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「英国王室が学んだ学校が日本にできるらしい」というニュース、目にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。スコットランドの寄宿学校ゴードンストウン(Gordonstoun)の姉妹校「ゴードンストウン・ジャパン」が、和歌山市で開校の準備を進めています。
教育情報サイトのリセマムが2026年9月28日、初代校長へのインタビュー記事を掲載しました。この記事は記事末尾に「Sponsored by ゴードンストウン」と書かれた、学校側がスポンサーの記事です。ここでは、学校法人の発表や学校公式サイトで確認できたことと、校長の説明とを分けながら、どんな学校なのか、国際バカロレア(IB)との違いはどこか、検討するご家庭が確かめておきたい点を整理しますね。
ニュースの概要
リセマムの記事では、新校長のナターシャ・デンジャーフィールド(Natasha Dangerfield)氏が、学校の理念や入学後の生活、進路について語っています。記事によると、ゴードンストウン・ジャパンは「世界初の姉妹校」で、2027年夏の開校予定です。対象年齢は11歳から18歳、男女共学のボーディングスクール(全寮制の学校)と説明されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学校名 | ゴードンストウン・ジャパン(Gordonstoun Japan) |
| 所在地(予定) | 和歌山県和歌山市梅原。南海電鉄の和歌山大学前駅から西へ約500メートル、約15ヘクタールの敷地 |
| 運営 | 学校法人OCC(本部:大阪市)。英国のゴードンストウン校との提携による姉妹校 |
| 開校時期 | リセマム記事では「2027年夏」、OCCの2025年8月6日の発表では「2027年9月」を目指すとしています |
| 対象 | Year 7〜13(記事では11歳から18歳)。男女共学・寮制 |
| カリキュラム | IGCSEを経てA Levelへ進む英国式(ケンブリッジ系)の課程を採用予定 |
学校法人OCCは2025年8月6日、ゴードンストウン校との姉妹校開設の合意を発表しました。同じ日に、OCC・和歌山市・サンヨーホームズ・南海電気鉄道の4者が協定を結んでいます。校舎は旧ノーリツ鋼機の建物を改修して使い、周辺にグラウンドや寮を整える計画です。最終的には生徒約700人、教職員約200人の規模を想定していると発表されています。
最初に受け入れる学年は、公式サイトの募集ページとリセマム記事ではYear 7・8・9・10の4学年です。ただし、公式サイトのFAQにはYear 7〜9と書かれた部分も残っています。公式の募集表では、2028〜29年度にYear 11・12を、2029〜30年度にYear 13を加えて全学年がそろう計画です。開校までの流れを図1にまとめました。

背景と解説
「英国王室三世代」の学校とは
ゴードンストウン本校の公式サイトによると、学校は1934年、ドイツの教育者クルト・ハーン(Kurt Hahn)がスコットランドのモレー地方に創立しました。故エディンバラ公フィリップ殿下は1934年に13歳で入学し、5年間在籍しています。チャールズ国王は1962年に入学し、1967年に卒業しました。国王の弟たちや、アン王女の子どもたちも学んだと紹介されていて、これが「王室三世代」と呼ばれる理由です。
リセマムの記事で校長は、学校のモットー「Plus est en vous(あなたの中には、もっと多くの可能性がある)」を紹介しています。教室の勉強だけでなく、自然の中での体験や寮での共同生活、奉仕活動を通して成長する、という考え方なんです。日本校でも、必修のセーリング、野外での探検活動(学年が上がると3泊4日・約100キロの縦走)、奉仕活動を取り入れる予定と説明されています。
ポイント:日本語や日本の文化・歴史の授業を時間割に組み込む予定で、熊野古道の巡礼など日本独自のプログラムも検討中と校長は話しています。いずれも「予定」「検討中」の段階です。
IBではなく「IGCSEとA Level」
このブログの読者の方がいちばん気になるのは、「IBの学校なの?」という点かもしれませんね。リセマムの記事と公式サイトで案内されているのは、IB(国際バカロレア)ではなく、IGCSEを経てA Levelへ進む英国式の課程です。記事では、Year 10からIGCSEの履修が始まると説明されています。
OCCの2025年の発表には「国際バカロレアのような国内外の大学進学も視野に入れた教育」という表現がありました。ただ、2026年9月30日時点の公式サイトで確認できる課程はIGCSEとA Levelで、IBの導入や認定の予定は案内されていません。英国本校も、公式サイトで上級学年向けに案内しているのはA LevelとBTECです。
A LevelとIBのディプロマ・プログラム(DP)は、どちらも大学進学につながる課程ですが、学び方がかなり違います。A Levelは教科ごとに資格を取る仕組みで、選んだ科目を深く学びます。IB DPは6つの教科グループから科目を選び、さらに「知の理論(TOK)」「課題論文(EE)」「創造性・活動・奉仕(CAS)」という共通の必修要素を学ぶ仕組みです。つまり、A Levelは得意分野を掘り下げる形、IB DPは幅広く学んで考える力を育てる形、ということです。
文部科学省の「大学入学資格について」のページでは、国際バカロレアに加えて、GCE Aレベルと国際Aレベルも、外国の大学入学資格として日本の大学の入学資格に含まれると示されています。図2で、日本校の学びの流れとIB DPとの違いを整理しました。

保護者への影響と今できる対応
学費:公式サイトに掲載されている金額
正直にお話しすると、費用はかなり高い水準です。2026年9月30日時点の公式サイトの料金表には、授業料が年750万円、全寮費が年300万円(食事込み)と書かれています。全寮で通う場合、この2つだけで年1,050万円です。ほかに出願料5万円、登録料100万円(初年度の年間費用に充当)が掲載されていて、表示は税込です。制服や個別の学習支援、一部の個人レッスンなどは別料金とされています。
校長は、企業からの寄付による奨学金や和歌山の地元枠を用意することも「計画している」と話しています。ただし、条件や人数は公式サイトでは確認できませんでした。
「一条校」ではない点に注意
公式サイトのFAQでは、この学校は学校教育法上の「一条校」(日本の小学校・中学校・高校として認められた学校)ではないと説明しています。OCCの2025年の発表では、各種学校として扱う予定とされていました。
注意:義務教育の年齢のお子さんが一条校ではない学校に通う場合の扱いについて、公式FAQは自治体の教育委員会に相談するよう案内しています。小学生・中学生の年齢で検討する場合は、早めにお住まいの自治体へ確認しておくと安心です。
学年と入学時期の考え方
英国式の学校は9月に新しい学年が始まります。リセマムの記事で校長は、Year 7〜10を日本の小学6年生から中学3年生にあたると説明し、Year 7とYear 10には4月からの編入・移行コースを設けると話しています。ただ、公式サイトの移行案内で確認できたのはYear 7向けの内容でした。お子さんが何年生として入れるかは誕生日によって変わることもあるため、学校の年齢基準で確かめてくださいね。
検討するご家庭のチェックリスト
- 英語力:校長は「ある程度会話ができるレベル」が必要で、流暢でなくてもよいと話しています。英語の支援(EAL)の内容や入学時の評価方法を確認しましょう
- 寮生活:全寮制が基本です。公式英語版FAQでは週単位の寮利用を提供するとし、近隣家庭向けには限られた通学生枠を個別に検討するとしています
- 進路:A Levelで目指せる大学と、日本の大学を受ける場合の出願条件を早めに調べておきましょう
- 情報の更新:FAQと募集ページで記載が違う部分があります。説明会などで最新の条件を確認するのがおすすめです
確認したい点を図3にまとめました。

ポイント:IBの学びを希望しているご家庭にとっては、「英国式の名門校」と「IB校」は別物です。お子さんに合うのは教科を深く学ぶA Levelか、幅広く学ぶIB DPか、という視点で比べてみてはいかがでしょうか。
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まとめ
- 和歌山に英国名門校の姉妹校:学校法人OCCが運営し、2027〜28年度の開校を予定しています
- IBではなくA Level:案内されている課程はIGCSEとA Levelで、IB DPの導入は案内されていません
- 費用は年1,050万円から:公式サイトでは授業料年750万円、全寮費年300万円(食事込み)です
- 一条校ではない:義務教育の年齢で検討する場合は、自治体の教育委員会への相談が勧められています
- 情報は更新途中:募集学年など記載が分かれる点があるため、最新の公式情報で確認しましょう
出典・参考リンク
- リセマム: 英国王室三世代の学び舎が日本に…ゴードンストウン・ジャパン初代校長が語る、その教育の全貌(2026年9月28日、Sponsored by ゴードンストウン)
- 学校法人OCC: 英国ゴードンストウン校の姉妹校開設について(2025年8月6日)
- 学校法人OCC: ゴードンストウン校の日本校開設に関し、和歌山市などとの間で4者協定が締結されました(2025年8月6日)
- Gordonstoun Japan: FAQ(2026年9月30日確認)
- Gordonstoun Japan: Admissions(2026年9月30日確認)
- Gordonstoun Japan: Tuition and Fees(2026年9月30日確認)
- Gordonstoun: History(2026年9月30日確認)
- Gordonstoun: Sixth Form Academic Curriculum(2026年9月30日確認)
- 文部科学省: 大学入学資格について(2026年9月30日確認)
- 国際バカロレア機構(IBO): Diploma Programme(2026年9月30日確認)


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