認定校としての教育プログラム
PYP(初等教育プログラム):2011年11月認定
つくばインターナショナルスクールのPYPは、pre-kindergarten(3歳)からGrade 5(10歳)までの初等教育段階で実施されています。2011年11月の認定以来、探究型学習アプローチを通じて、生徒たちの自然な好奇心と学習意欲を育成しています。
PYPでは6つの教科横断的なテーマを通じて学習を進め、生徒たちは「私たちは誰なのか」「私たちはどのような場所と時代にいるのか」等の根本的な問いについて、体験的な活動を通じて探究します。つくばの研究環境を活用し、幼い段階から科学的思考力と探究心を育成する独自のカリキュラムを展開しています。
MYP(中等教育プログラム):2014年認定
Grade 6(11歳)からGrade 10(15歳)までのMYPでは、より体系的な学問分野の学習とともに、批判的思考力と創造性の発達に重点を置いています。2014年の認定以来、8つの教科グループを通じた包括的な教育と、地域社会への貢献を目的とした「コミュニティプロジェクト」を実施しています。
MYPの特色として、つくば学園都市の研究機関との連携により、実際の科学研究手法を学ぶ機会が豊富に提供されています。生徒たちは研究者からの直接指導を受けながら、科学的な問題解決能力と批判的分析力を身につけています。
DP(ディプロマプログラム):2017年認定と卒業生実績
2017年4月にIBディプロマプログラムの認定を取得し、同年8月に第1期生が入学、2019年6月に初回卒業生を輩出しました。2025年には第7期生が卒業予定で、着実に実績を積み重ねています。
DPでは6つの教科グループから選択した科目の学習に加え、課題論文(Extended Essay)、知識の理論(Theory of Knowledge)、創造性・活動・奉仕(Creativity, Activity, Service)の3つの中核要素を通じて、大学進学準備と生涯学習の基盤を構築しています。
卒業生の大学進学実績
つくばインターナショナルスクールの卒業生は、IBディプロマの国際的認知度を活用して、世界各国の優秀な大学に進学しています。これまでの卒業生が合格・進学した主要大学には以下が含まれます:
- 日本国内大学:筑波大学、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、国際基督教大学(ICU)等
- 北米地域:カナダ、アメリカの主要大学
- ヨーロッパ地域:イギリス、ドイツ等の大学
- アジア・太平洋地域:オーストラリア、韓国等の大学
森に囲まれた特色あるキャンパス環境
神谷の森に位置するエコフレンドリー校舎
つくばインターナショナルスクールは、つくば市上郷の神谷の森に位置し、豊かな自然環境に囲まれた理想的な教育環境を提供しています。キャンパスは環境との調和を重視した設計で、教育と環境保護の両立を実現しています。
フィンランド産パイン材を使用したウエスト棟
2009年に完成したウエスト棟は、フィンランド産パイン材を使用したログハウス式の建築で、その優れたデザインが評価され「ログハウス・オブ・ザ・イヤー」賞を受賞しました。自然素材を活用した温かみのある学習環境は、生徒たちの創造性と集中力を高める効果があります。
地元材料を活用したイースト棟
2016年に完成したイースト棟は、ウエスト棟の鏡像として設計され、日本の杉と檜を使用した地域材料活用の建築です。地元の木材資源を活用することで、地域社会との結びつきを深め、持続可能な発展への意識を育成しています。
音楽教育専用のムジス・コテージ
2023年に完成した最新施設「ムジス・コテージ」は、音楽教育専用の建物として、同校の充実した音楽プログラムに専用の快適な空間を提供しています。この施設により、音楽を通じた創造性の育成と文化的教育がさらに充実しました。
充実した教育施設と設備
同校のキャンパスには以下の教育施設が整備されています:
- 教室:14の一般教室(少人数制教育対応)
- 専用教室:科学実験室、音楽室、美術室
- 図書館:約10,000冊の蔵書を持つ学習リソースセンター
- 集会室:全校集会や発表会に対応
- テクノロジー環境:全教室にコンピューターとWiFi完備
多様性に富む国際的な学習コミュニティ
25カ国以上から集まる約300名の生徒
つくばインターナショナルスクールには、現在約300名の生徒がpre-kindergartenから12年生まで在籍しており、その国籍は25カ国以上に及びます。これまで同校で学んだ生徒の出身国には、オーストラリア、バングラデシュ、ベラルーシ、カナダ、中国、コスタリカ、フィンランド、フランス、ドイツ、香港、インド、日本、韓国、レバノン、マレーシア、メキシコ、ネパール、ナイジェリア、フィリピン、パキスタン、ポーランド、ロシア、シンガポール、スロベニア、南アフリカ、スペイン、スリランカ、スウェーデン、タイ、イギリス、アメリカ等が含まれます。
国際的な教職員チーム
同校の教育の質を支えているのは、国際的な経験と専門性を持つ優秀な教職員チームです。IB教育に関する専門的な研修を受けた教師たちが、多様な文化的背景を持つ生徒一人ひとりの学習ニーズに対応した個別化教育を提供しています。
テクノロジーを活用した21世紀型学習
同校では、Grade 4以上の生徒は個人のノートパソコンを持参し、調査研究、学習活動、そして世界各地の生徒との交流に活用しています。全校舎にWiFi環境が整備され、各教室にコンピューターが設置されており、デジタル時代に対応した学習環境が構築されています。
入学案内と学費構造
入学資格と募集要項
つくばインターナショナルスクールでは、2024-25年度において、pre-kindergarten(3歳)からGrade 11(17歳)までの新入生を受け入れています。入学選考では、学力試験に加えて、多様性と国際的視野を重視した総合的な評価を行っています。
入学プロセス
- 受験資格確認:国籍や言語背景に関する要件の確認
- ウェイティングプール確認:各学年の空き状況の確認
- 関心表明:入学希望の正式な意思表示
- 情報説明会参加:学校説明会への出席
- 入学申請手続き:必要書類の提出と面接の実施
学費と財政支援
同校の学費は、9月~6月の年間プログラムと4月入学(4月~6月)の2つの体系があります。2028-29年度から学費の改定が予定されており、詳細な費用については学校の公式ウェブサイトで最新情報を確認できます。
つくば学園都市ネットワーク協定に基づく特別支援制度も提供されており、研究機関勤務者の子弟に対する教育支援が充実しています。
編入学と転校生支援
同校では、学年中の編入学も受け入れており、転校生に対する適応支援プログラムを提供しています。国際的な研究者コミュニティの特性上、研究期間に応じた短期・長期の就学ニーズにも柔軟に対応しています。
課外活動と学校行事
サマーキャンプと継続教育プログラム
つくばインターナショナルスクールでは、夏季期間中にサマーキャンプを実施しており、在校生以外の地域の子どもたちにも国際教育の機会を提供しています。このプログラムは、同校の教育理念である「国際的思考力の推進」を地域全体に広げる重要な活動です。
文化交流と国際理解教育
多国籍の生徒が在籍する同校では、年間を通じて各国の文化を紹介し合う文化交流イベントが開催されています。これらの活動を通じて、生徒たちは自国の文化を大切にしながら、他国の文化を尊重する国際的な人格を育成しています。
研究発表会と科学コンテスト
つくば学園都市の研究環境を活用した学習成果を発表する研究発表会は、同校の重要な年間行事です。生徒たちは研究機関での学習体験をもとに、科学的な問題について調査・研究し、その成果を発表します。これらの発表会には地域の研究者も参加し、専門的な観点からのフィードバックを提供しています。
卒業生の活躍と社会貢献
著名な卒業生:Lee Chae-rin(CL)
つくばインターナショナルスクールの卒業生として最も国際的に知られているのは、韓国のガールズグループ2NE1のリーダーであるLee Chae-rin(CLとして活動)です。彼女は小学校時代に同校で学び、その後韓国でK-popアーティストとして大成功を収めました。このことは、同校の国際的な教育環境が多様な才能の開花に寄与することを示しています。
研究者・学者の育成
多くの卒業生が親と同様に研究者や学者の道を歩んでおり、世界各国の大学院で博士号を取得したり、国際機関で研究活動に従事したりしています。つくば学園都市での幼少期の体験が、生涯にわたる科学への情熱と探究心の基盤となっています。
国際的な分野での活躍
IBディプロマの国際的認知度と同校での多文化体験を活かし、国際機関、多国籍企業、外交官等、グローバルな分野で活躍する卒業生が増加しています。33年間の歴史の中で培われた国際的なネットワークは、卒業生の将来のキャリア形成において貴重な資産となっています。
つくば市の生活環境と教育メリット
つくば学園都市の特色
つくば市は東京から50km北東、水戸から50km南西、成田国際空港から40km北西に位置する計画都市で、1970年代から国際的な研究学園都市として開発されました。人口約24万人の中に60以上の研究機関と筑波大学が集積し、世界各国からの研究者とその家族が居住する国際的なコミュニティが形成されています。
国際的な生活環境
つくば市には世界各国料理のレストラン、国際食材を扱うスーパーマーケット、多言語対応の医療機関等、国際的な生活環境が整備されています。また、つくばエクスプレスにより東京都心へのアクセスも良好で、都市機能と自然環境が調和した理想的な居住環境を提供しています。
研究文化への日常的接触
つくば学園都市では、子どもたちが日常生活の中で最先端の科学研究に触れる機会が豊富にあります。科学万博記念公園、つくばサイエンスツアー、各研究機関の一般公開イベント等を通じて、科学への関心と理解を深めることができます。
特色ある教育プログラムと支援体制
個別学習支援とカウンセリング
少人数制教育の利点を活かし、各生徒の学習ニーズ、興味関心、将来目標に応じた個別学習計画を策定しています。また、多様な文化的背景を持つ生徒に対する心理的・学習的支援も充実しており、専門的なカウンセリング体制が整備されています。
大学進学指導と進路支援
IBディプロマプログラムの特性を活かし、世界各国の大学への進学指導を行っています。各国の大学入試制度、奨学金制度、ビザ申請等に関する専門的な情報提供とサポートを通じて、生徒の進路実現を支援しています。
日本語教育と文化理解
国際的な環境にありながら、日本に住む外国人子弟に対する日本語教育と日本文化理解教育も重視しています。茶道、書道、日本舞踊等の伝統文化体験プログラムを通じて、日本の文化的価値を深く理解する機会を提供しています。
未来への展望と発展計画
つくば学園都市の発展との連携強化
つくば学園都市がSociety 5.0の実現に向けた最先端技術開発の拠点として発展する中で、同校も人工知能、ロボティクス、バイオテクノロジー等の新技術分野における教育プログラムの充実を図っています。研究機関との連携をさらに深め、次世代の科学技術人材育成に貢献していきます。
国際的な教育ネットワークの拡大
IBワールドスクールとしての地位を活かし、アジア太平洋地域のIB認定校との交流プログラムや共同研究プロジェクトを拡大しています。特に、科学技術分野での国際的な学習交流を通じて、グローバルな問題解決能力を持つ人材育成を目指しています。
地域社会との連携深化
つくば市及び周辺地域との教育連携を深め、地域の公立学校に対するIB教育手法の普及や国際理解教育の支援にも取り組んでいます。地域全体の国際教育水準向上に貢献することで、つくば学園都市の国際化をさらに推進していきます。
まとめ:科学研究の最前線で育む国際的人材
つくばインターナショナルスクールは、1992年の創立以来33年間にわたり、つくば学園都市という世界有数の研究環境を最大限に活用した他に類を見ない国際教育を実践してきました。25カ国以上の多様な国籍を持つ約300名の生徒が、神谷の森に囲まれた美しいキャンパスで、PYP・MYP・DPの完全IB教育を受けながら、JAXA、AIST、NIMS等の世界最先端研究機関との連携による科学的探究学習に取り組んでいます。
同校の最大の特色は、単なる国際教育にとどまらず、つくば学園都市の研究文化と結びついた科学的思考力の育成にあります。生徒たちは幼い頃から世界最高レベルの研究者と直接交流し、最先端の科学研究に触れることで、理論と実践を結びつけた深い学習体験を得ています。フィンランド産パイン材のウエスト棟、地元材料を活用したイースト棟、音楽専用のムジス・コテージという特色ある施設環境も、創造性と探究心を育む理想的な学習空間を提供しています。
2017年のDPプログラム認定以来、卒業生は世界各国の優秀な大学に進学し、研究者、国際機関職員、グローバル企業の専門職等として活躍しています。K-popアーティストCL(Lee Chae-rin)をはじめとする多様な分野での卒業生の成功は、同校の教育が学術分野に限らず幅広い才能の開花に貢献することを示しています。
茨城県で最高水準の国際教育と科学的探究学習をお求めの保護者の皆様にとって、つくばインターナショナルスクールは、お子様が世界最先端の研究環境の中で国際的思考力と科学的探究心を身につけ、グローバル社会で活躍する人材として成長するための理想的な選択となることでしょう。つくば学園都市という特別な環境だからこそ実現できる、他では体験できない教育体験が、お子様の未来に無限の可能性をもたらすはずです。
お問い合わせ先
つくばインターナショナルスクール(Tsukuba International School)
住所:〒300-2646 茨城県つくば市上郷7846-1
電話:029-886-5447
ウェブサイト:https://tis.ac.jp/
入学に関するご相談、学校見学、IBプログラムに関するお問い合わせについては、上記連絡先まで直接お問い合わせください。つくば学園都市での国際教育について詳しく知りたい方、研究環境を活用した科学的探究学習に関心をお持ちの方も、お気軽にご連絡ください。33年の歴史を持つIB認定校として、お子様の国際的な成長と科学的思考力の育成をサポートできることを心よりお待ちしております。
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