台湾の大学に英検2級・書類選考で進学?「学費無料」ルートの条件と費用を公式情報で確認

台北科技大学の日本人向け半導体学士プログラム 2027年9月入学の募集スケジュール IB最新ニュース

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「英検2級・筆記試験なしで海外大へ」「学費無料」。2026年10月4日に公開されたYouTube動画のタイトルを見て、思わず目が止まった方も多いのではないでしょうか。海外大学はお金がかかるもの、と思っていたご家庭ほど気になる話です。

ただ、動画そのもの(チャンネル名や、どの大学を紹介しているか)は、今回の調査では確認できませんでした。そこでこの記事では、タイトルにある「英検2級」「筆記試験なし」「学費無料」という条件が、台湾の大学の公式情報でどこまで確かめられるかを整理しました。

結論からお話しすると、3つの条件にあてはまる募集を、国立台北科技大学が日本国籍の人向けに公式サイトで案内しています。ただし対象や条件はかなり限られていて、「台湾の大学ならどこでも」という話ではありません。順番に見ていきますね。

ニュースの概要

国立台北科技大学(National Taipei University of Technology)の「半導体プロセス及び装置学士プログラム」(英語名 Bachelor’s Degree Program in Semiconductor Processing and Equipment)が、2026年10月8日時点で「2027年度入学案内」を日本語で公開しています。大学の英語版ニュースでは、TSMCと連携してこのプログラムを2025年度に開設すると発表されていました。

項目 2027年度入学案内の内容
対象 日本国籍を持つ人(外国籍の人は出願できない)
定員・年限 30名・学士課程4年
英語の条件 英検2級以上、TOEIC 550点以上、CEFR B1以上のいずれか
選考 書類選考100%(自己紹介動画を含む)。面接試験なし。出願料は無料
学費 合格者全員、学費・雑費が全額免除
授業 英語で実施。2027年9月上旬に授業開始

さらに、入学時の総合評価で上位12名には月1万台湾ドル、13〜30位には月6,000台湾ドルの給付奨学金が出ると案内されています。ただし支給は総合審査によって決まり、該当順位でも各ランクの支給人数が上限に達しない場合があるとFAQに書かれています。2年目以降のランクは、前年度の成績などで毎年見直されます。

募集は2段階で、一次募集が2026年9月1日〜11月15日、二次募集(一次で定員に満たない場合)が2026年12月1日〜2027年3月31日です。流れを図1にまとめました。

台北科技大学の日本人向け半導体学士プログラム 2027年9月入学の募集スケジュール
図1:2027年9月入学の一次募集・二次募集から授業開始までの流れ(国立台北科技大学「2027年度入学案内」より作成)

台湾の中央通信社(2026年8月21日)は、このプログラムには入学予定の第2期生を含めて40人が在籍・入学予定で、その4割超が九州の出身だと報じています。

背景と解説

台湾の大学は「各大学に直接出願」が基本

台湾の教育部(日本の文部科学省にあたる役所)の規則「外國學生來臺就學辦法」では、外国人学生は各大学が決めた期間に、大学へ直接書類を出して審査を受けます。法令上、全国共通の筆記試験は定められておらず、審査方法は各大学が決めます。つまり、「台湾の大学は筆記試験なし」と一律に言えるわけではないということです。大学や学科によっては面接などを行う場合もあります。

英語の条件も同じで、台湾留学サポートセンターの記事(2026年9月28日)は、英検が認められるかどうかは大学・学部によって違うと説明しています。「英検2級でどこでも出願できる」わけではないので、志望校を決めてから、その大学の要項を確認する順番が大切です。

本プログラムの学費免除と、台湾政府の奨学金

台北科技大学のこのプログラムは、合格者全員の学費・雑費が全額免除される仕組みです(免除の財源は公表情報では確認できませんでした)。大学のFAQでは、通常の工学部は1学期あたり授業料32,892台湾ドル+雑費21,945台湾ドルの計54,837台湾ドルかかるところ、このプログラムの学生が払うのは、パソコン・ネット利用料400台湾ドルと学生保険料335台湾ドルの計735台湾ドルだけと説明されています。

これとは別に、台湾教育部の「台湾奨学金(Taiwan Scholarship)」もあります。教育部の案内では、学費・雑費を1学期あたり最大4万台湾ドルまで支給し、生活費として月1万5,000台湾ドルまたは2万台湾ドルを支給、学部は最長4年です。日本での募集は台北駐日経済文化代表処が行っています(2025年度の募集要項)。こちらは上限額がある支援なので、「必ず全額無料になる」とは限らない点に注意してくださいね。

ポイント:動画タイトルの3条件(英検2級・筆記試験なし・学費無料)がそろう公式の募集は確認できましたが、それは日本国籍者向け・半導体分野・定員30名という特定のプログラムの話です。台湾の大学全体の共通ルールではありません。

台湾で学ぶ日本人も増えています。台湾の高等教育国際合作基金会によると、2024年秋学期に台湾で学ぶ日本人学生は8,779人で、短期留学や中国語コースの学生も含む数字です。教育部の統計では、このうち学位を取るために在籍する学生は2,568人とされています。

保護者への影響と今できる対応

対象になるのは、いまの高校3年生が中心

2027年9月入学の募集なので、主な対象は2027年3月に高校を卒業する、いまの高校3年生です。一次募集の締め切りは2026年11月15日で、この記事を書いている10月8日から約5週間しかありません。二次募集は一次で定員に満たなかった場合だけ行われます。高校2年生以下のご家庭については、大学のFAQに「少なくとも第4期生が4年間の課程を修了するまでは継続する予定」とあります。翌年以降の条件は、その年の要項で確かめましょう。

「学費無料」でもかかるお金

図2のとおり、学費・雑費が免除されても、寮費や保険料はかかります。大学のFAQでは、学生寮(4人部屋)は115学年度第1学期分と冬休み分、保証金を合わせて29,490台湾ドルです。医療保険は入学後6か月が団体保険で3,000台湾ドル、その後は条件を満たせば月826台湾ドルの全民健康保険に入ります。出願時には、5,000米ドル以上(約75万円以上)の残高証明も必要です。

1学期あたりの学費・雑費の比較と、学費以外にかかる主な費用(台湾ドル)
図2:学費・雑費は免除でも、寮費や保険料はかかる(同プログラム「よくあるご質問(2026年度版)」より作成)

注意:自己都合の退学・転学や、成績不振で退学・除籍になった場合は、受け取った奨学金だけでなく免除された学費も返還が必要になることがあります。病気などやむを得ない事情は個別に審査されます。また、合格後に払う入学保証金12,000台湾ドルは、入学を辞退すると返金されません。

出願前に確かめたいチェックリスト

必要書類と見落としやすい条件を図3にまとめました。入学案内では、書類7点はすべてPDF形式で準備するよう案内されています。自己紹介動画は、YouTube(限定公開可)かGoogleドライブに上げて、そのURLをPDFで出す形です。英語の証明書については、入学年度の4月末までの提出が必須とされています。

出願に必要な7つの書類と見落としやすい4つの条件
図3:出願書類7点と、見落としやすい条件(同プログラム「2027年度入学案内」「よくあるご質問」より作成)
  • 理系の学び:成績証明書で、数学Ⅲ・C、物理、化学のうち1科目以上を履修している必要があります。IBDPで学んでいるお子さまは、IBの科目がこの条件にどうあてはまるかを大学に問い合わせておくと安心です
  • 英語で学ぶ覚悟:授業も試験も原則英語です。出願の時点で英語の証明書がまだ無い場合に、入学年度の4月末までに後から出せるかどうかは、募集要項でも確認しておきましょう
  • 成績の目安:FAQでは高校の成績はGPA4.0以上が一つの目安とされ、成績だけで合否を決めるわけではないと説明されています
  • 日本の大学との併願:日本の国公立大学との併願もできるとされています。ただし一次合格者の入学保証金は2027年1月中旬〜下旬、辞退の連絡は2027年4月30日までなので、日本の受験日程と並べて計画を立てましょう
  • 卒業後の道:在学中には台湾の大手半導体メーカーでの有給インターン(3年次夏)やTSMCの新人研修センターでの実習の機会があると案内されていますが、就職を約束するものではありません

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まとめ

  • タイトルの3条件がそろう募集はある:国立台北科技大学の日本国籍者向け半導体学士プログラム(2027年度入学)で、英検2級以上・書類選考のみ・学費雑費全額免除が公式に案内されています
  • 台湾全体のルールではない:台湾の大学は各大学に直接出願し、審査方法や英語の条件は大学ごとに違います
  • 一次募集は11月15日まで:主な対象はいまの高校3年生。二次募集は定員に空きがある場合だけです
  • 学費以外の費用と返還条件:寮費・保険料・生活費はかかり、自己都合の退学などでは免除された学費の返還もありえます
  • 最終確認は公式の要項で:条件は年度ごとに決まるため、出願前に最新の募集要項とFAQを確認しましょう

出典・参考リンク

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