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「子どもが大学に進んだら、毎月いくら送ればいいのかしら」。進学が近づくにつれて、学費だけでなく暮らしのお金が気になってくる、というご家庭も多いのではないでしょうか。
朝日新聞の大学情報サイト「Thinkキャンパス」が2026年10月17日、日本学生支援機構(JASSO)の調査をもとに、大学生の収入の内訳を解説する記事を公開しました。収入に占める家庭からの支援の割合が5割ほどまで下がり、アルバイト収入の割合が上がった、という内容です。
この記事では、JASSOが公表した調査資料で数字を確かめながら、進学前のご家庭が押さえておきたいポイントを整理します。海外駐在中で、お子さんだけが日本の大学に進む予定のご家庭向けの注意点もまとめました。
ニュースの概要
記事のもとになっているのは、JASSOの「令和6年度(2024年度)学生生活調査」です。2年に1度行われる調査で、今回は2024年11月に実施され、調査対象8万2,593人のうち1万2,659人が回答しました(回収率15.3%)。結果は2026年3月31日に公表されています。数値は、回答をもとに全国の学生全体を推計したものです。
大学学部(昼間部)の学生の年間収入は平均203万100円で、前回の2022年度調査から3.2%増えました。内訳を前回と比べたのが次の表です。
| 収入の内訳 | 2022年度調査 | 2024年度調査 |
|---|---|---|
| 家庭からの支援 | 109万6,900円(55.8%) | 102万9,700円(50.7%) |
| 奨学金 | 40万7,600円(20.7%) | 43万7,500円(21.6%) |
| アルバイト収入 | 37万5,900円(19.1%) | 50万7,700円(25.0%) |
| 定職・その他 | 8万7,000円(4.4%) | 5万5,200円(2.7%) |
| 合計 | 196万7,400円 | 203万100円 |
家庭からの支援は金額でも割合でも減り、アルバイト収入は13万1,800円増えています。図1にまとめました。

支出も増えています。学費と生活費を合わせた「学生生活費」は2024年度調査で平均201万9,100円となり、前回より10.7%の増加です。このうち学費は122万1,800円、食費や住居費などの生活費は79万7,300円で、生活費は17.7%増えました。
朝日新聞の記事によると、JASSOの担当者は「物価高の影響で生活費が増えています。仕送りする保護者の側も苦しく、学生自身がアルバイトで対応するしかないのではないでしょうか」と推測しています。
背景と解説
アルバイトは「学業を続けるため」の面も
調査前の1年間にアルバイトをした学生は86.4%で、前回より2.6ポイント増えました。また、学生全体の35.1%が「家庭からの支援だけでは修学がやや困難・非常に困難」または「支援なし」と答えたうえでアルバイトをしています(前回31.5%)。つまり、家庭からの支援だけでは修学が難しい(または支援がない)と回答し、アルバイトをしている学生が約3人に1人いるということです。
何らかの奨学金を受けている学生は51.1%で、前回より3.9ポイント減ったものの、2人に1人が利用しています。受給者のうち83.0%はJASSOの奨学金のみの利用でした。悩みについての質問では、「経済的に勉強を続けることが難しい」に「大いにある」「少しある」と答えた学生が合わせて22.6%、「希望の就職先や進学先へ行けるか不安だ」は68.9%でした。
住まいと設置者で、年額は2倍以上の差
学生生活費は、国公立か私立か、自宅から通うか一人暮らしかで大きく変わります。平均では私立が216万300円、国立が157万7,100円。下宿・アパートなど(以下、アパート等)に住む学生は234万2,900円、自宅から通う学生は180万1,300円でした。

図2のとおり、最も高い「私立・アパート等」は年268万9,100円で、「国立・自宅」の120万2,600円の2倍以上です。同じ大学進学でも、進学先と住まいの組み合わせで家計への影響がこれだけ変わるんですね。
「仕送り」の数字は調査ごとに違う
JASSOの集計項目は「家庭からの支援」という年額で、毎月の仕送りの額そのものとは限りません。月々の仕送りについては、全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)が2026年2月24日に公表した「第61回学生生活実態調査」が参考になります。2025年10〜11月の調査で、概要報告は指定した30の大学生協・1万3,277人分を集計しています。
それによると、下宿生の1か月の収入は13万8,070円で、うち仕送りが7万4,652円(54.1%)、アルバイトが3万7,620円、奨学金が1万9,515円でした。仕送りが0円の下宿生も9.2%います。調査の対象や方法が違うため、JASSOの数値と直接比べないようにしましょう。
ポイント:JASSOの調査では、収入の半分ほどを家庭からの支援、4分の1をアルバイト、2割強を奨学金でまかなうのが平均的な姿です。「仕送りだけで暮らす」という学生像は、平均で見るともう当てはまりにくくなっています。
保護者への影響と今できる対応
大学進学を控えるご家庭にとって、今回の数字は「学費のほかに生活費をどう組み立てるか」を考える材料になります。あくまで平均値なので、お子さんの進学先や住まいに合わせて読み替えることが大切です。確認したい点を図3にまとめました。

家庭で話し合っておきたいこと
- 住まいの想定: 自宅通学か一人暮らしかで、年額の平均は50万円以上違います
- 家庭から出せる額: 毎月の送金に加え、入学時や引っ越しの費用も含めて上限を決めておく
- アルバイトの位置づけ: 授業や課題の時間を削りすぎない範囲を親子で共有する
- 奨学金の種類: 返済不要の給付型か、返済が必要な貸与型か。貸与型は卒業後の返済まで見通す
使える支援制度を早めに確認
文部科学省の「高等教育の修学支援新制度」は、授業料・入学金の減免と、返済不要の給付型奨学金を組み合わせた制度です。2025年度からは、扶養する子どもが3人以上いる「多子世帯」の学生について、所得制限なく、国が定める上限まで大学等の授業料・入学金が減免されています。大学の上限は、国公立が授業料年54万円・入学金28万円、私立が授業料年70万円・入学金26万円です。減免を希望する場合も、JASSOの給付奨学金に申し込む形になります。
注意:多子世帯かどうかは「きょうだいが3人いるか」ではなく、「扶養している子どもが3人以上いるか」で判断されます。所得制限がなくても学業などの要件はあり、給付奨学金を受けられるかどうかは世帯の所得などで別に判定されます。
海外駐在中のご家庭・インター出身の場合
ご家族が海外に残り、お子さんだけが日本で一人暮らしを始める場合は、図2の「アパート等」の金額がひとつの目安になります。
JASSOの奨学金の予約採用(進学前に申し込む方法)は、在学中または卒業後2年以内の学校を通じて申し込むのが基本です。気をつけたいのは、進学後に申し込む在学採用の給付奨学金の資格ページで、「高等学校等」はインターナショナルスクールや在外教育施設等を含まないと明記されている点です。一方で、外国で12年の課程を修了した人や、文部科学大臣が認定した在外教育施設の課程を修了した人などの区分も設けられています。海外の学校やインターナショナルスクールから日本の大学を目指す場合は、どの区分に当たるのか、JASSOや進学先の大学に早めに確認しておくと安心ですよ。
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まとめ
- 収入の内訳が変化: JASSOの2024年度調査で、大学生の収入に占める家庭からの支援は50.7%に下がり、アルバイト収入は25.0%に上がった
- 生活費が増加: 学生生活費は平均201万9,100円で前回比10.7%増。生活費は17.7%増えた
- 住まいで大きな差: 私立・アパート等は年268万9,100円、国立・自宅は120万2,600円
- 支援制度は早めに確認: 多子世帯の授業料等減免も、JASSOの給付奨学金への申込みが入口になる
- 海外の学校出身は資格区分に注意: インターナショナルスクールや在外教育施設は「高等学校等」に含まれないため、該当する区分を確かめる
出典・参考リンク
- 朝日新聞Thinkキャンパス: 仕送りだけでは暮らせない? 大学生の収入、「バイト代」や「奨学金」が占める割合は(2026年10月17日)
- 日本学生支援機構: 令和6年度「学生生活調査」「高等専門学校生生活調査」「専門学校生生活調査」結果の公表について(2026年3月31日)
- 日本学生支援機構: 令和6年度 学生生活調査結果(2026年3月31日)
- 全国大学生活協同組合連合会: 第61回学生生活実態調査 概要報告(2026年2月24日)
- 文部科学省: 高等教育の修学支援新制度(2026年10月22日閲覧)
- 文部科学省: 令和7年度からの多子世帯に対する大学等の授業料等減免について(2026年10月22日閲覧)
- 日本学生支援機構: 進学前に申し込む(予約採用)(2026年10月22日閲覧)
- 日本学生支援機構: 進学後(在学採用)の給付奨学金の申込資格(2026年10月22日閲覧)


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