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「就職が決まったあと、卒業までの時間をどう過ごせばいいの?」「留学したいけれど、費用が心配」。大学生のお子さまがいるご家庭では、こんな会話が出ることもあるのではないでしょうか。
2026年10月1日、日本経済新聞は、国内の主要企業が2027年春に入社する予定の学生向けに内定式を開くなか、内定者に留学費用の支援や毎月の奨学金を用意して、入社までの学びを後押しする企業があると報じました。英字媒体のNikkei Asiaも10月2日に「Japan students offered study abroad, grants as job sweeteners(日本の学生に留学や助成金、就職の“甘味料”として)」という見出しでこの動きを伝えています。
この記事では、報道で確認できた内容と、留学を考えるときに役立つ公的な支援制度を整理して、保護者として知っておきたいポイントをお話ししますね。
ニュースの概要
日本経済新聞(2026年10月1日)によると、国内主要企業が10月1日に2027年春入社予定の学生を集めて内定式を開きました。記事は、就職活動の時期が年々早まり、最初の内々定を得てから入社までの期間が1年以上ある学生が大半だと伝えています。そのうえで、企業が留学費用の支援や毎月の奨学金などで、入社までの自己研さんを支えて学生をつなぎとめようとしていると報じています。
記事で名前が挙がった企業と、確認できた範囲の内容は次のとおりです。記事の多くは会員限定のため、金額や条件の細部は確認できていません。
| 企業 | 報道された内容 | 確認状況 |
|---|---|---|
| 大阪ガス | 留学費用や資格取得費用を支援する制度を2025年度の内定者から開始。1カ月ほどの短期留学ができることを目安にしていると報道 | 日本経済新聞と労働新聞(2025年10月)で制度の存在を確認。支援額は未確認 |
| 王子ホールディングス | 日本経済新聞の見出しに「奨学金月10万円」とある | 見出しのみ確認。対象者・支給期間・条件は未確認 |
労働新聞(2025年10月9日公開)も、大阪ガスが「来年春卒業予定の内定者」に短期海外留学の費用支援を行うと報じています。2026年春に入社した人たちが2025年度の内定者にあたるので、日経の「25年度の内定者から始めた」という記述と時期が合います。

流れを図1にまとめました。つまり、内々定から入社までの「長い待ち時間」を、企業が学びの支援で埋めようとしている、ということなんです。
注意:各社の支援額、対象となる留学の条件、入社しなかった場合の扱いなどは、今回の報道からは確認できていません。具体的な条件は、各社の採用担当や内定者向けの案内で確かめる必要があります。
背景と解説
就職活動の早期化で「入社までの時間」が長くなっている
日経の記事が指摘するように、内々定から入社までが1年以上という学生が多くなっています。企業にとっては、この間に学生がほかの会社へ気持ちを移してしまうことが心配です。そこで、入社前から「この会社は自分の成長を応援してくれる」と感じてもらうための支援が広がっている、と報じられています。
入社前の留学支援は、まったく新しい試みというわけでもありません。語学教育事業を手がけるZenkenは2025年10月1日、星野リゾートの2026年度採用の内定者に留学支援(留学の斡旋)と語学研修を提供すると発表しました。同社によると、星野リゾートの内定者への留学支援は2014年から続く取り組みです。ただしこの発表では、会社が留学費用をどこまで負担するかは書かれていません。「留学支援」とひと口に言っても、費用の補助なのか、手配や紹介なのかで中身は大きく違うんですね。
日本人学生の留学は回復途上
日本学生支援機構(JASSO)が2026年5月29日に公表した「2024(令和6)年度日本人学生留学状況調査」によると、2024年度に海外留学を始めた日本人学生は91,054人でした。前年度より1,875人(2.1%)増えています。このうち大学間の協定などに基づく留学が57,262人、協定などに基づかない留学が33,792人です。

図2のとおり、過去最多だった2018年度の115,146人にはまだ届いていません。JASSOも、新型コロナの影響で2020年度に大きく減ったあと増えているものの、2024年度の増え方は小さいと説明しています。留学したい気持ちがあっても、費用や時間の面で踏み切れない学生がいることがうかがえます。
公的な支援や企業の返還支援もある
企業による支援は、入社前の留学だけではありません。JASSOの「企業等の奨学金返還支援(代理返還)制度」は、企業が従業員に代わって、奨学金の返還額の一部または全額をJASSOへ直接送金する仕組みです。2021年4月から直接送金ができるようになり、2026年3月末時点で全国4,852社が利用しているとJASSOは公表しています。つまり、在学中に貸与型奨学金を借りても、入社後に会社が返還を手伝ってくれるケースがある、ということです。
また、文部科学省とJASSOが官民協働で進める「トビタテ!留学JAPAN」の新・日本代表プログラムは、返済不要の留学支援です。2025年10月2日に募集開始が発表された大学生等対象の第18期は、募集250名、28日以上1年以内の留学が対象でした。支援内容は、月額奨学金12万円または16万円(留学先による。家計基準を超える場合は6万円)、留学準備金がアジア地域15万円・その他の地域25万円(円安などを理由にそれぞれ6万円・10万円を増額)、授業料30万円とされていました。第18期の募集はすでに終わっていて、次の第19期の情報は公式サイトで確認が必要です。
ポイント:留学の費用を考えるときは、「内定先の企業の支援」「大学の協定留学」「トビタテなどの返済不要の奨学金」「入社後の奨学金返還支援」と、複数のルートを並べて比べるのがおすすめです。
保護者への影響と今できる対応
対象になるのはどの学年?
今回報じられたのは、2027年春に入社する予定の学生、つまり2026年10月時点で大学4年生(4年制大学の場合)の世代です。今の大学3年生は、順調にいけば2028年春の入社になります。高校生のお子さまにとってはまだ先の話ですが、大学選びの段階から「在学中にどう留学するか」を考えておくと、選択肢が広がりますよね。
内定先の支援を受ける前に確認したいこと
入社前の留学支援は魅力的に見えますが、制度の中身は企業ごとに違います。図3に確認したいポイントをまとめました。

- 支援の中身:費用の補助なのか、留学の手配や紹介なのか、留学のための期間を認めるだけなのか
- 金額と対象費用:上限はいくらか。授業料・渡航費・滞在費・語学研修のどれが対象か
- 条件:入社しなかった場合や早く退職した場合に返還が必要になるか
- 時期と大学生活:春休みなどで行けるのか、休学が必要か。卒業に必要な単位や卒業論文に影響しないか
- ほかの支援との比較:大学の協定留学や返済不要の奨学金のほうが条件がよい場合もある
特に「条件」は大切です。支援を受けたことで、その会社に入るかどうかを自由に決めにくくなることも考えられます。条件は書面で確かめ、迷ったら大学のキャリアセンターに相談するよう、お子さまに声をかけてあげるとよいと思います。
大切なこと:支援の有無だけで就職先を決めてしまうのは避けたいところです。仕事の内容や働き方を第一に考え、留学支援は「あればうれしい上乗せ」として受け止めるのが安心です。
家計の計画で考えておきたいこと
大学在学中の留学費用は、家庭で準備するケースが多いはずです。入社前の支援が受けられるかどうかは、就職先が決まるまでわかりません。ですから、家計の計画では「企業の支援はないもの」として考え、トビタテのような返済不要の奨学金や大学独自の留学奨学金を早めに調べておくと安心ではないでしょうか。卒業後の奨学金返還が心配な場合は、就職活動のときに代理返還制度を使っている企業かどうかを確かめる、という視点もあります。
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まとめ
- 何が起きたか: 2026年10月1日の内定式に合わせ、内定者に留学費用の支援や毎月の奨学金を用意する企業があると日本経済新聞が報じました
- 報道された例: 大阪ガスは2025年度の内定者から留学費用・資格取得費用の支援を開始。王子HDは見出しで「奨学金月10万円」と報じられていますが、条件は未確認です
- 背景: 就職活動が早まり、内々定から入社まで1年以上ある学生が大半とされ、企業は学生をつなぎとめる工夫を強めています
- 留学の現状: 2024年度に留学を始めた日本人学生は91,054人で、2018年度の115,146人には届いていません
- 家庭でできること: 企業の支援は条件を書面で確かめ、トビタテや大学の協定留学、代理返還制度と並べて比べましょう
出典・参考リンク
- 日本経済新聞: 各社が内定式 つなぎとめへ入社前から支援、王子HDは奨学金月10万円(2026年10月1日)
- Nikkei Asia: Japan students offered study abroad, grants as job sweeteners(2026年10月2日)
- 労働新聞: 社内インターン 対象に海外拠点追加 グローバル人材増へ 大阪ガス(2025年10月9日)
- Zenken: Zenken、星野リゾート2026年度内定者に留学支援と語学研修を提供!(2025年10月1日)
- 日本学生支援機構: 「2024(令和6)年度日本人学生留学状況調査」等の結果の公表について(2026年5月29日)
- 日本学生支援機構: 企業等の奨学金返還支援(代理返還)制度(2026年10月2日閲覧)
- 日本学生支援機構: トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム 高校生等対象(第11期)及び大学生等対象(第18期)の募集を開始します(2025年10月2日)
- 文部科学省 トビタテ!留学JAPAN: 新・日本代表プログラム 大学生等対象(2026年10月2日閲覧)


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