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「理系に進ませたい気持ちはあるけれど、学部や学科の名前が多すぎて、正直どこがどう違うのかよく分からない」――お子さまの進路を考え始めたご家庭から、こんな声をよく聞きます。とくに生命科学・バイオ系は、化学と生物と情報と医療がすこしずつ重なり合っている分野なので、外から見ると違いが分かりにくいですよね。
そんななか、立命館大学が2026年8月5日、2028年度から生命科学部を大きく作り替える構想を公表しました。文部科学省の「大学・高専機能強化支援事業(成長分野転換基金)」に採択されたことを受けたもので、3つの学科で入学定員を合計65人増やし、2つの学科については名称を含めた発展的な改編を検討しているとのことです。大学ジャーナルオンラインも8月21日にこの内容を報じています。
2028年度に大学へ入学する主な学年は、留年や飛び級などがなく標準的に進級した場合、2026年8月時点で高校2年生のお子さまです。「まだずいぶん先の話」ではなく、まさにこれから志望校を絞り込んでいく学年にあたります。この記事では、発表された内容を整理したうえで、どんなご家庭に関係する話なのか、今の時点で何を見ておけばよいのかを一緒に考えていきます。
ニュースの概要
発表したのは立命館大学(設置法人は学校法人立命館)です。2026年8月5日に公式サイトで「文部科学省『大学・高専機能強化支援事業(成長分野転換基金)』に採択~生命科学部の新展開で高度理系人材の育成を推進~」というリリースを公開しました。大学ジャーナルオンラインは2026年8月21日にこれを記事化しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表主体 | 立命館大学(学校法人立命館) |
| 発表日 | 2026年8月5日 |
| 対象 | 生命科学部(2008年開設) |
| キャンパス | びわこ・くさつキャンパス(BKC、滋賀県草津市) |
| 実施予定 | 2028年度(構想段階) |
| きっかけ | 文部科学省「大学・高専機能強化支援事業(成長分野転換基金)」への採択 |
まず押さえておきたいのは、これは「新しい学部をつくる」話ではないということです。2008年からある既存の生命科学部を、定員と学科構成の両面から作り替えていく構想であり、大学自身も「現在構想中であり、今後変更となる場合がある」という趣旨の注記を添えています。
入学定員は3学科で合計65人増の構想
入学定員を増やす構想が示されているのは、応用化学科・生命情報学科・生命医科学科の3学科で、合計65人の増員です。生命科学部は現在、次の4学科で構成されています(募集人数は2027年度入試の公表値です)。
| 学科 | 2027年度募集人数 | 今回の構想 |
|---|---|---|
| 応用化学科 | 111人 | 定員増+名称改編(先端・応用化学科(仮称)) |
| 生物工学科 | 86人 | 名称改編(応用生命科学科(仮称)) |
| 生命情報学科 | 64人 | 定員増 |
| 生命医科学科 | 64人 | 定員増 |
| 学部合計 | 325人 | 3学科あわせて65人増の構想 |
単純に足せば390人規模ということになりますが、これはあくまで構想段階の数字です。大学の公式リリースでは3学科合計の増員数のみが示され、学科別内訳は示されていません。2028年度の募集要項で確認が必要です。
2つの学科は名称を含めた改編を検討
学科の発展的改編としては、応用化学科を「先端・応用化学科(仮称)」へ、生物工学科を「応用生命科学科(仮称)」へという構想が示されています。どちらも「仮称」であり、正式に決まった名称ではありません。強化する分野としては、GX(グリーントランスフォーメーション)、カーボンニュートラル、食料・環境問題、AI×バイオ、次世代医療といった領域が挙げられています。
背景と解説
「成長分野転換基金」って何でしょう
今回の構想のきっかけになったのが、文部科学省の「大学・高専機能強化支援事業」です。名前だけ聞くと難しそうですが、つまり国がお金を出して、大学の理工農系の学部・学科を増やしたり作り替えたりするのを後押しする仕組みということです。立命館大学は2026年度の重点分野支援枠(支援2)に採択されました。同枠の対象は国立・公立・私立大学で、支援2は既設の情報系分野を有する大学における重点分野に係る取組を対象としています。
立命館大学が採択された重点分野支援枠(支援2)は、最長10年間で、大学の助成上限額は10億円です。立命館大学の支援期間や実際の助成額は、採択計画・交付決定で確認が必要です。2026年度の公式選定結果は2026年9月16日に公表され、立命館大学は重点分野支援枠に掲載されました。
なぜ今、生命科学なのか
挙げられている強化領域を並べてみると、方向性が見えてきます。カーボンニュートラルや食料・環境問題は、化学と生物の力が直接求められる分野です。AI×バイオや次世代医療は、情報科学と生命科学が組み合わさる領域で、人材育成が求められる分野です。立命館大学の発表では、2040年には理系人材が100万人以上不足するという推計にも触れられています。
お子さまが今学んでいる化学や生物が、大学ではこうした分野につながっていく――そう考えると、高校の科目選択の意味も少し違って見えてきますよね。
2028年度入学は「今の高2」から
ここで一度、学年を整理しておきましょう。学校教育法施行規則では、小学校の学年は4月1日に始まり翌年3月31日に終わると定められ、この規定が中学校・高等学校にも準用されています。ですから、留年や飛び級などがなく標準的に進級した場合、2028年4月に大学へ入学するお子さまは2028年3月に高校を卒業する学年で、逆算すると2026年8月の時点では高校2年生にあたります。同じく標準的に進級すれば、いま中学3年生のお子さまの大学入学は2030年度。今回の構想がそのまま実現していれば、改編後の学科で学ぶことになる世代です。
つまり、今回のニュースは高2のご家庭にとっては「志望校選びの真っただ中で起きた変更」、中学生のご家庭にとっては「数年後を見据えた参考情報」という受け止め方になります。学年によって、情報との付き合い方が変わってくるわけです。
注意していただきたいのは、定員増や学科の改編は、必要な認可申請・届出等と大学公式発表を経て確定するものだという点です。2026年8月時点ではあくまで構想段階であり、学科名も定員も変わる可能性があります。正式な学科名や募集人数は、今後の大学公式発表および受験年度の入学試験要項でご確認ください。今の段階で「2028年度はこうなる」と決めつけないことが大切です。
IBで学ぶお子さまの場合はどうなるか
国際バカロレア(IB)で学んでいるご家庭にとって気になるのは、「IBのスコアをそのまま使える入試はあるの?」という点だと思います。2026年8月時点で公開されている立命館大学の入試情報を確認する限り、生命科学部に「IB入試」という名称の専用区分は確認できません。ただし、これは「IBで学んだ生徒は生命科学部に出願できない」という意味ではまったくないんです。
2027年度のAO選抜(総合型選抜)入学試験要項を見ると、生命科学部のUNITE Program方式・探究活動評価方式はいずれも、IBディプロマを取得した方・取得見込みの方を出願対象として想定しています。IB資格を取得済みの場合は「IB Diploma Programme Results」など最終成績を示す書類の提出が求められ、取得見込みの場合は学校が作成する予測スコアの証明書を提出する、といった規定が置かれています。方式ごとに、UNITE Program所定講座の修了や数学に関する要件など、別途満たすべき条件も定められています。
混同しやすいのですが、この生命科学部のAO選抜は、英語で学位を取得するプログラム向けの「AO英語基準入学試験(AO Admissions, English Basis)」とは別の制度です。生命科学部はAO英語基準入学試験の対象学部には含まれていません。
なお2027年度入試では、生命科学部は一般選抜や上記のAO選抜、外国人留学生入学試験などを実施しており、帰国生徒(外国学校就学経験者)入学試験は実施されていません。2026年9月21日時点で確認した公式資料では、2028年度の方式は掲載されていません。募集要項が公開されるまでは、出願方式を断定せず、出願資格・提出書類はその年度の入学試験要項でご確認ください。
保護者への影響と今できる対応
この発表が直接関係してくるのは、次のようなご家庭です。
- 2028年度に大学入学を迎えるお子さま(標準的に進級した場合、2026年8月時点で高校2年生)がいて、理系・生命科学系を検討している
- 化学・生物・情報のどれかに関心があり、学部選びで迷っている
- 関西エリアの私立大学の理系学部を視野に入れている
- IBやインターナショナルスクールで学んでいて、日本の理系学部への進学も選択肢に入れている
そのうえで、今の時点でできることを整理してみます。
- 大学公式サイトを定期的に確認する:定員や学科名は構想段階です。確定情報は大学の入試情報サイトで発表されます
- 学科名ではなく学びの中身で比べる:名称が変わる可能性があるので、カリキュラムや研究室のテーマで見比べるほうが確実です
- 高校の科目選択を早めに考える:理系学部は数学・理科の履修状況が出願要件に関わることがあります
- オープンキャンパスでBKCに足を運ぶ:滋賀県草津市というロケーションが通学圏として現実的かどうかは、実際に行ってみないと分かりません
- IB生は出願方式と提出書類を早めに確認する:AO選抜ではIBの最終結果や予測スコアの証明書が必要になるため、高2のうちに要項を読んでおくと安心です
定員が65人増えるということは、単純に見れば受験のチャンスが少し広がるということでもあります。ただ、注目度が上がって志願者も増えるかもしれません。「定員が増えるから入りやすくなる」と単純に考えるのではなく、お子さまが学びたい内容と合っているかどうかを軸に見ていただくのがよいと思います。
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まとめ
- 発表内容: 立命館大学が2026年8月5日、文部科学省の「大学・高専機能強化支援事業(成長分野転換基金)」に採択され、2028年度からの生命科学部の新展開を公表しました
- 定員: 応用化学科・生命情報学科・生命医科学科の3学科で合計65人の増員構想。2027年度の学部全体の募集人数は325人です
- 学科改編: 応用化学科は「先端・応用化学科(仮称)」、生物工学科は「応用生命科学科(仮称)」への発展的改編が構想されています
- 強化分野: GX、カーボンニュートラル、食料・環境問題、AI×バイオ、次世代医療といった領域が挙げられています
- 注意点: すべて構想段階であり、学科名も定員も今後変更される可能性があります。正式な内容は今後の大学公式発表と受験年度の入学試験要項で確認してください
出典・参考リンク
- 立命館大学: 文部科学省「大学・高専機能強化支援事業(成長分野転換基金)」に採択~生命科学部の新展開で高度理系人材の育成を推進~(2026年8月5日)
- 大学ジャーナルオンライン: 立命館大学 2028年度より「生命科学部」に新展開 定員増や学科の発展的改編の構想も(2026年8月21日)
- 立命館大学: 生命科学部 公式サイト(2026年8月27日確認)
- 立命館大学: 入試情報サイト(2026年8月27日確認)
- 立命館大学: 入試ガイド2027 学部・学科別募集人数(2026年8月27日確認)
- 立命館大学: 入試ガイド2027 入学試験制度一覧(2026年8月27日確認)
- 立命館大学: 2027年度 AO選抜入学試験要項(UNITE Program方式)(2026年8月27日確認)
- 立命館大学: 2027年度(総合型選抜)AO選抜入学試験要項(2026年8月27日確認)
- e-Gov法令検索: 学校教育法施行規則(第59条ほか、2026年8月27日確認)
- 文部科学省: 大学・高専機能強化支援事業(2026年8月27日確認)
- 大学改革支援・学位授与機構: 大学・高専機能強化支援事業 選定結果(2026年9月16日公表)

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