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「円安で海外留学はもう無理なのかな」「逆に、日本で学びたい外国の子は増えているって聞くけれど本当?」――お子さまの進学先を考えるとき、為替のニュースが気になるご家庭も多いのではないでしょうか。海外駐在中で、日本への帰国進学を考えている方にとっても、他人事ではない話題ですよね。
日本経済新聞は2026年11月5日、外国人留学生が日本で支払った授業料や生活費が2025年度に過去最高となり、日本人留学生が海外で支払った額の3.8倍に膨らんだと報じました。国の統計に、日本に学びに来る人と海外へ出る人の「お金の流れ」の差がはっきり表れた形です。
この記事では、報道の中身と、財務省・日本銀行・文部科学省・JASSO(日本学生支援機構)の公表資料で確かめられた数字を整理し、ご家庭でどう受け止めればよいかを一緒に考えていきます。
ニュースの概要
日本経済新聞の報道によると、財務省の2025年度の国際収支統計で、外国人留学生が日本で支払った金額は前年度比25%増の6,847億円でした。統計をさかのぼれる2014年度以降で最も多く、日本人留学生が留学先で支払った額の3.8倍にあたるとされています。2025年度とは、2025年4月から2026年3月までの1年間のことです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 報道 | 日本経済新聞(2026年11月5日) |
| もとになった統計 | 財務省の2025年度の国際収支統計(報道による) |
| 外国人留学生が日本で支払った額 | 6,847億円(前年度比25%増、2014年度以降で最高) |
| 日本人留学生が海外で支払った額との比 | 3.8倍 |
日本人留学生が海外で支払った額そのものは、記事の公開部分では最後まで確認できませんでした。6,847億円を3.8で割ると計算上は1,800億円前後になりますが、これは本記事での概算で、正確な金額は報道本文や統計で確かめる必要があります。
見出しにある「円安で明暗」は日経の見立てです。外国の方にとっては日本で学ぶ費用が割安に感じられやすく、日本の家庭にとっては海外の授業料や生活費が円に直すと高くなりやすい、という構図を指しているとみられます。

背景と解説
「国際収支」の中の留学のお金とは
国際収支統計は、日本と海外とのお金のやりとりを記録する国の統計で、日本銀行が作成し、財務省と共同で公表しています。日本銀行の説明では、留学生が支払う授業料や生活費などは、サービスの「旅行」の中の「教育」という項目に入ります。つまり、外国人留学生が日本の学校に払う授業料や、日本で暮らすための家賃・食費などが、統計上は「海外からの受け取り」として数えられるということです。
長期の留学生の支出は、「一人当たりの支出額×留学生の数」をもとに推計されます。日本に来る留学生についてはJASSOの調査、海外に出る日本人については文部科学省の資料が主な基礎になっています。
財務省の「令和7年度中 国際収支状況(速報)」を見ると、2025年度の旅行の受取は9兆6,979億円、支払は3兆1,234億円でした(2024年度は受取8兆7,816億円、支払2兆1,828億円)。今回の6,847億円は、この旅行の受取の中に含まれる一部分です。訪日観光の話題に隠れがちですが、学びのための滞在も大きなお金の流れになっていることがわかります。図1にまとめました。
人数で見ても「受け入れ」が伸びている
人数の面でも傾向は似ています。JASSOの調査では、2025年5月1日時点の外国人留学生は408,069人で過去最多でした。この数には大学などの高等教育機関に加え、日本語教育機関の留学生も含まれます。
一方、日本の大学等が把握した日本人学生の海外留学者数は、2024年度で91,054人でした。過去最多は2018年度の115,146人で、まだその水準には戻っていません。なお、文部科学省は海外の機関の統計(ユネスコなど)に基づく主に長期の留学者数として、2023年統計の50,139人も公表しています。こちらは集計の対象や方法が違うため、91,054人と同じ物差しで比べないよう注意してくださいね。
政府は2023年4月の教育未来創造会議の第二次提言で、2033年までに外国人留学生の受け入れを40万人、日本人の海外留学を50万人とする目標を掲げています。50万人の中には、高校段階での留学も含まれています。そのため、大学等が把握した91,054人とは集計の対象が異なり、この数字だけで目標との差をそのまま測ることはできません。受け入れの40万人も同じで、大学・専門学校・日本語学校等の38万人と高校段階の2万人を合わせた数です。高校段階を含まないJASSOの408,069人とは、対象が異なる点に注意が必要です。人数と目標の関係は図2のとおりです。

ポイント:外国人留学生の数(2025年5月1日時点)は40万人の目標の水準を上回っています。ただし40万人の目標は高校段階の2万人を含むため、厳密には同じ対象での比較ではありません。一方、大学等が把握した日本人の海外留学者数は2024年度で91,054人です。高校段階も含む50万人の政府目標とは集計対象が異なるため直接は比べられませんが、受け入れの伸びに比べて送り出しは過去最多の水準に戻っていません。金額の「3.8倍」は、こうした人数の動きにも重なるといえそうです。
保護者への影響と今できる対応
この数字は国全体の統計なので、すぐにご家庭の進路が変わるわけではありません。ただ、「海外に出るときの費用感」と「日本で学ぶ環境の変化」の両方を考えるきっかけにはなりそうです。
海外への留学・進学を考えているご家庭
円安の局面では、同じ授業料でも円に直した負担が大きくなりがちです。海外の大学やサマースクール、高校留学を検討している場合は、パンフレットの現地通貨の金額だけで判断せず、最新の為替で円に直した総額を見積もっておくと安心です。為替は先が読めないため、円高・円安のどちらに動いても払えるよう、少し余裕を持たせた資金計画にしておくのがおすすめです。
先ほどの政府目標には高校段階の留学も含まれているため、短期の留学や交換留学など、費用を抑えた選択肢を調べてみるのも一つの方法ではないでしょうか。奨学金や支援制度は年度ごとに条件が変わるので、必ず最新の募集要項で確認してください。
日本で学ぶことを考えているご家庭
海外駐在から帰国して日本の学校に進む場合や、国内でIB(国際バカロレア)などの国際的な教育を選ぶ場合も気になるところですが、今回の統計は大学などの高等教育機関と日本語教育機関の集計です。この統計から国内の小中高校段階のIB校の環境変化は判断できません。多様な背景の生徒と学べる環境や交流機会は、志望校ごとに確認しましょう。大学の場合も、大学によっては留学生の比率や英語で学べる授業の数が大きく違うので、オープンキャンパスなどで実際の様子を確かめてみてください。

確認しておきたいことを、図3とあわせてチェックリストにまとめました。
- 希望する進学先・留学先の授業料、寮費、生活費を円に直した総額で比べたか
- 為替が動いたときに、どこまでなら負担できるかを家族で話し合ったか
- 授業料の支払い時期や送金の回数を確認したか
- 給付型の奨学金や、短期・高校段階の留学支援を調べたか
- 国内の国際教育・IB校や、留学生の多い大学の学びの環境も比べたか
注意:今回の6,847億円や3.8倍は、日本経済新聞が財務省の統計をもとに報じた数字で、本記事では報道の公開部分で確認しました。為替の動きや統計の改定で数字は変わることがあります。「円安だから留学はやめるべき」「日本で学ぶほうが得」と単純に決めつけず、お子さまの目的に合わせて判断することが大切です。
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まとめ
- 過去最高の6,847億円: 2025年度に外国人留学生が日本で支払った授業料・生活費は前年度比25%増で、2014年度以降で最高と報じられています
- 海外に出る日本人の3.8倍: 日本人留学生が海外で支払った額との差が広がり、日経は「円安で明暗」と伝えています
- 人数でも受け入れが伸びる: 外国人留学生は2025年5月1日時点で408,069人と過去最多、日本人の海外留学は2024年度で91,054人です
- 費用は円で見積もる: 海外進学を考えるなら、為替の幅も含めた資金計画と、奨学金や短期留学の情報収集を早めに始めましょう
- 学校ごとの確認を: 統計は高等教育機関・日本語教育機関の集計なので、小中高校段階の学習環境や交流機会は志望校ごとに確かめましょう
出典・参考リンク
- 日本経済新聞: 訪日留学生の支出6800億円、海外の日本人の3.8倍 円安で明暗(2026年11月5日)
- 財務省: 令和7年度中 国際収支状況(速報)(2026年5月13日)
- 日本銀行: 国際収支関連統計 項目別の計上方法(2026年11月5日確認)
- JASSO: 2025年度外国人留学生在籍状況調査結果(2026年11月5日確認)
- JASSO: 2024年度日本人学生留学状況調査結果(2026年11月5日確認)
- 文部科学省: 「外国人留学生在籍状況調査」及び「日本人の海外留学者数」等について(2026年11月5日確認)
- 文部科学省: 第6回教育未来創造会議(2023年4月27日)
- 日本学術振興会: 教育未来創造会議 第二次提言の概要(掲載資料、2026年11月5日確認)

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