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「大学に入ったら留学させたいけれど、実際どれくらいの学生が海外に出ているの?」「コロナ禍で止まっていた留学、もう元に戻ったのかしら」――お子さまの大学選びを考え始めると、こうした点が気になりますよね。
2026年9月23日、AERA DIGITALが大学別の「留学」ランキングを紹介する記事を公開しました。日本の大学で学ぶ外国人留学生はコロナ禍前を上回るほど増えた一方、日本から海外への留学はまだ過去最多に届いていない、という内容です。
この記事では、報道の要点と公的な統計を照らし合わせながら、海外大学進学や大学での留学を考えているご家庭が大学選びで見ておきたいポイントを整理します。
ニュースの概要
記事はAERA DIGITALに掲載された小林哲夫さんの文章で、朝日新聞出版のAERAムック『就職力で選ぶ大学2027』に掲載されたランキングを紹介しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 媒体・公開日 | AERA DIGITAL(2026年9月23日) |
| ランキングの出典 | AERAムック『就職力で選ぶ大学2027』(朝日新聞出版) |
| 外国人留学生(高等教育機関) | 2025年に267,895人。前年から38,428人増 |
| 海外へ留学した日本人学生 | 2024年度に91,054人。過去最多は2018年度の115,146人 |
外国人留学生の数は、大学・短大・専門学校などの高等教育機関に在籍する人数です。記事によると、コロナ禍前の2019年は228,403人でしたが、2022年に181,741人まで落ち込み、2023年188,555人、2024年229,467人と戻って、2025年には267,895人になりました。日本学生支援機構(JASSO)が2026年5月29日に公表した調査でも、高等教育機関の留学生は267,895人です。日本語学校などの日本語教育機関を含めた総数は408,069人でした。
一方、日本人学生の海外留学は、2019年度の107,346人から2020年度には1,487人まで激減しました。その後は2021年度10,999人、2022年度58,162人、2023年度89,179人と回復し、2024年度は91,054人です。JASSOによると前年度から1,875人(2.1%)の増加にとどまり、2018年度の115,146人にはまだ届いていません。この推移を図1にまとめました。

大学別ランキングの上位校
記事では、大学ごとの「受け入れ」と「送り出し」のランキングも紹介されています。外国人留学生数(学部、2025年度)の1位は立命館アジア太平洋大(2,809人)で、東海大、東京福祉大、立命館大、早稲田大が続きます。海外へ派遣した留学生数(2024年度)の1位は関西外国語大(889人)で、早稲田大、近畿大、法政大、立命館大が続きます(図2)。

このほか、海外提携校数では早稲田大が596校で1位(2025年度)、提携校のある国・地域数でも81で1位と紹介されています。
背景と解説
受け入れが増えた理由として挙げられていること
記事は、外国人留学生が増えた理由として、コロナ禍の収束に加えて日本の社会や文化への関心の高まり、そして円安を挙げています。つまり、海外の学生にとって「日本に来やすくなった」ということです。出身国・地域別(高等教育機関)では、中国98,733人、ネパール55,607人、ベトナム23,680人、韓国13,526人、ミャンマー13,248人が上位でした。
ただし記事は、2026年以降も留学生全体は増える見込みとしつつ、中国からの留学生は日中関係の影響で減る可能性があるとの見方も示しています。これは筆者の見通しで、公的な予測ではない点に注意が必要です。
日本人の留学が伸び悩む背景
日本人学生の2024年度の主な留学先は、アメリカ12,627人、オーストラリア9,329人、韓国8,360人、カナダ6,736人、イギリス5,381人でした。アメリカとカナダは前年度から減っています。記事は、2025年に留学目的で米国に入国した日本人が前年より約3千人減ったとする米商務省のデータを紹介し、トランプ政権の留学生への姿勢が影響した可能性があるという報道も引いています。AERA記事は「25年」の留学者数について、過去最多の水準には戻らないとの見方を示しています。
ポイント:国は「2033年までに日本人学生の海外留学50万人、外国人留学生の受け入れ40万人」という目標を掲げています(教育未来創造会議の第二次提言、2023年4月27日)。文部科学省の政策指標では、受け入れ40万人は大学等38万人と高校段階2万人からなり、大学等の指標には日本語教育機関を含むJASSOの総数が使われています。その総数408,069人は、大学等の38万人目標を上回りました(高等教育機関のみの267,895人は別の集計です)。送り出しの50万人は高校生なども含む目標で、大学等の分も海外機関が把握する学位取得などの留学を含む指標です。本稿の91,054人とは集計範囲が異なるため、直接は比べられないんです。
ランキングの「数え方」に注意
ここで押さえておきたいのが、数字の定義です。AERAの派遣ランキングは、半年以上を目安に留学し、留学先で取った16単位以上が帰国後に卒業単位として認められた学生だけを数えています。一方、JASSOの調査は大学などが把握している留学を開始した学生の数で、期間の短い研修なども含みます。つまり、大学全体で9万人を超える留学者数と、1位でも889人という派遣ランキングは、比べる対象がまったく違うということです。
受け入れの数も「正規留学生」だけで、交換留学生や研究生は含みません。大学のパンフレットやサイトで「留学者数○○人」と書かれていても、短期研修を含むのか、単位が認められる長期留学なのかで意味が変わります。ここは見落としやすいところではないでしょうか。
保護者への影響と今できる対応
国際バカロレア(IB)で学ぶお子さまや、英語で学んできたお子さまのいるご家庭では、「海外大学に直接進学する」か「日本の大学に入って在学中に留学する」かで迷うことも多いと思います。今回のランキングは、後者を考えるときの大学選びの手がかりになります。
- 派遣数の定義を確認する:短期研修を含む数か、単位が認められる長期留学の数かを見比べる
- 協定校の数と行き先:提携校数だけでなく、希望する国・地域や分野の大学があるか
- 単位認定の仕組み:留学しても4年で卒業できるか、休学が必要になるか
- キャンパスの国際性:留学生と一緒に学ぶ授業や寮があるか。記事では、早稲田大の国際学生寮(定員872人)で日本人学生と留学生が共に暮らす例や、教員の2人に1人が外国籍という立命館アジア太平洋大の例が紹介されています
- 費用と為替:円安は海外に出る側にとっては負担増になる。奨学金の有無も確認する
注意:ランキングの順位は、大学の規模や集計の定義によって大きく変わります。順位だけで大学の良し悪しを判断せず、各大学の公式サイトで留学制度の条件や最新の実績を確かめてください。アメリカのビザや入国をめぐる状況も変わりやすいため、渡航先の公的機関の最新情報を確認することが大切です。
また、受け入れが増えているということは、日本の大学にいながら多様な背景を持つ仲間と学べる機会が広がっているということでもあります。すぐに海外へ出なくても、国際的な環境で力をつけてから留学に挑戦する、という道筋も考えられますよね。
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まとめ
- 受け入れは回復: 高等教育機関の外国人留学生は2025年に267,895人となり、コロナ禍前の水準を上回りました
- 送り出しは足踏み: 日本人学生の海外留学は2024年度に91,054人で、2018年度の過去最多115,146人に届いていません
- 上位校の顔ぶれ: 受け入れは立命館アジア太平洋大、派遣は関西外国語大がそれぞれ1位と紹介されています
- 数字の定義に注意: AERAの派遣数は半年以上を目安とし、単位認定のある留学を数えたもので、JASSOの全国統計とは別の指標です
- 大学選びの視点: 協定校、単位認定、費用、キャンパスの国際性をあわせて確かめましょう


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