学費年1000万円超も:日本に増える英国系インター校、家計からどう考える?

日本の英国系インター校の開校年表(2022年〜2029年予定) IB最新ニュース

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「学費が年1,000万円のインター校」というニュースを見て、思わず二度見してしまったという方も多いのではないでしょうか。日本経済新聞が2026年11月8日に、英国の名門校ブランドを冠したインターナショナルスクールが日本に相次いで進出し、アジアの教育需要を取り込もうとしている動きを報じました。

少子化が進む日本で、なぜいま高額なインター校が増えているのか。そして、わが子の進路を考えるご家庭にとって、この流れはどんな意味を持つのか。この記事では、各校の公式サイトに載っている学費と、文部科学省が示している制度上の注意点をもとに、家計の目線から整理してみますね。

ニュースの概要

日本経済新聞は2026年11月8日付の記事「学費年1000万円、少子化日本に英インター校の波 アジア教育需要狙う」で、英国系インター校の日本進出を取り上げました。日経の記事紹介によると、岩手県八幡平市のハロウインターナショナルスクール安比ジャパンには、33カ国・地域から11〜18歳の355人が在籍していると報じられています。なお、この人数・国籍数は日経の報道によるもので、学校側の同じ時点の公式発表は今回確認できていません。

記事の本文は有料会員向けのため、記事で取り上げられた学校の一覧や取材コメントの細部までは確認できていません。ここからは、各校が公式に公表している情報をもとに、日本にある英国系インター校の現状をまとめます。

学校名 所在地 開校 形態
ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン 岩手県八幡平市 2022年8月 全寮制
マルバーン・カレッジ東京 東京都小平市 2023年8月 通学制
ラグビー・スクール・ジャパン 千葉県柏市 2023年9月 通学・寮(週5日/7日)
ノース・ロンドン・カレッジエイト・スクール神戸(NLCS神戸) 神戸市(六甲アイランド) 2025年8月 通学制
ゴードンストウン・ジャパン(西) 和歌山市 2027年9月予定 寮制が基本
エプソム・カレッジ東京 東京都千代田区 2027年8月予定 初年度はEarly Years〜Year 4
ブライトン・カレッジ関西外大 大阪府枚方市 2028年9月(初等部)予定 関西外国語大学と提携

開校済み・開校予定の流れを、図1にまとめました。2022年のハロウ安比を皮切りに、2027年以降も新しい学校の計画が続いていることがわかります。

日本の英国系インター校の開校年表(2022年〜2029年予定)
図1:日本に広がる英国系インター校の開校年表。各校公式サイト、関西外国語大学の発表(2026年10月22日)より作成

ブライトン・カレッジ関西外大については、関西外国語大学が2026年10月22日に計画を発表しています。初等部(Year 1〜6、定員432人)は2028年9月、中高にあたるシニアスクール(Year 7〜13、定員672人)は2029年9月の開校予定ですが、発表の中で2030年9月に延びる可能性も示されています。

背景と解説

学費はどのくらい?公式の料金表で比べると

見出しの「年1,000万円」は、決して大げさな数字ではありません。ハロウ安比の公式サイトでは、2026–27年度の授業料と寮費を合わせた年額が、Year 7・8で10,548,740円、Year 9〜11で11,045,720円、Year 12・13で11,455,370円と掲載されています。

ラグビー・スクール・ジャパンは、2026–27年度の授業料がYear 7で450万円、Year 12・13で550万円。これとは別に寮費が週5日制で290万円、7日制で320万円かかります。開校前のゴードンストウン・ジャパンは、授業料750万円・寮費300万円(食事込み)の年額を公表しています。一方、通学制のマルバーン・カレッジ東京は、2026–27年度の授業料が学年・プログラムに応じて2,692,700〜2,910,000円です。図2で比べてみました。

英国系インター校の年間授業料・寮費の例(学年・年度・通学/寮の条件は各校欄に記載)
図2:英国系インター校の年間授業料・寮費の例(学年・年度・通学/寮の条件は各校欄に記載。マルバーン・カレッジ東京は通学制の参考例で、Lower Sixthの授業料)。各校公式サイトの学費ページ(2026年11月8日確認)より作成

年間費用は、学校・学年・寮の利用によって異なります。たとえばラグビー・スクール・ジャパンでは、Year 12・13の授業料550万円に加えて、7日制の寮を利用すると寮費が年間320万円かかります。寮を利用する学校では、学費と生活費がひとまとめになっていると考えるとイメージしやすいかもしれませんね。

ポイント:図の金額は授業料と寮費だけです。ラグビー・スクール・ジャパンは年間の施設維持費50万円、マルバーン・カレッジ東京は登録料30万円や施設整備費74万2,000円などを別に掲載しています。比較するときは「入学金・施設費・食費・遠征費」まで含めた総額で見るのがおすすめです。

なぜ少子化の日本に進出するの?

日経の記事紹介では、アジアから生徒が集まっていることや、英国の政策変更・地政学リスクといった論点が挙げられていると報じられています。つまり、日本の子どもだけを対象にした学校というより、「アジアの富裕層が子どもを通わせる先」として日本が選ばれている面があるということです。ハロウ安比の公式FAQでも、2026年1月時点で生徒の約7割が海外出身と説明されています。

IBとの関係は?

英国系の学校は、英国の資格であるIGCSEやAレベルを中心にした学校が多い一方、IB(国際バカロレア)を導入している学校もあります。マルバーン・カレッジ東京は、IBO(国際バカロレア機構)の公式サイトでPYP・MYP・DPの3プログラムの認定校として掲載されており、DPは2026年4月21日に認定されています。NLCS神戸は、学校公式サイトでPYP・MYPの「候補校」と説明しています。候補校は、認定に向けて準備中の段階で、認定校とは異なる点に注意が必要です。

保護者への影響と今できる対応

家計で考える:卒業までの総額は?

年額だけを見ると想像しにくいので、2026–27年度の料金がそのまま続くと仮定して、単純に足し算してみますね。ハロウ安比でYear 7からYear 13までの7年間を過ごすと、授業料と寮費だけで約7,715万円になります。ラグビー・スクール・ジャパンで同じ7年間、7日制の寮を利用した場合は、授業料3,560万円と寮費2,240万円で約5,800万円です。

実際には、ここに入学金・施設費・食費・旅費などが加わります。さらに、ラグビー・スクール・ジャパンはすでに2027–28年度の料金を公表しており、授業料は460万〜585万円、寮費は週5日制350万円・7日制380万円と、2026–27年度より上がっています。学費は毎年見直される前提で試算しておくと安心です。

注意:文部科学省は、日本国籍を持つ子どもを、学校教育法上の学校(いわゆる一条校)として認められていないインターナショナルスクールに小中学校段階で通わせても、保護者の就学義務を果たしたことにはならないと説明しています。学校がどの位置づけなのか、出願前に必ず確認しておきたいところです。

大学進学の道筋も確認を

日本の大学に進む可能性があるなら、大学入学資格の仕組みも知っておきたいですよね。文部科学省によると、IB資格やGCE Aレベル等を取得した人、または文科省が示す国際的な評価団体(WASC、CIS、ACSIなど)の認定を受けた外国人学校で12年の課程を修了した人などに、日本の大学入学資格が認められます。ただし、これは日本の高校卒業資格とは別の仕組みで、在籍しているだけで資格が得られるわけではありません。

今できる対応チェックリスト

検討を始めるときに確認したいことを、図3にまとめました。

インター校を検討する前に確認したい5つのチェックリスト
図3:インター校を検討する前に確認したい5つのこと。文部科学省のページ、各校公式サイトをもとに本記事で整理
  • 総額の試算:授業料・寮費に加えて、入学金・施設費・食費を含めて年額と卒業までの合計を出す
  • 学校の位置づけ:一条校か、各種学校などか。小中学校段階なら就学義務との関係を確認する
  • 進学ルート:IB・Aレベルなど、どの資格を取れるのか。日本と海外どちらの大学を目指すのか
  • 開校前の学校:ゴードンストウンは募集ページで行政の認可手続きが進行中と説明しています。エプソム・カレッジ東京は、学費を合格案内とともに提示するとしています。最新の公式情報で確認を
  • 通学か寮か:寮の有無で費用が大きく変わります。子どもの年齢や性格とあわせて考えましょう

海外駐在中のご家庭なら、帰国のタイミングで日本の英国系インター校が候補に入ることもあるかもしれません。カリキュラムがつながりやすい学校を選べるのは、大きな選択肢の広がりではないでしょうか。一方で、日本で暮らすご家庭では、一条校のIB認定校など費用を抑えた選択肢もあわせて比べてみると、納得感のある判断につながりやすいはずです。

ポイント:「名門校ブランド」だけで決めず、学費の総額、卒業後の進路、子どもに合う学び方の3つをそろえて比べることが大切です。説明会や学校見学で、費用の内訳と進学実績について具体的に質問してみましょう。

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まとめ

  • 英国系インター校が日本で増加:2022年のハロウ安比以降、2027年以降もゴードンストウン・エプソム・ブライトンの開校計画が公表されています
  • 寮ありは年1,000万円前後も:ハロウ安比は2026–27年度に授業料・寮費込みで約1,055万〜1,146万円。通学制のマルバーン東京は授業料約269万〜291万円です
  • 総額は7年で数千万円規模:入学金・施設費・食費や毎年の学費改定も含めて試算を
  • 制度面の確認も必須:一条校でない学校と就学義務の関係、大学入学資格の条件を事前に確認しましょう
  • 開校前の学校は最新情報で:開校時期・学費・認可は変わる可能性があります

出典・参考リンク

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