全国学力調査が2027年度から全面CBTへ 公開されたサンプル問題で分かる解答形式と家庭の準備

全国学力調査CBTサンプル問題20問の教科別の主な解答形式 IB最新ニュース

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「来年の全国学力テストはパソコンで受けるらしい」と聞いて、「うちの子、キーボードで答えを書けるのかしら」と気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

2027年4月に行われる全国学力・学習状況調査(いわゆる全国学力テスト)は、小学6年生も中学3年生も、紙の冊子ではなく1人1台端末で問題を解く「CBT」に全面移行する予定です。これに合わせて、文部科学省と国立教育政策研究所が2026年10月9日、本番を想定したサンプル問題を公開しました。

この記事では、公開されたサンプル問題にどんな解答のしかたが入っているのか、どの学年のお子さまが対象になるのか、家庭でできる準備は何かを、文部科学省などの公式資料をもとに順番にお話ししますね。

ニュースの概要

教育新聞は2026年10月14日、「来年からCBTの全国学力調査 文科省がサンプル問題公開」と報じました。サンプル問題は、文部科学省のCBTシステム「MEXCBT(メクビット)」に搭載されています。問題と正答例のPDFは、国立教育政策研究所のウェブサイトでも誰でも見られる形で公開されています。

項目 内容
公開日 2026年10月9日(第1弾)
公開したところ 文部科学省・国立教育政策研究所
教科 小学校の国語・算数、中学校の国語・数学
問題数 小学校国語4問、小学校算数6問、中学校国語4問、中学校数学6問の計20問(教育新聞の報道)
問題のつくり 過去に出題された問題をもとに、本番で使われる可能性のある解答方式を一通り含めたもの
次の公開予定 特別な配慮が必要な児童生徒向けの問題(拡大文字・ルビ振り)を2027年1月頃に公開予定

教育新聞によると、中学校の数学では、プルダウンやクリック、ドラッグ&ドロップで答える問題に加えて、証明文の一部をキーボードで入力する問題も入っています。また国語のサンプル問題では、長い問題文を紙に印刷して別に配る形がとられています。本番の国語でも、紙による追加資料の配布などの工夫が検討されています。文部科学省の担当者は「サンプル問題を通して入力操作に慣れてもらえれば」と話したと報じられています。

実際に国立教育政策研究所のPDFを見ると、教科ごとにいろいろな答え方が用意されていることが分かります。主なものを図1にまとめました。

全国学力調査CBTサンプル問題20問の教科別の主な解答形式
図1:サンプル問題に入っている主な解答のしかた(国立教育政策研究所のサンプル問題(2026年10月9日)と教育新聞(2026年10月14日)より作成)

小学校の算数には動画を見てから答える問題があり、中学校の国語にはヘッドセットかイヤホンでスピーチの音声を聞いて答える問題があります。紙のテストにはなかった形なので、お子さまが初めて見ると少し戸惑うかもしれませんね。

ポイント:サンプル問題と正答例のPDFは、国立教育政策研究所のページから誰でも見られます。PDFはMEXCBTの画面のイメージを紹介する資料なので、「本番ではこんな画面で解くんだ」と親子で確かめるのに向いています。

背景と解説

3年かけて段階的に進んできたCBT化

全国学力調査のCBT化は、一度に切り替わったわけではありません。教科の調査では、2025年度は中学校の理科だけを、2026年度は中学校の英語だけをCBTで実施しました。2026年度からは、小学校の児童質問調査(生活や学習についてのアンケート)もMEXCBTで行われています。そして2027年度に、全国学力調査はCBTに全面移行する予定です。図2に流れをまとめました。

全国学力調査のCBT化の3段階(2025年度・2026年度・2027年度)
図2:全国学力調査のCBT化の流れ(文部科学省「CBTでの実施について【概要】(令和8年6月改定)」より作成)

ここで気をつけたいのが「全面移行」の意味です。2027年度に行う教科は、小学校が国語・算数、中学校が国語・数学で、これらの教科調査と質問調査をすべてMEXCBTで行う、ということです。理科や英語は3年に1回程度の実施とされていて、2027年度の対象教科には入っていません。

CBTとIRTってどういうこと?

CBTは「Computer Based Testing」の略で、つまり紙の代わりに端末の画面で問題を読み、画面の上で答える方式ということです。GIGAスクール構想で整備された1人1台端末と学校のネットワークを使います。

もう一つのキーワードが「IRT(項目反応理論)」です。問題の難しさなどと、子どもの学力を分けて考える統計の考え方で、違う日に違う問題を解いても結果を比べられるようにする仕組みなんです。つまり、全国の子どもが同じ日に同じ問題を解かなくてもよくなる、ということですね。文部科学省は、複数の問題セットを用意して子どもごとに割り当て、IRTで分析すること、問題の一部は非公開にして翌年度以降も使うこと、という方向性を示しています。

2025年度の中学校理科では、学校などにはIRTスコア、生徒一人ひとりには5段階の「IRTバンド」で結果が示されました。2027年度の結果の返し方について、文部科学省の資料では「IRTスコアや分布をベースに適切な粒度で分析した」結果を返すとしていますが、個人票の具体的な形はまだ確認できませんでした。

ちなみに、IB(国際バカロレア)のMYP(中等教育プログラム)にも、最終学年に画面上で受ける試験(on-screen examinations)があります。こちらは学校が選んで受ける任意の外部評価ですが、IBでも画面上の試験が取り入れられているんですね。

保護者への影響と今できる対応

対象は今の小学5年生と中学2年生

年度は4月始まりなので、2027年4月の調査を受けるのは、2026年10月の今、小学5年生と中学2年生のお子さまです。文部科学省が示している予定では、中学校は4月13日(火)から16日(金)、小学校は4月20日(火)から23日(金)の期間に、学校ごとに日を分けて実施します。調査の時間は、小学校の国語・算数がそれぞれ45分程度、中学校の国語・数学がそれぞれ50分程度とされています。図3にまとめました。

2027年4月の全国学力調査の対象学年と実施予定期間
図3:今の学年と2027年4月の調査の予定(文部科学省の事務連絡(2025年10月3日)と【概要】(令和8年6月改定)より作成)

各学校がどの日に受けるかは、ネットワークの負担を分散するために、教育委員会や学校の都合を踏まえて文部科学省が決めることになっています。予備日に加えて、その後に「後日実施」の期間も設けられる予定で、欠席や機器のトラブルで受けられなかった子のほか、自宅など学校の外での実施にも柔軟に対応する方針です。

注意:ここで紹介した日程はすべて「予定」です。文部科学省の事務連絡では、2026年12月に策定予定の「実施要領」で正式に決まるとされています。お子さまの学校の実施日は、学校からのお知らせで確認してくださいね。

家庭でできる準備チェックリスト

全国学力調査は、国や教育委員会が教育の成果と課題を確かめ、学校が指導の改善に生かすための調査です。特別な受験対策というより、「画面で解く形式に慣れておく」くらいの気持ちで構えてよさそうです。

  • 国立教育政策研究所のページで、サンプル問題のPDFを親子で一度眺めてみる
  • 学校の端末でサンプル問題に取り組む機会があるか、学校からのお知らせを確認する
  • キーボードなどでの文字入力に、ふだんの学習の中で少しずつ慣れておく
  • 中学2年生のお子さまには、国語で音声を聞いて答える問題が出る予定だと伝えておく
  • 拡大文字やルビが必要なお子さまは、配慮版の問題(2027年1月頃公開予定)について学校に相談する

なお、MEXCBTは学校や家庭で使えるしくみとして作られていますが、実際に画面の上でサンプル問題を解くには、学校から配られたアカウントでログインするのが基本とみられます。家庭で練習できるかどうかは学校の運用によるので、気になる場合は担任の先生に聞いてみるとよいでしょう。

ポイント:国語の記述問題は、答えをキーボードなどで入力し、入力した文字数が画面に表示される形です。紙に書くのと違い、「書きながら考える」より「考えてから打つ」場面が増えるかもしれません。ふだんの宿題で端末を使うときに、短い文章を入力してみる練習が役立ちそうです。

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まとめ

  • 2027年度から全面CBTへ: 小学6年生の国語・算数、中学3年生の国語・数学と質問調査を、すべて1人1台端末で行う予定です
  • サンプル問題20問が公開: 2026年10月9日に、選択・プルダウン・ドラッグ・キーボード入力・音声・動画などの解答形式を含む問題が公開されました
  • 対象は今の小5と中2: 中学校は4月13日から16日、小学校は4月20日から23日に分散して実施する予定です
  • 日程は12月に正式決定: 2026年12月策定予定の実施要領で決まるため、学校からの案内を確認しましょう
  • 家庭では操作に慣れる程度で: サンプル問題のPDFを親子で見て、文字入力に少しずつ慣れておくと安心です

出典・参考リンク

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