高校留学は私費か交換留学か:費用・学校選び・単位認定で比べる家庭の判断軸

3か月以上の高校生の留学者数の推移。平成29年度4,076人、令和3年度1,901人、令和5年度3,174人 IB最新ニュース

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「高校のうちに一度は海外で暮らす経験をさせたい」。そう考え始めたとき、最初にぶつかるのが私費留学にするか、交換留学にするかという選択ではないでしょうか。費用の差はもちろん、行き先を自分で選べるのか、帰国後に学年が遅れないのか、気になることが次々に出てきますよね。

2026年9月28日、ビジネス映像メディアのPIVOTがYouTubeで「なぜ高校留学なのか」をテーマにした動画を公開しました。タイトルには「私費と交換留学の違い」「教育投資の費用対効果」「王族も集うUWC」といった論点が並んでいます。

この記事では、動画が取り上げたテーマをきっかけに、文部科学省の調査や法令、留学団体の公式サイトで確認できた情報だけを使って、ご家庭で私費と交換を比べるときの判断軸を整理しますね。

ニュースの概要

公開されたのは、PIVOT株式会社が運営する「PIVOT 公式チャンネル」の動画です。動画の概要欄によると、ゲストは留学情報サイト「留学プレス」編集長の若松千枝加さん。目次は「高校留学がコスパ最強の理由」「高校留学のメリット・適性」「3つの高校留学スタイル」「国別費用比較と奨学金制度」「世界名門校UWCと総括」の5つで、長さは約44分です。

項目 内容
公開日 2026年9月28日(日本時間)
配信元 PIVOT 公式チャンネル(YouTube)
ゲスト 若松千枝加さん(留学プレス編集長)
主な論点(タイトルより) 語学力だけではないメリット、私費と交換留学の違い、自信喪失の壁、英語力より議論力、教育投資の費用対効果、ニュージーランド、UWC

なお、動画の中でゲストが挙げた具体的な金額や事例については、この記事では確認できた範囲に限っています。発言の細部は動画本編でご確認ください。ここからは、動画のテーマである「私費か交換か」を、公式の情報で掘り下げていきます。

背景と解説

高校生の留学は回復途中

文部科学省が2025年3月28日に公表した「令和5年度 高等学校等における国際交流等の状況について」によると、3か月以上の留学をした高校生は3,174人でした。前回調査(令和3年度)の1,901人からは増えましたが、コロナ禍前の平成29年度(4,076人)には届いていません。3か月未満の研修旅行は31,711人で、こちらは別の区分として数えられています。

3か月以上の高校生の留学者数の推移。平成29年度4,076人、令和3年度1,901人、令和5年度3,174人
図1:3か月以上の高校生の留学者数(文部科学省「令和5年度 高等学校等における国際交流等の状況について」より作成)

推移は図1にまとめました。同じ調査によると、3か月以上の留学先はカナダ、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、イギリスの順に多くなっています。動画のタイトルにニュージーランドが出てくるのも、こうした人気の行き先を反映しているのかもしれませんね。

交換留学と私費留学、何が違うの?

ざっくり言うと、交換留学は留学団体が運営する派遣プログラムに応募し、団体が受け入れ先を手配する形です。私費留学は、家庭が学費や滞在費を負担し、目的に合わせて学校を選んで出願する形です。つまり「行き先を任せる代わりに費用を抑えやすい」のが交換、「費用はかかるけれど学校を選べる」のが私費、と考えると分かりやすいと思います。

たとえばAFS日本協会の年間プログラムは1学年間(約10か月)で、配属先の地域・学校・家庭はAFSが決めると案内されています。公式サイトに掲載された2027年出発の年間留学の例では、トルコやブラジルが145万円、ニュージーランドが230万円です。YFU日本国際交流財団の年間派遣は、書類審査・英語と常識のテスト・面接で選考し、参加費は178万〜208万円と案内されています。

ロータリー青少年交換の長期交換は1年間で、宿泊・食事・学費はロータリー側が負担し、往復航空券や保険、ビザ、お小遣いなどは参加者が負担するのが一般的と、国際ロータリーの公式サイトに書かれています。

一方、私費留学の例として、留学エージェントのISAは卒業目的の高校留学について、1年目の費用の目安をニュージーランド430万円〜、カナダ450万円〜、アメリカ600万円〜、イギリス850万円〜と掲載しています(別途諸費用・航空券代)。

交換留学と私費留学の違いを学校・地域、期間、選考、費用の例で比べた図
図2:交換留学と私費留学の違い(AFS日本協会・YFU日本国際交流財団・国際ロータリー・ISAの公式サイトより作成)

注意:図2の金額は、含まれるものがそれぞれ違います。YFUの参加費には往復航空運賃や保険料が含まれる一方、ISAの掲載額は航空券代を含みません。金額の数字だけを並べて「こちらが安い」と判断しないようにしたいですね。

在籍校の「留学」として認められるか

もう一つ大切なのが、日本の高校に籍を置いたまま行く場合の扱いです。学校教育法施行規則第93条では、校長が教育上有益と認めるときは外国の高校への留学を許可でき、留学先での学びを36単位を超えない範囲で日本の高校の単位として認定できると定めています。つまり、単位が認められるかどうかは自動的に決まるのではなく、在籍校の校長の判断によるということです。

動画に出てくる「UWC」とは

UWC(ユナイテッド・ワールド・カレッジ)は、4大陸に18の学校を持つ教育機関のネットワークです。UWCの公式サイトによると、全校でIBディプロマ・プログラム(IBDP)が提供され、16〜19歳の生徒の多くがこれを履修します。一部の学校ではIBキャリア関連プログラム(IBCP)も選択できます。IB教育に関心のあるご家庭にとっては、高校留学の選択肢としてIBDPを学べる学校がある、という視点も持っておくとよさそうです。

保護者への影響と今できる対応

私費か交換かは、どちらが正解というものではありません。お子さんが留学で何を得たいのか、ご家庭がどこまで費用と手間をかけられるのかで答えが変わります。比べるときの5つの軸を図3にまとめました。

私費か交換かを決める前に確認したい5つの軸のチェックリスト
図3:家庭で確認したい5つの軸(学校教育法施行規則第93条、各団体の公式サイトをもとに本記事で整理)
  • 目的をはっきりさせる: 異文化の中で暮らす経験を重視するなら交換留学、特定の学校で学びたい・現地で卒業したいなら私費留学が候補になります
  • 行き先へのこだわり: 交換留学では学校や地域を選べないことがあります。「この国のこの地域」と決めている場合は、団体の条件を先に確認しましょう
  • 費用の内訳をそろえる: 航空券、保険、学校の諸費、現地でのお小遣いが含まれるかを一覧にして比べます
  • 在籍校に早めに相談: 留学として許可されるか、単位認定がどうなるか、帰国後の学年や卒業時期はどうなるかを確認します
  • 奨学金を調べる: 団体によっては参加費を支援する奨学金を用意しています。応募時期は団体ごとに違うため、公式サイトで最新の募集を確認しましょう

ポイント:交換留学には選考があり、AFSの公式サイトにはすでに2027年出発のプログラムが掲載されているように、出発の1年以上前から情報が出ることもあります。応募資格(年齢・学年・成績など)や締め切りは団体と年度で変わるため、「行くかどうか迷っている段階」から各団体の説明会や公式サイトをチェックしておくと安心です。

海外駐在中のご家庭の場合は、現地の学校に通いながら別の国へ行くのか、日本の高校に籍を置いて行くのかで、手続きも単位の扱いも変わってきます。まずは今通っている学校の先生に、どの形なら受け入れてもらえるかを聞いてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

また、帰国後に日本の大学を受験する予定なら、留学の時期と受験準備が重ならないかも大事なポイントです。たとえばAFSのトルコへの年間留学(夏出発)は2027年9月から2028年6月までと案内されています。高校2年の夏に出発する年間プログラムなら、帰国は高校3年の初夏ごろになる計算なので、受験の準備期間をどう確保するかを家族で話し合っておきたいですね。

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まとめ

  • 動画のテーマ: 2026年9月28日、PIVOTが「なぜ高校留学なのか」を公開し、私費と交換留学の違いや費用対効果を取り上げました
  • 留学者数は回復途中: 3か月以上の高校生の留学は令和5年度に3,174人で、コロナ禍前の4,076人にはまだ届いていません
  • 交換と私費の違い: 交換留学は行き先を団体が手配し費用を抑えやすく、私費留学は学校を選べる分、費用が高くなりやすい傾向です
  • 金額は中身で比べる: 航空券や保険が含まれるかどうかで、同じ数字でも意味が変わります
  • 在籍校への相談が第一歩: 単位認定は最大36単位で、校長の判断によります。帰国後の学年も含めて早めに確認しましょう

出典・参考リンク

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