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「うちの子、今の学校だとなかなか自分を出せていないみたい」「地方の高校に進学する島留学って、実際どうなんだろう」――そんなふうに考えたことのあるご家庭も、少しずつ増えているのではないでしょうか。都道府県の枠を越えて地方の公立高校へ進む「国内留学」が、静かに注目を集めています。
朝日新聞出版のAERA with Kids+が、神奈川県の公立中学校から島根県・隠岐諸島の高校へ島留学し、卒業後は鹿児島県・喜界島で働く道を選んだ女性の歩みを紹介しました。記事の中で本人は、中学時代の自分を「二軍の下のほう」だったかもしれないと振り返っています。
この記事では、その体験談の要点を整理したうえで、島留学を考えるご家庭が気になる「転居後の住まいや学習環境」「進路の選び方」を、学校や自治体の公式ページで確認できた範囲でお伝えしますね。
ニュースの概要
今回の記事は、AERA with Kids+の連載「未来の学びは地方から始まる」の一本です。文と写真は教育エディターの江口祐子さんが担当しています。公式な制度の発表ではなく、一人の若者への取材記事という点を押さえておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 媒体 | AERA with Kids+(朝日新聞出版。AERA DIGITALのサイト内で配信) |
| 公開日 | 記事ページの表示は2026年7月15日(別途、提供RSSの掲載日時:2026年11月4日04:18〈日本時間。UTCでは11月3日19:18〉。元記事の公開日とは異なります) |
| 取材された人 | 市川萌笑(もえ)さん(記事掲載時22歳) |
| 歩み | 神奈川県の公立中学校 → 島根県立隠岐島前高等学校 → 卒業後、喜界島で地域おこし協力隊 |
記事によると、市川さんは中学時代、授業中に手を挙げることも発言することもなく、「明るくて目立つ子が評価される空気」の中で自信を持てなかったそうです。転機は中学3年生の夏。県内の高校を見て回っていたときに、「地域みらい留学」のパンフレットを偶然手にし、「国内留学」という言葉に惹かれたといいます。
合同説明会を経て、母親と一緒に隠岐島前高校のオープンスクールに参加したところ、最初に「3年後、どんな姿になっていたいですか?」と問われて驚いたと語っています。それまでの学校説明会では大学合格者数の話が多かった、と記事は伝えています。流れは図1にまとめました。

高校1年の頃はあらゆるプロジェクトに手を挙げて「完全にパンク」し、2年になって「本当にやりたいことだけでいい」と思えるようになったそうです。コロナ禍の中で、「恩送り」の仕組みを持つレストラン「カルマキッチン」を仲間と開いた経験も紹介されています。
卒業後は大学に進まず、喜界島の地域おこし協力隊に応募しました。喜界町の「サンゴ留学」のコーディネーターという仕事に関心があったことなど、いくつもの縁が重なったと記事は伝えています。任期を終えた今は、パッションフルーツ農家のもとで働きながら、地域のPR活動にも関わっているそうです。
読み違えに注意:見出しの「神奈川〜隠岐〜喜界島」は、高校を2回移ったという意味ではありません。市川さんが島留学したのは隠岐島前高校で、喜界島へは高校卒業後に「働く人」として移っています。喜界高校の「サンゴ留学」には、運営を支える側として関わったという紹介です。
背景と解説
「地域みらい留学」と「しまね留学」
地域みらい留学は、一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォームが運営する仕組みで、住んでいる都道府県の枠を越えて全国の公立高校へ進学し、3年間をその地域で過ごすものです。公式サイトには、2026年11月4日の確認時点で190校が参加校として掲載されています。つまり、合同説明会や学校探しの「入り口」になる仕組みということです。
一方、島根県には県として「しまね留学」という窓口があります。県外の中学生が島根県の公立高校へ3年間入学する形と、高校2年の1年間だけ学ぶ「しまね高2留学」があります。大切なのは、入試の日程や出願の手続きは全国共通ではなく、都道府県や学校ごとに違うという点です。
隠岐島前高校の暮らしと学習環境
隠岐島前高校は、島根県隠岐郡海士町にある県立高校です。しまね留学の学校紹介によると、県外生徒の募集定員は令和8年度時点で3年留学が30人、高2留学が1人。住まいは4人部屋からの集団生活の寮で、ハウスマスターがいて、1年生には地域の方が見守る「島親」制度もあります。
費用について、同校の入学案内には令和8年度実績として、寮生は初年度入寮費10,000円(令和8年度実績)と、寮費・食費の月額54,000円(同)が別途必要と書かれています。なお同校の入学案内によると、高2留学は受け入れ対象となる在籍校に条件があります。学習面では、高校と連携した公立塾「隠岐國学習センター」で、個別面談に基づく自立学習の支援を受けられると紹介されています。「勉強の遅れが心配」というご家庭には、確認したいポイントですよね。
喜界町の「サンゴ留学」
喜界町の公式ページによると、「サンゴ留学」は高校生が3年間、町の指定する寮で暮らしながら鹿児島県立喜界高等学校に通い、喜界島サンゴ礁科学研究所でさまざまな分野を学ぶ制度です。令和5年4月に6名で始まり、令和8年4月時点で18名が留学しています。留学生になるには、町の入寮審査と、喜界高校の学力検査の両方に合格する必要があります。2つの制度の違いは図2にまとめました。

なお、記事では喜界島の人口を約6,000人、コンビニはなくスーパーは1軒と紹介しています。都市部とは暮らしの便利さがまったく違うことは、親子で事前に話し合っておきたいところです。
保護者への影響と今できる対応
この体験談でいちばん印象的なのは、進路を「どの大学に何人合格したか」ではなく、「3年後どうありたいか」で選んだという点ではないでしょうか。とはいえ、15歳で親元を離れるのは大きな決断です。気持ちの面と、手続きや費用の面を分けて考えると整理しやすくなります。
まず時期の確認です。いま(2026年11月)中学3年生のお子さんは、2027年4月の入学、つまり令和9年度の入学者選抜が対象になります。隠岐島前高校については、令和9年度の日程は島根県教育委員会の入学者選抜情報で確認できます(令和9年度の入学者選抜実施要綱や県外からの出願についてのQ&Aも掲載されています)。喜界高校の令和9年度の日程は、今回確認した範囲では見つけられませんでした。いずれも必ず最新の公式情報で確かめてください。中学1・2年生のご家庭は、説明会やオープンスクールで情報を集める時期と考えるとよさそうです。
ポイント:しまね留学のよくある質問によると、島根県外から島根県の公立高校を受検する場合は、島根県内に住む身元引受人が必要です。原則は祖父母やおじ・おばなどの親族ですが、県内に親族がいない方を支援する制度を設けている高校も多く、該当者がいない場合は各学校に相談するよう案内されています。
検討を始めるときに確認したいことを、チェックリストにしました(図3)。

- 出願の条件:県外からの受検手続き、身元引受人の要否、特色選抜の条件
- 住まいと費用:寮費・食費・入寮費が何年度の金額か、自治体の補助があるか
- 見守り体制:ハウスマスターや島親など、生活面で頼れる大人がいるか
- 学習・進路の支え:公立塾や個別面談など、大学進学にも就職にも対応できるか
- 日程と選考:説明会、入寮審査、学力検査の順番と時期
注意:今回の記事は一人の体験談です。島留学をすれば必ず自信がつく、という意味ではありません。市川さんも高校1年で「パンク」した時期があったと語っています。合う・合わないは子どもによって違うので、本人が実際に島を訪れ、自分の言葉で「行きたい」と言えるかを大切にしたいですね。
また、市川さんは高校卒業後にすぐ大学へ進まず、「先に就職をして自分に足りないものがわかってから学び直しをしてもいい」と考えたと記事は伝えています。これも一つの選択肢であって、島留学の卒業生の多くがそうするという話ではありません。各校の進学実績や進路支援は、説明会で直接聞いてみるのがいちばん確実です。
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まとめ
- 記事の内容: AERA with Kids+が、神奈川から隠岐島前高校へ島留学し、卒業後に喜界島で働く女性の歩みを紹介しました
- 進路の選び方: 「どうありたいか」で学校を選んだ経験が、その後の進路の考え方にもつながったと語られています
- 暮らしと学習環境: 隠岐島前高校は寮生活で、令和8年度実績の寮費・食費は月54,000円。ハウスマスター、島親、公立塾の支えがあります
- 手続き: 島根県外からの受検には県内の身元引受人が原則必要。喜界町のサンゴ留学は入寮審査と学力検査の両方に合格が必要です
- 次の一歩: 令和9年度の日程は各校の最新要項で確認し、親子で説明会やオープンスクールに参加してみましょう
出典・参考リンク
- AERA with Kids+: 「二軍の下のほう」だった中学生を変えた島留学という選択 神奈川~隠岐~喜界島で“自分らしい進路”を見つけるまで(2026年7月15日)
- 島根県立隠岐島前高等学校: 入学希望の皆さんへ(2026年11月4日確認)
- しまね留学: 島根県立隠岐島前高等学校の学校紹介(2026年11月4日確認)
- しまね留学: よくある質問(2026年11月4日確認)
- 島根県教育委員会: 高校入学者選抜関連情報(2026年11月4日確認)
- 喜界町: サンゴ留学(2026年11月4日確認)
- 一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォーム: 地域みらい留学 公式サイト(2026年11月4日確認)


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