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「小学校の英語の授業、担任の先生が教えているけれど大丈夫かな」「高学年から教科ごとに先生が変わるって聞いたけど、うちの学校はどうなんだろう」――そんなふうに気になっている保護者の方も多いのではないでしょうか。
2026年8月25日、文部科学省は中央教育審議会(中教審)の教員養成部会に、小学校で特定の教科だけを教える「専科」の普通免許状を新しくつくる方向を盛り込んだ審議のまとめ案を示しました。産経ニュースは同日、「文科省 小学校の『専科免許』新設案提示 免許取得の負担軽減し、多様な人材確保へ」と報じています。
この記事では、案の中身を公式資料に沿って整理したうえで、保護者の関心が高い「英語の授業の質」や「先生の配置」にどうつながりそうかを、分かっていること・まだ決まっていないことに分けて解説しますね。
ニュースの概要
今回の案が示されたのは、中央教育審議会 初等中等教育分科会 教員養成部会の第162回会合(2026年8月25日)です。文部科学省が配付した資料「多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について(審議のまとめ(案))」の中に、小学校の専科免許に関する記述があります。日本教育新聞は、この案が部会長に一任されたと伝えています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会議 | 中央教育審議会 初等中等教育分科会 教員養成部会(第162回) |
| 日付 | 2026年8月25日 |
| 資料 | 審議のまとめ(案)(資料2-1) |
| 小学校の原則 | 全科(すべての教科)の指導を引き続き原則とする |
| 新設の方向 | 「例えば算数・理科等」について専科の普通免許状を新設し、詳細な設計を検討 |
| 段階 | 審議のまとめ案(制度として決定したものではない) |
資料では、全科を教える先生(ジェネラリスト)と、特定教科を教える先生(スペシャリスト)がチームとして学校教育の質を高める方向が示されています。あわせて、次のような選択肢も検討するとされました。
- 中学・高校の数学や理科の免許を取るときに、小学校の該当教科の免許も一緒に取れるようにする
- 理科と算数など、複数の教科を教えられる選択肢
- 専科の免許から全科の免許へ移る道を用意する
同じ資料には、高等専門学校(高専)の卒業者を免許取得の基礎資格とする案も入っています。教員のなり手不足が深刻になるなか、「免許を持つ人の幅を広げる」ことが大きな狙いだと資料は説明しています。現行制度との違いを図1にまとめました。
その後、文部科学省は2026年9月17日付で正式な「審議のまとめ」を公表しました。専科免許の部分は8月の案と同じく「例えば算数・理科等」とされ、あわせて採用時の配置や人事上の課題、小学校教育の質の担保などを総合的に検討する必要があると書き加えられています。

ここは注意したいポイント:公式資料が例として挙げているのは「算数・理科等」です。英語(外国語)が専科免許の対象になるかどうかは、資料には明記されていません。対象教科や取得に必要な単位数も、これからの詳細設計で決まる段階です。
背景と解説
小学校の先生は「全科」が基本
いまの小学校の普通免許状は、原則としてすべての教科を教える前提の「全科」の免許です。担任の先生が国語も算数も理科も教える、というのは私たちが子どもの頃から見慣れた姿ですよね。北海道通信社は、全科を教える小学校の先生は文系出身が多く、理科や算数について研修の必要性を感じる割合が高い傾向にあると解説しています。
すでに進んでいる「高学年の教科担任制」
実は、教科ごとに先生が変わる仕組みはすでに始まっています。文部科学省は2022年度から、小学校高学年の教科担任制を段階的に進めてきました。優先して専科指導を行う教科は外国語・理科・算数・体育です。2022年度の予算では、そのための教員定数を950人改善し、当初の計画として4年程度で約3,800人の改善を見込むとしていました。
つまり、「英語は専門の先生が教える」という形は、免許制度とは別に、先生の配置の工夫としてすでに広がり始めているということです。ただし、実際にどの学校でどの教科を専科の先生が担当しているかは、自治体や学校によって異なります。
中学・高校の免許を持つ先生も小学校で教えられる
もう一つ知っておきたいのが、教育職員免許法第16条の5の規定です。中学校や高校の教諭免許状を持つ人は、その免許の教科に相当する教科を小学校で担当できます。たとえば中学校の英語の免許を持つ先生が、小学校で外国語の授業を受け持つといった形です。今回の案は、こうした現状を踏まえつつ、小学校の専科そのものを正式な免許として位置づけようとするものだと読み取れます。
小学校英語はいまどうなっている?
小学校の英語は、2020年度に全面実施された学習指導要領で大きく変わりました。3・4年生は「外国語活動」として年間35単位時間、5・6年生は教科の「外国語」として年間70単位時間です。成績がつく教科になったことで、指導する先生の専門性がより問われるようになったんです。
ポイント:英語は高学年の教科担任制の優先教科に入っていますが、今回の専科免許案の例示は「算数・理科等」です。英語の授業の担い手が変わるかどうかは、免許制度よりも、当面は教科担任制による配置の方が影響が大きいとみられます。
保護者への影響と今できる対応
すぐに教室が変わるわけではありません
北海道通信社の報道によると、審議のまとめは年内に中教審で答申される予定です。そのうえで、令和9年度の通常国会で教育職員免許法の改正案が可決された場合、2029年度(令和11年度)から大学で新しい教職課程が始まり、新しい免許を取った先生が学校現場に入るのは2033年度(令和15年度)以降になる見通しと報じられています。いずれも公式に確定した日程ではありません。流れを図2にまとめました。

学年に当てはめてみると、2033年度に小学6年生になるのは、2028年4月に小学校へ入学する学年です。いま小学生のお子さんが、小学校在学中に新しい専科免許の先生に教わる機会はほぼないとみられます。一方で、未就学のお子さんがいるご家庭にとっては、少し先の話として頭に入れておいてよいテーマではないでしょうか。
今の学校で確認しておきたいこと
制度の変化を待つより、いまの学校の状況を知る方が、お子さんの学びに直結します。学校説明会や保護者会の機会に、次のような点を聞いてみると安心材料になりますよ。
- 高学年で教科担任制や専科指導を行っているか、どの教科が対象か
- 英語(外国語)の授業を担当するのは担任か、専科の先生か
- ALT(外国語指導助手)など、英語を話す人と関わる時間がどのくらいあるか
- 理科・算数で専科の先生や少人数指導があるか
- 学校便りや自治体の教育委員会のページで、教員配置の方針が公開されているか
家庭でできること:授業の担当がどう変わっても、英語に触れる楽しさを保つのは家庭の役割も大きいもの。お子さんに「英語の時間、どんなことをしたの?」と聞くだけでも、学校の様子がよく分かります。
国際教育やIBに関心があるご家庭へ
国際バカロレア(IB)の初等教育プログラム(PYP)などに関心がある場合も、今回の案は公立・私立を含む日本の小学校全体の免許制度の話です。IB校の教員配置は各校の方針によるため、気になる学校があれば、英語や探究の授業を誰がどのように担当しているかを直接確認するのが確実です。
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まとめ
- 何が起きたか: 2026年8月25日、中教審の教員養成部会で、小学校の専科の普通免許状を新設する方向を含む審議のまとめ案が示されました
- 対象教科: 公式資料の例示は「算数・理科等」で、英語が対象になるかは明記されていません
- 全科が原則: 担任が全教科を教える全科指導は引き続き原則とされ、全科と専科がチームで指導する方向です
- 時期: 新免許の先生が現場に入るのは2033年度以降との見通しが報じられていますが、確定した日程ではありません
- 今できること: 英語の授業の担い手は、当面は高学年の教科担任制による配置が鍵。いまの学校の体制を確認しておきましょう
出典・参考リンク
- 文部科学省: 中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会(第162回)配付資料(2026年8月25日)
- 文部科学省: 多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について(審議のまとめ(案))(2026年8月25日)
- 文部科学省: 多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について(審議のまとめ)(2026年9月17日)
- 教育新聞: 小学校専科の免許状新設へ 養成部会が審議まとめ案を了承(2026年8月25日)
- 日本教育新聞: 小学校に専科免許状 中教審部会審議まとめ案 算数・理科での導入検討(2026年9月7日)
- 北海道通信社: 【解説】小学校専科免許新設へ(2026年8月27日)
- 文部科学省: 小学校高学年における教科担任制について
- 文部科学省: 令和4年度予算(案)主要事項(2022年1月18日)
- e-Gov法令検索: 教育職員免許法
- 文部科学省: 外国語教育について知る


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