市立札幌開成中等教育学校完全ガイド:札幌市立の6年一貫校で学ぶMYP・日本語DPと2027年度入学者選考

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市立札幌開成中等教育学校は、札幌市東区にある札幌市立の中等教育学校です。1〜4年生の全員がIBのMYP(中等教育プログラム)で学び、5〜6年次には希望者が日本語DP(ディプロマ・プログラム)に挑戦できます。「市立の学校でIBってどんな感じ?」「入試はどんな内容?」と気になっているお母さまも多いのではないでしょうか。

はじめに:この記事でわかること

この記事では、学校公式サイト、札幌市教育委員会の資料、IBO(国際バカロレア機構)公式の学校情報、文部科学省や北海道大学のページで確認できた内容だけをもとに、6年間の学びの流れ、2027年度の入学者選考、費用、進学の状況までを順番にお話ししますね。金額や日程には、対象の年度を添えています。

学校概要:2015年に開校した札幌市立の中等教育学校

項目 内容
学校名 市立札幌開成中等教育学校
設置者 札幌市
所在地 〒065-8558 札幌市東区北22条東21丁目1-1
アクセス 地下鉄東豊線「元町駅」から徒歩約15分
開校 2015年4月
1学年の定員 160人
IB MYP(2017年3月16日から)、DP(2018年9月10日から)

学校は2015年4月に開校し、4月8日に開校式が行われました。札幌市の教育データによると、2024年5月1日時点の生徒数は前期課程479名・後期課程451名の計930名、職員は86名です(札幌市の教育データ(2024年))。

中等教育学校は、前期課程(1〜3年、中学校にあたる)と後期課程(4〜6年、高校にあたる)を合わせた6年制の学校です。通常の募集は、小学6年生が受ける1年生の入学者選考です。2027年度の公式資料では、後期課程(4年生)からの定期的な募集は確認できませんでした(学則には、欠員がある場合の転学・編入学の規定があります)。6年間を見通して学べるのが大きな特徴です。

IB認定状況:MYPとDPを提供

IBO公式の学校情報では、市立札幌開成中等教育学校はMYPを2017年3月16日から、DPを2018年9月10日から提供する学校として掲載されています。授業言語の欄には、MYPが英語、DPが英語と日本語と掲載されています(IBO公式の学校ページ)。文部科学省の2017年の資料では、日本の公立中等教育学校で初めてのIB認定校と紹介されています(文部科学省の資料(2017年))。

なお、「北海道で唯一の公立IB認定校」と紹介する情報もありますが、これは正確ではありません。文部科学省IB教育推進コンソーシアムの一覧では、北海道の鹿追町立瓜幕中学校と鹿追町立鹿追中学校も、公立のMYP校として掲載されています(文部科学省IB教育推進コンソーシアムの認定校一覧)。

教育の特色:全員がMYP、5〜6年次はDPかIPを選ぶ

学校公式パンフレットによると、1〜4年生は全員がMYPで学びます。そして5〜6年次には、日本語DPか、学校独自の探究プログラムであるIPのどちらかを選びます(学校紹介パンフレット(令和9年度))。図1で流れを確認してみてください。

市立札幌開成中等教育学校の6年間のプログラム構成
図1:1〜4年生は全員がMYP、5〜6年次は日本語DPかIPを選択

学校の通信(2024年5月、4年生向け)によると、DPコースを希望する生徒には、適性を判断するための選考があり、2024年度は9月・10月に行われる予定と案内されていました(学校の4年生向け通信(2024年5月))。また、後期課程(4〜6年次)の生徒は全員、理数と英語に特化した専門学科「コズモサイエンス科」に所属し、単位制で学びます。

「全員が最後までIBのディプロマを目指すの?」と思われるかもしれませんが、DPは希望する生徒が選ぶ課程です。DPを選ばない生徒は、学校独自のIPで学びます。お子さまの興味や進路に合わせて選べるのは安心ですよね。

日本語DPで英語で学ぶ科目

令和9年度の学校紹介パンフレットでは、日本語DPを選んだ生徒は、6つの教科グループ(GP1〜GP6)とEE・TOK・CASを6年前期まで履修し、英語Bに加えて1科目以上を英語で受講すると説明されています。英語で受けられる科目は数学・物理・コンピュータサイエンスで、数学と物理は日本語で受けることもできます。

カリキュラム:MYPの探究とDPの科目

MYPと課題研究(SSH)

市立札幌開成は、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定校でもあります。学校のSSH報告書の一覧によると、前身の北海道札幌開成高等学校が平成24年度(2012年度)にSSHの指定を受け、中等教育学校が平成29年度(2017年度)から継続して指定を受けています。令和4年度(2022年度)からは第Ⅲ期で、令和9年度のパンフレットでは第4期に向けた準備を進めていると紹介されています(学校公式のSSHについて、SSH研究開発実施報告書)。学校の資料では、6年間を通じた探究の流れが次のように紹介されています。

  • コズモリサーチ(3年):資料のデータの統計処理や、相関の分析、グラフの作成などに取り組む
  • パーソナル・プロジェクト(4年):MYPの学びの集大成として、個人の関心に基づいて探究する
  • プレコズモサイエンス(3・4年合同):学年をこえたグループで研究テーマを立て、実験・調査・発表を行う
  • コズモサイエンス(5年次):自分たちで決めた課題について、1年間のグループ研究を行う
  • コズモエッセイ(6年次):課題研究をもとに英語で論文を書く

学校公式ページでは、2023年の科学の甲子園全国大会で総合第4位になったことや、高校生科学技術チャレンジ(JSEC)で文部科学大臣賞を受け、国際大会ISEF2026の日本代表に決まったことも紹介されています(学校公式のお知らせ)。

DPの科目

IBOの学校ページには、生徒が現在履修している科目として、数学(分析とアプローチ)、英語B、日本語A(文学)、歴史、物理、化学、生物、視覚芸術、TOKなどが掲載されています。令和9年度の学校紹介パンフレットでは、グループ4(理科)でコンピュータサイエンスを選べることや、文学Aと理科のHL・SLの組み合わせのルールも説明されています。開講する科目やレベルは年度によって変わることがあるので、最新の教育課程は学校のシラバスで確認してくださいね(学校公式のシラバス)。DPでは、このほかに課題論文(EE)、知の理論(TOK)、創造性・活動・奉仕(CAS)の3つのコアに取り組みます。

学校生活とサポート

ICTと施設

学校の2023年の資料では、1〜2年生はGIGAスクールの端末、3〜6年生はタブレット端末を1人1台使うと説明されています。学校公式ページでは、校内の無線LAN、各教室のディスプレイを使った授業の様子が紹介されています。施設については、理科の実験室6室や研究室・ゼミ室、メディアセンターなどを備えていると説明されています(学校公式の施設紹介)。探究やSSHの研究に取り組みやすい環境が整っているのは心強いですね。

大学や地域とのつながり

北海道大学の研究者9名が課題研究のスタートアップセミナーで講義を行い、3・4年生が参加した取り組みが、北海道大学のページで紹介されています(北海道大学の紹介記事(2024年))。学校公式ページでも、卒業生の北海道大学生がティーチング・アシスタントとして研究に助言したことや、生徒22名が北海道大学の留学生と日本語・英語で交流したことが紹介されています。

保護者とのつながりと相談体制

学校公式ページによると、2025年にはPT会の主催で卒業生4名による保護者向けの進路講演会が開かれ、約300名が参加しました。また、学校の2023年の資料では、公認心理師・臨床心理士の資格を持つスクールカウンセラー2名と相談支援パートナーが紹介されていて、保護者からの相談も受け付けると説明されています。「中学生の年齢から6年間通う学校だからこそ、困ったときに相談できる場所があるか」は大切なポイントですよね。

入学方法:2027年度(令和9年度)入学者選考

以下は、札幌市教育委員会の「市立札幌開成中等教育学校の入学者決定に関する基本方針」と「令和9年度 入学者選考実施要項」で確認した内容です(基本方針、令和9年度 実施要項)。

項目 2027年度(令和9年度)入学者選考
募集人員 160人
出願資格 2027年に小学校等を卒業・修了する見込みで、保護者とともに札幌市内に住み、入学後も市内から通えること(このほか、校長の承認が必要な出願資格もあります)
出願期間 2026年11月2日〜13日
一次検査 2027年1月12日:適性検査Ⅰ・Ⅱ(各45分)
二次検査 2027年1月23日:グループ活動(50分)
入学予定者の発表 2027年1月29日 16時(学校ホームページ)
市立札幌開成中等教育学校の2027年度入学者選考の流れ
図2:2027年度入学者選考の流れ

検査の内容

一次検査の適性検査Ⅰでは、粘り強く取り組む力や論理的に考える力などを、適性検査Ⅱでは、自分の考えを表現する力や課題を見つけて解決する力などをみます。二次検査のグループ活動は、課題の説明を聞いたあと、まず一人で考え、グループで話し合い、最後に振り返りを表現する流れです。授業のような活動を通じて、集団でのコミュニケーションや、課題探究的な学習に取り組む力をみると説明されています。個人面接は行われません。

「ペーパーテストだけじゃないのね」と少しほっとされる方もいるかもしれませんね。ふだんから、ご家族で身近な話題について「どう思う?」「なぜそう思う?」と話し合う習慣が、グループ活動の準備にもつながりそうです。

住所の条件に注意

札幌市立の学校なので、保護者とともに札幌市内に住んでいることが出願の条件です。市外から出願することはできないので、引っ越しを考えているご家庭は、時期も含めて早めに確認しておきましょう。

学費:公立ならではの負担の少なさ

前期課程(1〜3年)

前期課程は中学校にあたるため、授業料はかかりません。学校徴収金(教材費や行事の費用など)と、札幌市が口座振替で集める給食費がかかります。2025年度の学校徴収金は、1年次が33,840円です(給食費は別)。学年ごとの金額は、学校公式の学校徴収金のページで確認できます(学校公式の学校徴収金について)。

後期課程(4〜6年)

後期課程の授業料は、学校公式で確認できた2025年度の金額で年額118,800円(月額9,900円)です(学校公式の後期生・授業料について)。国の高等学校等就学支援金は2026年4月1日から所得制限がなくなり、公立の学校では年額118,800円を上限に授業料に充てられます。申請が必要で、国籍・在留資格などの要件もあります(文部科学省:改正法の施行等について)。

2025年度の学校徴収金は、4年次が34,146円、5年次が32,972円、6年次が41,402円です。4年次の場合、授業料と学校徴収金を合わせた年間の費用は152,946円になります(図3)。授業料に就学支援金を充てると、授業料の分は実質的に負担がなくなります。

市立札幌開成中等教育学校の後期課程4年次の年間費用(2025年度)
図3:後期課程4年次の年間費用(2025年度)

IBのDPを選ぶ場合、最終試験の受験料などの費用がかかるかどうかも気になりますよね。確認した学校の公開資料では、DPに関する費用の金額はわからなかったので、説明会などで学校に聞いてみてください。

進学実績:DP卒業生の海外大学への進学

札幌市の2022年の資料では、DPの卒業生は2期で計21人、そのうち5人が海外の大学に進学したと紹介されています。進学先には、メルボルン大学(オーストラリア)、サセックス大学(イギリス)、Emerson College(アメリカ)、中原大學(台湾)、North Central College(アメリカ)が挙げられています(札幌市の資料(2022年))。

これは2022年時点の情報で、より新しい累計や、学校全体の年度別の大学合格者数は、確認した公式資料では見つかりませんでした。最新の進路の状況は、学校説明会などで確認するのがおすすめです。

お母さまが気になるリアルな疑問

Q. 英語が得意じゃなくても大丈夫?

入学者選考は適性検査とグループ活動で、独立した英語の試験はありません。入学後はMYPで英語も学び、5〜6年次の日本語DPでは英語Bに加えて1科目以上を英語で受講します。DPコースに進むには校内の選考があり、DPを選ばない生徒は学校独自のIPで学びます。英語の授業の様子は、学校説明会で確かめてみてくださいね。

Q. 札幌市外から通うことはできますか?

出願の条件は、保護者とともに札幌市内に住み、入学後も市内から通うことです。市外にお住まいの場合は出願できないので注意してください。

Q. 途中で転校することになったら?

出願の条件には「保護者とともに札幌市内に住み、入学後も市内から通うこと」が含まれています。在学中に札幌市外へ転居することになった場合の扱いや手続きは、早めに学校や教育委員会に確認してくださいね。

Q. 部活動や学校行事はありますか?

学校公式の年間行事予定には、開成祭や海外見学旅行、SSHの研究成果報告会などが掲載されています。部活動の一覧は、学校が毎年公表する活動方針で確認できます。

Q. 説明会では何を確認すればいいですか?

  • 日本語DPとIPの選び方と、選ぶ時期
  • 日本語DPで英語で受ける科目と、その準備
  • DPに関する費用(最終試験の受験料など)
  • 前期課程の学校徴収金と給食費の目安
  • 卒業生の最近の進路

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まとめ:こんなご家庭に向いている学校です

市立札幌開成中等教育学校は、札幌市立の学校として、6年間を通してIBの考え方で学べる学校です。全員がMYPで学び、5〜6年次には日本語DPかIPを選べます。SSHの課題研究も充実していて、探究的な学びが好きなお子さまにはぴったりの環境かもしれません。

  • 札幌市内に住み、公立の学校でIBの学びを経験させたいご家庭
  • 高校入試にしばられず、6年間で探究する力を育てたいご家庭
  • 理数の研究や英語での発信に興味があるお子さま

まずは学校説明会に参加して、授業の雰囲気や6年間の過ごし方を親子で確かめてみてください。

出典・参考リンク

※本記事の内容は2026年9月24日に確認した情報に基づいています。選考の日程や費用などは変更される場合がありますので、最新の情報は必ず学校公式サイトと札幌市教育委員会の案内でご確認ください。

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