バイリンガルスクールのIB教育完全対策ガイド:二言語環境でのPYP・MYP・DP評価攻略と強みの活かし方

※本記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます。

「バイリンガルスクールって、一条校ともインターとも違うの? うちの子にはどっちが合うのかしら…」

「日本語と英語の両方で授業を受けるメリットは分かるけど、テストや評価ってどうなるの? 対策は?」

こんなふうに悩んでいらっしゃるお母さま・お父さま、とても多いんです。バイリンガルスクールは、日本のIB教育の中でも最もユニークな存在なんですよね。日本語と英語の両方で学ぶ環境は、一条校のような「日本語中心」でもなく、インターナショナルスクールのような「英語中心」でもありません。二言語を使いこなす力そのものが、学びの土台であり、最大の武器にもなるんです。

この記事では「バイリンガルスクール」を教育形態を指す呼称として使います。学校ごとに一条校、各種学校、認可外施設など位置づけが異なるため、就学義務・卒業資格・IB認定は各校の公式資料で確認してください。

この記事では、バイリンガル環境ならではのIB教育の特徴を踏まえて、PYP Early Years(幼児教育期)からDPまで各段階の評価対策と二言語の強みの活かし方を、保護者目線で分かりやすくお伝えしていきますね。「うちの子の場合はどうしたらいいの?」というヒントが見つかるはずですよ。

  1. バイリンガルスクールって何? 一条校でもインターでもない「第三の道」
    1. バイリンガルスクールの分類
    2. バイリンガルスクールでIBを学ぶ強みって?
    3. 正直にお伝えしたい、バイリンガルスクール特有の課題
  2. 日本のバイリンガルIB認定校をチェック!
    1. 一条校のバイリンガル系
    2. 非一条校のバイリンガル系
  3. PYP Early Years(幼児教育期):二言語での探究のはじまり
    1. バイリンガルEarly Yearsの特徴
    2. 評価はどうなるの?
    3. お母さま・お父さまにぜひ知っておいてほしいこと
  4. PYP(初等教育):探究学習とExhibitionでバイリンガルの力が花開く
    1. バイリンガルPYPでは実際どんな学びをしているの?
    2. PYP Exhibition:お子さまのバイリンガルの強みが輝く舞台
    3. おうちでできるサポートのコツ
  5. MYP(中等教育):ここが踏ん張りどころ! 学術言語の力を二言語で伸ばすコツ
    1. MYPで直面する言語の壁とその乗り越え方
    2. 評価規準(Criterion)への対策
    3. Personal Project:どの言語で挑む? 戦略的な言語選択がカギ
  6. DP(ディプロマ):いよいよ本番! Bilingual Diploma取得戦略と科目選択のコツ
    1. Bilingual Diplomaの取得条件
    2. Bilingual Diplomaを目指す科目選択パターン
    3. 各科目、どちらの言語で受ける? 判断のポイント
    4. EE・TOK・CAS:バイリンガル生だからこそ輝けるコア科目の対策
    5. EE(課題論文):言語選択で論文の質が変わる
    6. TOK(知の理論):二言語話者の経験が最大の武器に
    7. CAS:二言語・二文化の強みを社会に活かそう
  7. お子さまの二言語はこう育つ:Early YearsからDPまでの発達段階を一覧で確認
  8. 大学受験でどう活かす? Bilingual Diplomaの出願戦略
    1. 日本の大学にはこうアピール!
    2. 海外大学にはこう勝負!
  9. お母さま・お父さまへ:バイリンガルIB生を育てる家庭で大切にしたいこと
  10. 関連記事

バイリンガルスクールって何? 一条校でもインターでもない「第三の道」

まずは、バイリンガルスクールの位置づけを整理してみましょう。「結局どういう学校なの?」というところをスッキリさせておくと、この先の内容がぐっと理解しやすくなりますよ。

バイリンガルスクールの分類

タイプ 法的位置づけ 代表的な学校 言語運用
一条校のバイリンガル系 学校教育法第1条校 ぐんま国際アカデミー、加藤学園暁秀、同志社国際学院初等部 学校・学年により異なります。各校の公式資料でご確認ください。
非一条校のバイリンガル系 各種学校・認可外施設 Aoba-Japan Bilingual Preschool、Capital Tokyo International School、Malvern College Tokyo 学校・学年により異なります。各校の公式資料でご確認ください。

バイリンガルスクールでIBを学ぶ強みって?

ここが気になるポイントですよね。バイリンガルスクールには、他のタイプの学校にはない魅力がたくさんあるんです。

  • 二言語での学術的思考力:日本語でも英語でも深く考え、表現できる力を育てることを目指します。身につき方はお子さまや学習環境によって異なります
  • Bilingual Diplomaの取得可能性:DPでは、所定の要件を満たすとBilingual Diplomaを取得できます。言語能力の証明になり得ますが、大学での評価や要件は大学・国・学部ごとに異なります
  • 科目ごとの言語選択:受験できる科目や言語は学校の開講状況などによって異なるため、最新の科目案内を確認しましょう
  • 国内外両方の進路に対応:IBの成績や言語能力の扱いは大学ごとに異なります。出願先の要件を確認してください
  • 日本文化の理解と国際的視野:二つの文化的視点を学びに活かせることがあります。TOKやEEでの扱いはテーマや評価基準、学校の指導方針によります

正直にお伝えしたい、バイリンガルスクール特有の課題

もちろん、いいことばかりではありません。お母さま・お父さまに正直にお伝えしたい課題もあるんです。

  • セミリンガルのリスク:「どちらの言語も中途半端になったらどうしよう…」という不安、ありますよね。意識的な言語発達支援があれば防げますので、ご安心くださいね
  • 学術言語の二重負荷:日常会話はできても、学術的な読み書きを二言語で行うのはかなり高度なスキルです。お子さまの頑張りを認めてあげてほしいです
  • 言語切り替えのストレス:科目によって使用言語が変わることへの適応が必要です。最初は大変でも、だんだん慣れていきますよ
  • 進路選択の複雑さ:「どちらの言語を軸にするか」という判断が進学先を左右するので、早めに家族で話し合っておくことが大切です

日本のバイリンガルIB認定校をチェック!

それでは、実際にどんな学校があるのか見ていきましょう。「うちの子に合いそうなのはどこかな?」という視点で眺めてみてくださいね。

一条校のバイリンガル系

学校名 所在地 IBプログラム バイリンガル教育の特徴
ぐんま国際アカデミー 群馬県 MYP/DP 国語以外ほぼ全教科を英語で実施。日本で唯一の「全生徒が英語でIBを学ぶ一条校」
加藤学園暁秀中学校・高等学校 静岡県 MYP/DP 日本初のIB認定一条校(2002年)。バイリンガルコースを設置
同志社国際学院初等部 京都府 PYP 日英の授業比率は、最新の学校案内でご確認ください
ホライゾン学園仙台小学校 宮城県 PYP 東北初の英語イマージョン一条校。授業言語は教科により異なります
英数学館小学校・高等学校 広島県 PYP/DP 小中高一貫IB校。バイリンガル環境
リンデンホールスクール中高学部 福岡県 DP 国語以外ほぼ全教科を英語で実施
玉川学園中学部・高等部 東京都 MYP/DP IBクラスは英語中心。一般クラスと併設
UWC ISAKジャパン 長野県 DP 全寮制。日本語・外国語科目を除き、原則英語で授業を行います。学校公式の入学案内をご確認ください

非一条校のバイリンガル系

学校名 所在地 IBプログラム バイリンガル教育の特徴
Aoba-Japan Bilingual Preschool 東京都(6拠点、2026年6月時点) PYP 校名に「Bilingual」を冠しています。言語比率は公式資料でご確認ください。文科省IB教育推進コンソーシアムの学校一覧
Capital Tokyo International School 東京都 PYP/MYP 言語の運用は学校・学年により異なるため、最新の公式資料をご確認ください
Malvern College Tokyo 東京都 PYP/MYP/DP 英語と日本語を日常カリキュラムで提供しています。比率などの詳細は公式資料をご確認ください
Kansai International Academy 兵庫県 PYP/MYP/DP 言語の運用や開講状況は学校・学年により異なるため、最新の公式資料をご確認ください

PYP Early Years(幼児教育期):二言語での探究のはじまり

ここからは、各段階ごとにバイリンガルIBの学びをご紹介していきますね。まずは一番小さなお子さまの時期、Early Yearsからです。

バイリンガルスクールのEarly Yearsでは、日本語と英語の両方が日常的に使われる環境で、遊びを通じた探究学習が展開されます。この時期は、二言語の土台を自然に築く最も重要な時期なんです。

バイリンガルEarly Yearsの特徴

  • 言語のバランスある使用:多くの学校では教師2名体制(英語担当+日本語担当)で、お子さまが自然に言語を切り替えられるようにサポートしてくれます
  • 遊びの中での二言語体験:ブロック遊び、砂場遊び、お絵描きなどの中で、両言語での語彙と表現を増やしていくんですよ
  • 文化的な体験の統合:日本の行事(七夕、節分など)と国際的な行事(ハロウィン、国連デーなど)の両方を体験できるのも魅力ですよね

評価はどうなるの?

「まだ小さいのに評価されるの?」と不安に思われるかもしれません。PYPでは形成的評価を重視しながら、学校の計画に基づく記録や総括的評価も行われます。方法や点数化は学校ごとに異なりますので、学校の評価方針を確認してくださいね。

  • 両言語での発話とコミュニケーション:どちらの言語でどんな表現をしているか
  • 言語切り替え(Code-switching)の様子:文脈に応じた言語の使い分けは、実は知的発達の証なんです
  • 社会情緒的発達:二言語環境でのお友達との関わり方
  • 探究心と主体性:言語の壁を超えて積極的に探究しているかどうか

お母さま・お父さまにぜひ知っておいてほしいこと

Early Years期は、保護者としてもドキドキの連続ですよね。でも、以下のことを知っておくと、少し安心して見守れると思いますよ。

  • 「沈黙期」には個人差があります:二言語環境に入った初期に、話すことが少なくなる場合がありますが、期間には大きな個人差があります。長期化する場合や、母語を含む両言語の遅れ、意思疎通の難しさが気になる場合は、学校や専門家に相談してくださいね
  • 言語の混在(Language Mixing)には個人差があります:「ママ、このapple食べたい」のような表現が見られることはあります。すべて問題ないと決めつけず、気になることがあれば学校や専門家に相談しましょう
  • 家庭での母語の維持が大切です:家庭では日本語(または家庭の母語)を豊かに使ってくださいね。絵本の読み聞かせ、日本語での会話、日本語メディアへの接触を意識的に続けてみてください
  • 焦らず、様子を見守ってください:語彙の見え方や伸び方は、子どもや測定方法などによって異なります。二言語の語彙が必ず単言語児と同等以上になるとは限りません。お子さまの様子で心配があれば、両言語を含めて相談してくださいね

PYP(初等教育):探究学習とExhibitionでバイリンガルの力が花開く

さて、ここからがいよいよ本格的な学びの段階です。PYPに入ると、探究単元(Unit of Inquiry: UOI)が本格化します。PYPは探究的・教科横断的な枠組みですが、実際にどの言語で学ぶかは学校ごとのカリキュラムによって異なります。志望校の公式資料を確認してみてくださいね。

バイリンガルPYPでは実際どんな学びをしているの?

  • 科目別の言語配分:授業で使う言語は学校・教科によって異なります。志望校の公式カリキュラムを確認しましょう
  • Translanguaging(トランスランゲージング):一つの活動の中で複数の言語を用いる実践が行われる場合もあります。実施の有無や方法は学校のカリキュラムによります
  • 読み書き力(Literacy)の二言語発達:日本語と英語での読み書きの学び方や進み方は学校・子どもによって異なります。心配な点は学校に相談してください

PYP Exhibition:お子さまのバイリンガルの強みが輝く舞台

PYP最大の見せ場であるExhibitionは、二言語の力を存分に発揮できる舞台です。保護者として見に行くのが本当に楽しみになりますよ。

  • 両言語での情報収集:テーマや学校の指導方針に応じて、日本語・英語の資料を活用できます
  • 多角的な視点:複数の言語や文化の資料を比較する方法もあります。テーマに合うか、学校の指導方針を確認してみましょう
  • 発表の言語選択:発表に使う言語や方法は学校の方針によります。担当の先生に確認してください
  • 具体的なテーマ例:「食品ロスの日本と海外での対応比較」「日本の伝統工芸の国際的な価値」「二言語環境で育つことの意味」など、テーマは問いの内容や資料の質を踏まえて検討しましょう

おうちでできるサポートのコツ

「学校のことは学校に任せて…」と思われるかもしれませんが、実は家庭のサポートがとても大きな力になるんです。

  • お子さまが探究しているテーマについて、日本語でも英語でも話す機会を意識的に作ってみてくださいね。「今日はどんなことを調べたの?」と聞くだけでも十分です
  • 両言語での読書習慣を維持してあげてください。日本語の本も英語の本も、年齢に応じたものを揃えておくと自然に手が伸びますよ
  • 「日本語でうまく説明できない」「英語の方が楽」という偏りが出てきたら、弱い方の言語をちょっと意識して補強してみてください
  • 日本語の漢字学習は特に家庭でのサポートが重要です。バイリンガルスクールでは日本の学校ほど漢字練習の時間が取れないことが多いので、ここは保護者の出番ですよ

MYP(中等教育):ここが踏ん張りどころ! 学術言語の力を二言語で伸ばすコツ

MYPに入ると、ぐっとレベルが上がります。学術的な言語能力がより強く求められるようになるんですね。「うちの子、日常会話は問題ないのに成績が伸び悩んで…」という声をよく聞くのですが、それにはちゃんとした理由があるんです。

MYPで直面する言語の壁とその乗り越え方

バイリンガル環境のMYP生が直面する最大の課題は、BICS(日常会話力)とCALP(学術言語力)のギャップです。ちょっと専門的な用語ですが、知っておくと「なるほど、そういうことか!」と納得できますよ。

  • BICS(Basic Interpersonal Communication Skills):第二言語学習者について、日常会話力は平均1〜2年という目安が示されています。対象や環境などで個人差が大きく、バイリンガル生全員に当てはまるわけではありません
  • CALP(Cognitive Academic Language Proficiency):学術的な読み書き・論述力は通常5〜7年以上という目安が示されていますが、個人差があります。日常会話ができても学術言語が十分とは限りません

つまり、「おしゃべりは上手なのに、レポートの点数が…」という現象は、お子さまの能力不足ではなく、学術言語の発達にはもう少し時間が必要ということなんです。ここを理解しておくだけで、見守り方が変わりますよ。

具体的な対策のポイント:

  • 各教科の専門用語を両言語で理解しておくのが効果的です(例:光合成 = photosynthesis、需要と供給 = supply and demand)
  • 論述文の構造と表現パターンを意識的に学ぶことも大切です(英語の5-paragraph essay、日本語の序論・本論・結論)
  • 教科書を両言語で読む習慣をつけると、概念理解がぐっと深まりますよ

評価規準(Criterion)への対策

MYPの評価基準は教科ごとに異なります。Criterion Cの名称や内容もすべての教科で「コミュニケーション」とは限らないため、該当する教科の評価ガイドを確認しましょう。IBのMYP評価と試験の案内で教科群ごとの評価基準を確認できます。

  • 学校内評価とIBの外部評価は区別して確認しましょう。回答に使える言語は評価の種類や指定によって異なるため、「授業言語で回答」と一律には言えません
  • 評価基準の名称と内容は教科ごとに確認し、該当するガイドに沿って学習しましょう
  • MYP Bilingual CertificateとDP Bilingual Diplomaは別の制度です。MYPの修了時の要件とDPの要件をそれぞれ確認してください(MYP Bilingual Certificate、DP Bilingual Diploma)

Personal Project:どの言語で挑む? 戦略的な言語選択がカギ

MYP最終年のPersonal Projectでは、使用言語の選択が重要な戦略的判断になります。ここはお子さまと一緒に考えてあげたいところですね。

  • 使用言語を確認する:Personal Projectで使用できる言語や提出方法は、該当校のガイドとIBの指定を確認してください
  • テーマに合った言語:テーマを検討する際は、使用可能な言語や資料、学校の指導方針を確認しましょう
  • 二言語を活かしたテーマ:「バイリンガリズムと認知能力」「翻訳の難しさと文化的ニュアンス」などのテーマも、問いの内容や評価基準に照らして検討できます
  • プロセスジャーナルと最終報告書:言語の使用や混在について一律のルールを断定せず、学校のガイドとIBの指定言語を確認しましょう

DP(ディプロマ):いよいよ本番! Bilingual Diploma取得戦略と科目選択のコツ

さあ、ここからが集大成ともいえるDPの話です。DPでは、所定の要件を満たすとBilingual Diploma(バイリンガル・ディプロマ)を取得できます。複数言語の能力を示すものになり得ますが、大学での評価や要件は大学・国・学部ごとに異なります。出願先の公式情報も確認してくださいね。

Bilingual Diplomaの取得条件

「具体的にどうすれば取れるの?」というところを見ていきましょう。以下のいずれかの条件を満たすことで、IBディプロマに「Bilingual」の表記が加わります。

  • 条件1:Group 1(言語と文学)で2つの異なる言語を選択し、両方でグレード3以上を取得する(例:日本語A Literature + English A Language and Literature)
  • 条件2:Group 1で1言語を選択し、Group 3(個人と社会)または Group 4(理科)を別の言語で受験してグレード3以上を取得する(例:日本語A Literature + History in English)

バイリンガルスクールで学んだ経験だけで、Bilingual Diplomaを取得できるとは限りません。要件を満たせるか、開講科目や受験言語を含めて学校に確認しましょう。取得した場合も、大学での評価や要件は出願先ごとに異なります。

Bilingual Diplomaを目指す科目選択パターン

「で、具体的にどう科目を組み合わせればいいの?」というのが気になりますよね。表は組合せの例です。実際に選べる科目、使用言語、HL/SLは学校により異なるため、志望校の最新Subject ChoicesとBilingual Diplomaの要件を確認してくださいね。

科目群 パターンA(条件1型) パターンB(条件2型)
G1 Japanese A: Literature(HL) Japanese A: Literature(HL)
G1(2つ目) English A: Language and Literature(SL) なし
G2 (G1で2言語のため選択不要、G3/4から追加選択) English B(HL)
G3 History in English(HL) History in English(HL):これでBilingual条件達成
G4 Biology in Japanese(SL) Chemistry in English(SL)
G5 Mathematics AA(SL) Mathematics AA(HL)
G6 / 追加 Economics in English(SL) Visual Arts(SL)

各科目、どちらの言語で受ける? 判断のポイント

各科目をどちらの言語で受験するかは、バイリンガル生にとって最も重要な戦略的判断です。「うちの子はどうすべき?」と迷われたときは、以下の基準で考えてみてくださいね。

  • 概念理解の深さ:その科目の概念をどちらの言語でより深く理解しているか。MYPまでどちらの言語で学んできたかが大きなヒントになります
  • 試験での表現力:論述問題でどちらの言語でより精緻な議論を展開できるか、お子さまと話し合ってみてください
  • 教材の充実度:英語のIB教材は圧倒的に豊富です。ただし日本語DPの教材も近年充実してきていますよ
  • 教員の専門性:その学校でどちらの言語の教員がより経験豊富かも考慮しておくと安心です
  • 大学出願との整合性:海外大学を主に狙うなら英語科目を多めに、日本の大学を狙うなら日本語科目も確保しておきましょう

EE・TOK・CAS:バイリンガル生だからこそ輝けるコア科目の対策

DPの「コア」と呼ばれるEE・TOK・CASでは、テーマや成果物の質、各科目の評価基準、学校の指導方針を踏まえて取り組みましょう。言語背景だけで高い評価につながるわけではありません。

EE(課題論文):言語選択で論文の質が変わる

4,000語の研究論文を書くEEでは、言語の選択が論文の質に直結します。お子さまと一緒に、じっくり考えてほしいポイントです。

  • 執筆言語の選び方:使用できる言語は科目やIBの指定によります。学校の指導方針と該当する評価基準を確認してください
  • 日本語EEの資料:テーマに合う資料を選び、問いに対して適切な根拠を示しましょう
  • 英語EEの資料:英語資料を使う場合も、テーマに合う資料かどうかを確認しましょう
  • 複数言語の資料を使う場合:引用や翻訳の扱いを学校の指導方針に沿って確認し、研究の質と評価基準を意識しましょう

TOK(知の理論):二言語話者の経験が最大の武器に

  • 二言語話者の経験:言語と知識の関係はTOKで検討できるテーマの一つです。自身の経験を使う場合も、問いと評価基準に沿って論じましょう
  • TOK Exhibition:日本語と英語で同じ概念が異なるニュアンスを持つ事例を扱うこともできます。選んだ対象が問いにどう結びつくかを検討してください
  • TOK Essay:テーマの選択と評価は、論点の明確さや根拠などによります。学校の指導方針も確認しましょう

CAS:二言語・二文化の強みを社会に活かそう

  • 言語ボランティアなどの活動をCASで扱う場合は、活動内容や振り返りが学校の方針とCASの要件に沿っているか確認しましょう
  • 二文化にまたがる活動:活動の内容と振り返りがCASの要件に沿うか、学校に確認してください
  • 振り返りに使う言語についても、学校の指導方針を確認しましょう

お子さまの二言語はこう育つ:Early YearsからDPまでの発達段階を一覧で確認

ここまで各段階を詳しく見てきましたが、全体像を俯瞰してみましょう。バイリンガル教育で最も大切なのは、長期的な視点で言語発達を見守ることなんです。「今はこの段階なんだな」「次にこうなっていくんだな」と分かっていると、安心して見守れますよね。

段階 言語発達の特徴 保護者の役割
Early Years(3〜5歳程度) 言語発達には個人差があります。言語混在の有無や語彙の伸び方も一律ではありません 家庭で使う言語での読み聞かせや会話を続け、気になる点は学校に相談する
PYP PYPは3〜12歳を対象とするプログラムです。読み書きや語彙の発達時期は子どもや学習環境によって異なります 学校と相談しながら、子どもの状況に合った読み書きの支援を考える
MYP MYPは11〜16歳程度を対象とするプログラムです。学術言語の発達や言語間の違いには個人差があります 必要に応じて学校と相談し、学習に必要な支援を確認する
DP(16〜19歳程度) 学習言語や学術的な表現の発達は、個人や学習環境によって異なります 学校と相談しながら、学習と休息のバランスを支える

大学受験でどう活かす? Bilingual Diplomaの出願戦略

「ここまで頑張ってきたバイリンガルの力は、大学受験でちゃんと評価されるの?」というのは、保護者として気になるポイントですよね。Bilingual Diplomaは複数言語の能力を示すものになり得ますが、大学での評価や要件は大学・国・学部ごとに異なり、合格を保証するものではありません。具体的に確認していきましょう。

日本の大学にはこうアピール!

  • IB入試:文科省IB教育推進コンソーシアムの令和7年1月時点の一覧では82大学が掲載されています。選抜方法や要件は大学ごとに異なるため、最新の募集要項を確認してください。文科省IB教育推進コンソーシアムの大学一覧
  • 総合型選抜(旧AO入試):二言語能力を出願資料でどう扱うかは募集区分ごとに異なります。各大学の募集要項を確認しましょう
  • 早稲田大学国際教養学部や上智大学国際教養学部などには、IBDPを出願要件・提出資料として扱う募集区分があります。Bilingual Diploma自体の評価は、各学部の最新募集要項で確認してください
  • 面接が日本語で行われる場合は、出願先の案内を確認し、必要な言語で学習経験を説明できるよう準備しておきましょう

海外大学にはこう勝負!

  • Bilingual Diplomaの表記は複数言語の能力を示すものになり得ますが、大学での評価や要件は国・大学・学部ごとに異なります
  • 出願エッセイで複数の文化に関わる経験を扱う場合も、評価は大学の選考方針や出願内容によります
  • 国や大学によって選考方法や求めるスコアは異なります。出願先の公式Recognition Policyと募集要項を確認してください
  • カナダ・オランダを含め、国・大学・学部ごとの公式情報で要件や資格の扱いを確認しましょう

お母さま・お父さまへ:バイリンガルIB生を育てる家庭で大切にしたいこと

最後に、バイリンガルスクールでIBを学ぶお子さまを支えていらっしゃる保護者の皆さまに、ぜひお伝えしたい大切なメッセージをまとめますね。

  • 「二つの言語は一つの頭の中で共存している」:二言語を使う子どもには、学んだ概念が別の言語での理解に役立つことがありますが、子どもや家庭・学校環境によって異なります
  • 完璧なバランスを求めすぎないで:年齢や環境によって優勢な言語が変わることがあります。伸び方には個人差があるため、心配なことは学校に相談しましょう
  • 「混ぜて話す」ことを叱らないであげてください:言語の混在は二言語話者にも見られることがあり、それだけで知的能力の低さを示すとは限りません。気になることがあれば、両言語を評価できる専門家に相談してください
  • 家庭の言語方針を考える:家庭で使う言語や取り組み方は、それぞれの環境に合わせて無理なく考えてみてください
  • お子さまのアイデンティティを尊重してあげてください:「日本人なのに日本語が…」「インターの子なのに英語が…」という比較は避けましょう。二言語話者としての独自のアイデンティティを、ぜひ肯定的に受け止めてあげてほしいんです
  • IB評価の仕組みを理解しておく:各プログラムの評価方法を把握し、「何が求められているか」を知ったうえでサポートすると、的確な応援ができますよ

バイリンガルスクールのIB教育は、お子さまに世界でも稀有な力――二つの言語と文化の架け橋となる力――を授けてくれます。その道のりは、正直に言えば時に困難を伴うこともあるでしょう。でも、その先には一つの言語では見えなかった世界が広がっているんです。お母さま・お父さまが温かく見守り、応援してくださることが、お子さまにとって何よりの力になります。この記事が、お子さまの二言語の翼を育てるヒントになれば、本当に嬉しく思います。

関連記事

【PR】お子さまの学びをサポートするサービス

オンライン家庭教師 e-Live
小中高生を対象としたオンライン家庭教師サービスです。新規の無料体験を申し込めます。

e-Liveのオンライン家庭教師 無料体験を見る(小中高生対象)

当サイトはアフィリエイトプログラム(A8.net・もしもアフィリエイト・バリューコマース・楽天アフィリエイト等)に参加しています。リンク経由でお申し込み・ご購入いただくと当サイトに報酬が支払われる場合がありますが、掲載内容・順位に影響はありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました