はじめに:大阪の国際教育界に新たな革命をもたらした統合新設校の奇跡
大阪府守口市の新たな教育拠点として2022年4月に誕生した大阪国際中学校・高等学校。この学校は、大阪国際滝井高等学校と大阪国際大和田中学校・高等学校の発展的統合により創設された、まさに現代の教育ニーズに応答する革命的な教育機関です。
本校最大の特色は、大阪府で唯一の英語による国際バカロレア・ディプロマプログラム(IBDP)を提供する一条校(学校教育法第1条に規定する学校)であることです。これは、日本の高校卒業資格を取得しながら、同時に世界標準の国際バカロレア資格を英語で学べるという、関西圏では他に類を見ない教育システムを意味します。
パナソニック工場跡地に建設された最新鋭の校舎は「学校全体が図書館」というコンセプトで設計されており、校内95ヶ所に散りばめられた「言葉のサイン」が学習環境を演出しています。この革新的な教育環境の中で、最大15名の少人数制クラスによる濃密な国際教育が展開されているのです。
学校概要:90年以上の教育実績を基盤とした最新国際教育機関
基本情報
- 正式名称:大阪国際中学校・高等学校
- 英語名称:Osaka International Junior and Senior High School
- 設立年:2022年4月(統合新設)
- 所在地:〒570-8787 大阪府守口市松下町1番28号
- 学校種別:私立中高一貫共学校(一条校)
- 設置者:学校法人大阪国際学園
- IBプログラム:ディプロマプログラム(DP)認定校
- 生徒数:中学校・高等学校合計約800名
- 教職員数:約80名(外国人教員多数含む)
歴史的背景:1929年から続く教育伝統と2022年の革新的統合
大阪国際中学校・高等学校の教育的基盤は、1929年(昭和4年)に設立された「帝国高等女学校」にまで遡ります。この長い歴史を持つ教育機関は、太平洋戦争後の1948年に学制改革による新制高校「帝国学園高等学校」(後の大阪国際滝井高等学校)として再出発し、1965年には「帝国女子大学」(後の大阪国際女子大学)、1988年には「大阪国際大学」を設立するなど、一貫して国際教育の先駆者として歩み続けてきました。
統合に至る歴史的経緯
- 1929年:帝国高等女学校設立(教育機関としての起源)
- 1948年:帝国学園高等学校開校(現在の源流)
- 1988年:大阪国際大学開学(高等教育機関として発展)
- 2022年4月:大阪国際滝井高等学校と大阪国際大和田中学校・高等学校を発展的統合
- 2022年4月:パナソニック工場跡地の新校舎で大阪国際中学校・高等学校として新設開校
この統合は単なる学校再編ではありません。90年以上にわたって蓄積された教育ノウハウと、最新の国際教育理念を融合させた、まさに「温故知新」を体現する教育改革だったのです。両校の優れた教育実践を統合し、さらに国際バカロレア教育を核とした世界標準の教育システムを構築することで、関西圏の国際教育における新たなベンチマークを確立しました。
国際バカロレア・ディプロマプログラム:大阪府唯一の英語IBDP一条校の実現
大阪国際中学校・高等学校のIBDPプログラムは、関西圏の国際教育において革命的な意義を持っています。なぜなら、大阪府で唯一、英語による国際バカロレア・ディプロマプログラムを提供する一条校(学校教育法第1条に規定する学校)だからです。これは、日本の高校卒業資格と国際バカロレア資格を同時に取得できる、極めて希少で価値の高い教育システムを意味します。
IBDPプログラムの特色
- 認定状況:国際バカロレア機構(IBO)認定の正式なDP校
- 使用言語:英語(一部科目を除く)
- クラス規模:最大15名の少人数制
- 学年構成:3年間のカリキュラム(1年次:準備期間、2-3年次:DP履修)
- 二重資格:日本の高校卒業資格とIBディプロマの同時取得
カリキュラム構成(2-3年次IBDP期間)
IBDPでは、6つの教科群から各1科目を履修し、加えて3つのコア科目を学習します:
6つの教科群
- グループ1:言語と文学(母語・日本語)
- グループ2:言語習得(外国語・英語等)
- グループ3:個人と社会(歴史、地理、経済学、心理学等)
- グループ4:数学(数学AA、数学AI)
- グループ5:理科(物理、化学、生物、環境システムと社会等)
- グループ6:芸術(音楽、美術、演劇等)
3つのコア科目
- TOK(Theory of Knowledge:知識の理論):批判的思考力と哲学的探究力を養成
- EE(Extended Essay:課題論文):4,000語の独立研究論文作成
- CAS(Creativity, Activity, Service:創造・活動・奉仕):課外活動を通じた全人的成長
教育システム:1年次準備期間から3年次完成まで
1年次:IBDP準備期間
1年次では、日本の高校卒業資格に必要な科目を学習しながら、同時にIBDPの準備教育を実施します。この期間は、英語による授業に慣れ親しみ、IBの学習方法論を身につけるための重要な基盤作りの時期です。特に、日本語による教育から英語による国際教育への橋渡しとして、段階的な言語移行支援が行われます。
2-3年次:IBDP本格履修期間
2年次からは本格的なIBDPカリキュラムに移行し、一部の科目を除いて英語による授業となります。この期間の最大の特色は、従来の講義中心の授業から、グループワーク、エッセイ作成、プレゼンテーション等の探究型学習への転換です。生徒は能動的な学習者として、自ら問いを立て、調査し、分析し、発表するという一連のプロセスを通じて、21世紀に求められる確かな学力を身につけていきます。
多様な学習方法論
- 探究型学習:生徒主導の調査研究プロジェクト
- 協働学習:多様な背景を持つ生徒同士の議論と協力
- 批判的思考:複数の視点から物事を分析する能力の育成
- 異文化理解:グローバルな視野と地域の特性の両立
- 言語運用能力:英語と日本語の高度なバイリンガル教育
国際的教育環境:外国人教員と多様性豊かな学習空間
大阪国際中学校・高等学校のIBDPプログラムは、真の国際教育環境を実現するために、多国籍の教員陣と最新の教育施設を整備しています。
国際的教員体制
校内には多数の外国人教員が常駐しており、各国の教育的背景と専門知識を活かした指導が行われています。また、英語を話す司書も配置されており、日常的に英語でのコミュニケーションが可能な環境が整備されています。これにより、生徒は教室を出てからも自然に英語を使用する機会に恵まれ、実践的な国際感覚を身につけることができます。
「学校全体が図書館」コンセプト
新校舎は「学校全体が図書館」という革新的なコンセプトで設計されており、キャンパス全体が学びの場となるよう工夫されています。特筆すべきは、校内95ヶ所に散りばめられた「言葉のサイン」です。これらは教育的な名言や格言、多言語での表現等で構成されており、生徒が日常的に言語と思想に触れる機会を提供しています。
最新の学習環境
- 多目的ラーニングスペース:グループワークと個別学習の両方に対応
- 国際図書館:多言語資料と電子リソースの充実
- ICT環境:1人1台のデバイス環境とクラウド学習システム
- 理科実験室:IBの理科科目に対応した最新実験設備
- アート施設:創造性を育む美術・音楽・演劇スペース
入学制度:15名限定の厳選された国際教育プログラム
大阪国際中学校・高等学校のIBDPプログラムは、質の高い教育を保証するために極めて選抜性の高い入学制度を採用しています。
募集要項(2025年度)
- 募集定員:15名(海外帰国生徒特別入試・海外在住者対象オンライン入試含む)
- 試験日:2025年2月10日(月)8:30開始
- 試験会場:大阪国際中学校・高等学校
- 出願資格:2010年4月1日以前に生まれた者
語学力要件
- 英語力:英検2級レベル(CEFR B1)以上の英語運用能力
- 日本語力:日本語能力試験N2レベル以上(日本語を母語としない場合)
対象となる志願者
- 日本の中学校を卒業見込み、または卒業した者
- インターナショナルスクールで9年生を修了した者
- 日本人学校海外校で中学校課程を修了した者
- 現地校またはインターナショナルスクールで9年生を修了した者
選考方法
- 英語エッセイ:60分間・100点(論理的思考力と英語表現力を評価)
- 数学:30分間・50点(基礎的数学力の確認)
- 個人面接:英語・日本語・15分間・50点(人格と学習意欲を評価)
- グループディスカッション:英語・30分間・50点(協調性と議論力を評価)
費用・経済支援:質の高い国際教育への投資価値
IBDPプログラムの年間総費用は1,874,000円と、質の高い国際教育に見合う金額設定となっていますが、各種支援制度も充実しています。
年間総費用詳細(2025年度)
- 入学金:500,000円
- 授業料:564,000円
- 教育充実費:86,000円
- IBコース費:250,000円
- 諸費用:450,000円
- PTA会費:24,000円
- 合計:1,874,000円
経済支援制度
- 国の就学支援金:対象世帯に対する授業料支援
- 大阪府授業料支援補助金:府内在住者への追加支援
- 特待生制度:優秀な生徒に対する学費減免
- 奨学金制度:経済的支援が必要な生徒への援助
進路実績:国内外トップ大学への扉を開く卓越した実績
大阪国際中学校・高等学校のIBDPプログラムは、国内外の約2,000校の大学で国際バカロレア資格が認められており、卒業生は世界レベルの高等教育機関へ進学しています。
国内主要大学進学実績
- 国立大学:東京大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、大阪市立大学
- 私立大学:早稲田大学、慶應義塾大学、同志社大学、立命館大学、関西学院大学
- 専門大学:国際基督教大学、上智大学、立命館アジア太平洋大学
海外大学進学実績
- アメリカ:ハーバード大学、スタンフォード大学、MIT、イェール大学
- イギリス:オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、ロンドン大学
- カナダ:トロント大学、マギル大学、ブリティッシュコロンビア大学
- オーストラリア:メルボルン大学、シドニー大学、オーストラリア国立大学
IB特別入試対応大学
日本国内では60以上の大学が、IBディプロマ取得者に対する特別入試を実施しています。これには、IB入試、総合型選抜(旧AO入試)、推薦入試等が含まれ、従来の一般入試とは異なる多様な入学機会が提供されています。
教育理念:「人間をみがく」教育の実践
大阪国際中学校・高等学校の教育は、「人間をみがく」という建学の精神に基づいています。これは単なる学力向上ではなく、知識・技能・思考力・判断力・表現力、そして主体性・多様性・協働性を包含した全人的な成長を目指すものです。
IBの学習者像との融合
国際バカロレアの学習者像(IB Learner Profile)と本校の教育理念は高度に融合しており、以下の10の資質を持つ人材育成を目指しています:
- 探究する人:好奇心を育み、探究・研究するスキルを身につける
- 知識のある人:幅広くバランスのとれた学習を通じて概念的理解を深める
- 考える人:複雑な問題を分析し、責任ある行動をとるために批判的・創造的に考える
- コミュニケーションができる人:複数の言語で自信を持って創造的に自分を表現する
- 信念をもつ人:誠実かつ正直に、公平な意識と尊厳をもって行動する
- 心を開く人:異なる視点、価値、伝統を評価し、多様な経験から学ぶ
- 思いやりのある人:共感、思いやり、尊重を示し、奉仕することで人々の生活と環境を改善する
- 挑戦する人:慣れ親しんでいない状況に思慮深く取り組み、新しい役割、アイデア、戦略に挑戦する
- バランスのとれた人:知的、身体的、情緒的なバランスの重要性を理解する
- 振り返りができる人:学習と経験について思慮深く考え、自分の長所と限界を理解する
地域社会との連携:守口市と関西圏の国際教育拠点として
大阪国際中学校・高等学校は、守口市および関西圏の国際教育拠点として、地域社会との積極的な連携を図っています。
地域貢献活動
- 国際理解教育支援:近隣小中学校での国際理解授業サポート
- 多文化共生推進:地域の外国人住民との交流プログラム
- 文化イベント開催:国際文化祭や言語学習イベントの地域開放
- 企業連携プログラム:関西圏企業との国際ビジネス体験学習
大学との連携
系列の大阪国際大学をはじめ、関西圏の主要大学との連携により、高大接続プログラムや研究体験機会を提供しています。これにより、高校段階から大学レベルの学術的探究に触れることができ、将来の専門分野選択に向けた貴重な経験を積むことができます。
未来への展望:関西圏国際教育のハブ校としての使命
大阪国際中学校・高等学校は、2022年の開校からまだ短期間ですが、既に関西圏の国際教育において重要な役割を果たしています。特に、大阪府唯一の英語IBDP一条校として、今後さらなる発展が期待されています。
中長期的発展計画
- IBMYPプログラム導入検討:中学校段階でのIB教育拡充
- 国際交流プログラム拡大:世界各国のIB校との姉妹校提携
- 研究機能強化:IB教育研究拠点としての機能拡充
- 教員育成プログラム:関西圏のIB教員養成ハブ機能
- デジタル教育推進:最新技術を活用した次世代型学習環境
社会的使命
本校は、単なる進学実績の向上ではなく、グローバル社会で活躍できる真の国際人材育成を使命としています。多様な文化的背景を持つ生徒が共に学び、切磋琢磨する環境の中で、21世紀の課題解決に貢献できる人材を輩出することが、本校の最大の目標です。
まとめ:50校目記念にふさわしい革新的教育モデルの完成
大阪国際中学校・高等学校は、2022年の統合新設という新しい出発点から、既に関西圏の国際教育において確固たる地位を築いています。90年以上の教育実績を基盤とし、最新の国際バカロレア教育システムを導入した本校は、まさに「温故知新」を体現する革命的な教育機関と言えるでしょう。
大阪府唯一の英語IBDP一条校として、日本の高校卒業資格と国際バカロレア資格を同時取得できる希少な教育システム、最大15名の少人数制による濃密な指導、「学校全体が図書館」コンセプトの革新的校舎、多国籍教員による真の国際教育環境―これらすべてが融合して、他に類を見ない教育価値を創造しています。
年間1,874,000円という費用は決して安くありませんが、世界トップレベルの大学への進学実績、バイリンガル教育による高度な言語運用能力、グローバル社会で求められる21世紀型スキルの習得を考えれば、極めて価値の高い教育投資と言えるでしょう。
本校が目指すのは、単なる学力向上ではありません。「人間をみがく」教育理念のもと、知識・技能・思考力・判断力・表現力、そして主体性・多様性・協働性を包含した全人的成長こそが、本校教育の真の価値なのです。
50校目の記念すべき学校として、大阪国際中学校・高等学校は、関西圏ひいては日本の国際教育における新たなベンチマークとして、今後ますます重要な役割を果たしていくことでしょう。統合新設から始まった新しい歴史は、まさにこれから本格的な展開を迎えようとしています。
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