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「翻訳アプリがこれだけ賢くなったのに、うちの子はこれから英語を頑張る意味があるのかしら」――そんな疑問を、一度は感じたことがありませんか。ChatGPTのような生成AIが日常に入り込み、スマートフォンをかざせば外国語のメニューも看板もその場で日本語になる時代です。保護者として、英語教育にかけるお金と時間の「答え合わせ」がしたくなるのは当然のことだと思います。
ところが、当の高校生・大学生たちの意識は、私たち大人が思っているのとは少し違う方向を向いているようです。オーストラリア留学支援サービス「Mirai Bridge」を運営するラグザス株式会社が発表した意識調査では、英語を学ぶ最大の目的の1位は「就職・転職」。また、海外就労への意向については、「ぜひ働きたい」14.3%、「機会があれば働きたい」33.3%という内訳が報じられていますが、媒体によって合計値の記載が異なります。
この記事では、この調査の中身を整理しながら、「英語学習を将来の海外就職につなげたい」とお考えのご家庭が、いま何を考え、何を準備しておくとよいのかを、保護者目線で一緒に見ていきたいと思います。
ニュースの概要
今回のニュースの発表主体は、オーストラリア留学支援サービス「Mirai Bridge」を提供するラグザス株式会社です。同社は2026年8月19日、生成AI時代における英語力や留学に関する意識調査(高校生・大学生300人)のうち、英語力の必要性や留学の価値に関する結果を公式サイトで公開しました。一方、今回のニュースの中心である「英語を学ぶ目的」「海外就労の意向」に関する結果は、ICT教育ニュースによれば同じ300人調査の追加結果として8月24日に公開されたものです。その後、8月26日にICT教育ニュース、8月27日によろず~ニュース(デイリースポーツ系の媒体)などが内容を報じ、広く知られることになりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査主体 | ラグザス株式会社(留学支援サービス「Mirai Bridge」) |
| 発表日 | 2026年8月19日(英語力・留学に関する結果)/2026年8月24日(英語学習の目的・海外就労に関する結果。ICT教育ニュースの報道による) |
| 調査対象 | 高校生・大学生 300人 |
| 調査期間 | 2026年8月13日~8月17日 |
| 調査方法 | インターネット調査 |
報じられている主な結果は、次のとおりです。英語を学ぶ最大の目的として最も多かったのは「就職・転職」で20.7%。2位は「特にない」15.7%、3位が「国際的な仕事」15.0%、4位「海外旅行」14.3%、5位「外国人との交流」12.7%と続きます。1位と3位を合わせると、3分の1以上が「仕事」を軸に英語をとらえていることになります。
そして注目されたのが海外就労への意欲です。「海外で働いてみたいか」という問いについて、報道された内訳は「ぜひ働きたい」14.3%、「機会があれば働きたい」33.3%です。合計は、ICT教育ニュースが47.7%、よろず~ニュースが47.6%と記載しており、原資料や未丸め値を確認できないため、ここでは合計値を確定しません。
ポイント:AI時代でも英語力は必要かという問いには、「非常に必要」38.0%、「やや必要」48.3%で、合計86.3%が「必要」と回答。さらに「AIでは代替できない英語力」として最も多く挙がったのがコミュニケーション能力57.0%で、会話力33.7%、友人づくり30.7%、異文化理解28.3%が続きました。見出しにある“コミュ力”とは、この結果を指しています。
ちなみに、生成AIを月に数回以上使っている回答者は90.0%にのぼりました。その一方で、回答者全体としてはAIでは代替しにくい力があると考える傾向も示されています。実際、AI時代でも留学に価値があると答えた人は84.3%だったと発表されています。公表ページで確認できる範囲では、AIの利用頻度別にどのような関係があるかは不明です。
背景と解説
まず、この調査の読み方について一つだけお伝えしておきたいことがあります。これは民間企業が自社サービスの関連テーマで実施した、回答者300人のインターネット調査です。国が行う大規模な統計とは性格が異なりますので、「日本の若者全体がこうだ」と断定できる数字ではありません。とはいえ、いまの高校生・大学生の空気感を知るヒントとしては、十分に興味深い内容だと思います。
今回の調査では、英語力が必要な理由として「AIだけでは細かなニュアンスが伝わらない」と答えた人が42.9%で最も多くいました。これは調査回答者の感じ方を示す結果です。(ICT教育ニュース)
海外で学ぶ人の数についても、公的な統計が出ています。文部科学省が2026年5月29日に公表した資料によれば、日本学生支援機構(JASSO)の日本人学生留学状況調査で把握された2024(令和6)年度の留学者数は91,054人で、前年度から1,875人(2.1%)増えました。ただし文部科学省は、前年度から増加しているものの増加率は鈍化していると説明しています。この数字は「大学等が把握する日本人学生の海外留学者数」であり、留学への関心の高さを測ったものではありません。(文部科学省)
国際バカロレア(IB)という選択肢との接点
では、海外の大学への進学を考える場合はどうでしょうか。その際の選択肢の一つになるのが、国際バカロレア(IB)のディプロマプログラム(DP)です。IBは世界共通の教育プログラムで、DPでは所定の課程を履修し、最終試験などで基準を満たすと国際バカロレア資格(IBディプロマ)を取得できます。つまり、DPを履修しただけで自動的に資格がもらえるわけではない、ということですね。取得したIBディプロマは多くの海外大学で出願資格や選考の資料として利用されていますが、必要なスコアや語学証明などの追加要件は大学ごとに異なります。志望校の募集要項で個別に確認することが欠かせません。それでも、英語を使って学びながら海外大学進学への道筋を高校段階から描きやすいのは、大きな魅力だと思います。
文部科学省IB教育推進コンソーシアムの公式一覧では、候補校を含み、学校数ではなくプログラム単位で数えるとされています。学校の実数とは異なるため、お住まいの地域で探す際は、一覧の掲載内容を個別に確認するのが確実です。(公式英語一覧)
保護者への影響と今できる対応
では、この調査結果を、ご家庭ではどう受け止めればよいのでしょうか。とくに関係が深いのは、次のようなご家庭ではないでしょうか。
- お子さまが「将来は海外で働きたい」と口にしたことがあるご家庭
- 英語教育・留学に費用をかけるべきか迷っているご家庭
- 海外駐在中で、帰国後の進路と語学力の活かし方を考えているご家庭
- IB認定校やインターナショナルスクールを検討中のご家庭
注意したいこと:「AIがあるから英語は不要」という極端な結論も、「海外就職が必ず有利」という決めつけも、どちらも危うい考え方です。今回の調査が示しているのは、あくまで若い世代自身がどう感じているかであって、将来の労働市場を予測したものではありません。お子さまの希望を出発点に、選択肢を一つずつ確かめていく姿勢が大切だと思います。
その上で、いまご家庭でできる現実的な準備を挙げてみます。
- 目的を言葉にしてみる:「なぜ英語をやるのか」をお子さま自身に話してもらう。目的がはっきりすると、学習の質が変わります
- 話す機会を意識的に増やす:読み書き中心の学習に、会話の場を少しだけ足す。オンライン英会話でも、地域の交流イベントでも構いません
- AIは「相棒」として使う:翻訳に頼り切るのではなく、書いた英文の添削や発音練習の相手として使うと、学習の助けになります
- 短期の海外経験を検討する:長期留学が難しくても、語学研修や学校の海外プログラムで「現地で通じた」経験を得られます
- 高校選びの段階でIBを視野に入れる:海外大学進学を考えるなら、IB認定校という選択肢を早めに調べておくと、比較検討がしやすくなります
- 費用は家計全体で見る:留学や国際系プログラムは費用がかかります。奨学金や支援制度の有無も含めて、早い段階で情報を集めておくと安心です
海外駐在中のご家庭では、お子さまがすでに英語環境にいることも多いですよね。その場合は、身につけた英語をどう証明するか(資格や成績の記録)について、志望先の募集要項などで扱いを確認しておくとよいでしょう。日本語力の維持も、実は将来の選択肢を広げる大事な要素なんです。
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まとめ
- 発表の主体と時期: 留学支援サービス「Mirai Bridge」を運営するラグザス株式会社による高校生・大学生300人の意識調査で、英語力・留学に関する結果は2026年8月19日に公式発表され、英語学習の目的・海外就労に関する結果はICT教育ニュースによれば8月24日に公開されました
- 英語学習の目的: 1位は「就職・転職」20.7%。「国際的な仕事」15.0%と合わせると、仕事を意識した回答が目立ちます
- 海外就労への意欲: 報じられた内訳は「ぜひ働きたい」14.3%、「機会があれば働きたい」33.3%です。合計値は媒体によって異なるため、確定値としては示しません
- AI時代の英語力: 86.3%が英語力は必要と回答し、「AIでは代替できない英語力」の1位はコミュニケーション能力57.0%でした
- 家庭でできること: 学ぶ目的の言語化、話す機会づくり、AIの活用、短期の海外経験、そして海外大学進学を考えるならIB認定校という選択肢を早めに調べておくことが現実的な一歩です
数字そのものより大切なのは、お子さまが「英語を使って何をしたいか」を持てるかどうかなのだと思います。今回の調査は、その問いを親子で話してみるよいきっかけになりそうですね。

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