沖縄高専生がタイ高専へ1年留学:トビタテ!留学JAPANの使い方と準備

国立高等専門学校機構がタイのKOSEN-KMITLとKOSEN KMUTTを教員派遣で支援している関係を示した図 IB最新ニュース

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「海外留学といえば欧米」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。でも最近は、アジアの国で専門分野を学ぶという選択肢も少しずつ知られるようになってきました。費用や治安、言葉の壁など、親としては気になることがたくさんありますよね。

2026年10月9日、沖縄タイムスの投稿欄「論壇」に、国立沖縄高専に在籍する18歳の学生が、タイの「タイ高専」に留学している体験をつづった文章が掲載されました。留学には文部科学省の留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN」を活用したそうです。

この記事では、投稿の内容をきっかけに、タイ高専とはどんな学校なのか、トビタテ!留学JAPANはどんな仕組みなのかを、公式の資料をもとに整理します。高専に通うお子さん、高専への進学を考えているお子さんがいるご家庭に、特に読んでいただきたい内容です。

ニュースの概要

沖縄タイムスの電子版では、論壇「タイ高専で学ぶ日々 留学支援活用 飛躍の一歩」が2026年10月9日に公開されました。筆者は平良恭介さんです。無料で読める冒頭部分によると、筆者は名護市辺野古にある国立沖縄高専に在籍する18歳の学生で、現在はタイのバンコクに住み、1年間の予定でタイ高専に留学しています。

項目 内容
掲載 沖縄タイムス「論壇」(電子版公開:2026年10月9日)
筆者 国立沖縄高専に在籍する18歳の学生
留学先 タイ高専(バンコク在住。どちらの学校かは無料公開部分では不明)
期間 1年間の予定
活用した制度 トビタテ!留学JAPAN

筆者はトビタテ!留学JAPANを「文部科学省と民間企業が協同で高校生・大学生の海外留学を支援する制度」と紹介しています。記事の続きは有料会員向けのため、現地での授業や生活の具体的な様子、利用したコースの区分などは、この記事では確認できていません。ここから先は、公式に確認できる制度の情報を中心にお伝えしますね。

背景と解説

「タイ高専」は日本型の高専教育をタイに導入した学校

高専(高等専門学校)は、中学卒業後に入学し、5年間かけて工学などの専門分野を学ぶ日本独自の学校です。この仕組みは海外でも評価されていて、タイでは日本型の高専が開校しています。

国立高等専門学校機構(全国の国立高専の設置者)の公式ページによると、タイにはKOSEN-KMITL(2019年5月開校)とKOSEN KMUTT(2020年6月開校)の2校があります。どちらもバンコクにある工科大学に置かれた学校です。機構は日本の高専の教員を現地に派遣し、タイ人教員への指導や研修、教材づくりなどを支援しています。つまり、運営はタイ側の大学で、日本の高専が教え方のノウハウを伝えているということです。

機構の報告では、KOSEN-KMITLには2025年に第7期生として156名が入学しました。開校から数年で、毎年まとまった数の学生が学ぶ学校に育っていることが分かります。

国立高等専門学校機構がタイのKOSEN-KMITLとKOSEN KMUTTを教員派遣で支援している関係を示した図
図1:タイ高専と日本の高専のつながり。国立高等専門学校機構「タイ高専」ほかより作成

図1にまとめたように、タイ高専は日本の高専と深いつながりがあります。日本の高専生にとっては、日本型の高専教育を導入した海外の学校で学べる点が特徴なんです。

注意:国立高専機構の公式ページで明確に確認できるのは、教員の派遣や、タイ高専生を日本の高専に受け入れる取り組みです。日本の高専生がタイ高専に留学する一般的な募集制度があるかどうかは、今回の調査では確認できませんでした。留学を考える場合は、在籍している高専の国際交流担当に相談するのが確実です。

沖縄高専とタイとの関わり

筆者が在籍する沖縄工業高等専門学校(英語名称:National Institute of Technology, Okinawa College)は名護市辺野古にあり、2004年に第1期生が入学しました。本科には機械システム工学科、情報通信システム工学科、メディア情報工学科、生物資源工学科の4学科があります。学校の公式サイトでは、タイのKOSENに教員を派遣していることや、学生の海外派遣・国際交流に取り組んでいることが紹介されています。

トビタテ!留学JAPANとは

トビタテ!留学JAPANは、文部科学省が日本学生支援機構(JASSO)とともに進める官民協働の留学支援制度で、民間企業などからの寄付をもとに奨学金を出しています。返済の必要がない給付型であることが大きな特徴です。

高専生の場合、学年によって応募するコースが分かれます。高専1〜3年生は「高校生等対象」、4年生以上(専攻科を含む)は「大学生等対象」です。今回の筆者がどちらのコースを利用したかは、記事の無料公開部分からは分かりません。2027年度の募集要項は、どちらのコースも2026年10月に公開されています。主な条件は図2にまとめました。

トビタテ!留学JAPANの高校生等対象(第12期)と大学生等対象(第19期)の対象学年・活動期間・申請期限・支援額を比べた図
図2:高専生が使えるトビタテ!留学JAPANの2コース(2027年度募集)。トビタテ!留学JAPAN 第12期・第19期募集要項より作成

高校生等対象(第12期)では、留学先での活動期間は14日以上365日以内で、2027年7月10日から2028年3月31日までに留学を始める計画が対象です。奨学金の月額は、タイを含む地域区分では家計基準内の場合12万円、家計基準外の場合6万円。アジア地域への留学では、留学準備金として21万円(15万円に物価・為替対応の6万円を加えた額)が支給されます。

大学生等対象(第19期)では、活動期間は28日以上1年以内、留学開始は2027年8月1日から2028年3月31日までです。STEAMコースの支援予定人数のうち約1割を高専生から採用する予定と明記されていて、高専生が応募しやすいよう配慮されています。

保護者への影響と今できる対応

今回の投稿は、「高専に通いながら、専門分野を海外で学ぶ」という道が現実にあることを示してくれました。とはいえ、すぐに留学を決める必要はありません。まずは情報を集め、お子さんと一緒に「何を学びたいのか」を話し合うところから始めてみてはいかがでしょうか。

ポイント:トビタテの申請期限は、在籍校からJASSOへ提出する期限です。高校生等対象の第一日程は2027年1月21日、大学生等対象(新大学1年生以外)は2027年2月25日ですが、本人が学校に出す締め切りはこれより早く設定されます。年明けの応募を考えるなら、秋のうちに学校へ相談しておくと安心です。

検討するときに確認しておきたいことを、チェックリストにまとめました。

  • 在籍校の窓口:高専の国際交流担当や担任に、タイ高専への留学実績や、単位・休学の扱いを確認する
  • コースの区分:お子さんの留学時の学年で「高校生等対象」と「大学生等対象」のどちらになるかを確かめる
  • 留学計画の中身:トビタテは「何を学び、どう生かすか」という計画が重視されます。語学学習を含む計画の条件は、第19期募集要項と在籍校で確認してください
  • 費用の見通し:奨学金は留学の実費すべてをまかなうものではありません。家計基準によって月額が変わる点も含めて試算する
  • 卒業時期との関係:高校生等対象では、2028年3月に高専3年を修了する予定の人は、2028年3月31日までに帰国する必要があります

IB(国際バカロレア)校に通っているご家庭は、応募資格に注意が必要です。国内のIB認定高校など、募集要項で定める学校種に在籍し、応募資格を満たす生徒は高校生等対象に応募できます。ただ、IB認定の有無だけでは対象かどうか判断できないため、在籍校に確認してください。対象となる場合は、普通科高校やIB校で学びながら、理系の専門分野をアジアで体験するという留学計画も考えられますよね。ただし、留学先の受け入れ条件は学校ごとに違うため、必ず受け入れ先と在籍校の両方に確認してください。

重要:募集要項の条件や支援額は、期(年度)ごとに見直されます。この記事の数値は2027年度募集(高校生等第12期・大学生等第19期)の要項に基づくものです。応募の際は、必ず最新の公式要項で確認してください。

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まとめ

  • 何が起きたか: 2026年10月9日の沖縄タイムス論壇に、国立沖縄高専の18歳の学生がトビタテ!留学JAPANを使い、1年間の予定でタイ高専に留学している体験が掲載されました
  • タイ高専とは: 日本型の高専教育を導入した学校で、KOSEN-KMITL(2019年5月開校)とKOSEN KMUTT(2020年6月開校)があり、日本の高専機構が教員派遣などで支援しています
  • トビタテのコース: 高専1〜3年生は高校生等対象、4年生以上は大学生等対象。返済不要の給付型です
  • 今できること: 2027年度募集の要項はすでに公開済み。在籍校の国際交流担当への相談を早めに始めましょう

出典・参考リンク

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