留学の「無料相談」で勧誘、代行会社に業務停止命令:消費者庁の処分内容と家庭で確認したいこと

無料相談から契約までの流れと消費者庁が認定した違反行為の図 IB最新ニュース

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お子さんが「留学してみたい」と言い出したとき、まずは無料のカウンセリングで話を聞いてみよう、と考えるご家庭も多いのではないでしょうか。費用もかからず、プロに相談できるなら安心…そう思うのは自然なことですよね。

ところが2026年10月28日、消費者庁は、留学の「無料相談」をきっかけに有料契約を勧誘していた留学手続き代行会社に対し、3か月の業務停止命令を出したと公表しました。勧誘の目的を告げずに営業所へ呼び出したり、クーリング・オフができる契約なのに「できない」と説明したりしていたと認定されています。

この記事では、消費者庁の公式発表と報道の内容を分けて整理したうえで、留学エージェントの無料相談を利用するときに、保護者として確認しておきたいポイントをお話ししますね。

ニュースの概要

消費者庁は2026年10月28日、留学手続の代行や英会話教室の役務を提供する株式会社Jstyle(本店所在地:東京都新宿区)に対し、特定商取引法に基づく行政処分を行ったと発表しました。処分日は2026年10月27日付です。

項目 内容(消費者庁の公表資料より)
処分した機関 消費者庁(2026年10月27日付で処分、10月28日に公表)
対象事業者 株式会社Jstyle(東京都新宿区)。留学手続の代行等と英会話教室の役務
業務停止命令 2026年10月28日から2027年1月27日までの3か月間、訪問販売と電話勧誘販売に関する業務の一部(勧誘、申込受付、契約締結)を停止
指示 法令遵守体制の整備など再発防止策を講じること、2024年1月1日から2026年10月27日までの契約者に処分内容を通知することなど
代表者への命令 代表取締役に対し、同じ3か月間、停止範囲の業務を新たに始めること(その業務を担当する役員になることを含む)を禁止

消費者庁が認定した主な違反行為は、次のとおりです。

  • 勧誘目的を告げずに呼び出し: 無料相談を申し込んだ人に電話し、有料契約の勧誘であることを告げずに営業所へ来させ、公衆の出入りしない場所で勧誘した(訪問販売に当たると認定)
  • 事業者名を名乗らない: 勧誘の前に会社名を明らかにしなかった事例
  • 契約書面の交付が遅れる: LINEでWeb会議のURLを送り、Web会議で勧誘して契約する取引を電話勧誘販売と認定。そのうえで契約書面を遅滞なく渡さなかった
  • クーリング・オフについて事実と違う説明: 「キャンセル料がかかる」「クーリングオフ期間をすぎた」などと告げた

時事通信の報道によると、同社は2024〜25年にウェブサイトやSNSで「無料カウンセリング」や「留学診断」などと広告していたとされています。また、2023年4月から2026年8月までに全国30都道府県から160件の相談が寄せられ、相談者の平均年齢は23.4歳、平均契約額は約82万2,000円だったと報じられています。なお、これらの件数・金額は消費者庁の公表ページ本文では確認できなかったため、報道ベースの数字としてお読みください。流れを図1にまとめました。

無料相談から契約までの流れと消費者庁が認定した違反行為の図
図1:「無料相談」から契約までの流れと、消費者庁が認定した主な違反(消費者庁の公表資料と時事通信の報道より作成)

名前の似た会社に注意: 消費者庁は発表の中で「類似する名称の別会社と間違えないよう会社所在地なども確認してください」と呼びかけています。社名だけで判断せず、所在地(東京都新宿区)なども合わせて確認してくださいね。

背景と解説

「特定商取引法」と今回の取引類型

特定商取引法は、訪問販売や電話勧誘販売など、トラブルが起きやすい取引について事業者のルールを定めた法律です。今回のポイントは、自分から無料相談に申し込んだ場合でも、勧誘の目的を告げられずに営業所へ呼び出されれば「訪問販売」として扱われうるという点なんです。同じように、LINEで送られてきたURLからWeb会議に入り、そこで勧誘されて契約した取引も「電話勧誘販売」と認定されました。つまり、店舗やオンラインで話を聞いた場合でも、勧誘の経緯によっては法律の保護の対象になる、ということです。

留学あっせん契約とクーリング・オフ

ここは少し注意が必要なところです。日本学生支援機構(JASSO)の海外留学情報サイトは、留学あっせんサービスについて「業者が規定を自主的に設けて契約書に明記している場合を除いて、基本的にはクーリングオフが適用されません」と案内しています。一方で、契約が訪問販売や電話勧誘販売に当たる場合は、特定商取引法により、原則として法定書面を受け取った日から8日以内であればクーリング・オフができます。消費者庁の「特定商取引法ガイド」によると、通知は書面のほか電子メールなどの電磁的記録でも行えます。

さらに、法定書面が交付されていない場合や記載に不備がある場合は、8日間の期間が始まらないとされています。また、事業者がクーリング・オフについて事実と違うことを告げ、それを信じて行使できなかった場合も、期間が過ぎてから行使できることがあります。今回の事案でも、消費者庁はクーリング・オフができる契約だったと認定したうえで、「できない」と告げたことを違反としています。

ポイント: 「留学の契約だからクーリング・オフはできない」とは限りません。どういう経緯で勧誘・契約したかによって扱いが変わります。自分で判断せず、契約書と勧誘時のやりとりを持って消費生活センターに相談するのが確実です。

留学あっせんをめぐる相談の状況

JASSOの同じページによると、全国の消費生活センターと国民生活センターに寄せられた「留学等あっせんサービス」に関する相談は、2021〜2024年度の間で約1,300件でした。留学あっせんサービス全体を包括的に規制する法律がないことも、契約前の確認が大切な理由のひとつです。

業界側の取り組みとしては、一般社団法人 留学サービス審査機構(J-CROSS)が、留学事業者を第三者として審査・認証する制度を運営しています。認証基準には、重要事項や料金内訳の書面での説明、解約条件の明示などが含まれています。ただしJ-CROSS自身も、認証は個々のプログラム内容や、認証期間中にトラブルが起きないことを保証するものではないと説明しています。事業者選びの目安のひとつ、と考えるのがよさそうです。

保護者への影響と今できる対応

報道では相談者の平均年齢が23.4歳とされており、大学生や社会人になったばかりの若い世代が中心だったとみられます。お子さんが大学生になり、保護者の知らないところで留学エージェントに相談している…というケースもあるかもしれませんね。高校生以下の留学を検討しているご家庭はもちろん、成人したお子さんがいるご家庭でも、一度話題にしてみてはいかがでしょうか。

無料相談を利用する前・利用するときのチェックリスト

  • 運営会社の正式名称と所在地: サービス名やブランド名だけでなく、会社名・所在地をサイトの会社概要で確認する
  • 相談の目的をはっきり聞く: 「今日は契約の話もありますか」と事前に確認し、契約を急がされたら持ち帰る
  • 料金と解約条件を書面で: 費用の内訳、キャンセル料が発生する時期、返金の条件を契約前に書面で受け取る
  • やりとりを保存: LINE・メール・Web会議の案内など、勧誘の経緯がわかる記録を消さずに残す
  • 複数社を比べる: その場で決めず、ほかのエージェントや学校の公式情報と比べてから判断する

すでに契約している場合

消費者庁の指示により、同社は2024年1月1日から2026年10月27日までに契約したすべての相手方に対し、2026年11月27日までに処分内容などを書面または電磁的方法で通知することになっています。スケジュールは図2にまとめました。

業務停止命令と契約者への通知のスケジュールの図
図2:処分と通知のスケジュール(消費者庁の公表資料より作成)

困ったときの相談先: 消費者ホットライン「188(いやや)」に電話すると、お住まいの地域の消費生活センターなどを案内してもらえます。今回の会社に限らず、「無料相談のはずが契約を迫られた」「解約できないと言われた」と感じたら、契約書や領収書、やりとりの記録を手元にそろえて早めに相談してください。

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まとめ

  • 処分の内容: 消費者庁は留学手続き代行会社の株式会社Jstyleに、2026年10月28日から3か月の業務停止命令を出し、代表取締役にも業務禁止命令を出しました
  • 認定された手口: 無料相談を入口に勧誘目的を告げず呼び出す、契約書面を遅滞なく交付しない、「クーリング・オフできない」と事実と違う説明をする、などです
  • 報道ベースの数字: 相談は160件、平均契約額は約82万2,000円、相談者の平均年齢は23.4歳と時事通信が報じています
  • クーリング・オフ: 留学あっせんは原則対象外とされますが、訪問販売・電話勧誘販売に当たる場合は8日以内の解約などが可能です
  • 家庭でできること: 会社名と所在地の確認、書面での料金・解約条件の確認、記録の保存、困ったら188へ

出典・参考リンク

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