はじめに:古都京都で育む国際的な学習者
京都インターナショナルスクール(KIS)は、1957年に創立された京都府唯一のIB(国際バカロレア)PYP認定校として、68年にわたって国際教育の最前線を歩み続けています。
「Inspiring active learners, developing global citizens」のビジョンのもと、古都京都の伝統文化と最先端の国際教育を融合──この独自のアプローチにより、真のグローバル市民を育成し続けています。
本記事では、日本最古級のインターナショナルスクールの一つとして歩んできた歴史と、2026年までにK-12完全IB校への発展を目指す革新的な取り組みについて詳しく解説します。
学校概要:68年の歴史を誇る京都の国際教育拠点
基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
正式名称 | 京都インターナショナルスクール |
英語名称 | Kyoto International School (KIS) |
創立年 | 1957年 |
学校種別 | インターナショナルスクール(非営利法人) |
在校生数 | 105名(2024年現在) |
対象年齢 | 2歳~Grade 10(現在)、2026年にGrade 12まで拡張予定 |
公式サイト | https://kis.ac.jp/ |
2つのキャンパス体制
2024年より、京都インターナショナルスクールは2つのキャンパスで運営される体制となりました:
キャンパス | 対象 | 電話番号 |
---|---|---|
十楽キャンパス(Juraku Campus) | Early Years・Primary | 075-451-1022 |
体験キャンパス(Taiken Campus) | Middle School・高等部 | 075-334-8209 |
歴史的意義と発展の軌跡
京都インターナショナルスクールは、1957年の創立以来68年間にわたって京都の国際教育を牽引してきました:
- 1957年:京都に日本最古級のインターナショナルスクールとして創立
- 1997年:WASC(西部地域学校・大学認定協会)認定取得
- 2006年:IB PYP(初等教育プログラム)認定取得
- 2024年:体験キャンパス開設、2キャンパス体制開始
- 2025年8月:Grade 11開設予定
- 2026年8月:Grade 12開設、K-12完全IB校完成予定
国際バカロレアPYP認定校としての特色
京都市唯一のIB PYP認定校
京都インターナショナルスクールは、2006年にIB PYP認定を取得し、京都市内で唯一のIBプライマリー・イヤーズ・プログラム認定校として確固たる地位を築いています。
認定項目 | 詳細 | 特色 |
---|---|---|
PYP認定年 | 2006年 | 京都市内唯一の認定校 |
対象年齢 | 3歳~11歳(Early Years~Grade 5) | 探究型学習の基礎構築 |
学校の種類 | IB World School・IB Continuum School | 将来のMYP・DP連続性 |
PYPプログラムの実践内容
京都インターナショナルスクールのPYPは、以下の要素を中心とした包括的な教育プログラムです:
6つの教科領域
- 言語(Language):英語を中心とした言語能力の体系的育成
- 算数(Mathematics):数学的概念の理解と問題解決スキル
- 理科(Science):科学的思考と探究スキルの発達
- 社会科(Social Studies):多文化理解と社会的スキル
- 芸術(The Arts):創造性と表現力の開発
- 体育(Personal, Social & Physical Education):心身の健康と社会性
6つの学際的テーマ
PYPの特色である探究単元(Units of Inquiry)は、以下の学際的テーマに基づいて構成されます:
- 私たちは何者か(Who we are):自己理解とアイデンティティ
- 私たちはどのような場所と時代にいるのか(Where we are in place and time):時空間の理解
- 私たちはどのように自分を表現するか(How we express ourselves):表現とコミュニケーション
- 世界はどのような仕組みになっているか(How the world works):科学技術と自然の仕組み
- 私たちは自分をどう組織しているか(How we organize ourselves):社会システムの理解
- この地球を共有するということ(Sharing the planet):環境と共生
2026年K-12完全IB校への発展計画
京都インターナショナルスクールは、2026年8月までにK-12完全IB校への発展を計画しています:
年度 | 新設プログラム | 対象学年 | 意義 |
---|---|---|---|
2025年8月 | Grade 11開設 | 高校2年相当 | IB DP準備段階 |
2026年8月 | Grade 12開設・DP認定予定 | 高校3年相当 | K-12完全IB校完成 |
教育理念とビジョン
学校のビジョンとミッション
京都インターナショナルスクールは、明確な教育理念のもとで一貫した国際教育を実践しています:
ビジョン(Vision)
「Inspiring active learners, developing global citizens」
積極的な学習者を育成し、グローバル市民を育てることを使命としています。
教育の中核価値
- 個別化学習(Personalized Learning):一人ひとりの学習スタイルと能力に応じた教育
- 包括的コミュニティ(Inclusive Community):多様性を尊重し、すべての生徒が安心して学べる環境
- 全人的発達(Holistic Development):学術・社会・感情面のバランスのとれた成長
- 国際的視野(International-mindedness):世界的な視点と異文化理解の促進
古都京都との融合
京都の地で68年間教育を行ってきた同校は、日本の伝統文化と国際教育の融合という独自の特色を持っています:
文化的学習環境
- 日本文化理解:茶道、書道、日本の季節行事の体験
- 歴史的環境:京都の寺社仏閣、文化遺産を活用した現地学習
- 多文化共生:国際的な視点と日本的価値観の調和
- 地域連携:京都の地域コミュニティとの密接な関係
国際認定と教育の質保証
WASC認定の意義
京都インターナショナルスクールは、1997年にWASC(西部地域学校・大学認定協会)認定を取得し、教育の質を国際的に保証されています:
認定機関 | 認定年 | 意義 |
---|---|---|
WASC | 1997年 | アメリカ大学進学資格の保証 |
COBIS | 取得済み | 英国系国際学校ネットワーク |
IB Organization | 2006年(PYP) | 国際的教育水準の保証 |
三重認定の価値
WASC・COBIS・IBの三重認定により、以下の価値が保証されています:
- 国際的通用性:世界各国の大学への進学資格
- 教育の質:厳格な外部評価による品質保証
- 継続的改善:定期的な認定更新による教育向上
- グローバルネットワーク:世界の認定校との連携
カリキュラム構成と学習段階
段階別プログラム構成
京都インターナショナルスクールは、発達段階に応じた包括的なカリキュラムを提供しています:
Early Years(2-4歳)
特色:遊びを通じた学習と基礎的社会性の育成
- 言語発達の促進(英語イマージョン環境)
- 社会性・感情発達のサポート
- 創造性と好奇心の育成
- 基本的生活習慣の確立
Primary School(Grade 1-5、5-11歳)
特色:IB PYPプログラムによる探究型学習
- 6つの学際的テーマに基づく探究単元
- 学習者プロファイルの育成
- 英語・数学・理科の体系的学習
- 芸術・体育・ICTスキルの開発
Lower Secondary(Grade 6-10、11-16歳)
特色:MYP準備とアカデミックスキルの発展
- 批判的思考力の向上
- 独立した学習スキルの開発
- 高等教育準備プログラム
- リーダーシップとサービス学習
Upper Secondary(Grade 11-12、2025-2026年開設予定)
特色:IB DP(ディプロマプログラム)による大学準備教育
- 6科目群からの選択履修
- 課題論文(Extended Essay)
- 知識の理論(Theory of Knowledge)
- 創造性・活動・奉仕(CAS)
少人数制教育の利点
105名という小規模校の利点を最大限に活用した教育を実践しています:
- 個別指導:教師と生徒の密接な関係による個別サポート
- 参加型学習:すべての生徒が積極的に参加できる環境
- コミュニティ感:家族的な温かい学校文化
- 柔軟性:生徒のニーズに応じたプログラム調整
国際的な学習環境と多様性
多国籍学習コミュニティ
京都インターナショナルスクールは、真の国際的学習環境を提供しています:
生徒の多様性
- 多国籍構成:世界各国出身の生徒が在籍
- バイリンガル・マルチリンガル:様々な言語的背景
- 文化的多様性:異なる文化的価値観の共存
- 帰国生受入:海外生活経験者の積極的受入
国際的な教職員構成
- ネイティブ英語教員:質の高い英語教育の提供
- IB認定教員:専門的なIB教育の実践
- 多国籍教職員:多様な教育的背景とアプローチ
- 継続的研修:最新の国際教育手法の習得
言語教育プログラム
国際的環境において、効果的な言語教育を実施しています:
英語教育
- EAL(English as an Additional Language):英語学習者への専門的支援
- 学術英語:高等教育レベルの英語運用能力育成
- 文学・ライティング:批判的読解と創造的表現
日本語教育
- 母語維持:日本人生徒の日本語力向上
- JSL(Japanese as a Second Language):外国人生徒への日本語指導
- 文化理解:日本文化と言語の一体的学習
施設・設備と学習環境
2キャンパスの特色ある施設
2024年より2つのキャンパス体制となり、それぞれが発達段階に適した学習環境を提供しています:
十楽キャンパス(Juraku Campus)
対象:Early Years・Primary(2-11歳)
- 安全な学習環境:幼児・児童の安全を最優先に設計
- 探究スペース:PYP探究活動に適した多目的教室
- 創造的学習エリア:アート・音楽・演劇活動用スペース
- 屋外活動エリア:自然と触れ合える安全な校庭
体験キャンパス(Taiken Campus)
対象:Middle School・High School(11-18歳)
- アカデミック施設:高度な学習に対応した教室設備
- 科学実験室:理科・STEM教育用の専門設備
- ICT環境:最新技術を活用した学習環境
- プレゼンテーション設備:発表・討論用の多目的ホール
学習を支える設備・サービス
- 図書館・メディアセンター:英語・日本語の豊富な蔵書
- スクールランチ:栄養バランスを考慮した給食サービス
- スクールバス:京都市内主要エリアからのアクセス
- 学習支援センター:個別学習サポートの提供
土曜日クラスと特別プログラム
サタデースクールプログラム
京都インターナショナルスクールでは、外部生向けの土曜日クラスを提供しています:
対象年齢 | プログラム内容 | 目的 |
---|---|---|
3-12歳 | 英語イマージョン学習 | 国際感覚の育成 |
幼児クラス | 遊びを通じた英語学習 | 言語習得の基礎作り |
小学生クラス | PYP要素を取り入れた探究学習 | 批判的思考力の発達 |
サマープログラム
例年6-7月に実施されるサマープログラムでは、集中的な国際体験を提供:
- 集中英語コース:短期間での英語力向上
- 文化交流活動:京都の伝統文化と国際文化の体験
- STEM活動:科学・技術・工学・数学の実践的学習
- アート・クラフト:創造性と表現力の育成
進学実績と卒業後の進路
多様な進路選択
京都インターナショナルスクールの卒業生は、国際的な教育基盤を活かして多様な進路を選択しています:
海外大学進学
- アメリカ:WASC認定による大学進学資格を活用
- イギリス・カナダ・オーストラリア:英語圏の主要大学
- ヨーロッパ:IB認定を活用した欧州の大学
- アジア太平洋:シンガポール、香港等の国際的大学
国内進学
- 国際系大学:国際教養大学、上智大学等
- 私立難関大学:早稲田大学、慶應義塾大学等
- 国立大学:帰国生入試・AO入試の活用
- 関西圏大学:関西学院大学、同志社大学等
K-12完全IB校完成後の進学展望
2026年のIB DP認定完了後は、さらに幅広い進学選択肢が期待されます:
- IBディプロマによる直接進学:世界トップクラス大学への道
- 国内IB入試:国内大学のIB特別入試活用
- 二重資格:IB資格と日本の高校卒業資格の並行取得
- 専門分野進学:6年間の一貫教育による専門性の深化
入学案内と選考プロセス
入学要件と選考方法
京都インターナショナルスクールでは、多様な背景を持つ生徒を受け入れています:
項目 | 内容 |
---|---|
入学時期 | 年3回(8月・1月・4月) |
必要書類 | 入学申請書、成績証明書、推薦状 |
選考方法 | 面接、学力評価、行動観察 |
言語要件 | 英語能力(EALサポートあり) |
求める生徒像
同校が求める生徒の特質は以下の通りです:
- 学習意欲:積極的に学習に取り組む姿勢
- 国際的関心:多文化環境への適応力
- 協調性:多様なコミュニティでの協働能力
- 成長志向:挑戦と成長への前向きな態度
- 責任感:学習と行動への責任ある取り組み
EAL(English as an Additional Language)サポート
英語が第二言語の生徒に対する充実したサポート体制:
- 段階別英語指導:能力に応じた個別プログラム
- 専門教員:EAL認定教員による専門指導
- 統合的学習:教科学習と英語学習の統合
- 進度管理:定期的な能力評価と指導計画調整
学費・費用と経済支援
学費構造
京都インターナショナルスクールは非営利法人として、教育の質を重視した学費設定を行っています:
費用項目 | 備考 |
---|---|
入学金 | 詳細は学校にお問い合わせください |
年間授業料 | 学年により異なります |
施設費・教材費 | 年額で徴収 |
スクールランチ | 月額制(任意) |
※最新の学費については、学校公式サイト(https://kis.ac.jp/)または直接お問い合わせください。
非営利法人としての教育投資
非営利法人として、すべての収入を教育の質向上に再投資しています:
- 教員研修:国際的な教育研修への参加支援
- 施設整備:最新の学習環境の継続的改善
- プログラム拡充:新しい教育プログラムの開発
- 奨学金制度:経済的困難な家庭への支援
保護者・コミュニティとの連携
保護者参加の重視
京都インターナショナルスクールでは、保護者との密接な連携を重視しています:
保護者の学校参加
- 定期面談:学習進度と成長の共有
- 学校行事:文化祭、運動会等への積極的参加
- ボランティア活動:学校運営へのサポート
- 保護者会活動:教育方針の共有と協議
家庭での学習支援
- 学習ガイダンス:家庭学習の効果的方法
- 言語環境:バイリンガル環境作りのサポート
- 文化的活動:国際的体験の家庭での継続
地域コミュニティとの関係
68年間の歴史の中で築いた地域との深い関係:
- 地域行事参加:京都の伝統行事への参加
- 文化交流:地域住民との相互理解促進
- 社会貢献:地域ボランティア活動への参加
- 施設開放:地域への教育資源の提供
よくある質問(FAQ)
Q1. 入学時に英語力はどの程度必要ですか?
A: 完璧な英語力は必要ありません。EAL(English as an Additional Language)プログラムにより、英語学習者をサポートします。重要なのは学習意欲と国際的環境への適応力です。
Q2. 日本語教育はどのように行われますか?
A: 日本人生徒には母語維持のため、外国人生徒にはJSL(Japanese as a Second Language)として日本語教育を提供します。京都という立地を活かし、日本文化と一体的に学習します。
Q3. Grade 12まで拡張後の大学進学資格は?
A: 2026年のK-12完全IB校完成後は、IBディプロマによる世界各国の大学への直接進学が可能になります。また、WASC認定によりアメリカの大学進学資格も保証されます。
Q4. 土曜日クラスから正規入学への道筋は?
A: 土曜日クラスは学校の教育方針を理解し、英語力を向上させる良い機会です。サタデースクール参加者も正規入学の際は同様の選考プロセスを経ますが、学校への適応性を示す一つの要素となります。
Q5. 京都という立地の教育的利点は?
A: 京都の豊富な文化遺産と伝統文化は、国際教育に独特の深みを与えます。寺社仏閣、美術館、伝統工芸等を活用した現地学習により、日本文化への理解と国際的視野を同時に育成できます。
Q6. 少人数制のメリットは具体的には?
A: 105名という規模により、教師は各生徒の学習スタイル、興味、能力を詳細に把握できます。これにより個別化された指導が可能となり、学習者一人ひとりが最大限の成長を達成できます。
Q7. 転校生や途中入学への対応は?
A: 年3回の入学機会(8月・1月・4月)があり、転校生も歓迎します。個別評価により適切な学年への配置を行い、必要に応じて学習サポートを提供します。
まとめ:伝統と革新が織りなす国際教育の未来
京都インターナショナルスクールの価値
京都インターナショナルスクールは、68年の歴史と伝統を基盤として、2026年K-12完全IB校への発展という革新的な取り組みを進める、まさに過去と未来を結ぶ学校です:
1. 確立された教育の質
- 1957年創立の長い歴史と信頼
- WASC・COBIS・IBの三重認定による品質保証
- 京都市内唯一のIB PYP認定校としての地位
- 少人数制による個別化された質の高い教育
2. 独特な文化的融合
- 古都京都の伝統文化と最先端国際教育の融合
- 日本的価値観とグローバル視野の調和
- 多国籍コミュニティでの多文化理解
- 地域に根ざした国際的学習環境
3. 将来への発展性
- 2026年K-12完全IB校完成への明確な道筋
- 2キャンパス体制による充実した学習環境
- IBディプロマによる世界各国大学への進学可能性
- 継続的な教育投資による品質向上
グローバル市民育成への貢献
京都インターナショナルスクールは、「Inspiring active learners, developing global citizens」のビジョンのもと、21世紀に必要な人材を育成し続けています:
- 探究心:生涯にわたって学び続ける姿勢
- 国際性:文化的多様性を理解し尊重する心
- 責任感:地球市民としての社会的責任
- 創造性:革新的思考と問題解決能力
- コミュニケーション力:多様な人々との効果的な協働
入学をお考えの保護者の皆様へ
京都インターナショナルスクールは、お子様の知的好奇心を刺激し、国際的視野を育み、確かな学力を身につける環境を提供します。
68年間にわたって京都の地で育まれてきた教育の伝統と、これから実現される完全IB校としての革新性。この両方を兼ね備えた学校で、お子様が真のグローバル市民として成長されることを、私たちは心から応援しています。
古都京都の静寂な環境の中で、世界に通用する教育を受け、多様な文化的背景を持つ友人たちと切磋琢磨し、生涯にわたって活用できる学力と人間性を育む──そんな教育体験が、ここにあります。
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※本記事の情報は2025年6月時点のものです。最新情報については、必ず学校公式サイト(https://kis.ac.jp/)をご確認ください。
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