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「イギリスの寄宿学校に、小学生のうちから留学する子が増えているらしい」。そんな話を耳にして、気になっているご家庭も多いのではないでしょうか。中学受験とは別の道として、海外の寄宿学校を考え始めた方もいらっしゃるかもしれませんね。
AERA with Kids+(朝日新聞出版)が、英国の寄宿学校「ボーディングスクール」に通う日本人留学生が増えていることを取り上げたインタビュー記事を掲載しています。この記事では、記事の要点と、英国の私立学校の団体が公表している統計、ビザや費用の公式情報をあわせて整理しました。
なお、もとの記事は2025年12月24日に掲載されたもので、2026年10月に写真ページがニュースサイトで改めて配信されています。その後に公表された最新の統計もご紹介しますね。
ニュースの概要
記事は、英国で留学生のサポートを行う「Pippa’s Guardians(ピッパズ・ガーディアンズ)」代表のベン・ヒューズさんへのインタビューです。ヒューズさんは、コロナ禍以降、英国のボーディングスクールの留学生全体は減る傾向にある一方で、日本人留学生は2017年から9年連続で増えていると説明しています(AERA with Kids+の記事)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 掲載 | AERA with Kids+(2025年12月24日) |
| 話し手 | ベン・ヒューズさん(Pippa’s Guardians代表) |
| 示された数字 | 2025年1月の調査で、日本からの単身留学生は675人(2017年の約2倍) |
| 傾向 | 最近は特に小学生のボーディングスクール留学が増えている |
記事の中でヒューズさんは、英国には400校以上のボーディングスクールがあり、留学生の家庭に人気のある学校には5人から20人ほどの日本人生徒がいると思う、と話しています。同社では現在100名以上の日本人留学生をサポートしていて、今後少なくとも10年は留学生が増えると予想している、とも述べています。これらは同社代表の見方として紹介されているものです。
小学生の留学が増えている理由として挙げられたこと
ヒューズさんが挙げた理由は、大きく3つです。
- 2022年にハロウ校、2023年にラグビー校という英国の有名校が日本校を開校し、英国の教育やボーディングスクールが日本の保護者に知られるようになったこと
- 海外大学を目指す生徒が増えていること
- 「中学受験は避けつつ質の高い教育環境を望む」という日本ならではのニーズ
背景と解説
「675人」はどんな数字?
記事の675人という数字は、英国の私立学校の団体であるISC(Independent Schools Council)が毎年1月に行う調査の数字と一致します。ISCの2025年版の報告書では、加盟校に在籍する「保護者が英国外に住む、英国籍以外の生徒」のうち、日本出身は675人でした(ISC Census 2025)。2017年版の報告書では336人だったので、たしかに約2倍です。
ここで少し注意したいのは、この数字はISC加盟校に限った集計で、寮に住む生徒だけを数えたものでもない、という点です。表の分け方は「寄宿生のいる学校」か「通学制の学校」かという学校の区分で、2025年版では675人のうち16人が通学制の学校に在籍していました。つまり「英国にいる日本人の寄宿生の総数」とは少し違う、ということなんです。
その後、2026年1月の調査をまとめた2026年版の報告書では、日本出身の生徒は690人と掲載されています(ISC Census 2026)。同じ区分の、保護者が英国外に住む英国籍以外の生徒全体は25,526人(2025年)から22,941人(2026年)に減っているので、全体が減るなかでも日本からの生徒は増えている、という傾向は続いているようです。

図1にまとめた3つの数字は、それぞれの年の報告書に載ったものです。なお、2026年版の報告書には、2025年と2026年の両方に回答した学校だけを比べた集計表もあります。各年の全回答校の集計と、両年に回答した学校だけの比較集計では対象が異なるため、ここではそれぞれの年版の全体集計の数字を使っています。
ポイント:ISCの2026年版では、日本出身の690人のうち106人が「ジュニア校」(低年齢の子ども向けの学校)の区分に在籍しています(2025年版は99人)。ただしこれは学校の区分ごとの人数で、日本の「小学生」の人数とぴったり同じではありません。
費用と制度の変化
英国では2025年1月1日から、私立学校の授業料と寮費に標準税率20%の付加価値税(VAT)がかかるようになりました(GOV.UK)。ISCの2026年版によると、寄宿生の平均費用は1学期あたり14,999ポンド(VAT別、ジュニア段階は10,639ポンド)です。実際の請求額は、志望校の料金表で税込みの金額を確認したいところです。
記事では、学校と寮の費用の合計は小学校で年間700万円から900万円とされています。金額は学校ごとに違うとも書かれているので、あくまで目安として受け止めておきましょう。
保護者への影響と今できる対応
英国の私立校には、11歳ごろ、13歳ごろ、16歳ごろといった主な入学時期があります。英国は9月始まり、日本は4月始まりなので、学年の対応はお子さんの誕生日と入学する年度で変わります。イングランドでは通常、入学直前の8月31日時点の年齢で学年が決まり、これで見ると、11歳での入学は日本の小5〜小6、13歳は中1〜中2、16歳は高1〜高2にあたります。図2に目安をまとめました。

13歳ごろの入学では「コモン・エントランス」という試験を使う学校もありますが、全校に共通の必須試験ではなく、学校独自の試験を行うところもあります(ISEB)。志望校が決まったら、その学校の入学案内を早めに確認しておくと安心ですね。
年齢別に考えておきたいこと
- 小学生のうちに留学する場合:記事では、小学生は短期の留学でも現地の子どもと同じクラスで学ぶため英語力がかなり伸びる、と紹介されています。一方で、親子が離れて暮らすことになるので、家族の気持ちの準備も大切です
- 中学生の時期に留学する場合:13歳ごろの入学時期に合わせるのか、日本の中学校と組み合わせるのかを考えておきたいですね
- 高校生の時期に留学する場合:16歳から始まるシックスフォーム(大学進学前の2年間)への入学が主な選択肢になります。日本の大学入試や帰国後の進路との組み合わせも確認が必要です
英語力の目安に注意:記事では、小学生がスムーズに寮生活を始めるにはCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)でB1以上が目安とされ、「英検準2級相当」と書かれています。ただし英検協会の対応表では、B1は2級の範囲とされています(英検協会)。準備の目標を決めるときは、この違いも頭に入れておくとよいでしょう。
ビザについても確認しておきましょう。英国の子ども向けの留学ビザ(Child Student visa)は4歳から17歳が対象で、ビザのスポンサーとして認められた私立学校(independent school)で学ぶ場合に使えます。学校からの入学許可、滞在先、費用を払えること、保護者の同意などが必要とされています(GOV.UK)。

図3の5つのポイントを、学校説明会や個別相談の前に家族で話し合っておくと、聞きたいことがはっきりしてきます。記事では1学期や1年間という短い期間で受け入れる学校もあると紹介されていますが、短期か長期かによって準備も費用も大きく変わります。「まずは短期で様子を見たい」という場合も、帰国後の学校生活まで含めて考えておきたいですね。
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まとめ
- 日本人留学生は増加傾向: AERA with Kids+の記事(2025年12月24日)で、Pippa’s Guardians代表が2017年から9年連続で増えていると説明しています
- 最新の統計: ISCの2026年版では、加盟校に在籍する保護者が英国外に住む日本出身の生徒は690人(2025年版は675人)です。寄宿生だけの数ではない点に注意が必要です
- 小学生の留学: 有名校の日本校開校や、中学受験以外の選択肢を求めるニーズが理由として挙げられています
- 費用: 2025年1月から授業料と寮費に20%のVATがかかっています。請求額は税込みで確認しましょう
- 準備: 入学時期、英語力の目安、ビザの条件、帰国後の進路を早めに整理しておくと安心です
出典・参考リンク
- AERA with Kids+: 英国寄宿学校「ボーディングスクール」の日本人留学生が9年連続で増加しているのはなぜ?(2025年12月24日)
- Independent Schools Council: ISC Census and Annual Report 2026(2026年1月調査)
- Independent Schools Council: ISC Census and Annual Report 2025(2025年1月調査)
- Independent Schools Council: ISC Census 2017
- GOV.UK: Applying VAT to private school fees
- GOV.UK: Child Student visa
- 日本英語検定協会: 各級の目安(CEFRとの対応)
- ISEB: What is the ISEB Common Entrance?


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