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「関西大学が日本国際学校(JIS)と指定校推薦の合意書を締結」という見出しを見て、「インターナショナルスクールから関西大学に推薦で進めるようになるの?」と気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。インター校に通うお子さんの大学進学は、制度が複雑で情報も少ないので、つい期待してしまいますよね。
ただ、関西大学の発表をよく読むと、今回の合意は関西大学の「留学生別科」と、ベトナム・ハノイにある日本国際学校とのあいだのものです。対象はJISの高校課程を卒業した生徒で、進学先は学部ではなく、外国籍の人が日本語などを学ぶ留学生別科です。日本国内のインターナショナルスクールの生徒が、関西大学の学部に推薦で入れるようになったという話ではありません。
この記事では、関西大学の公式発表と入試要項をもとに今回の合意の中身を整理したうえで、インター校やIB校から関西大学を目指すご家庭が実際に使える入試ルートと、その条件をお話ししますね。
ニュースの概要
関西大学留学生別科の公式サイトに2026年10月19日付で掲載された発表によると、関西大学留学生別科は2026年10月2日にベトナム・ハノイの日本国際学校(Japanese International School、以下JIS)を訪問し、同校の校長とのあいだで「関西大学留学生別科と日本国際学校との指定校制推薦入学に関する合意書」を締結しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表主体 | 関西大学留学生別科 |
| 公式サイトでの公表 | 2026年10月19日 |
| 合意書の締結 | 2026年10月2日(関西大学留学生別科がJISを訪問して締結) |
| 相手校 | 日本国際学校(Japanese International School、JIS)/ベトナム・ハノイ |
| 内容 | JISの高校課程を卒業した生徒を対象に、推薦制度で関西大学留学生別科の入学者を選ぶ |
| 発表に書かれていない点 | 推薦の人数、いつの入学から使えるか、選考の方法 |
発表では、この合意によってJISの高校課程を卒業した生徒が、指定校推薦制度を通じて関西大学留学生別科への進学を目指せるようになり、JISの生徒に「新たな日本留学の機会」を提供することになったと説明しています。合意の当事者と、JISの生徒から見た進学の流れを図1にまとめました。

背景と解説
「留学生別科」は学部とは別の、日本語を学ぶ課程です
関西大学留学生別科は、2012年4月に開設された南千里国際プラザに置かれている課程です。日本の大学・大学院への進学を目指す外国人に、日本語や日本事情、日本文化などを教えることを目的にしています。つまり、学位を取るための学部ではなく、日本の大学に進む前の準備をするための課程ということです。
2027年度の入学試験要項によると、定員は4月入学と9月入学をあわせて130名です。修了するには1年以上在学し、32単位以上を修得する必要があります。学費(2027年度入学生)は入学金100,000円、授業料が1学期365,000円で、入学した最初の学期は合計465,000円です。
出願資格には、「外国籍を有する者」であることが明記されています。そのうえで、外国で12年の学校教育を修了していること(外国で取得した国際バカロレアなどの国際的な大学入学資格や、国際的な評価団体の認定を受けた外国にある学校の12年課程の修了も含まれます)と、1年以上(300時間以上)の日本語学習歴か、日本語能力試験N4相当以上の日本語力が求められます。通常の選考は書類と、日本語で行うオンライン面接です。
別科で成績が優秀な学生には、関西大学の学部や大学院へ進むための推薦型の入試があります。別科の案内では、法学部、文学部、経済学部、商学部、政策創造学部、人間健康学部、社会安全学部、ビジネスデータサイエンス学部がこの入試を取り入れていて、別科から推薦されると、筆記試験などが免除され、面接か口頭試問だけで受験できると説明しています。ただし推薦は入試を受けるための仕組みで、合格が約束されるわけではありません。また大学院の推薦型入試は、大学卒業など大学院の出願資格を満たす別科生が対象です。2025年度の合格実績として、関西大学の学部に16名が合格したことも載っていました(どの入試での合格かは書かれていません)。別科生が引き続き関西大学の学部・大学院に進学すると、入学金は半額になります。
日本国際学校(JIS)はどんな学校?
JISは、学校の公式サイトによると2016年に設立された、幼稚園から高校までの一貫校です。日本の教育をモデルにして、日本の国際プログラムやケンブリッジ国際プログラムなどを組み合わせていると紹介されています。中央大学もJISを「国際連携校」としていて、2023年度から国際連携校推薦入学制度で正規の留学生を受け入れていると、公式サイトで紹介しています。2026年3月7日には、ハノイで創立10周年の記念行事が開かれました。
ここで気をつけたいのが、「インターナショナルスクール」という名前とIBの関係です。IBO(国際バカロレア機構)の公式サイトに「Japanese International School」として載っているのは香港の学校で、ハノイのJISとは別の学校です。ハノイのJISがIBの認定校であることは、今回の調査では確認できませんでした。校名だけを見て「IB校との提携」と受け取らないようにしたいですね。
ここに注意:今回の合意は「ベトナム・ハノイの日本国際学校」から「関西大学留学生別科(日本語などを学ぶ課程)」への推薦です。別科への出願には外国籍が必要なので、日本国籍だけのお子さんは対象になりません。また、日本国内のインターナショナルスクールとの合意でもありません。
保護者への影響と今できる対応
では、インター校やIB校に通うお子さんが関西大学を目指す場合、どんな入試があるのでしょうか。2027年度(2026年度実施)の入試要項から、主な区分を図2にまとめました。

IBのディプロマ・プログラムで学ぶお子さん:国際バカロレア入試
関西大学は2027年度入試で、文学部(若干名)と経済学部(5名)で国際バカロレア入試を行っています。出願資格は、高校または中等教育学校の全日制課程を2027年3月に卒業する見込みで、IBディプロマ・プログラムのフルディプロマを取得する見込みであることです。「日本語と英語によるデュアルランゲージ・ディプロマ・プログラム」以外で学ぶ場合は、言語Aを日本語で履修し、成績評価が4以上であることも条件です。選考は出願書類、小論文、面接(口頭試問を含む)で、2027年度は出願期間が2026年9月1日から7日、選考日が10月18日、合格発表が11月2日です。
出願資格は「高等学校もしくは中等教育学校」の卒業見込み者と書かれているので、日本の高校でDPを学ぶ生徒を想定した入試と読めます。インターナショナルスクールの生徒が出願できるかどうかは要項からは判断できないため、関西大学の入試センターに確認しておくと安心です。
国内のインターナショナルスクールに通うお子さん:AO入試などの確認を
AO入試は国内・海外に住む人を対象にしていて、出願資格には「文部科学大臣の指定した者」や、大学の個別の入学資格審査で高校卒業と同等以上の学力があると認められた人も含まれています(このほか各学部が定める基準も満たす必要があります)。2027年度入試では、個別審査を希望する人は2026年7月3日までに入試センターへ申し出ることになっていました。
ここで関係してくるのが、文部科学省の「大学入学資格」です。文部科学省は、国際的な評価団体(WASC、CIS、ACSI、NEASC、Cognia、COBIS)の認定を受けた教育施設で12年の課程を修了した人に、大学入学資格を認めています。つまり、お子さんの学校がこうした団体の認定を受けているかどうかで、選べる入試が変わってくる可能性があるということです。
一方、総合情報学部の帰国生徒入試(2027年度・5名)は、外国の高校に最終学年を含めて継続して2年以上在学したことなどが条件です。要項には、外国のカリキュラムで教育している学校でも、日本国内にある学校については出願資格を認めないと書かれています。外国人学部留学生入試は外国籍が必要です。さらに出願資格①〜⑥(外国での12年課程の修了、IBなどの国際的な資格を外国で取得、国際的な評価団体の認定を受けた外国の学校の修了など)で出願する場合は、原則として12年の学校教育課程の3分の2以上を外国で就学していることが条件です。国内の外国系学校に在籍した期間は日本の学校と同じ扱い、つまり外国での就学期間には数えられません。学部教授会が①〜⑥と同等以上と認める別の出願資格(⑦)もあるので、該当しそうな場合は要項で確認しておきましょう。
ポイント:インター校から日本の大学を目指すときは、「国籍」「学校が国際的な評価団体の認定を受けているか」「海外と国内のどちらで学んだか」の3つで、使える入試が大きく変わります。志望校が決まる前から、この3点を整理しておくと迷いにくくなりますよ。
今のうちに確認しておきたいことを、チェックリストにまとめました。
- お子さんの学校が、WASCやCISなど国際的な評価団体の認定を受けているか(文部科学省の大学入学資格に関わります)
- お子さんの国籍(二重国籍の場合は、出願前に大学へ連絡するよう要項に書かれています)
- IBで受験する場合、言語Aを日本語で履修する予定か、デュアルランゲージ・ディプロマ・プログラムか
- 出願時期:2027年度入試では、国際バカロレア入試と帰国生徒入試の出願が2026年9月1日から7日、AO入試の個別資格審査の申し出が2026年7月3日まででした。翌年度の日程は新しい要項で確認を
- 海外駐在中のご家庭は、帰国のタイミングと「外国の高校に継続して2年以上在学」などの条件を照らし合わせておく
ベトナムなど海外に駐在中で、現地の学校に通うお子さんが日本国籍のみの場合も、今回の別科への推薦は使えない点に気をつけてくださいね。推薦の人数や開始時期など、合意の具体的な中身は発表されていないため、続報は関西大学留学生別科の公式サイトで確認するのが確実です。
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まとめ
- 合意の当事者: 関西大学留学生別科と、ベトナム・ハノイの日本国際学校(JIS)。2026年10月2日に締結し、10月19日に公表されました
- 推薦の行き先: 学部ではなく留学生別科(日本語などを1年以上学ぶ課程)で、出願には外国籍が必要です
- まだ公表されていない点: 推薦の人数、いつの入学から使えるか、選考の方法は発表に書かれていません
- IBで学ぶお子さん: 関西大学には文学部・経済学部の国際バカロレア入試があり、言語Aの条件などを最新の要項で確認しましょう
- 国内インターのお子さん: 学校の評価団体認定や国籍によって使える入試が変わるので、早めに入試センターに確認を
出典・参考リンク
- 関西大学留学生別科: 日本国際学校(JIS)との指定校制推薦入学に関する合意書を締結しました(2026年10月19日)
- 関西大学留学生別科: 入学試験要項 2027年度 4月入学・9月入学(2026年10月19日確認)
- 関西大学留学生別科: 留学生別科について(2026年10月19日確認)
- 関西大学留学生別科: 別科の概要と特長(2026年10月19日確認)
- 関西大学留学生別科: 進学について(2026年10月19日確認)
- 関西大学: 2027年度 国際バカロレア入試 入試要項(2026年10月19日確認)
- 関西大学: 2027年度 AO入試 入試要項(2026年10月19日確認)
- 関西大学: 2027年度 総合情報学部 帰国生徒入試 入試要項(2026年10月19日確認)
- 関西大学: 2027年度 外国人学部留学生入試 入試要項(2026年10月19日確認)
- 中央大学: 国際連携校 日本国際学校(JIS)で創立10周年記念行事が行われました(2026年3月7日)
- 日本国際学校(JIS)公式サイト: 学校の概要(2026年10月19日確認)
- IBO: Japanese International School(香港の学校の掲載ページ、2026年10月19日確認)
- 文部科学省: 大学入学資格について(2026年10月19日確認)


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