次期学習指導要領で中学入試はどう変わる?審議まとめ公表と学年別の早見表

次期学習指導要領の改訂スケジュール。諮問から審議まとめ・意見公募までは公表済み、答申・告示・全面実施は予定 IB最新ニュース

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「学習指導要領が変わるらしいけど、中学受験の勉強も変えたほうがいいの?」「難関校の問題がもっと難しくなるって本当?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。特にいま小学校低学年から中学年のお子さんがいるご家庭では、受験の準備をいつ・どう始めるか、ちょうど考え始める時期ですよね。

2026年11月5日、ダイヤモンド・オンラインの教育情報サイト「ダイヤモンド教育ラボ」に、次期学習指導要領と中学入試の関係を論じた記事が掲載されました。難関校では「初見性が高い問題」が増えるのでは、という見立てです。

この記事では、文部科学省が公表している改訂の段階と予定をまず確認し、そのうえで記事の見立てを「筆者の見解」として整理します。最後に、お子さんの学年ごとにどう受け止めればよいかをまとめますね。

ニュースの概要

話題になっているのは、ダイヤモンド教育ラボの連載「てら先生の教育業界基本メソッド」に掲載された記事「次期学習指導要領で中学入試はどう変わる? 難関校は『初見性が高い問題』が増加!?」です。筆者は、株式会社東京個別指導学院で進路指導を担当する寺田拓司氏です。

項目 内容
掲載 ダイヤモンド教育ラボ(ダイヤモンド・オンライン)、2026年11月5日
筆者 寺田拓司氏(株式会社東京個別指導学院 進路指導担当)
主な論点 次期学習指導要領の方向性と、学校のタイプ別に見た中学入試の変化の見通し
根拠とした資料 中央教育審議会 教育課程企画特別部会「論点整理」(2025年9月25日)、「審議まとめに向けた検討」(2026年8月4日)など

記事はまず、「学習指導要領が私立中学校の入試問題を直接規定しているわけではない」と断ったうえで、学校を「難関校」「中堅校」「地域密着型の学校」の三つに便宜上分けて、それぞれの入試がどう変わりそうかを論じています。この三分類は公的な区分ではない、とも明記されています。

記事のリード文は2026年8月時点の状況として書かれていますが、その後、改訂の手続きは一歩進みました。中央教育審議会の教育課程部会は2026年10月5日に「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」を公表し、文部科学省は10月6日から11月5日まで、この審議まとめへの意見公募(パブリック・コメント)を行いました。文部科学省の工程表(2026年10月8日の資料)では、今後は答申が「冬頃予定」、改訂が「年度末予定」とされています。図1にまとめました。

次期学習指導要領の改訂スケジュール。諮問から審議まとめ・意見公募までは公表済み、答申・告示・全面実施は予定
図1:次期学習指導要領はいまどの段階か(文部科学省「審議まとめ」2026年10月5日、スケジュール資料2026年10月8日より作成)

注意:文部科学省の工程表では、小学校は2030年度、中学校は2031年度からの全面実施(幼稚園等は2028年度から、高校は2032年度の入学生から順次)が示されていますが、同じ資料に「今後変更の可能性がありうる」と注記されています。まだ答申も告示も出ていない段階なので、時期は「予定」として受け止めてくださいね。

背景と解説

次期学習指導要領は何を目指しているの?

現行の学習指導要領は、育てたい力を「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の三つの柱で整理しています。2025年9月25日の「論点整理」では、次の改訂に向けて、教科の中核的な概念などを使って学ぶ内容を一層構造化する方向が示されました。つまり、ばらばらの知識を覚えるだけでなく、「その教科で大事な考え方」を軸に知識をつなげて理解しよう、ということです。

ほかにも論点整理には、小学校の総合的な学習の時間への「情報の領域(仮称)」の付加、中学校での「情報・技術科(仮称)」の創設、「裁量的な時間」をはじめとする「調整授業時数制度」の創設などが並んでいます。「情報の領域」「情報・技術科」は仮称で、いずれも検討段階です。

記事のいう「初見性」とは?

寺田氏は、ここでいう初見性を「何も知らなくても発想だけで解ける」という意味ではなく、見慣れない条件や資料に対して、知っている原理や解き方を選び、組み替えて結論を導けるかを試すもの、と説明しています。例として挙げられているのは、次のような問題です。

  • 算数:典型的な規則性や場合の数の問題に独自の条件を加える、複数分野の考え方を組み合わせる、途中の理由を書かせる
  • 理科・社会:見たことのない資料や実験結果を、基礎知識と結びつけて読み解かせる
  • 国語:字数の多い文章や、複数の文章・資料を関連づけて自分の言葉で説明させる

記事は同時に、入試問題が公開され塾が対策を重ねれば、かつての初見問題もやがて典型問題になる、とも指摘しています。だから「本当の意味での初見性を作り出すことは簡単ではない」というのが筆者の見方です。「思考力重視なら暗記はいらない」という考え方も正確ではない、と明確に否定しています。

ポイント:「難関校で初見性の高い問題が増える」は、文部科学省の決定ではなく、記事筆者の見通しです。学習指導要領は私立中の入試問題を直接決めるものではなく、出題は各校が教育方針に沿って決めます。

IB(国際バカロレア)の学びとの共通点

このブログの読者の方には、IBの学び方と似ていると感じた方もいるかもしれません。IBの中等教育プログラム(MYP)は「重要概念」と「関連概念」を軸に学ぶ枠組みを掲げています。概念を手がかりに知識をつなげ、新しい場面で使うという方向性は、次期学習指導要領の議論と重なる部分があります。ただし、文部科学省がIBを取り入れると決めたわけではなく、IBで学んだ子が中学入試で有利になるといった話でもありません。あくまで「考え方が似ている」という整理です。

保護者への影響と今できる対応

わが子は新しい学習指導要領で学ぶ学年?

いちばん気になるのは「うちの子は関係あるの?」という点ですよね。工程表の予定どおり小学校2030年度・中学校2031年度に全面実施された場合を、年度を4月始まりとして学年に当てはめてみました(図2)。

2026年度に小1から小6の子が、どの年度にどの学年で新しい学習指導要領で学ぶかの早見表
図2:学年早見表。予定どおり実施された場合の試算(文部科学省のスケジュール資料2026年10月8日より作成)
  • いま小3〜小6:小学校は現行の学習指導要領のまま卒業する計算です。いま小3のお子さんは2030年4月に中学へ入学し、中学2年の2031年度から新しい要領に切り替わる見込みです
  • いま小2:小6の2030年度を新しい要領で過ごし、2031年4月に中学入学。中学校の全面実施の初年度と重なります
  • いま小1:小5・小6の2年間を新しい要領で学び、2032年4月に中学入学という計算です

工程表では、調整授業時数制度を2028年度に先行実施するとされ、移行期間中の先行実施の内容は審議まとめを参照するよう書かれています。図2はこの先行実施を含んでいないので、「いま小3以上は全く関係ない」とは言い切れない点にご注意ください。

受験勉強は「二層構造」に

寺田氏は、これからの受験勉強を「知識・技能をすらすらできるまで身につける学習」と「それを新しい場面で使う学習」の二層構造になると見ています(図3)。大量の演習が無意味になるのではなく、演習のあとに「なぜこの方法を選んだのか」「条件が変わったらどうなるか」まで考えることが大事になる、という指摘です。

これからの受験勉強の二層構造。知識・技能の習得を土台に、新しい場面で使う学習を重ねる
図3:受験勉強の二層構造(ダイヤモンド教育ラボ2026年11月5日、寺田拓司氏の整理より作成)

中堅校については、英語入試や資料を読んで記述する問題、プレゼンテーション型など、学校の教育方針と入試方式の結びつきが強まると記事は見ています。地域密着型の学校については、基礎力に加えて意欲や得意分野、入学後の成長の可能性を見る選抜が重要になる、という見立てです。2026年8月4日の「審議まとめに向けた検討」には「『好き』を育み、『得意』を伸ばす」重要性が増している、という記述があり、記事もこれを引いています。

ご家庭でできるチェックリスト

  • 志望校の過去問で、資料や条件を読み取って記述する問題がどれくらい出ているかを親子で見てみる
  • 問題を解いたあと、「なぜその解き方にしたの?」と一言聞いてみる(答え合わせだけで終わらせない)
  • 偏差値を見るときは「どの模試の、どの入試回の数値か」を確かめる(記事も同じ点を強調しています)
  • 説明会では、新しい入試形式で「何を、どの基準で評価しているのか」を質問する
  • 漢字・計算・語彙などの基礎は、これまでどおり毎日の積み重ねを大切にする

ポイント:いま小3〜小6のお子さんは、予定どおりなら小学校を現行の学習指導要領で終える計算です。指導要領の切り替えを待って準備を変えるより、いまの志望校の出題を丁寧に読むことが現実的ではないでしょうか。

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まとめ

  • 改訂は「審議まとめ」の段階: 2026年10月5日に公表、意見公募は11月5日に締め切り。答申は冬頃、改訂は年度末の予定です
  • 全面実施は予定: 小学校2030年度、中学校2031年度。文部科学省も「今後変更の可能性がありうる」としています
  • 入試は各校が決める: 学習指導要領は私立中の入試問題を直接規定しません。「初見性の高い問題が増える」は記事筆者の見通しです
  • 暗記はなくならない: 知識・技能の習得を土台に、それを新しい場面で使う学習を重ねる「二層構造」が提案されています
  • 学年で受け止め方が違う: 予定どおりなら、いまの小2以下は小学校のうちに新しい要領で学ぶ時期があります

出典・参考リンク

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