英国式ボーディングをマレーシアで:Epsom College Malaysiaの「平日寮」と費用を英国本校と比べて解説

英国本校とマレーシア校の年間費用の比較 IB最新ニュース

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「子どもを英国のボーディングスクールに入れたいけれど、学費と寮費を合わせると、とても手が届かない」。海外駐在中のご家庭や、帰国後の進路を考えているご家庭から、そんな声を聞くことが増えていますよね。英国では2025年から私立学校の学費に付加価値税(VAT)がかかるようになり、費用の負担はさらに重くなっています。

そんな中、シンガポールのお金の情報サイト DollarsAndSense.sg が2026年10月30日、「英国のボーディングスクール教育を、マレーシアで“ジオアービトラージ”する」という体験記事を掲載しました。取り上げられたのは、英国サリー州の私立校 Epsom College の姉妹校であるマレーシアの Epsom College Malaysia です。

この記事では、報道の内容と、学校公式の料金表で確認できた数字を分けながら、「英国式の寄宿教育を費用を抑えて受けさせたい」と考えるご家庭が押さえておきたいポイントを整理しますね。

ニュースの概要

DollarsAndSense.sg の記事は、筆者の Peter Lin さんがシンガポールから飛行機でマレーシアへ向かい、Epsom College Malaysia を見学した体験談です。筆者は片道約1時間のフライトで日帰りしたと書いており、学校はクアラルンプール国際空港から車で約20分の場所にあると紹介されています。

記事の中心は、シンガポール居住者向けの「平日寮(Weekday Boarding)」プログラムです。つまり、月曜から金曜はマレーシアの寮で暮らして授業を受け、週末はシンガポールの自宅に帰る、という通い方なんです。記事は、授業料と寮費を合わせた年間の費用を4万1,000〜4万3,000シンガポールドルと紹介し、シンガポールのインターナショナルスクールと同じくらいで、英国など遠くへ留学するより安いと評価しています。

項目 内容
報道した媒体 DollarsAndSense.sg(2026年10月30日公開)
取り上げた学校 Epsom College Malaysia(ヌグリ・スンビラン州 Bandar Enstek)
英国の本校 Epsom College(英国サリー州)。マレーシア校は姉妹校と説明
開校 2014年9月(学校公式の沿革)
カリキュラム IGCSE(Year 10〜11)とA-Level(Year 12〜13)

記事では、生徒数は約830人で30か国から集まり、そのうち65%が寮生だと報じられています。また、記事末尾ではシンガポールで11月17日(火)に学校説明会が開かれると案内されています。なお、記事に「スポンサー記事」といった表示は見当たりませんが、学校が見学を受け入れ、写真も学校提供と書かれています。学校側の情報が多く含まれる体験記事として読むのがよさそうです。

背景と解説

「ジオアービトラージ」とは

ジオアービトラージ(geoarbitrage)は、もともと「物価の安い地域で暮らして生活費を抑える」という考え方を指す言葉です。今回の記事では、英国の学校と同じ系列の教育を、物価や人件費が英国より低いマレーシアで受けることで、費用を抑えるという意味で使われています。つまり、「同じブランドの教育を、場所を変えて割安に受ける」ということですね。

英国本校の費用は今どのくらい?

英国の Epsom College の公式サイトによると、2026-27年度の全寮制(Full Boarding)の学費は1学期あたり19,544ポンドで、VAT込み(該当する場合)と書かれています。年3学期として本記事で計算すると、年間58,632ポンドになります。なお本校では、Year 7〜8は全員が通学生で、寮に入れるのは Year 9 からです。

背景には英国の税制の変更もあります。英国政府(GOV.UK)は、2025年1月1日から私立学校の授業料と寄宿サービスに20%のVATを課すと定めました。ただし政府は、学校が仕入れにかかったVATを差し引けることなどから、学費の値上がりは平均で約10%と見込んでいます。また、英国の私立学校の団体 ISC の2026年の調査では、寄宿生の平均学費は1学期あたり14,980ポンド(VAT抜き)でした。

マレーシア校の費用は?

Epsom College Malaysia の2026/27年度の料金表を見ると、全寮制の Year 7 の例で、授業料が年108,210リンギット、寮費が年62,700リンギットです。シンガポール居住者向けの平日寮プログラムでは、授業料は同じで、平日寮費が Year 7〜9 で年25,590リンギットとなっています。週末も寮に残す場合は、年21,750リンギットが追加されます。

英国本校とマレーシア校、そして平日寮プログラムの年間費用を、図1にまとめました。通貨が違うので、どちらがいくら安いかは為替レートで変わる点にご注意くださいね。

英国本校とマレーシア校の年間費用の比較
図1:英国本校とEpsom College Malaysiaの年間費用(2026/27年度、授業料+寮費のみ)。Epsom College(英国)とEpsom College Malaysiaの料金表、DollarsAndSense.sg(2026年10月30日)より作成

ポイント:料金表に載っているのは授業料と寮費が中心です。マレーシア校の料金は、該当する場合に6%のSST(売上・サービス税)が別にかかると書かれています。

中心はIGCSE・A-Level、IBCPの認定状況は要確認

このブログをお読みの方には大切な点ですが、Epsom College Malaysia の中心は英国式の IGCSE と A-Level です。学校の公式サイトでは、IBのキャリア関連プログラム(IBCP)を2026年8月開始と案内していますが、IBO(国際バカロレア機構)公式の学校検索での認定状況は、今回の調査では確認できませんでした。大学進学を見すえた IBDP(ディプロマ・プログラム)を提供しているという情報も確認できていません。IBを軸に学校を探しているご家庭は、この違いを押さえておきたいですね。

保護者への影響と今できる対応

今回の平日寮プログラムは、名前のとおりシンガポールに住むご家庭向けの仕組みです。シンガポールに駐在中の日本人家庭が対象になるかどうかなど、細かな条件は学校に直接確認する必要があります。ほかの国に住んでいるご家庭は、通常の全寮制の料金を前提に考えることになります。

また、授業料と寮費のほかにも、申請料(1,000リンギット)、入学金(20,000リンギット)、保証金(25,000リンギット)が料金表に載っています。保証金は、退学の際に事前に書面で知らせるなどの条件を満たさないと返ってこない場合があると書かれています。学生ビザの費用についても、記事は新規申請で2,500リンギットと紹介しています。これらを図2にまとめました。

平日寮プログラムのしくみと追加費用
図2:シンガポール居住者向け平日寮プログラムのしくみと、授業料・寮費以外の費用。Epsom College Malaysiaの料金表、DollarsAndSense.sg(2026年10月30日)より作成

検討するときは、次のような点をチェックしておくと安心ではないでしょうか。

  • 総額の見積もり:授業料・寮費に加えて、入学金・保証金・税・ビザ・毎週の移動費を足した総額を、学校に出してもらう
  • 為替の影響:リンギットとシンガポールドル、円の間の為替で、実際の負担は毎年変わる
  • カリキュラムの行き先:IGCSE・A-Level で学んだあと、英国の大学を目指すのか、日本の大学や帰国生入試を考えるのかを、早めに家族で話し合う
  • 学年の区切り:英国式の Year と日本の学年は区切りが違うため、編入する学年を学校に確認する
  • 子どもの気持ち:平日だけとはいえ親元を離れる生活になるので、見学や体験で本人の様子を確かめる

注意:料金表の数字は2026/27年度のものです。学校が公開している料金表にもいくつか版があり、記事の数字とそろわない部分もありました。出願を考えるときは、必ず最新の料金表を学校から取り寄せてくださいね。

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まとめ

  • 何が報じられたか: DollarsAndSense.sg が2026年10月30日、Epsom College Malaysia の平日寮プログラムを「英国式教育を割安に受ける方法」として紹介しました
  • 英国本校の費用: 2026-27年度の全寮制は1学期19,544ポンド(VAT込み・該当する場合)で、英国では2025年1月から私立学校の学費に20%のVATがかかっています
  • マレーシア校の費用: Year 7 の例で、全寮制は授業料と寮費で年170,910リンギット、シンガポール居住者向けの平日寮は年133,800リンギットです
  • IBCPの状況は要確認: 中心は IGCSE と A-Level です。学校公式は2026年8月のIBCP開始を案内していますが、今回の調査ではIBOの認定状況と実際の開講状況を確認できていません
  • 今できること: 入学金・保証金・税・ビザ・移動費まで含めた総額と、卒業後の進路を、学校と家族で確認しておきましょう

出典・参考リンク

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