海外大医学部とZEN大学の併学、検討する家庭が知っておきたいこと

ZEN大学の学部・学費・授業の形・併学の条件をまとめた表 IB最新ニュース

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「海外の医学部に進みながら、日本のオンライン大学でも学ぶ」。そんな学び方が朝日新聞で紹介され、気になった方も多いのではないでしょうか。インターナショナルスクールやIB校で学ぶお子さんの進路として、海外医学部を視野に入れているご家庭なら、なおさらですよね。

朝日新聞の連載「ZEN大学の1期生」では、アイルランドのダブリン大学トリニティ・カレッジ医学部で学びながら、オンラインのZEN大学にも在籍する学生の姿が取り上げられました。今回は、この「かけもち(併学)」という選択肢について、公式情報で確認できた事実をもとに、保護者の目線で整理してみます。

先にお伝えしておくと、併学は誰にでもすすめられる万能の方法ではありません。在籍先の大学のルール、学習時間、そして将来日本で医師として働くかどうかによって、確認すべきことが大きく変わるんです。

ニュースの概要

朝日新聞は、2025年4月に開学したZEN大学の1期生を紹介する連載を掲載しました。ZEN大学の公式ニュースによると、このうち「海外大医学部とZEN大学をかけもち 次世代のグローバル医療めざす」の回は、WEB版が2026年8月31日、紙面が9月1日付で掲載されたと案内されています(Googleニュース上の表示は8月30日22時台〈協定世界時〉で、日本時間の8月31日にあたります)。

項目 内容
掲載媒体 朝日新聞(連載「ZEN大学の1期生」)
掲載日 WEB版 2026年8月31日、紙面 9月1日付(ZEN大学の案内による)
紹介された学生 ZEN大学2年生(ZEN大学の公式発表による)
併学先 アイルランドのダブリン大学トリニティ・カレッジ医学部

ZEN大学の公式発表では、この学生が医学の学びとZEN大学で学ぶ社会学の視点を組み合わせ、「健康と革新」をテーマに活動していると紹介されています。「学校健診へのAI導入」をテーマにした研究が日本財団のHUMAIプログラムに2年連続で採択されたことも、大学から発表されています。また、ZEN大学は2026年6月4日、この学生が第78回日米学生会議の実行委員に選出されたと発表しました。

なお、朝日新聞の記事本文は有料部分を含むため、本記事では本文の細かな記述までは確認できていません。ここでは大学の公式発表で裏付けが取れた範囲に絞ってお伝えします。

背景と解説

ZEN大学とはどんな大学?

ZEN大学は、学校法人日本財団ドワンゴ学園が設置し、2025年4月1日に開学した通信制(オンライン)の大学です。学部は知能情報社会学部 知能情報社会学科の1つだけで、公式サイトでも「唯一の学部」と案内されています。基本情報を図1にまとめました。

ZEN大学の学部・学費・授業の形・併学の条件をまとめた表
図1:ZEN大学の基本情報(ZEN大学公式サイト、2026年9月29日確認より作成)

授業料は年額38万円(システム利用料2万円・学籍管理料3万円を含む)で、入学時には入学金3万6,000円と入学検定料3万円がかかります。教材や履修内容によっては別途費用が生じる場合もあると案内されています。

授業はオンデマンド型が中心です。1回の授業は約10分の動画6本で構成され、授業ごとに確認テストがあり、15回の授業を終えると単位認定試験を受けます。つまり、決まった時間に教室へ通わなくても、自分のペースで動画を見て単位を積み上げられる仕組みということです。海外にいても学べるのは、この形式だからこそなんです。

「二重学籍」はZEN大学だけでは決まらない

ここがいちばん大切なポイントです。ZEN大学は、他の学校に通っている人の入学を受け入れています。ただし公式FAQでは、在籍中(または在籍予定)の学校が二重学籍を認めていない場合があるため、本人がその学校に確認するよう案内しています。履修時間を確保できるかにも注意が必要だとしています。

ポイント:ZEN大学側が受け入れていても、海外の医学部側が他大学との同時在籍を認めるかどうかは別の問題です。併学を考えるなら、まず進学先(または進学予定先)の大学規則を確認するのが第一歩になります。

海外医学部と日本の医師免許の関係

海外医学部への進学を考えるご家庭が必ず知っておきたいのが、卒業後に日本で医師として働く場合のルールです。厚生労働省によると、外国の医学校を卒業した人や外国で医師免許を取得した人が日本の医師国家試験を受けるには、厚生労働大臣による受験資格の認定が必要です。

認定は大学名で自動的に決まるものではなく、個人ごとの申請にもとづく審査です。提出書類から日本の医学課程修了者と同等以上の学力・技能があるかを審査し、本試験の受験資格認定では、あわせて日本語で診療する能力も調べます(日本語診療能力調査)。本試験の受験資格認定が得られない場合でも、予備試験の受験資格認定の基準を満たせば、予備試験に合格し、1年以上の診療・公衆衛生に関する実地修練を経てから国家試験を受ける道があります。ただし、いずれの認定も得られない場合もあると案内されています。流れを図2に整理しました。

海外医学部卒業から日本の医師国家試験受験までの流れ
図2:海外医学部卒業者が日本の医師国家試験を受けるまでの流れ(厚生労働省「医師国家試験受験資格認定制度」より作成)

トリニティ・カレッジの医学課程については、大学の公式ページに応募資格や科目要件、英語要件が掲載されており、EU域外からの出願者は大学へ直接出願する案内になっています。具体的な条件は年度によって変わりうるので、最新の公式ページで確かめることをおすすめします。

保護者への影響と今できる対応

今回のニュースは、「医学を学びながら、別の分野の視点も身につけたい」というお子さんにとって、ひとつのヒントになる事例ではないでしょうか。とくにIBのDP(ディプロマ・プログラム)で学ぶお子さんは、探究や課外活動を通じて複数の分野に関心を広げていることが多いですよね。一方で、医学部の学習は量が多く、併学が負担になる可能性も考えておきたいところです。

対象になりやすいご家庭

  • 海外の医学部(英語で学ぶ課程)への進学を検討しているご家庭
  • 海外駐在中で、お子さんが現地の大学に進みつつ日本の大学の学位も視野に入れたいご家庭
  • 医療×テクノロジー、医療×社会といった分野横断の学びに関心があるお子さん

検討前のチェックリスト

  • 在籍先の規則:海外医学部が他大学との同時在籍を認めているか、大学の規則や担当窓口で確認する
  • 学習時間:医学部の授業・実習の時間割に、オンデマンド授業と単位認定試験を無理なく組み込めるか
  • 費用:海外医学部の学費・生活費に加え、ZEN大学の授業料(年額38万円)と入学時費用を見込む
  • 将来の働く場所:日本で医師になる可能性があるなら、厚生労働省の受験資格認定制度と必要書類を早めに確認する
  • 日本語力:本試験の受験資格認定には日本語診療能力の調査があるため、海外生活が長いお子さんは医療分野の日本語にも触れておく

注意:記事で紹介された学び方は、あくまで一人の学生の事例です。併学が認められるかどうか、両立できるかどうかは大学や本人の状況によって異なります。「話題になっているから」ではなく、お子さんの目標に合っているかを軸に考えるのがおすすめです。

お子さんとは、「なぜ医学を学びたいのか」「医学以外にどんな視点を持ちたいのか」を一緒に言葉にしてみるのもよいと思います。併学は目的ではなく、その答えを実現するための手段のひとつ、と捉えると判断しやすくなりますよ。

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まとめ

  • ニュースの中身: 朝日新聞の連載で、トリニティ・カレッジ医学部とZEN大学を併学する2年生が紹介されました(WEB版は2026年8月31日とZEN大学が案内)
  • ZEN大学の特徴: 2025年4月開学のオンライン大学で、授業料は年額38万円。動画授業と単位認定試験で単位を修得します
  • 併学の前提: ZEN大学は他校在籍者を受け入れていますが、二重学籍の可否は在籍校への確認が必要です
  • 日本で医師になるには: 海外医学部の卒業者は、厚生労働大臣による受験資格認定を受けなければ医師国家試験を受けられません
  • 家庭でできること: 在籍先の規則・学習時間・費用・将来の働く場所を整理し、公式情報で確認しましょう

出典・参考リンク

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