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「最近は推薦や総合型で大学に入る人が多いって聞くけど、それで本当に学力は身につくの?」「うちの子は一般入試と推薦、どちらを目指せばいいのかしら」――大学受験が近づくと、こうした迷いが出てきますよね。
2026年8月26日、東洋経済オンラインに「『推薦入試が増えているから日本人の学力は落ちる』は本当?」という記事が掲載され、Infoseekニュースにも配信されました。筆者は、推薦入試の広がりを「学力が要らなくなった」と受け止めるのは違うと論じ、東京大学の入試の変化を例に「頭のよさ」のとらえ方が変わってきていると説明しています。
この記事では、報道の要点を、文部科学省と東京大学の公式資料と照らし合わせながら整理します。そのうえで、受験を控えたご家庭が「どんな力が評価されるのか」をどう考えればよいかを一緒に見ていきましょう。
ニュースの概要
元記事は、一般財団法人ドラゴン桜財団代表理事でドラゴン桜2編集担当の西岡壱誠さんによるコラムです。事実を報じるニュースというより、入試制度の変化について筆者の考えを述べた論考である点を押さえておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 媒体・公開日 | 東洋経済オンライン(2026年8月26日)。Infoseekニュースにも配信 |
| 筆者 | 西岡壱誠さん(一般財団法人ドラゴン桜財団代表理事・ドラゴン桜2編集担当) |
| 取り上げた数字 | 2025年度の大学入学者のうち総合型選抜19.5%、学校推薦型選抜34.1% |
| 例に挙げた入試 | 東京大学の学校推薦型選抜、UTokyo College of Design(2027年9月開設予定)の選抜 |
記事が紹介した割合は、文部科学省が2025年11月26日に公表した「令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況」と一致します。入学者648,430人のうち、総合型選抜は126,766人(19.5%)、学校推薦型選抜は221,415人(34.1%)、一般選抜は300,249人(46.3%)でした。つまり、総合型と学校推薦型を合わせると入学者の半数を超えているということです。
ただし、大学の種類によって状況はかなり違います。国立大学は一般選抜が約8割(79.6%)を占める一方、私立大学では総合型(22.8%)と学校推薦型(38.8%)の合計が約6割です。図1にまとめました。

注意:文部科学省は、2025年度(令和7年度)から入試の区分を整理し直し、外国人留学生向けの選抜も集計に含めたため、2024年度以前の数値とは単純に比べられないと説明しています。「何年で何ポイント増えた」といった比較は、この資料だけではできない点に気をつけてください。
背景と解説
筆者が論じている「頭のよさ」
西岡さんは、推薦入試には課題もあると認めています。学校によって活動の機会に差があること、家庭の経済力によって経験できることに差が出ること、評価の基準が見えにくいことなどです。そのうえで、推薦入試が増えることを「学力は必要ない」と同じ意味にとらえるのは違う、と論じています。
筆者によると、一般入試でも大学入学共通テストに「情報」が加わるなど出題が多様になり、学習計画を立て、自分の弱点を分析して努力の方向を調整する力が求められるようになっています。推薦入試でも、大学や研究内容を調べ、高校での経験と志望理由を結びつけて伝える力が必要です。つまり、一般入試と推薦入試は、似た力を求める方向に近づいているというのが筆者の見立てです。これはあくまで筆者の見解で、学力との関係をデータで検証したものではありません。
国のルールでも「書類だけ」の選抜は認められていない
「推薦は書類と面接だけで決まる」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」では、総合型選抜は面接などによる評価を必ず行い、学校推薦型選抜も原則として面接を行うとしています(高校と大学が緊密に連携した一部の選抜には例外があります)。
さらに両方の選抜とも、調査書などの書類だけで決めず、①教科・科目のテスト、②大学入学共通テスト、③小論文・面接・実技など、④資格・検定試験などのうち、少なくとも一つを活用するよう求めています。どれを使うかは大学ごとに違うため、すべての大学で筆記試験があるという意味ではありません。
東大の2つの入口
記事が「東大の試験まで」と表現した例の一つが、東京大学の学校推薦型選抜です。東京大学によると、この選抜は2016年度入試から導入され、募集人員は全学部で100人程度です。提出書類、面接など、大学入学共通テストの成績を総合的に評価し、共通テストはおおむね8割以上を目安にしています。2026年度入試では志願者265人、最終合格者93人でした。
もう一つが、2027年9月の開設を予定しているUTokyo College of Designです。募集は100人(Route A 50人、Route B 50人)で、Route Aは共通テストを利用し、Route BはIB(国際バカロレア)、SAT、ACT、International A-Levelなどを利用します。どちらのルートも書類・資料と面接を合わせて評価する仕組みです。図2に2つの入口を並べました。

ポイント:東大の学校推薦型選抜は100人程度、College of Designも100人の募集で、東大の入試の中心は今も一般選抜です。「東大が推薦中心に変わった」わけではありません。ただ、どちらの入口も「学力の確認」と「書類・面接による評価」を組み合わせている点は、推薦入試を考えるうえで参考になります。
保護者への影響と今できる対応
IBで学ぶお子さまのご家庭にとっても、気になる話題ではないでしょうか。College of DesignのRoute Bでは、IBのスコアの目安として「6科目で42点中38点以上、TOK(知の理論)とEE(課題論文)の合計で2点以上」が示されています。ただし大学は、これは目安であり、ほかの出願内容と合わせて総合的に判断すると説明しています。また、文部科学省のIB教育推進コンソーシアムは、IBを活用した国内の大学入試の例(2025年1月時点)を公表しています。
総合型・学校推薦型を考えるときは、次の点を確認しておくと安心です。
- 志望校の選抜方法:面接、小論文、共通テスト、資格試験のうち何を使うか。大学・学部ごとに違います
- 学力の基準:東大の「共通テストおおむね8割以上」のように、目安が示されているか
- 提出書類の中身:志望理由書や活動報告書で、高校での学びと志望分野をどう結びつけるか
- 出願の時期:出願期間や試験日は大学ごとに違うため、最新の募集要項で日程を確かめる
- 一般選抜との両立:不合格のときに一般選抜へ切り替えられる準備をしておく
注意:UTokyo College of Designの概要ページには、設置申請中のため内容が変わる可能性があると書かれています。入試の条件は年度ごとに変わることもあるので、出願を考えるときは必ず大学の最新の募集要項を確認してください。
推薦か一般かを早くから決めつけず、日々の授業で考える力を育てつつ、興味のあることを深めておく。その両方が、どちらの入試にも生きてくるはずです。
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まとめ
- 入学者の半数超: 2025年度の大学入学者のうち、総合型選抜19.5%、学校推薦型選抜34.1%で、合計は半数を超えています
- 大学の種類で差: 国立は一般選抜が約8割、私立は総合型と学校推薦型で約6割です
- 書類だけでは決まらない: 国の実施要項は、面接や、テスト・小論文・資格試験などの活用を求めています
- 東大は学力確認と総合評価の組み合わせ: 学校推薦型選抜は共通テストおおむね8割以上が目安で、College of DesignはIBなども利用します
- 「学力低下」は筆者の論点: 推薦入試と学力の関係は、記事では筆者の見解として論じられています
出典・参考リンク
- 東洋経済オンライン: 「推薦入試が増えているから日本人の学力は落ちる」は本当? 東大の試験まで変えつつある「頭のよさ」の新しい背景(2026年8月26日)
- 文部科学省: 令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要(2025年11月26日)
- 文部科学省: 令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況(PDF、2025年11月26日)
- 文部科学省: 令和9年度大学入学者選抜実施要項(PDF、2026年10月5日確認)
- 東京大学: 学校推薦型選抜Q&A(2026年10月5日確認)
- 東京大学: 学校推薦型選抜 志願者数・合格者数・過去の試験課題(2026年10月5日確認)
- UTokyo College of Design: 募集要項 Route B(2027年9月入学、2026年10月5日確認)
- UTokyo College of Design: 令和9(2027)年度入学者選抜の概要(2026年10月5日確認)
- IB教育推進コンソーシアム: IBを活用した入試(2026年10月5日確認)


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