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「勉強のやる気や自信って、点数のように測れるものなの?」と気になったことはありませんか。テストの点は目に見えますが、粘り強さや挑戦する気持ちは、親から見てもなかなかつかみにくいものですよね。
そんな「学びを支える力」の変化を、海外の子どもたちを対象に確かめようとする取り組みが動き出しました。デジタル教材「すらら」を手がける株式会社すららネットが、文部科学省の「EDU-Portニッポン」の応援プロジェクトに採択されたと、2026年9月18日に発表したんです。
海外の話だから関係ない、と思われるかもしれません。ただ、国が今年度の応援プロジェクトで「非認知能力」の育成を取り入れた取り組みに期待を示している点は、国内で子育てをしているご家庭にも、海外駐在中のご家庭にも参考になります。この記事では、発表の中身と、家庭で生かせる見方を整理していきますね。
ニュースの概要
株式会社すららネット(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:湯野川孝彦氏)は、2026年9月18日にPR TIMESでプレスリリースを出しました。文部科学省の令和8年度「EDU-Portニッポン応援プロジェクト」に、同社の事業が採択されたという内容です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表主体・発表日 | 株式会社すららネット(2026年9月18日) |
| 採択された事業名 | 国際算数・数学コンテストによる非認知能力育成のデジタル学習実証 |
| 事業区分 | EDU-Portニッポン 応援プロジェクト(令和8年度) |
| 対象国 | インドネシア、スリランカ、エジプト、カンボジア |
| 使う教材 | 海外向けの算数・数学ICT教材「Surala Math」など |
発表によると、同社の採択は2018年度の初採択から数えて通算7度目で、2025年度から2年連続とのことです。海外での教育事業は、2014年にJICA(国際協力機構)の実証プロジェクトに採択されたことをきっかけに始めたと説明されています。見出しにある「10年以上にわたる海外教育の実践」は、この2014年からの活動を指しています。
今回の事業の中心は、国際大会「DMC2026」(すらら国際デジタル算数・数学コンテスト)です。発表では、インドネシア、スリランカ、エジプト、カンボジアを含む6カ国の児童生徒約4,000人が参加する大会とされています(残る2カ国の国名は発表に書かれていません)。Surala Mathで学んだ内容をもとに計算の正確さやスピードを競い、オンライン交流会や授賞式も行われます。9月下旬のカンボジアの予選を皮切りに各国で予選・国内本選があり、勝ち上がった生徒が11月の国際決勝大会に出る予定です。
あわせて、23回目となる学習イベント「すららカップ」を12月1日から開く予定です。点数だけでなく、学習時間や学習量といった「努力の過程」を評価して表彰するのが特徴とされています。

これまでの歩みと今回の予定を図1にまとめました。注目したいのは、今年度が「効果を証明した」段階ではなく、本格的な効果検証に向けた調査計画をつくる段階だという点です。発表では、令和9年度(2027年度)以降にスリランカまたはカンボジアで本格的な効果検証を行うための調査計画を策定するとしています。
背景と解説
EDU-Portニッポンとは
EDU-Portニッポン(日本型教育の海外展開)は、文部科学省が2016(平成28)年度から進めている官民協働の事業です。学校や企業、NPOなどが日本の教育の手法や教材を海外で生かす取り組みを後押しし、そこで得た知見を国内の教育にも還元することをめざしています。
「応援プロジェクト」は、その中で公募により選ばれる取り組みです。令和8年度は、2026年5月12日から6月10日まで公募が行われ、申請34件のうち28件が選ばれました。文部科学省は2026年7月13日に結果を発表しています。
ポイント:令和8年度の応援プロジェクトへの支援は、「EDU-Portニッポン応援プロジェクト」の呼称やロゴの利用許可、現地の関係機関との調整・仲介などです。文部科学省の発表を見るかぎり、実施経費の支援は応援プロジェクトの支援内容に含まれていません。つまり、文部科学省の応援プロジェクトとして、呼称・ロゴの利用や現地機関との調整・仲介支援を受ける形です。
「非認知能力」に国が期待を示している
今回のニュースで保護者として押さえておきたいのは、文部科学省が令和8年度の応援プロジェクトについて、「学力だけでは測れない非認知能力(協調性、主体性等)の育成等を取り入れた取組を期待」していると明記していることです。非認知能力とは、テストの点では表しにくい、意欲や自信、粘り強さ、人と協力する力などのこと。つまり、点数以外の力をどう育てるかが、国の事業の中でもテーマになっているということです。
すららネットも、学力に加えて学習意欲や自信、継続力、挑戦する姿勢といった「学びを支える力」がどう変わるかを調べるとしています。測り方として発表に書かれているのは、デジタル教材の学習ログと、イベント後のアンケートを使い、参加前後の学習行動や意識の変化を分析するという方法です。この計画を図2にまとめました。

事前調査の結果はどう読めばいい?
同社は2025年に、Institution for a Global Society(IGS)株式会社の協力を得て、スリランカで自信や自己効力感、学習意欲などに関する事前調査を行ったと説明しています。その結果、Surala Mathを1年以上続けた生徒は、1年未満の生徒に比べて、学習意欲や自信などの自己評価が高い傾向が見られたそうです。
注意:この事前調査は、調査人数や使った尺度が発表には書かれていません。また「長く続けた子ほど自己評価が高い」という傾向は、教材の効果なのか、もともと意欲の高い子が長く続けたのかを区別できるものではありません。だからこそ、令和9年度以降に本格的な検証を計画している、と受け止めるのが自然ではないでしょうか。
IB教育との共通点
このテーマは、国際バカロレア(IB)に関心のあるご家庭にもなじみがあると思います。IBでは、めざす人物像として「IBの学習者像」を掲げていて、その中には「挑戦する人」「振り返りができる人」「バランスのとれた人」などが含まれます。今回の事業はIBとは直接の関係はありませんが、「点数だけでなく、学びに向かう姿勢を育て、見取る」という方向性は共通しているといえます。
保護者への影響と今できる対応
今回の事業が実証の対象とするのは海外4カ国(インドネシア、スリランカ、エジプト、カンボジア)の子どもたちです(大会「DMC2026」自体はこの4カ国を含む6カ国から参加)。発表には、日本の一般家庭が実証に参加するための募集案内は示されていません。それでも、「点数以外の力をどう見るか」という問いは、どのご家庭にも共通します。次のような視点で、日々の学びを見直してみてはいかがでしょうか。
- 結果だけでなく過程をほめる:すららカップが学習時間や学習量といった「努力の過程」を表彰しているように、家庭でも「続けたこと」そのものを認める声かけが役立ちます。
- 記録を残して振り返る:デジタル教材の学習記録や、手書きの学習カレンダーなど、続けた跡が見える形にしておくと、子ども自身も成長を実感しやすくなります。
- 挑戦の場を用意する:コンテストや発表会など、少し背伸びする機会は、自信や挑戦する姿勢を育てるきっかけになります。
- 海外駐在中のご家庭は現地の教育にも目を向ける:駐在先の学校で、どんな力をどう評価しているかを知ることは、帰国後の学校選びの参考にもなります。
- 「効果」をうたう情報は根拠を確認する:調査の人数や比べ方が示されているか、結果が「傾向」なのか「実証」なのかを見分ける習慣をつけておくと安心です。
ポイント:今回の発表は「これから検証する」という段階のものです。教材やサービスを選ぶときは、企業の発表だけで判断せず、検証結果が公表されたあとの続報もあわせて見ていくのがおすすめです。
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まとめ
- 採択の中身: 株式会社すららネットの「国際算数・数学コンテストによる非認知能力育成のデジタル学習実証」が、令和8年度のEDU-Portニッポン応援プロジェクトに採択されました(2026年9月18日発表)。
- 対象と活動: インドネシア、スリランカ、エジプト、カンボジアの4カ国が事業の対象。大会としては、この4カ国を含む6カ国約4,000人が参加するDMC2026や、12月1日開始予定のすららカップが中心です。
- 国の方向性: 文部科学省は令和8年度の応援プロジェクトで、非認知能力の育成を取り入れた取り組みに期待を示しています。
- 検証はこれから: 今年度は学習ログやアンケートで変化を探り、令和9年度以降の本格的な効果検証に向けて調査計画をつくる段階です。
- 家庭での生かし方: 結果だけでなく過程を認め、記録を残して振り返ることが、学びを支える力を育てるヒントになります。
出典・参考リンク
- 株式会社すららネット(PR TIMES): 10年以上にわたる海外教育の実践を次のステージへ 文科省「EDU-Portニッポン」に採択、教育効果の実証へ(2026年9月18日)
- 文部科学省: 令和8年度「日本型教育の海外展開(EDU-Portニッポン)」調査研究及び応援プロジェクトを決定しました(2026年7月13日)
- EDU-Portニッポン: 株式会社すららネット(令和8年度 応援プロジェクト)事業概要(2026年10月4日閲覧)
- EDU-Portニッポン: 事業概要・実施方針(2026年10月4日閲覧)
- EDU-Portニッポン: 応援プロジェクト(2026年10月4日閲覧)
- International Baccalaureate: IB learner profile(2026年10月4日閲覧)


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