子どもの海外での学び、68.4%が選択肢に:「費用」71.5%の壁と調査の読み方

ネイティブキャンプ会員645人調査の主な結果を示す横棒グラフ IB最新ニュース

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「いつかは子どもに海外で学ぶ経験をさせてあげたい。でも、費用を考えると……」。そんなふうに迷っているご家庭は多いのではないでしょうか。オンライン英会話「ネイティブキャンプ英会話」を運営する株式会社ネイティブキャンプが、2026年10月24日に、子どもの海外での学びについての会員アンケートの結果を発表しました。Mantan Webなどのニュースサイトにも掲載されています。

見出しの数字は、「海外での学びを将来の選択肢に入れている」が68.4%、教育環境を変えるときの障壁で「費用」が71.5%。数字だけを見ると「みんな留学を考えているのね」「やっぱりお金なのね」と受け止めたくなりますよね。ただ、発表元自身が、読み方の注意点をていねいに書き添えています。

この記事では、調査の中身と注意点を整理したうえで、文部科学省の統計や国の留学支援制度もあわせて、海外での学びを考えるご家庭が今できることをお話ししますね。

ニュースの概要

株式会社ネイティブキャンプ(東京都渋谷区)は、2026年10月24日、PR TIMESで調査結果を発表しました。対象は高校生以下の子どもがいるネイティブキャンプの会員で、分析の対象になった回答は645人です。

項目 内容
発表主体 株式会社ネイティブキャンプ(調査主体:ネイティブキャンプ)
発表日 2026年10月24日
調査期間・方法 2026年9月25日〜28日、インターネット調査
対象 高校生以下の子どもがいるネイティブキャンプ会員(分析対象645人)

主な結果は次のとおりです。図1にまとめました。

  • 「短期留学や海外進学など、お子さまが海外で学ぶこと」を、「将来の選択肢の一つとして考えている」が56.3%、「具体的に検討している」が12.1%。合わせて68.4%(441人)
  • 子どもの教育環境を変えるときに特に障壁になると思うことは、「費用」71.5%、「保護者の仕事との両立」38.6%、「お子さま本人の希望」27.6%
  • 選択肢に入れている441人に、考えられる海外経験を聞くと(複数回答)、「海外旅行で英語や異文化に触れる」56.5%、「海外のサマースクール・短期教育プログラムに参加する」51.7%
  • 「お子さまだけで海外留学をする」ことについては、「現在は検討していないが、条件が合えば検討できる」が49.5%
ネイティブキャンプ会員645人調査の主な結果を示す横棒グラフ
図1:ネイティブキャンプ会員645人調査の主な結果(株式会社ネイティブキャンプ発表、2026年10月24日より作成)

自由記述には「円安」や、海外との物価の違い、留学費用への不安を挙げる声もあったと紹介されています。ただし、これは回答の一例として載っているもので、円安を理由に挙げた人の割合が集計されているわけではありません。

背景と解説

まず知っておきたい、この調査の3つの読み方

今回の発表で大切なのは、発表元が自分で書いている注意書きです。数字を正しく受け取るために、3つのポイントを押さえておきましょう。

読み方の注意点
1. 「費用」71.5%は、海外留学に限らず教育環境全般を変えるときの障壁を聞いた結果です。発表元は「費用が海外での学びの具体的な検討を妨げているという因果関係を示すものではありません」と注記しています。
2. 対象はオンライン英会話の会員で、発表元も「保護者全体を代表する結果ではありません」と書いています。
3. 68.4%のうち「具体的に検討している」は12.1%。「いつか選択肢に」と「具体的な計画」は分けて考える必要がある、と発表元自身がまとめています。

英語学習に関心のあるご家庭が多い集まりだと考えると、「海外での学び」への関心が高めに出やすい可能性もあります。また、発表元の会社概要には、事業内容として留学エージェント事業も挙げられています。どちらも調査の価値を下げるものではありませんが、数字を「日本の保護者全体の傾向」と読み替えないことが大切です。

もう一つ注目したいのは、「海外での学び」の中身です。選択肢に入れている人が考える海外経験の上位は、海外旅行とサマースクール・短期プログラムでした。つまり、海外での学びを選択肢に入れる回答者には、海外旅行や短期プログラムも広く検討されているということです。ただし複数回答のため、長期留学と併せて検討している可能性もあります。

国の統計で見る、高校生の海外での学び

国全体の状況は、文部科学省の「高等学校等における国際交流等の状況」という調査でわかります。隔年の調査で、公表されている最新は令和5年度(2023年度)分です。図2にまとめました。

  • 外国への研修旅行(3か月未満):31,711人(令和3年度は1,217人、平成29年度は42,793人)
  • 留学(3か月以上):3,174人(令和3年度は1,901人、平成29年度は4,076人)

文部科学省は、両方を合わせた高校生の留学生数を約3.5万人とし、コロナ禍の令和3年度からは回復したものの、過去最高だった平成29年度の約4.7万人には届いていないと説明しています。国の第4期教育振興基本計画では、2033年に日本人高校生の海外留学生を12万人にする目標が掲げられています。

海外で研修旅行・留学をした高校生の数の推移と2033年の目標
図2:海外で研修旅行・留学をした高校生の数と国の目標(文部科学省「令和5年度 高等学校等における国際交流等の状況について」より作成)

ここでも、3か月未満の研修旅行が大半を占めています。今回の調査で短期の経験が上位に来たことと、方向としては重なっているように見えますね。

国の支援「トビタテ!留学JAPAN」も動いています

費用の面で知っておきたいのが、文部科学省と日本学生支援機構(JASSO)が進める「トビタテ!留学JAPAN」です。文部科学省とJASSOは2026年10月1日、第2ステージの実施期間を2028年度まで1年延長し、「新・日本代表プログラム」の高校生等対象(第12期)で600名を募集すると発表しました。STEAM探究(140名)、スポーツ・芸術探究(120名)、マイ好奇心探究(210名)、社会課題探究(130名)の4コースがあります。

募集要項によると、対象は日本の高校等に在籍する生徒で、留学期間は14日以上1年以内の計画です。海外の高校への進学は対象外で、応募は個人ではなく在籍校を通じて行います。公式FAQでは、学業成績や語学力の要件はないと説明されています。家計基準はJASSOの第二種奨学金(予約採用)の基準で、支援予定人数の1割程度を上限に基準外の生徒も採用されます。

家計基準内の月額奨学金は、北米・シンガポール・欧州・中近東が原則16万円です。ただし、募集要項で指定された一部の国は12万円で、それ以外の地域も12万円です。家計基準外は6万円です。留学準備金はアジア地域15万円、その他の地域25万円で、円安や物価高を踏まえてアジア地域6万円、その他の地域10万円が加算されます。在籍校から機構への申請期間は、第一日程が2026年12月上旬(予定)〜2027年1月21日、新高校1年生向けの第二日程が2027年4月1日〜21日です。

保護者への影響と今できる対応

今回の調査は、「海外での学びに関心はあるけれど、具体的な計画はこれから」というご家庭が多いことを示しています。もしわが家も同じかも、と感じたら、まずは「留学するかしないか」ではなく、どんな形の経験を、いつ、どのくらいの期間で考えるのかを分けてみるのがおすすめです。発表元も、費用の総額、必要な期間、保護者の付き添いの有無などを具体的に伝えることが、家庭ごとの検討を支える情報になると述べています。図3にまとめました。

海外での学びを考えるときに家庭で確認したい6つのポイント
図3:海外での学びを考えるときに確認したいこと(株式会社ネイティブキャンプ発表とJASSO発表をもとに本記事で整理)
  • 形を決める:家族旅行、サマースクール、短期留学、長期留学、海外進学のどれを考えているのかを話し合う
  • 期間を考える:数週間か、数か月か、1年か。期間によって費用も在籍校での手続きも変わる
  • 総額で比べる:授業料だけでなく、滞在費・渡航費・保険などを合わせた金額で比べる
  • 付き添いと仕事:保護者が同行するのか、子どもだけで行くのか。調査でも「仕事との両立」が2番目の障壁でした
  • 在籍校に確認:高校生の留学は、単位の認定や進級の扱いを早めに学校に相談する
  • 支援制度を調べる:トビタテの申請は在籍校を通じて行うので、校内の締切を担任や担当の先生に確認する

ポイント
トビタテ第12期の第一日程は、在籍校から機構への申請が2027年1月21日まで。生徒から学校への提出期限は各校が決めるため、実際の締切はもっと早くなります。2027年度も高校に在籍するお子さん(今の高校1・2年生など)で関心があるなら、今のうちに学校へ確認しておくと安心ですね。

中学生以下のお子さんなら、すぐに大きな決断をする必要はありません。家庭でできる英語の積み重ねや、短い海外経験から始めて、お子さん本人の「行ってみたい」という気持ちを確かめていく。そんな段階的な考え方でも十分ではないでしょうか。調査で「お子さま本人の希望」が障壁の3番目に挙がっていたように、本人の気持ちは費用と同じくらい大切な判断材料です。

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まとめ

  • 調査の結果: ネイティブキャンプ会員645人のうち68.4%が子どもの海外での学びを将来の選択肢に入れ、具体的に検討しているのは12.1%
  • 費用の数字の意味: 「費用」71.5%は教育環境全般を変える際の障壁で、海外留学に限った割合ではない
  • 調査の対象: オンライン英会話の会員が対象で、保護者全体を代表する結果ではないと発表元が注記している
  • 国の状況: 令和5年度に海外で研修旅行・留学をした高校生は約3.5万人で、国は2033年に12万人を目標にしている
  • 今できること: 形・期間・総額・付き添いを分けて考え、トビタテ第12期(600名募集)などの支援は在籍校の締切を早めに確認する

出典・参考リンク

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