海外大の合格実績はどう読む?韓国・済州のNLCS済州の報道から考える学校選びの視点

NLCS済州の主な大学の合格件数と実際の進学人数の比較 IB最新ニュース

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「海外大学への合格実績がすごい学校」と聞くと、それだけで気になってしまいますよね。お子さんの将来に海外大進学という選択肢を考え始めたご家庭なら、学校のパンフレットやサイトに並ぶ大学名の数字を、つい見比べてしまう方も多いと思います。

そんな中、東洋経済オンラインが、韓国・済州島にあるイギリス系の学校「NLCS済州(North London Collegiate School Jeju)」の海外大合格実績と、その背景にある教育の考え方を紹介する記事を掲載しました。記事では、世界のトップ大学が求める「優秀さ」と、日本の受験で重視されがちな力との違いにも触れています。

この記事では、報道の内容と学校公式の公表データを分けて整理しながら、「合格実績の数字をどう読むか」と「学びの中身をどう見るか」という2つの視点をお話ししますね。

ニュースの概要

今回取り上げるニュースは、東洋経済オンラインの画像ページとして2026年9月25日にRSS配信されたものです。以下では、それに関連する本文記事(ページ上の公開表示は2026年9月13日)を参照します。東洋経済オンラインは2026年9月13日、教育ジャーナリスト・作家の佐野倫子氏による記事「『韓国済州のイギリス名門校』海外大の合格実績が上々の秘訣」を公開しました(記事ページの公開表示による)。記事には、2025年に就任したNLCS済州のHenry Wiggins(ヘンリー・ウィギンズ)校長と、国際教育プロジェクトに携わるGK Office代表の金重惠介氏が登場します。

項目 内容(報道で示された点)
媒体 東洋経済オンライン
対象ニュースのRSS配信日 2026年9月25日(画像ページ)
本文記事の公開日 2026年9月13日(ページ上の公開表示)
取り上げた学校 NLCS済州(North London Collegiate School Jeju)
登場人物 Henry Wiggins校長(2025年就任)、金重惠介氏(GK Office代表)
合格実績 2026年卒業生109人に対し、大学からのオファーは615件以上と報じられています
記事の論点 トップ大学は高い学力に加え、関心分野を自ら深く探究する「情熱」を見ている

記事によると、ここでいう「オファー」は大学からの合格通知のことで、1人の生徒が複数の大学から合格を得ることもあると説明されています。つまり、615件以上は「合格通知の延べ件数」であって、615人が進学したという意味ではないということです。

また記事では、ウィギンズ校長が「高い学力は必要だが、それだけでは世界のトップ大学への進学にはつながらない」という趣旨を語り、学校で教わる範囲を超えて関心分野を掘り下げる「Passion(情熱)」の大切さを強調しています。日本の受験で重視されがちな「全教科で高得点を取る」「苦手科目をなくす」という考え方と、関心を持った分野を自分で深掘りする学び方との対比が、記事の大きなテーマになっています。

背景と解説

NLCS済州とはどんな学校か

NLCS済州は、イギリス・ロンドンの私立校North London Collegiate Schoolの海外校の一つです。学校公式サイトによると2011年に創立され、韓国の済州国際教育都市(Jeju Global Education City)に置かれています。IBO(国際バカロレア機構)の公式の学校情報では、IBディプロマ・プログラム(DP)の認定日は2012年6月7日と掲載されています(IBO公式)。

運営については、学校公式サイトが、JDCの子会社であるJEINSがNLCS済州を含む教育都市内の3校を運営していると説明しています(学校公式)。高校段階ではIGCSEとIB DPを英語で学ぶ、通学と寄宿の両方がある共学校です。

学校公式の数字で見ると

報道の「615件以上」とは別に、学校公式サイトの「University Destinations」ページには、2026年卒業学年(Class of 2026)の大学ごとの数字が掲載されています。注目したいのは、「Acceptance(合格)」と「Actual Destination(実際の進学)」を分けて載せている点なんです。

NLCS済州の主な大学の合格件数と実際の進学人数の比較
図1:NLCS済州 Class of 2026 の主な大学の合格件数と進学人数。NLCS Jeju「University Destinations」より作成

図1にまとめたとおり、たとえばUCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)は合格33件に対して実際の進学は6人、Imperial College Londonは合格19件に対して進学4人です。Oxfordは合格3件・進学2人、Cambridgeは合格5件・進学3人、Stanfordは合格1件・進学1人と掲載されています(学校公式)。

ポイント:合格件数は「どれだけ合格を集めたか」、進学人数は「最終的にどこを選んだか」を表します。どちらも意味のある数字ですが、同じものとして比べると印象が大きく変わってしまいます。

さらに同じページには、韓国の大学の合格数について「出願時期の違いにより、2026年3月に通知された合格は2025年卒業学年(Class of 2025)のもの」という趣旨の注記もあります。このように、どの学年の数字なのかも、表の注記まで読まないと分からないことがあるんですね。

IB DPの成績も公表されている

学校公式の「School Profile 2025–2026」では、2025年のIB DPの結果として、受験者118人、ディプロマ取得者112人、平均37点、最高点45点、40点以上の生徒の割合26%が公表されています(学校公式PDF)。IB DPの総合得点は45点満点です。

NLCS済州の2025年IB DP結果
図2:NLCS済州の2025年IB DPの結果。NLCS Jeju「School Profile 2025–2026」より作成

図2の数字は2025年の卒業学年のものです。記事で紹介された「2026年卒業生109人」とは別の学年なので、人数を足したり比べたりしないよう注意してくださいね。

「優秀さ」のとらえ方の違い

記事で金重氏は、「好き」を単なる趣味ではなく、誰かに言われなくても調べ、失敗しても再挑戦し、学び続ける姿勢として語っています。平均点の高さよりも、一つの分野を徹底的に掘り下げた生徒が評価されるケースもある、という説明も紹介されています。

これは、IB DPの学びの構造とも重なる部分があります。DPでは、自分で問いを立てて調べる課題に取り組む仕組みがあり、「何を知っているか」だけでなく「どんな問いを持ち、どう深めたか」が問われます。記事は日本の基礎学力や努力する力も評価したうえで、トップ大学が見ている観点の違いを指摘している、と受け止めるのがよさそうです。

また記事は、学校の理念「Everyone Matters」を紹介し、安心して失敗でき、意見を言える環境が主体的な学びを支えている、とまとめています。

保護者への影響と今できる対応

今回の記事は一つの学校の事例ですが、海外大進学を考えるご家庭にとって、学校選びのヒントがたくさん詰まっています。特に日本国内でも、NLCSグループの学校としてNLCS神戸(NLCS Kobe)が2025年9月1日に神戸市の六甲アイランドで開校しています(NLCS International)。NLCS神戸の公式サイトでは、同校はIBのPYPとMYPの候補校で、IBワールドスクールとしての認定を申請中と説明されています(NLCS神戸公式)。

注意:IBの「候補校」は、認定に向けて準備中の段階であり、認定校とは異なります。また、NLCS済州の合格実績は済州の学校の実績であり、同じグループの別の学校に同じ結果がそのまま当てはまるわけではありません。

どの学校を検討する場合でも、合格実績の数字を見るときは、次のような点を確認しておくと安心です。図3にもまとめました。

  • 合格件数か進学人数か:延べの合格件数なのか、実際に進学した人数なのか
  • 母数:その年の卒業生は何人か。1人あたり何校くらい出願しているか
  • 対象学年:どの卒業年度の数字か。別の学年の合格が混ざっていないか
  • 大学の内訳:特定の国や大学に偏っていないか。お子さんの志望先と重なるか
  • 学びの中身:関心分野を深める授業や課題研究、進路相談の体制があるか
海外大合格実績を読む5つの視点
図3:合格実績を読むときの5つの視点。学校公式の表記と東洋経済オンライン本文記事(2026年9月13日公開)の報道をもとに本記事で作成

学校説明会や個別相談では、「この合格実績は合格件数ですか、進学者数ですか」「卒業生は何人ですか」と遠慮なく聞いてみてください。数字の定義をていねいに説明してくれる学校は、それだけで情報公開の姿勢が分かりますよね。

家庭でできること:記事が強調する「情熱」は、特別な習い事でなくても育てられます。お子さんが夢中になっていることを一緒に調べたり、「なぜそう思うの?」と問いかけたりする日々の会話が、自分で問いを立てる力の土台になります。

なお、学費や入学条件は学校ごと・年度ごとに変わります。NLCS済州の授業料は学校公式でウォンと米ドルの二通貨建てで案内されているなど、海外の学校は費用の仕組みも日本の学校とは異なります。検討する際は、必ず学校公式の最新年度の資料で確認してくださいね。

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まとめ

  • 報道の内容: 東洋経済オンライン(2026年9月13日)は、NLCS済州の2026年卒業生109人に対し大学からのオファーが615件以上あったと報じました
  • 合格件数と進学人数は別: 学校公式ではUCLが合格33件・進学6人など、両者を分けて掲載しています
  • 学年と注記を確認: どの卒業年度の数字か、別学年の合格が含まれていないかは注記まで読むことが大切です
  • トップ大学が見る力: 記事では、高い学力に加えて関心分野を自ら深く探究する「情熱」が重要だと語られています
  • 日本の関連校: NLCS神戸は2025年9月開校で、IBのPYP・MYP候補校です(認定校ではありません)

出典・参考リンク

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