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「子どもが海外に挑戦したいと言い出したら、費用はどうしよう」と考えたことのある保護者の方は多いのではないでしょうか。円安が続くなか、ヨーロッパへの留学や遠征は、以前より身近なようで、実はお金の面で遠くなっているようにも感じますよね。
そんななか、自転車専門メディアのBicycle Club(FUNQ)が2026年9月30日、返済不要の奨学金「トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム」を使ってオランダとベルギーへ約1カ月渡った、高校1年生・15歳のサイクリストの遠征ルポを掲載しました。見出しにある「1ユーロ190円」という言葉のとおり、物価と為替のリアルが率直に語られています。
この記事では、報道の内容と、トビタテの公式募集要項で確認できる制度の仕組みを分けて整理し、「わが家で使うなら、いくら・いつ・何が必要か」を考えていきます。
ニュースの概要
FUNQ内のBicycle Clubが2026年9月30日に公開した記事(文:井上和隆)は、同年8月21日に掲載された制度解説記事の続編として、現地での体験をまとめたものです。記事で紹介されている内容は次のとおりです。
| 項目 | 記事の内容(報道) |
|---|---|
| 留学した人 | 高校1年生(15歳)の女子選手。普段はトライアスロンやロードレースが中心 |
| 行き先・期間 | オランダとベルギー、この夏の約1カ月 |
| 留学テーマ | ロードレース(トレーニングレースを含めて5レースに参戦) |
| 費用 | 航空券と滞在費だけで概算約100万円。食費・現地交通費・お土産代などは別 |
| 奨学金の受け取り | 帰国後に報告書などを出してから支給される仕組みだと保護者が説明。取材時点ではまだ報告書を作成中 |
記事によると、きっかけはシクロクロスの会場で先輩選手から「トビタテっていうのがあるよ」と教えられたことでした。自分で制度を調べ、両親に相談して応募を決めたそうです。申請書類や事務局とのやり取りは基本的に学校を通じて行われ、保護者は「学校と事務局とのやり取りがあって、こちらで修正してまた提出して……という作業の繰り返しでした」と振り返っています。
現地では、外食が高いため基本は自炊。デビットカードで支払うたびに父親のスマートフォンへ通知が届く仕組みにしていたそうで、「日本円に換算すると予想以上の金額になることも多くて、なかなかのプレッシャーでした」と語っています。レース以外にも、アムステルダム国立美術館を2度訪れたことを「めっちゃ楽しかった」と話しているのが印象的です。
背景と解説
トビタテ!留学JAPANとは
トビタテ!留学JAPANは、文部科学省と日本学生支援機構(JASSO)が進める留学促進の取り組みです。その中心が、返済不要の奨学金「新・日本代表プログラム」。高校生等対象のコースでは、在籍校が「教育上有益な学修活動」と認めた留学計画を、学校を通じて申請する形になっています。
2026年度(第11期)の募集要項では、留学期間は受入先での活動が14日以上365日以内、留学開始日は2026年7月10日〜2027年3月31日でした。コースは次の4つで、支援予定人数は合計700人です。
- STEAM探究コース(160人)
- スポーツ・芸術探究コース(140人):実技経験や実績の有無にかかわらず応募できると明記されています
- マイ好奇心探究コース(250人)
- 社会課題探究コース(150人)
今回の選手がどのコースで採用されたかは、記事には書かれていません。ただ、「スポーツの本場に行って、問いを立てて学ぶ」という形の留学が制度の対象になりうることは、このルポからよく伝わってきます。つまり、学校での学修に限らず、探究活動を含む短期の体験型の留学も対象になるということです。ただし、語学学習のみの計画は対象外とされています。
支給額の仕組み
第11期の奨学金は、行き先と家庭の状況で月額が変わります。北米・シンガポール・欧州・中近東(地域区分①)は月額16万円、アジアや大洋州など(地域区分②)は12万円で、いずれも家計基準内の場合です。家計基準を超える家庭は一律6万円になります。ポーランドやチェコなど欧州の一部の国は地域区分②の扱いです。
回数は「留学日数÷31」の切り上げで決まり、14〜31日なら1回分、32〜62日なら2回分です。これとは別に、往復渡航費や研修参加費などの一部に充てる留学準備金が、アジア地域は21万円、その他の地域は35万円(いずれも円安・物価高を踏まえた増額分を含む)支給されます。図1にまとめました。

記事の保護者が話した「月額およそ6万円から16万円」「ヨーロッパ圏の準備金は約35万円」は、この公式の金額と合っています。一方で、今回の家庭が実際にいくら受け取るのかは記事に書かれておらず、分かりません。
ポイント:募集要項には「留学計画の実行にかかる全ての費用(実費)を支援するものではありません」と書かれています。約1カ月の欧州遠征で航空券と滞在費だけで約100万円かかったという今回の例は、奨学金があっても家庭の負担が残りうることを示しています。
「1ユーロ190円」は実際のレート?
元記事には「1ユーロ190円」とありますが、どの日のレートなのか、どのような条件で換算した数字なのかは確認できません。参考までに、共同通信の配信によると、2026年9月30日午後5時の東京市場は1ユーロ178円01〜05銭でした。ただしこれは記事の公開日の相場で、遠征中のレートを検証する数値ではない点にご注意くださいね。
保護者への影響と今できる対応
「後から振り込まれる」ことを前提に資金計画を
保護者にとって一番大事なのが、お金が入るタイミングです。第11期の募集要項では、124日以下の留学の場合、奨学金は留学終了後に在籍校が申請し、確認後にまとめて支給されます。留学準備金は、事前研修に参加したあと、原則として留学開始前に支給されます(図2)。

つまり、短期留学では航空券や滞在費の多くをいったん家庭で立て替えることになります。記事の保護者が「このままもらえないんじゃないの?って不安になるくらい」と冗談交じりに話しているのも、この仕組みがあるからなんです。事後研修(参加必須)のあと1か月以内に「留学状況報告書」を出す必要もあり、帰国後もやることが続きます。
注意:家計基準を超える家庭も応募はできますが、採用は支援予定人数全体の1割程度が上限とされています。家計基準の判定は在籍校が行うため、応募を考え始めた段階で学校の担当の先生に相談しておくと安心です。
次の募集(第12期)に向けて確認したいこと
トビタテの公式サイトでは、2027年度(第12期)の募集要項は2026年10月に掲載予定と案内されています。募集説明会の申し込みも始まっています。支給額やコース、日程は第12期の要項で変わる可能性があるため、以下は第11期を参考にした確認リストです。
- 学校の窓口:校内の締切はいつか。学校がどこまで手続きを手伝ってくれるか
- テーマと受入先:「何を知りたいのか」という問いと、受け入れてくれる機関があるか
- 日数:31日と32日で奨学金の回数が変わる。活動期間の数え方を要項で確認
- 立て替え資金:航空券・滞在費・保険など、帰国後の支給まで家庭で払える額か
- 現地のお金の管理:記事のように、カードの利用通知を家族で共有するのも一つの方法
- 帰国後の予定:事後研修と報告書の提出まで、部活動や定期試験と両立できるか
第11期では、第一日程(新高校2・3年生と新高校1年生)の学校からJASSOへの申請期限が2026年1月22日、新高校1年生だけの第二日程が4月21日でした。中学3年生のうちから準備を始めて、高校に入学した直後の第二日程に応募する道もあったということです。第12期の日程は要項の公開を待って確認してください。
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まとめ
- ニュースの要点: 高校1年生の選手がトビタテでオランダ・ベルギーに約1カ月滞在し、5レースに参戦したとFUNQが報じました
- 費用の現実: 航空券と滞在費だけで概算約100万円。奨学金は実費すべてをまかなうものではありません
- 支給額: 第11期は家計基準内なら欧州の地域区分①は月額16万円、地域区分②(ポーランド・チェコなど)は月額12万円。欧州向けの準備金は35万円。家計基準外は月額6万円
- 支給時期: 124日以下の留学では奨学金は帰国後の一括支給。立て替え資金の準備が必要です
- 次の一歩: 第12期の募集要項は2026年10月掲載予定。まずは学校に相談を


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