2027年度の国公立大募集人員は13万1,325人:増えたのは総合型・推薦、一般選抜は減少

2027年度国公立大学の選抜区分別募集人員の前年度比較 IB最新ニュース

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大学入試のニュースで「募集人員が増えた」と聞くと、「少しは入りやすくなるのかな」と期待してしまいますよね。文部科学省が2026年10月14日に公表した2027年度(令和9年度)の国公立大学入学者選抜の概要によると、募集人員は国立・公立あわせて13万1,325人で、前年度より512人増える予定です。

ただ、内訳を見ると、増えたのは総合型選抜と学校推薦型選抜です。一般選抜の前期日程・後期日程は、むしろ減っています。この記事では、文部科学省の公表資料をもとに、数字の読み方と、志望校選びに生かすポイントをお話ししますね。

対象になるのは、2027年4月に大学へ入学する、いまの高校3年生の世代です。高校1・2年生のご家庭にとっても、国公立大学の入試の流れをつかむ材料になると思います。

ニュースの概要

文部科学省は毎年度、各大学が7月末までに公表した入学者選抜要項などを調べて、その概要をまとめています。今回の「令和9年度入学者選抜について」は2026年10月14日の公表で、リセマムが翌15日に報じました。数値は2026年7月末現在のもので、設置認可申請中などの予定を含むため、今後変わる可能性があると注記されています。

項目 2027年度 2026年度 増減
実施大学・学部(国立) 81大学417学部 81大学415学部 2学部増
実施大学・学部(公立) 99大学230学部 98大学225学部 1大学5学部増
募集人員(国立) 96,348人 96,344人 4人増
募集人員(公立) 34,977人 34,469人 508人増
募集人員(合計) 131,325人 130,813人 512人増

増えた512人のうち508人は公立大学の分で、国立大学は4人増にとどまります。2025年度入試の募集人員は130,573人だったので、合計は2年続けて増えていることになります。

選抜区分ごとに見ると

区分ごとの募集人員は、前期日程が79,935人から79,591人(344人減)、後期日程が15,010人から14,563人(447人減)、公立大学だけが行う中期日程が2,410人から2,407人(3人減)です。分離・分割方式によらない独自日程は413人から508人に増えました。このうち100人は、独自日程で選抜を行う東京大学のUTokyo College of Designの分です。

一方、総合型選抜は10,063人から10,727人(664人増)で、募集人員全体に占める割合は8.2%になりました(前年度から0.5ポイント上昇)。学校推薦型選抜は22,982人から23,529人(547人増)で、割合は17.9%です(同0.3ポイント上昇)。図1にまとめました。

2027年度国公立大学の選抜区分別募集人員の前年度比較
図1:選抜区分ごとの募集人員の増減(2026年度→2027年度)。文部科学省「令和9年度入学者選抜について」(2026年10月14日)より作成

ポイント:区分ごとの数字を足し合わせると、一般選抜(前期・中期・後期・独自日程)の合計は97,768人から97,069人へ699人減、総合型選抜と学校推薦型選抜の合計は1,211人増です(本記事で計算)。つまり「全体で512人増」は、一般選抜の枠が広がったという意味ではない、ということです。

背景と解説

文部科学省は、総合型選抜を「詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせ」て、意欲や目的意識なども含めて多面的に評価する入試と説明しています。学校推薦型選抜は、出身高校の校長の推薦にもとづき、調査書を主な資料として評価する入試です。つまり、学力試験の一発勝負だけでなく、高校での学びや活動をもとに選ぶ入試の枠が、少しずつ広がっているということです。

2027年度は、総合型選抜を161大学582学部(大学の89.4%)、学校推薦型選抜を174大学531学部(同96.7%)が実施します。なお、総合型選抜の実施大学・学部数は、前年度の調査で一般選抜の定義を揃えた影響で増えており、2025年度以前の数値とは単純に比べられないと文部科学省は注記しています。

「総合型や推薦なら共通テストはいらない」と思われがちですが、そうとは限りません。共通テストを課す総合型選抜は64大学173学部、共通テストを課す学校推薦型選抜は96大学284学部あります。

多様な背景をもつ受験生を対象とする選抜

文部科学省は、性別や居住地域などの観点から入学者の多様性を確保するための選抜も集計しています。理工系分野で女子を対象とする選抜は42大学53学部が実施します。リセマムによると、横浜国立大学(理工学部・学校推薦型)、静岡大学(工学部・学校推薦型)、九州大学(工学部・総合型と学校推薦型)、滋賀県立大学(工学部・学校推薦型)の4大学4学部が新たに加わりました。特定の地域の受験者を対象とする選抜は123大学230学部、児童養護施設入所者(里子などを含む)を対象とする選抜は2大学3学部です。

IBで学ぶお子さんにとっての意味

文部科学省のIB教育推進コンソーシアムは、国際バカロレア(IB)資格を持つ人には日本の大学の入学資格が認められ、多くの大学で「AO入試や帰国子女特別選抜等」の出願資格の一つとして募集要項に明記されていると説明しています。文部科学省の資料では、IBを活用した入試を行う大学は2024年1月時点で78大学でした(筑波大学の調べ。日本の学校の卒業生を対象とする入試の集計です)。書類や面接で評価する入試の枠が広がる流れは、IBで学んだ経験を生かせる入試を探すうえでも気にしておきたいところですね。ただし、IBの成績の扱いや出願条件は大学ごとに違うので、必ず各大学の募集要項で確認してください。

保護者への影響と今できる対応

いまの高校3年生にとって、入試はもう始まっています。国立大学協会と公立大学協会の2027年度の実施要領では、総合型選抜の出願は2026年9月1日以降、合格発表は11月1日以降、学校推薦型選抜の出願は11月1日以降、合格発表は12月1日以降と定められています。大学入学共通テストは2027年1月16日・17日で、出願の受付は10月2日で終わっています。一般選抜は、各大学への出願が1月25日〜2月3日、前期日程の試験が2月25日から、中期日程(公立のみ)が3月8日以降、後期日程が3月12日以降です(図2)。

2027年度国公立大学入試の主な日程
図2:2027年度入試の主な日程。文部科学省の公表資料と国立大学協会・公立大学協会の2027年度実施要領より作成

併願のルールも押さえておきましょう。国立大学の一般選抜は前期・後期から一つずつ、合計二つまで出願できます。公立大学の中期日程を含めると、合計三つまでです。前期日程に合格して入学手続きをした人は、後期・中期を受けても合格者にはなりません。また国立大学協会の実施要領では、学校推薦型選抜の推薦は一人につき一つの大学・学部に限られ、総合型・学校推薦型の合格者は2月17日までに入学手続きをすることになっています。

注意:後期日程の募集人員は、2025年度の15,452人から2年続けて減り、2027年度は14,563人です。前期でうまくいかなかったときの「もう一度のチャンス」になる枠ですから、志望校が後期日程を行うか、何人募集するかを、2027年度の募集要項で必ず確かめておきたいですね。

全国の合計は、あくまで全体の傾向です。実際に効いてくるのは、志望する大学・学部の数字です。確認しておきたいことを図3にまとめました。

募集人員のニュースを志望校選びに生かす5つの確認
図3:募集人員のニュースを読むときの確認ポイント。文部科学省の公表資料と両協会の実施要領をもとに本記事で整理
  • 志望する大学・学部の2027年度の募集要項で、日程ごとの募集人員を確認する
  • 後期日程(公立なら中期日程も)を行っているかを確認する
  • 総合型・学校推薦型を考えるなら、共通テストが必要か、出願の条件は何かを確認する
  • 高校1・2年生のご家庭は、来年以降の公表で同じ内訳をチェックする

この概要は毎年度公表されていて、2026年度分は2025年9月30日、2027年度分は2026年10月14日に出ました。高校1・2年生のご家庭は、毎年の数字の動きを見ておくと、志望校選びの材料が増えるのではないでしょうか。

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まとめ

  • 合計は512人増: 2027年度の国公立大学の募集人員は131,325人。増加分のうち508人は公立大学です(2026年7月末時点の集計)
  • 一般選抜は減少: 前期日程は344人減、後期日程は447人減。一般選抜の合計は699人減です
  • 総合型・推薦が増加: 総合型選抜は664人増(8.2%)、学校推薦型選抜は547人増(17.9%)です
  • 日程と併願の確認を: 共通テストは2027年1月16日・17日、前期日程は2月25日から。国立の一般選抜は合計二つまで出願できます
  • 最後は募集要項で: 数字は今後変わる可能性があるので、志望校の2027年度の募集要項で確かめましょう

出典・参考リンク

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