公立中学からカナダの高校、オランダの大学へ:鶴岡母娘の連載に学ぶ海外進学

鶴岡さん母娘の海外進学の歩み(公立中学校からカナダの高校、オランダの大学・大学院、現地での就職活動まで) IB最新ニュース

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「子どもには、日本の外でも生きていける力をつけてほしい」。そう願いながらも、「でも、うちは英語が得意な家庭じゃないし、インターナショナルスクールに通わせているわけでもない」と迷っているご家庭も多いのではないでしょうか。

日経ウーマン(日経xwoman)の連載「世界で活躍する人材になるために 鶴岡母娘が実践したグローバル教育のリアル」は、まさにそんな迷いに向き合う内容です。日本の公立中学校を卒業した娘さんが、16歳でカナダの高校へ、その後オランダの大学・大学院へ進み、現地で就職活動に挑むまでを、お母さまの言葉でたどっています。

この記事では、連載の公開部分で確認できたことを整理したうえで、海外大学への進学を考えるご家庭が「先に知っておきたいこと」を、公式情報をもとに解説しますね。

ニュースの概要

連載は日経ウーマンのサイトに2026年6月25日から8月3日にかけて全5回で掲載されました。語り手は、東京都と京都府でゲストハウスを経営する鶴岡真緒さん。シングルマザーとして一人娘の桃佳さんを育ててきた方です。連載の第1回では、真緒さんが「時間も、お金も、エネルギーも」娘の未来のために使ってきたこと、教育への投資を人生の最優先事項のひとつにしてきたことが語られています。

回 掲載日 題名(要旨)
第1回 2026年6月25日 16歳でカナダの高校へ、大学はオランダ 母娘で切り開いた海外進学の道
第2回 2026年7月7日 海外大進学先は想定外の国 親子で「ここだ」と納得するまでに行ったことは
第3回 2026年7月15日 海外名門大学で「自分なら大丈夫」と過信し退学寸前に 巻き返しの戦略とは
第4回 2026年7月22日 海外大生活支えた親の言葉 「あなたはできる」は子の気分上げるためではない
第5回 2026年8月3日 娘が海外で就職活動 書類通過すらできなかった世界的企業から内定を得るまで

連載の公開部分から読み取れる母娘の歩みは、次のとおりです。

  • 中学卒業後に私費留学: 日本の公立中学校を卒業後、16歳でカナダの高校へ進学しました。英語には苦労しながらも工夫で乗り越え、高校1年から進路相談を始めたと紹介されています。
  • 大学はオランダへ: 高校2年生の終わりごろ、世界中の大学を調べていた知人に相談し、オランダの大学という選択肢を提案されたそうです。母娘にとって身近な国ではなかったものの、自分たちで調べるうちに相性のよい進学先だと考えるようになったと語られています。
  • コロナ禍のオンライン入学: 2020年にアムステルダム大学のBusiness Administration(経営学)に入学しましたが、渡航できず、1年目は日本の祖母の家からオンラインで受講しました。
  • 渡航と大学院進学: 2021年8月にアムステルダムへ渡り、2年目からキャンパスでの学生生活が始まりました。卒業後はロッテルダム経営大学院(Rotterdam School of Management, Erasmus University:RSM)の修士課程に進んでいます。
  • 海外での就職活動: 大学院在学中から現地での就職を目指して就職活動を始め、第1志望の世界的なプロフェッショナルファームには書類選考も通らなかったと書かれています。第5回の題名は「内定を得るまで」です。

この流れを図1にまとめました。

鶴岡さん母娘の海外進学の歩み(公立中学校からカナダの高校、オランダの大学・大学院、現地での就職活動まで)
図1:連載で語られた母娘の歩み(日経ウーマン連載の公開部分より作成)

ご注意: 連載の各回は、冒頭の一部のみが公開され、続きは会員限定です。この記事では、公開部分で確認できた内容だけを紹介しています。英語の具体的な勉強法や留学費用、内定に至った経緯の詳細は、元の連載でご確認ください。

背景と解説

日本の公立中学校から海外へ進む道

当ブログではIB(国際バカロレア)をよく取り上げていますが、連載の公開部分で語られているのは、日本の公立中学校から海外の高校へ、という道です(カナダの高校名や履修課程は公開部分では確認できませんでした)。「海外大学=IBやインター出身」というイメージがあると、最初から選択肢に入れないご家庭もあるかもしれません。ですが、ルートは一つではないんです。

一方で、連載ではカナダの高校への留学を当初「エージェントなし、知り合いなし」で進めたこと、大学選びでも高校から得られる情報だけでは足りず、自分たちで情報を取りにいく必要があったことが語られています。つまり、ルートを選べる自由がある分、情報集めの負担は家庭にかかりやすいということです。

オランダの大学の「入学資格」と「1年目の進級基準」

オランダの大学は英語で学べる課程が多く、日本からの進学先として名前を聞く機会も増えています。ただ、出願前に知っておきたい点があります。

オランダの教育制度を紹介する公的機関Nufficは、日本の高校卒業資格をオランダのHAVO(中等教育の一つの課程)の修了資格に相当すると比較しています。一方で、研究大学の学士課程に入るには、通常VWO(大学進学準備課程)の修了資格が必要だと説明しています。つまり、日本の高校を卒業しただけでは研究大学の入学資格を満たすとは限らず、大学・課程ごとの審査を確認する必要があるということです。

実際、アムステルダム大学の経営学の学士課程は、外国の資格についてVWOと同等の水準であることや、数学を最終試験科目として学んでいることを求めています。また、同大学の案内では、IBディプロマも出願資格の一つとして挙げられています。もちろんIBディプロマがあれば入学できるという意味ではなく、課程ごとの条件を満たす必要があります。

もう一つ知っておきたいのが、海外大学の進級の厳しさです。連載第3回には「退学寸前」という言葉がありますが、以下は大学公式案内による制度の参考説明であり、桃佳さんの入学当時に適用された基準は確認できていません。アムステルダム大学にはBinding Study Advice(BSA)という制度があり、学士課程1年目に必要な単位を取れないと、原則としてその課程を続けられません。2025年入学向けの大学公式案内では、経営学の課程は1年目の60ECのうち48EC以上が基準とされています(ECはヨーロッパ共通の単位制度で数える単位です)。2026–27年度に適用される基準は確認できていません。ただし、特別な個人的事情がある場合の延期・免除の制度も用意されています。

ポイント: 海外の大学は「入ってから」が大変な場合があります。合格だけでなく、1年目の進級ルールや、つまずいたときに頼れる学内の支援まで調べておくと安心です。

保護者への影響と今できる対応

連載を読むと、海外進学は「子どもが一人で決めて、一人で乗り越えるもの」ではないことが伝わってきます。高校選び、大学選び、大学でのピンチ、就職活動と、節目ごとに親子で情報を集め、話し合ってきた様子が描かれています。第4回の題名にある「あなたはできる」という言葉も、親の声かけが子どもの支えになった一例として紹介されています。

海外進学を少しでも考えているご家庭が、今からできることを図2とチェックリストにまとめました。

海外大学進学で先に確かめたい入学資格と進級基準のチェックリスト
図2:オランダの研究大学を例にした確認ポイント(Nuffic、アムステルダム大学公式サイト・UvA Magazinesより作成)
  • 出願資格を早めに確認: 日本の高校卒業資格、海外の高校の卒業資格、IBディプロマなど、志望する大学・課程で何が認められるかを確認しましょう。
  • 科目の要件を逆算: 数学などの科目要件がある課程では、高校での科目選択が出願資格に関わります。
  • 進級ルールを調べる: 1年目に必要な単位数と、届かなかった場合の扱いを確認しておきましょう。
  • 相談先を複数持つ: 鶴岡さんが知人の助言でオランダを知ったように、学校の進路指導以外の情報源があると選択肢が広がります。
  • 家計の見通しを立てる: 私費留学は家計への負担が大きくなります。高校段階から大学・大学院まで続く可能性を考えて計画しておきたいですよね。

なお、高校在学中の短期・中期の留学なら、文部科学省が官民協働で進める「トビタテ!留学JAPAN」の高校生等対象コースという選択肢もあります。最新の募集は2027年度(第12期)で、奨学金や留学準備金、事前・事後研修などの支援があります。ただし、日本の高校などに在籍したまま、探究活動を含む留学計画を立てて応募する仕組みで、鶴岡さんのように海外の高校へ進学する形とは別の制度です。

大切なこと: 入学資格や進級基準は、大学・課程・年度によって変わります。この記事の数値は2026年11月1日時点で公式サイトから確認したものです。出願を考える際は、必ず志望先の最新の公式情報を確認してください。

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まとめ

  • 公立中学からの海外進学: 鶴岡さん母娘は、日本の公立中学校卒業後、16歳でカナダの高校、その後オランダの大学・大学院へ進みました。
  • 情報は自分たちで集めた: カナダの高校への留学はエージェントや現地の知り合いなしで進め、大学選びでは知人の助言も得ながら自分たちで調べて進学先を決めたと語られています。
  • 入学資格は要確認: Nufficは日本の高校卒業資格をHAVO相当と比較しており、オランダの研究大学では大学・課程ごとの審査の確認が欠かせません。
  • 入学後の進級基準: アムステルダム大学の経営学では、2025年入学向けの公式案内では1年目に60ECのうち48EC以上が基準とされています(2026–27年度の基準は未確認)。
  • 親の関わり方: 節目ごとの情報集めと声かけが、子どもの挑戦を支えることが連載から伝わってきます。

出典・参考リンク

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