「うちも子どもに国際的な力をつけさせたい。でも英語教室も留学も、そんなにお金は出せない」――そんなふうに感じているご家庭は多いのではないでしょうか。共働きで平日はバタバタ、週末は習い事の送迎。時間もお金も限りがある中で、グローバル教育まで手が回らない、というのが正直なところですよね。
そんな中、2026年8月22日付のニュース配信に取り上げられていたのが、日経xwoman(日本経済新聞社)に掲載されているコラムニストの西山美紀さんによる連載「お金をかけず! 働く親も! おうちでグローバル子育て」です。全4回で、日本にいながら、大きな出費をせずに子どもの国際的な視野を育てた家庭の実例を紹介しています。
この記事では、この連載が伝えている考え方を手がかりに、日本の学校英語教育の現状や国際バカロレア(IB)が大切にしている姿勢もあわせて、ご家庭で今日から始められることを整理してお伝えします。
ニュースの概要
まず、正確な情報からお伝えします。この連載は2026年8月に新しく公開されたものではありません。日経xwomanの連載ページで確認したところ、2023年11月28日から2024年1月23日にかけて全4回で公開された連載です。一次データとなるニュース配信上では2026年8月22日付の項目として配信されていましたが、再配信の理由や経緯は確認できませんでした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 連載名 | お金をかけず! 働く親も! おうちでグローバル子育て |
| 媒体 | 日経xwoman(日本経済新聞社) |
| 執筆 | 西山美紀さん(コラムニスト・ファイナンシャルプランナー) |
| 公開時期 | 2023年11月28日〜2024年1月23日(全4回) |
| 主なテーマ | 費用をかけずに家庭で国際的な経験をつくる方法 |
連載で紹介されているのは、自宅で民泊を営みながら外国人との日常的な交流を子どもの学びにつなげた家庭や、共働きをしながら米国の高校生を1カ月半ホームステイで受け入れた家庭の体験です。共通しているのは、高額な教材や海外渡航ではなく、「暮らしの中に外国語と異文化が入ってくる状態」をつくったという点なんです。なお、一部の回は会員限定記事となっています。
ポイント:この連載は特定の教材や事業を推奨するものではなく、あくまで個別の家庭の体験談です。同じことをすれば同じ結果になるという性質のものではありませんので、ご自身の家庭に合う部分だけを取り入れるのが現実的です。
背景と解説
学校の英語はここまで進んでいます
「家庭でやらなきゃ」と焦る前に、まず学校で何を学んでいるかを押さえておきましょう。文部科学省の学習指導要領は2020年度(令和2年度)から全面実施されており、小学校の外国語教育は次のようになっています。
- 小学3・4年生:「外国語活動」として年間35単位時間。聞くこと、話すことを中心に、コミュニケーションの素地を育てます
- 小学5・6年生:教科としての「外国語」として年間70単位時間。聞く・読む・話す・書くの4技能を扱い、成績評価の対象になります
つまり、今の小学生は「5・6年生になると英語が通知表のつく教科になる」ということです。それ以前の制度では、小学5・6年生の外国語活動が年間35単位時間で必修とされていました。学ぶ量も開始学年も、保護者世代の記憶とはかなり変わっているんですね。
ここで大切なのは、家庭の役割は「学校の先取り」ではないという点です。学校が授業として体系的に教えてくれる部分があるからこそ、家庭では英語を使いたいと思う動機や、違う文化への関心を育てる方に力を注いだほうが、負担も少なくて済みます。
国際バカロレアが求めているのは英語力だけではありません
国際教育というと英語力の話になりがちですが、国際バカロレア(IB)が掲げている「IBの学習者像」を見ると、少し印象が変わります。文部科学省IB教育推進コンソーシアムが示している10の姿は次のとおりです。
- 探究する人/知識のある人/考える人/コミュニケーションができる人/信念をもつ人
- 心を開く人/思いやりのある人/挑戦する人/バランスのとれた人/振り返りができる人
お気づきでしょうか。ここに「英語ができる人」という項目はありません。「心を開く人」「挑戦する人」「コミュニケーションができる人」――こうした姿勢は、家庭での小さな体験の積み重ねからも育てられるものです。連載で紹介されている家庭の実践にも、IBの学習者像でいう「心を開く人」「挑戦する人」と重なる面があります。
ご注意ください:ホームステイの受け入れは、住環境や家族の同意、受け入れ団体との契約条件などを慎重に確認する必要があります。ご家庭の状況によっては向かない場合もありますので、無理のない範囲で検討してください。
保護者への影響と今できる対応
特に参考になるご家庭
この連載の考え方が役立つのは、次のようなご家庭ではないでしょうか。
- 英語教育に関心はあるが、インターナショナルスクールや長期留学は費用面で難しいと感じている
- 共働きで、送迎が必要な習い事をこれ以上増やせない
- 子どもがまだ小学生で、進路を決めるのは先だが、視野は広げておきたい
- 将来的にIB校や海外大学も選択肢に入れておきたいと考えている
今日から始められること
お金をかけない取り組みとして、連載では次のような工夫が紹介されています。ただし、負担の大きさは取り組みによってかなり違います。世界地図のように今日すぐ始められるものもあれば、留学生の受け入れのように事前の手続きや家族全員の合意、生活費や時間の負担が伴うものもあります。そこも含めて見ていきましょう。
- 世界地図を家に貼る:ニュースで国名が出たときに一緒に探すだけでも、世界が身近になります
- 中古の英語DVDや音源を活用する:新品の教材セットを買わなくても、音に触れる機会はつくれます
- 外国から来た人と接する機会を持つ:観光地や地域の国際交流イベントなど、日常の中に接点はあります
- 留学生の受け入れを検討する:渡航費をかけずに異文化と暮らせる方法ですが、負担は小さくありません。公益財団法人AFS日本協会の場合、家族全員が受け入れに賛成していることが応募の条件で、申込書を提出したあと各地域の担当者が家庭を訪問し、留学生との組み合わせを決めていきます。決定の連絡は通常、留学生が来日する1カ月前頃です。滞在中は、家族が一人増える分の食費(昼食代を含む)や光熱費などの生活費を受け入れ家庭が負担します
- 物価や生活習慣の違いを話題にする:買い物の値段の違いなど、身近な話題ほど子どもの記憶に残ります
ポイント:大切なのは「続けられる形にすること」です。頻度や方法に唯一の正解はありません。ご家庭の負担とお子さんの反応を見ながら、無理なく続けられる形を選んでいくのがよいのではないでしょうか。
進路として考えるときの視点
家庭での取り組みが子どもの関心につながってきたら、次の段階として国内のIB認定校や海外大学進学という選択肢も見えてきます。ただし、その判断は急がなくて大丈夫です。まずは、お子さんが外国語や異文化に対してどんな反応を示すのかを、家庭の中でゆっくり観察してみてください。関心が本物なら、進路の情報収集はそのあとからでも十分に間に合います。
まとめ
- 連載の位置づけ:日経xwomanの「お金をかけず! 働く親も! おうちでグローバル子育て」は、2023年11月28日から2024年1月23日に全4回で公開された西山美紀さんの連載です。2026年8月の新規公開ではありません
- 共通する考え方:高額な教材や海外渡航ではなく、暮らしの中に外国語と異文化が入ってくる状態をつくることが軸になっています
- 学校教育の現状:2020年度から小学3・4年で外国語活動が年間35単位時間、小学5・6年で教科としての外国語が年間70単位時間となっています
- IBが求める姿:IBの学習者像10項目に「英語ができる人」はなく、心を開く姿勢や挑戦する態度が重視されています
- 家庭でできること:世界地図を貼る、中古の音源を使う、外国から来た人と接する機会を持つなど、費用をかけずに続けられる形から始めるのが現実的です
グローバル教育は「お金をかけた家庭が勝つ競争」ではありません。日々の暮らしの中でどれだけ世界に目を向ける機会をつくれるか――そこにこそ、ご家庭ならではの工夫の余地があるのだと思います。無理のない一歩から、始めてみませんか。
出典・参考リンク
- 日経xwoman: お金をかけず! 働く親も! おうちでグローバル子育て(全4回・2023年11月28日〜2024年1月23日)
- 日経xwoman: お金をかけないグローバル子育て わが子はオランダの大学へ(2023年11月29日)
- 日経xwoman: 共働き家庭が留学生を受け入れ 英語通じた経験が子どもの自信に(2024年1月23日)
- 文部科学省: 学校教育法施行規則の一部を改正する省令(平成29年3月31日)別表第一・附則
- 文部科学省: 小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語活動・外国語編
- 文部科学省: 児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)別紙1 小学校及び特別支援学校小学部の指導要録に記載する事項等(2019年3月29日)
- 文部科学省: 小学校外国語活動サイト(平成23年度からの旧制度)
- 公益財団法人AFS日本協会: ホストファミリー FAQ よくある質問
- 文部科学省IB教育推進コンソーシアム: IBの概要(教育理念と学習者像)
- 国際バカロレア機構(International Baccalaureate): 公式サイト

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