タイのインターナショナルスクールが280校に:学校数の伸びが生徒数を上回り競争激化、赴任家庭の学校選びは

タイのインターナショナルスクールの学校数・生徒数・1校あたり平均生徒数の推移(2027年は予測) IB最新ニュース

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「タイへの赴任が決まったけれど、子どもの学校はどうしよう」「バンコクにはインターナショナルスクールがたくさんあると聞くけれど、どう選べばいいの?」。そんなふうに悩んでいるご家庭も多いのではないでしょうか。

そんな中、タイの英字ニュースサイトNation Thailandが2026年10月17日、タイのインターナショナルスクールが2026年に280校に達し、学校どうしの競争が強まっていると報じました。タイの民間調査機関カシコン・リサーチ・センター(Kasikorn Research Center、KResearch)の分析によると、学校の数の伸びが生徒数の伸びを上回り、1校あたりの生徒数が減っているというんです。

この記事では、報道された数字に加えて、タイ教育省の統計、IBO(国際バカロレア機構)公式サイト、日本の外務省の統計で確認できた情報をもとに、これからタイに赴任するご家庭や、いまタイで子育て中のご家庭が知っておきたいポイントを整理しますね。

ニュースの概要

Nation Thailandの記事「Thai international schools hit 280 in 2026 as competition grows」(2026年10月17日、署名はThe Nation Editorial Team)は、カシコン・リサーチ・センターが2026年10月9日に公表した分析を紹介しています。記事で報じられた主な数字を表にまとめました。2027年の数字は、いずれも分析にもとづく予測です。

項目 報じられた数字
インターナショナルスクールの数 2022年234校 → 2026年280校 → 2027年293校(予測)
生徒数 2022年66,352人 → 2026年86,056人 → 2027年89,200人(予測)
2026年の伸び率 学校数は約5.3%、生徒数は3.8%
1校あたりの平均生徒数 2024年・2025年は312人 → 2026年307人 → 2027年304人(予測)
バンコクの割合 全国のインターナショナルスクールの45%超
バンコクの年間平均授業料 2024/25年度776,887バーツ → 2025/26年度799,818バーツ(約3%増)→ 2026/27年度839,184バーツ(予測・約5%増)
業界全体の収入 2022年750億バーツ、2023年870億バーツ、2024年1,030億バーツ、2025年1,160億バーツ、2026年1,280億バーツ(予測)、2027年1,410億バーツ(予測)

このうち学校数と生徒数は、公的な統計でも確かめることができます。タイ教育省の私立教育委員会事務局(OPEC)が公開している統計ページには、2026年6月10日時点のデータとして、インターナショナルスクール280校、生徒86,056人、教員19,967人が掲載されています。記事の2026年の学校数・生徒数は、この統計の数字と一致しています。ただし、カシコン・リサーチ・センターの分析がこの統計をもとにしているかどうかは、記事には書かれていません。

タイのインターナショナルスクールの学校数・生徒数・1校あたり平均生徒数の推移(2027年は予測)
図1:学校数と生徒数は増える一方、1校あたりの平均生徒数は減る見込み(Nation Thailand 2026年10月17日掲載のカシコン・リサーチ・センターの分析、OPEC統計より作成)

図1にまとめたとおり、学校も生徒も増えているのに、1校あたりの生徒数は少しずつ減っている、というのが今回のニュースのポイントです。

背景と解説

学校が増えているのに「競争が激しくなる」のはなぜ?

報道によると、2026年は学校数が約5.3%増えたのに対し、生徒数の伸びは3.8%にとどまりました。つまり、インターナショナルスクールに通う子どもの総数は増えているものの、それ以上のペースで学校が増えているため、1校あたりで見ると生徒の取り合いになっている、ということです。

記事は、特に新しく開校した学校が影響を受けやすいと指摘しています。開校したばかりの学校は、初期投資や運営費をまかないながら生徒を集めていく必要があり、費用をまかなえる人数に達するまで時間がかかる可能性がある、という分析です。また、バンコクに全国の45%超の学校が集まっているため、首都での競争は特に激しくなるとみられています。

学費の値上げが収入を支える構図

もうひとつ気になるのが学費ですよね。報道によると、バンコクのインターナショナルスクールの年間平均授業料は、2024/25年度の776,887バーツから2025/26年度には799,818バーツへと約3%上がり、2026/27年度は約5%上がって839,184バーツになると予測されています。

バンコクのインターナショナルスクールの年間平均授業料の推移(2026/27年度は予測)
図2:バンコクの年間平均授業料の推移(Nation Thailand 2026年10月17日掲載のカシコン・リサーチ・センターの分析より作成)

記事は、1校あたりの生徒数が減る分を、授業料の引き上げが補う形になっていると分析しています。業界全体の収入は2026年に1,280億バーツ、2027年に1,410億バーツに達すると予測されていますが、収入が増えても利益が同じペースで増えるとは限らない、とも書かれています。一方で、値上げは保護者の支払い能力や学校選びに影響しうるため、学校側も慎重な判断が求められるという見方です。

ポイント:図2の金額は、バンコクのインターナショナルスクール全体の平均授業料です。個々の学校の学費とは違いますし、入学金や施設費などをどこまで含むかも記事には書かれていません。円に換算した金額は為替レートによって大きく変わるので、実際の負担は志望校の学費表と最新のレートで確かめてくださいね。

「評判だけでは選ばれない」時代へ

カシコン・リサーチ・センターは、学校が生徒を集め、在籍し続けてもらうためには差別化がますます重要になると指摘しています。評判や、ほかの学校でも受けられる国際的なカリキュラムだけには頼れなくなり、教育の質、専門的なプログラム、子どもの力を伸ばす活動、学校の環境、安全対策、子どもを支える学校の雰囲気などで違いを示す必要がある、という内容です。保護者の側から見ると、学校ごとの特色を比べやすくなる面もあるのではないでしょうか。

タイで暮らす日本人家庭と学校の選択肢

外務省の「海外在留邦人数調査統計」(令和7年版)によると、2025年10月1日現在のタイの在留邦人数は72,113人と推計されていて、都市別ではバンコクが51,297人です。日本人の子どもの学校としては、タイ国の認可を受けた私立学校で、日本の文部科学省の在外教育施設にも認定されている泰日協会学校(バンコク日本人学校)と泰日協会学校シラチャ校(シラチャ日本人学校)があります。

IB(国際バカロレア)で学べる学校については、IBO公式のタイの国別ページに、IBワールドスクールが41校と掲載されています(2026年10月18日確認)。プログラム別では、PYP(初等教育)18校、MYP(中等教育)16校、DP(高校段階の2年間で大学入学資格を目指すプログラム)33校、CP(キャリア関連プログラム)7校です。複数のプログラムを持つ学校があるので、プログラム別の数を足しても41にはなりません。また、この41校はIBO側の集計なので、OPEC統計の280校の内訳とは別の数字として見ておきましょう。

保護者への影響と今できる対応

今回のニュースが特に関係するのは、これからタイ(特にバンコク)への赴任を控えているご家庭、すでにタイでインターナショナルスクールに通っていて転校や進学を考えているご家庭、そして数年後の帰国を見据えて学校を選びたいご家庭です。

学校の数が増えているということは、選択肢が広がっているということでもあります。一方で、報道では学費の上昇や、新しい学校の生徒集めの難しさも指摘されています。「新しくてきれいな学校」「有名な学校」というイメージだけで決めず、いくつかの観点で比べておくと安心です。図3に、確認しておきたいポイントをまとめました。

タイ赴任家庭が学校選びで確認したい5つのポイントと主な選択肢
図3:学校選びで確認したい5つのポイント(Nation Thailand、OPEC統計、IBO公式、泰日協会学校公式サイトをもとに作成)
  • 学費の全体像:授業料だけでなく、入学金・施設費・スクールバスなどの費用を年度ごとに確認し、会社の教育費補助の範囲と照らし合わせる
  • 値上げの見通し:在籍中に学費がどう改定されてきたか、今後の方針を見学や説明会で聞いてみる
  • 開校年と在籍者数:新しい学校の場合は、学年ごとの人数やクラス編成、運営の見通しを確認する
  • カリキュラム:どの国の教育課程にもとづく学校か、IBのプログラムがあるか。IB認定はIBO公式サイトの学校検索で確かめる
  • 学年の区切り:記事の授業料も「2026/27年度」と年をまたぐ表記です。学年の始まりは学校ごとに違うので、各校の学年暦と日本の学年(4月始まり)との対応を確認する

注意:今回の数字の多くは、民間調査機関の分析を報道で伝えたもので、2027年の数字や2026/27年度の授業料は予測です。公的な統計で確認できるのは、OPECの2026年6月10日時点の280校・生徒86,056人・教員19,967人です。特定の学校の経営状態や定員の状況は、記事には書かれていません。気になる学校については、学校に直接確認するのがいちばん確実です。

帰国を見据えているご家庭は、帰国後の学校もあわせて考えておきたいところですよね。日本語の学びをどう続けるか、日本の学校へ編入するのか、日本国内のインターナショナルスクールで学び続けるのかによって、タイでの学校選びの重みづけも変わってきます。東京のインターナショナルスクールの例として、東京インターナショナルスクール(TIS)のガイド記事も参考にしてみてください。

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まとめ

  • 280校に増加:タイのインターナショナルスクールは2026年に280校、生徒86,056人。OPECの2026年6月10日時点の統計とも一致しています
  • 1校あたりの生徒は減少:学校数の伸び(約5.3%)が生徒数の伸び(3.8%)を上回り、平均生徒数は307人に。2027年は304人と予測されています
  • 学費は上昇の見込み:バンコクの年間平均授業料は2026/27年度に約5%上がり、839,184バーツになると予測されています
  • 差別化の時代:教育の質や専門プログラム、安全対策などで違いを示すことが学校に求められていると分析されています
  • 家庭でできること:学費の全体像、開校年と在籍者数、カリキュラム、学年の区切り、帰国後の進路を、見学や説明会で確かめておきましょう

出典・参考リンク

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