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「高校の3年間を、海と山に囲まれた島で過ごしてみたい」。お子さまからそんな言葉が出て、驚きながらも気になっているご家庭もあるのではないでしょうか。海外留学とは違う「国内の島への進学」は身近に感じられる一方で、入試の仕組みや寮生活の様子が分かりにくいですよね。
東京都教育委員会は2026年10月7日、「島外生徒受入事業」のページを更新し、2027年4月入学(令和9年度)に向けて、都立大島高等学校と都立神津高等学校が島外からの生徒を募集することを案内しました。同じ日に、大島町と神津島村が行う選考の日程も報道発表されています。
この記事では、東京都教育委員会と大島町・神津島村の公式資料で確認できた内容をもとに、募集条件、入学までの流れ、寮の費用、保護者として確かめておきたい点を順番にお話ししますね。対象になるのは、2026年10月の時点で中学3年生のお子さまです。
ニュースの概要
発表したのは東京都教育委員会(教育庁)です。2026年10月7日付で「島外生徒受入事業」のページが更新され、あわせて報道発表「大島町及び神津島村における島外生徒受入選考の実施について」が公開されました。
島外生徒受入事業は、島外に住む都内の生徒を、島しょの都立高校に受け入れる取組です。都教委は、島しょの町村と協力して平成28年度からこの事業を進めていると説明しています。応募できる住所の範囲は町村ごとに決められていて、のちほど「応募できるのはどんな生徒?」でご紹介します。2027年4月入学に向けた募集内容は次のとおりです。
| 項目 | 大島町 | 神津島村 |
|---|---|---|
| 進学先 | 都立大島高等学校(全日制 普通科、併合科〔農林科・家政科〕) | 都立神津高等学校(全日制 普通科) |
| 募集人数 | 6名程度(男子3名程度、女子3名程度) | 4名程度(男子2名程度、女子2名程度) |
| 受入先 | 町営学生寮「星海寮」 | 村営学生寮「しらすな寮」 |
| 事前問い合わせ | 2026年10月13日(火)〜10月23日(金) | 2026年10月19日(月)〜10月29日(木) |
| 書類の提出 | 11月4日(水)必着 | 11月9日(月)必着 |
| 面接選考 | 11月28日(土)〜12月1日(火) | 12月5日(土)〜12月8日(火) |
| 結果の通知 | 12月8日(火)までに郵送(町の実施要項) | 12月15日(火)までに郵送(村の実施要項) |
結果の通知について、都教委の報道発表では両町村とも「12月中旬」と書かれています。大島町の実施要項では「12月8日までに郵送」となっていて表現が異なるため、事前問い合わせの際に確かめておくと安心です。

ここが大事:町村の「島外生徒受入選考」に合格しても、それだけで高校への入学が決まるわけではありません。選考の合格で得られるのは、2027年2月21日(日)の学力検査に出願する資格です。そのあと都立高校の入学者選抜に合格して、はじめて入学が決まります。
背景と解説
「選考」と「入試」の2段階になっている理由
島外に住む中学生が島の高校に通うには、島での住まいが必要になります。そこで、学生寮を運営する町や村が、まず「寮に受け入れる生徒」を選考します。都教委はこの選考を、高校ごとの入学者選抜(学力検査)に先立って島しょの町村が独自に実施するものと説明しています。つまり、第1段階は町村による寮への受入れの選考、第2段階は高校に入るための入試ということです。
入学までの流れを図1にまとめました。都教委のリーフレットによると、町村の選考に合格したあとは、2027年1月29日(金)〜2月4日(木)に入学願書を提出し、2月21日(日)に学力検査、3月1日(月)に合格発表という日程です。出願資格を得たあとは、一般的な都立高校の入学者選抜(学力による選抜)と同じ内容だと説明されています。
なお、町村のページでは「令和8年度 島外生徒受入選考」という名前になっています。これは選考を行う年度(2026年度)で呼んでいるためで、募集しているのは令和9年度(2027年4月)の新1年生です。
応募できるのはどんな生徒?
大島町の募集ページと実施要項では、対象は「島外に住所を有する令和9年度の新1年生」で、ここでいう島外は大島町以外の都内(大島町以外の島しょを含む)とされています。神津島村の実施要項では、「島しょ以外の東京都内又は都立高校未設置の東京都の島しょ地域に住所を有する令和9年度の新1年生」が対象です。どちらも都内に住所があることが前提になっています。
求める生徒像として、両町村とも、心身ともに健全であること、欠席・遅刻・早退が少なく基本的な生活習慣が身についていて共同生活ができること、寮や学校、社会のルールを守れることなどを挙げています。学力だけでなく、「親元を離れて集団で暮らせるか」が見られる選考なんです。
選考は提出書類と面接で行われます。提出するのは、志願書、島外生徒受入に関する調書、自己紹介シート、志願理由書(400字詰め原稿用紙で大島町は2枚程度、神津島村は2枚以内)、世帯全員が記載された住民票謄本の写しの原本です。神津島村は書類選考とグループによる集団面接、大島町は応募者が多い場合に書類による第1次選考を行うとしています。面接は両町村とも東京23区内で行われ、都教委のリーフレットでは会場は島しょ会館(港区)と案内されています。
寮の費用はどちらも月額40,000円
気になる費用ですが、実施要項によると、星海寮もしらすな寮も月額40,000円です。住居費、光熱水費、1日3食の食事が含まれていて、町や村からの補助を差し引いたあとの金額だと書かれています。神津島村の要項には、洗剤などの日用品費は各自の負担になるとも記載されています。2校の条件は図2で比べられます。

また、どちらの要項にも、高校に在校する生徒の医療費(保険診療分)について無料・無償の制度があると書かれています。要件や手続きは各役場への問い合わせが必要です。一方で、帰省のための船や飛行機の交通費は要項に記載がありません。寮の費用とは別にかかるものとして、家計の見通しに入れておきたいですね。
これまでの応募状況と学校の様子
都教委が公開している過去の選考実績を図3にまとめました。2026年度(令和8年度)入学では、大島町が応募27名に対して合格6名、神津島村が応募18名に対して合格4名でした。単純に割ると、どちらも合格者1人に対して応募者が4.5人という計算になります。

学校の様子は、都教委の資料「令和8年度 島しょ地区の都立高校」で紹介されています。大島高校は令和8年度に全日制と定時制を合わせて110名が在籍し、全日制は海外学校間交流推進校に指定されていて、ハワイ島のヒロ高校との交流が紹介されています。都教委のリーフレットによると、星海寮は令和7年に完成し、令和8年度の入学生から島外生徒の受入れが始まりました。
神津高校は48名が在籍する学校で、海でのシュノーケリングやダイビングを行う「Marine Day」などの行事があります。神津島では平成28年度から離島留学生を受け入れていて、同じ資料では13名の留学生がしらすな寮から通学していると書かれています。都心からの距離は伊豆大島が120kmほど、神津島が180kmで、どちらも調布飛行場からの航空便や竹芝桟橋からの船で結ばれています。
保護者への影響と今できる対応
今回の募集の対象は、都内に住所がある中学3年生です。「自然の中でのびのび学びたい」「新しい環境で挑戦したい」というお子さまにとっては、海外へ出なくても親元を離れて自立を経験できる選択肢になります。ただ、15歳で寮に入るのは親としても勇気がいる決断ではないでしょうか。応募を考えるなら、次の点を早めに確認しておきましょう。
- 事前問い合わせの期間:メールで申し込んだうえで、電話での確認が必須です。大島町はメール受付が10月23日(金)正午まで、神津島村は10月29日(木)午後5時までに電話確認まで済ませる必要があります
- 書類の準備:志願理由書は400字詰め原稿用紙で大島町が2枚程度、神津島村が2枚以内。住民票謄本は世帯全員が記載されたものを用意します
- 都内の高校との併願計画:町村の選考結果が出るのは12月です。合格しなかった場合や、学力検査で合格できなかった場合の進路も、中学校の先生と相談しておきましょう
- 寮の生活ルール:門限や帰省、スマートフォンの扱い、部屋割りなどは実施要項に書かれていません。神津島村は合格者説明会(12月19日)で入寮に関する契約を説明するとしています。大島町の合格者説明会は12月25日の予定です
- 費用の全体像:寮の費用(月額40,000円)のほかに、日用品、帰省の交通費、学校で必要な費用を確認します
併願はできません:大島町と神津島村の選考は、どちらか1町村にしか応募できません。学科や島の環境、寮の様子を比べて、お子さま自身が「ここで暮らしたい」と思える島を選ぶことが大切です。
学校や寮を実際に見ておきたい場合、都教委のリーフレットでは、大島町は学生寮の個別見学を随時受け付けていて、学校の個別見学は大島高校・神津高校とも随時受付中と案内されています。神津島村の今年度の学生寮見学会は終了したとのことです。
中学1・2年生のご家庭へ:都教委のページでは、一部の島しょ町村が中学生向けの見学会を実施していると紹介されています。来年度以降の募集校や日程は毎年の発表で決まるので、興味があれば都教委と町村教育委員会のお知らせを定期的に確認しておくと動きやすいですよ。
ちなみに都教委のページでは、この事業以外で島しょの高校(全日制)に進学する方法も紹介されています。入学日までに保護者の1人以上とともに島しょへ転居する方法、都内の中学生が入学日までに島しょ在住の身元引受人となり得る6親等以内の親族と同居する方法、大島海洋国際高校に入学して寮生活をする方法の3つです。
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まとめ
- 2027年4月入学の募集校は2校: 東京都教育委員会は2026年10月7日、都立大島高校(大島町・6名程度)と都立神津高校(神津島村・4名程度)が島外からの生徒を募集すると案内しました
- 選考と入試の2段階: 町村の島外生徒受入選考(書類・面接)に合格すると出願資格が得られ、2027年2月21日の学力検査に合格して入学が決まります
- 事前問い合わせが必須: 大島町は2026年10月13日〜23日、神津島村は10月19日〜29日。メールと電話の両方が必要で、2町村の併願はできません
- 寮の費用は月額40,000円: 住居費・光熱水費・1日3食込みで、町や村の補助を差し引いた金額です。帰省の交通費などは別に考えておきましょう
- 寮のルールは要確認: 生活の細かな決まりは実施要項に書かれていないため、教育委員会や合格者説明会で確かめることが大切です


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