留学の給付型奨学金、大学生・大学院生の26.5%が「知らなかった」:探し方を見直す

大学生・大学院生200人の留学向け給付型奨学金の認知度と、過去2年間に調べた・申請した経験の割合を示す横棒グラフ IB最新ニュース

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「子どもが大学で留学したいと言い出したけれど、費用はどうしよう」「返さなくていい奨学金があるとは聞くけれど、どこで探せばいいの?」――留学を考え始めたご家庭にとって、お金の話はいちばん気になるところですよね。

2026年10月28日、オーストラリア留学支援サービス「Mirai Bridge」が、大学生・大学院生200人を対象にした調査結果を発表しました。海外留学に使える給付型奨学金・助成金について、26.5%が「そのような制度があることを知らなかった」と答えたという内容です。PR TIMESで配信され、時事ドットコムにも同じ見出しで掲載されました。

この記事では、調査で分かったことと分からないことを整理したうえで、日本学生支援機構(JASSO)や文部科学省の公式情報をもとに、給付型の留学支援をどう探し、いつ動き出せばよいのかを一緒に考えていきます。お子さんがまだ高校生というご家庭にも、早めの情報収集のきっかけにしていただければと思います。

ニュースの概要

今回の調査を発表したのは、ラグザス株式会社(本社:大阪市北区)です。リリースでは、同社が提供するオーストラリア特化の留学エージェント「Mirai Bridge」による調査とされており、2026年10月28日10時30分にPR TIMESで配信されました。調査の基本情報は次のとおりです。

項目 内容
発表主体 ラグザス株式会社(留学支援サービス「Mirai Bridge」)
発表日 2026年10月28日(PR TIMES)
調査方法・時期 インターネット調査、2026年10月21日実施
対象・人数 全国の大学・大学院に在籍する学生200人(留学への関心・経験は問わない)
公表範囲 全5設問のうち3設問の結果

主な結果は3つです。1つ目は制度の認知で、「制度があることを知らなかった」が26.5%でした。一方で「存在は知っていたが、具体的な制度名は知らなかった」が20.5%、「制度名は知っていたが、応募条件は知らなかった」が18.0%、「制度名と応募条件の一部を知っていた」が11.0%、「覚えていない・判断できない」が24.0%となっています。

2つ目は過去2年間の行動です。「調べたことも、申請したこともない」が43.0%で、「申請したことがある」は5.0%にとどまりました。その間には「制度名・概要だけを調べた」11.5%、「応募条件を調べたが、申請の準備はしていない」14.5%、「申請の準備をしたが、申請はしていない」8.5%といった回答が並びます。

大学生・大学院生200人の留学向け給付型奨学金の認知度と、過去2年間に調べた・申請した経験の割合を示す横棒グラフ
図1:給付型奨学金の認知と、過去2年間の情報収集・申請経験(ラグザス株式会社のPR TIMESリリース、2026年10月28日より作成)

3つ目はお金の「立て替え」です。給付が決まった支援金が、費用を払ってから1カ月後に入金されると仮定したとき、今いくらまで立て替えられるかを聞いたところ、「金額の見通しが立たない」が29.5%でした。金額を選んだ回答では「30万円以上〜50万円未満」11.5%、「10万円以上〜30万円未満」10.5%、「50万円以上〜100万円未満」8.5%、「0円」6.0%で、「答えたくない」は17.0%でした。図1に、最初の2問の結果をまとめました。

読み方の注意:この調査は留学エージェントを運営する企業によるもので、回答者は200人です。リリース自身も「調べていない・申請していない理由は尋ねていないため、制度を知らないことが未申請の原因とは判断できない」と断っています。また2問目・3問目は、リリース本文に記載された選択肢の合計が100%になりません。全国の大学生の実態を表す統計ではなく、「傾向を考えるヒント」として受け止めるのがよさそうです。

背景と解説

「給付型」と「貸与型」の違い

奨学金には大きく分けて、返す必要のない「給付型」と、卒業後に返す「貸与型」があります。今回の調査が対象にしているのは前者の給付型です。つまり、条件に合って採用されれば、留学費用の一部を返済なしで補えるということです。ただし、給付型は選考があり、成績・家計・語学力などの条件や応募期限が細かく決まっているのが一般的です。

代表的な公的制度は「入口」がそれぞれ違う

保護者として押さえておきたいのは、制度によって「どこから応募するか」が違うことです。公式情報で確認できた代表例を挙げます。

  • JASSO「海外留学支援制度(協定派遣)」:在籍する大学が海外の大学などと結んだ学生交流協定に基づく、8日以上1年以内の派遣が対象です。2026年度の奨学金月額は派遣先の地域によって8万円〜12万円です。大学がJASSOに申請し、採択されたプログラムについて大学が学生を募集・推薦する仕組みで、学生個人ではJASSOに応募できません。
  • 文部科学省「トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム」(大学生等対象):2027年度(第19期)の募集要項が公開されています。実践活動を含む28日以上1年以内の留学計画が対象で、語学学習だけの計画は対象外です。月額奨学金は地域と家計基準により6万円・12万円・16万円、ほかに留学準備金があります。申請は在籍大学等を通じて行い、大学等からJASSOへの申請期限は、新大学1年生以外が2027年2月25日、新大学1年生が2027年4月22日です。
  • JASSO「海外留学支援制度(学位取得型)」:海外の大学・大学院で学位を取るための制度です。学部の月額は2026年度実績で13万9,000円〜35万2,000円で、2027年度分の募集はすでに締め切られています。
JASSO協定派遣、トビタテ留学JAPAN、JASSO学位取得型の対象・月額・応募の入口を3列で比べた図
図2:代表的な公的制度の対象と応募の入口(JASSO公式サイト、トビタテ!留学JAPAN第19期募集情報、2026年10月28日確認より作成)

図2にまとめたように、協定派遣とトビタテは「まず大学の学内募集に応募する」のが入口です。大学の締切は学校ごとに異なり、公式に発表されている期限とは別に設けられています。なお、協定派遣とトビタテは併給できません。ここに挙げたのは公的制度の一部で、ほかにも民間財団や自治体、留学先の大学が独自に設けている給付制度があります。

ポイント:JASSOの「海外留学奨学金検索」では、給付型・貸与型の別、留学の種類、課程、国・地域などの条件で奨学金を探せます。民間財団の制度もまとめて当たれるので、最初の一歩としてとても便利なんです。ただし掲載内容は最新とは限らないため、最後は各団体の募集要項で確認しましょう。

「立て替え」の問題も見逃せない

今回の調査で目を引くのは、3問目の「立て替え」の視点です。給付型奨学金は採用されても、入金のタイミングが授業料や渡航費の支払いより後になる場合があります。リリースも、給付額だけでなく、支払時期と入金時期を把握することが大切だと指摘しています。留学の資金計画では「総額いくらかかるか」に加え、「いつ、いくら手元に必要か」を考えておく必要があるということです。

保護者への影響と今できる対応

今回の調査対象は大学生・大学院生ですが、保護者の方にとっても他人事ではありません。大学での留学費用は家計から出すことも多く、給付型の制度を知っているかどうかで、選べる留学の幅が変わることもあるからです。とくにIB(国際バカロレア)校やインターナショナルスクールに通い、大学で海外を目指したいお子さんがいるご家庭なら、高校生のうちから情報を集めておくと安心ではないでしょうか。

具体的には、次のような準備が考えられます。

  • JASSOの奨学金検索で一度探してみる:留学の種類(交換留学・学位取得など)と国・地域で絞り込み、候補をリストにしておく
  • 進学先の大学の留学支援を確認する:協定校の数、学内の奨学金、協定派遣やトビタテの学内募集の時期を、大学のウェブサイトや説明会で確かめる
  • 応募条件をメモする:成績・語学スコア・家計基準・留学期間など、制度ごとに条件が違うため、早めに書き出しておく
  • 締切カレンダーを作る:トビタテなどは大学からJASSOへの期限より前に学内締切があるので、学内の期限を基準に逆算する
  • 立て替え資金を見積もる:授業料・渡航費・住居費をいつ払うのか、給付金がいつ入るのかを確認し、つなぎの資金をどう用意するか家族で話し合う

注意:金額・条件・締切は年度ごとに変わります。この記事で紹介した金額は2026年度の数字や2026年度実績、2027年度(第19期)の募集情報です。応募を考えるときは、必ずJASSOやトビタテ、各財団の最新の募集要項で確認してください。

また、今回の調査を行ったのは留学エージェントを運営する企業です。エージェントへの相談も選択肢の一つですが、奨学金については公的機関や大学の窓口でも無料で情報を得られます。複数の情報源を比べながら、ご家庭に合った方法を選んでいきたいですね。

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まとめ

  • 調査の結果: 大学生・大学院生200人のうち26.5%が、留学向け給付型奨学金・助成金の存在を「知らなかった」と回答しました(2026年10月28日、Mirai Bridge発表)。
  • 行動の実態: 過去2年間に「調べたことも、申請したこともない」は43.0%、「申請したことがある」は5.0%でした。ただし未申請の理由は調べられていません。
  • 入口の違い: JASSOの協定派遣やトビタテは在籍大学の学内募集が入口で、学内締切に注意が必要です。
  • 探し方: JASSOの「海外留学奨学金検索」で公的・民間の制度をまとめて探し、最後は各団体の最新募集要項で確認しましょう。
  • 資金計画: 給付額だけでなく、支払時期と入金時期のずれ(立て替え)も見込んでおくと安心です。

出典・参考リンク

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