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「15歳で親元を離れて、地方の学校で寮生活をする」。そんな進路をわが子が口にしたら、期待と同じくらい心配もわいてきますよね。山形県鶴岡市にある国立の鶴岡工業高等専門学校(鶴岡高専)が、東京など首都圏の中学生に向けて、同校への入学を呼びかける「国立高専留学」構想に基づく取り組みを始めたと、山形新聞が2026年10月5日に報じました。
ここでいう「留学」は海外留学ではなく、中学卒業後に地方の高専へ進み、寮で暮らしながら学ぶ選択肢を示した、いわば「国内留学」の提案です(高学年では入寮選考があり得ます)。この記事では、学校の公式発表と令和9年度(2027年4月入学)の学生募集要項をもとに、地元を離れて高専で学ぶ選択肢を考えるご家庭が確認しておきたい入試の条件・寮生活・費用を整理しますね。
ニュースの概要
鶴岡高専は2026年9月18日、学校公式サイトで「国立高専留学」構想のスタートを発表しました。国立高等専門学校機構も9月16日にプレスリリースを出しています。鶴岡市と長年友好都市として交流してきた東京都江戸川区の中学生を主な対象に「鶴岡高専留学」を提案し、将来は東京をはじめ全国の中学生へ広げることを目指すとしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表主体 | 鶴岡工業高等専門学校(設置者:独立行政法人国立高等専門学校機構) |
| 発表日 | 2026年9月16日(機構のプレスリリース)、9月18日(学校公式サイト) |
| 主な対象 | 東京都江戸川区の中学生(区外からの説明会参加も歓迎) |
| オンライン説明会 | 2026年9月27日(日)11:30〜12:45、Zoomウェビナー、参加無料 |
| 登壇者 | 冨田勝氏(慶應義塾大学名誉教授、鶴岡サイエンスパーク代表理事)、伊藤卓朗准教授、上條利夫教授・副校長 |
山形新聞の報道によると、説明会では冨田氏らが鶴岡の食文化や伝統芸能、授業の内容を紹介し、就職・大学編入・専攻科進学といった進路の幅広さも高専の特徴として挙げたそうです。同校の全校生徒数は今年度約780人で、うち69人が県外出身と報じられています。地方での自立した生活や学習環境に魅力を感じる県外出身者は、近年少しずつ増えているとのことです。
背景と解説
高専とはどんな学校?
高専(高等専門学校)は、中学卒業後に入学して5年間一貫で専門教育を受ける学校です。つまり「高校3年+大学の前半2年」に近い期間を、実験・実習を中心に同じ学校で学ぶということです。卒業後は就職のほか、大学3年次への編入学や、高専の専攻科への進学を経て大学院を目指す道もあると、鶴岡高専は説明しています。
鶴岡高専の本科は「創造工学科」の1学科で、入学定員は160名です。1年次は全員が共通の基礎を学び、原則として2年次に機械、電気・電子、情報、化学・生物、デジタルデザインの5コースに分かれます(推薦入学者のうち10名は入学時からデジタルデザインコースに配属)。「入学時点で専門を決め切れない」というお子さんでも、1年かけて考えられる仕組みなんです。
なぜ「首都圏の中学生」なのか
学校は発表の中で、「普通高校から大学へ」という進路に加えて、15歳から専門分野にふれ「自分で考え、手を動かし、つくる」経験を重ねる道を提案しています。鶴岡市には研究機関やベンチャー企業が集まる鶴岡サイエンスパークがあり、自然や食文化、歴史のある環境で学べることも魅力として挙げています。
江戸川区が最初の対象になったのは、両市区の長い縁があるからです。鶴岡市の公式ページによると、戦時中に江戸川区の学童が鶴岡へ集団疎開したことをきっかけに交流が続き、1981年5月25日に友好都市の盟約を結んでいます。
ポイント:「国立高専留学」は鶴岡高専が提案する進路の考え方の名称で、首都圏の生徒向けの特別な入試枠や新しい制度ができたわけではありません。入試は通常の推薦選抜・学力選抜を受けることになります。
保護者への影響と今できる対応
対象になるのは、まず2026年10月時点で中学3年生のお子さんです(令和9年度=2027年4月入学)。中学2年生以下の場合は翌年度以降の募集要項が対象になり、日程や金額が変わる可能性があります。令和9年度の主な日程は次のとおりで、図1にもまとめました。
| 選抜 | Web出願登録 | 試験日・会場 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 推薦による選抜 | 2026年12月7日〜2027年1月5日 | 2027年1月16日(土)面接、会場は鶴岡高専 | 1月21日(木)合格内定 |
| 学力検査による選抜 | 2027年1月6日〜1月25日 | 2027年2月14日(日)理科・英語・数学・国語、主な会場は鶴岡・山形 | 2月22日(月)合格発表 |

入試で確認したいこと
- 推薦は入学確約が前提:学校長の推薦と、合格したら入学を確約できることが出願条件です。成績の基準は、5段階評定なら「9教科の1〜3年の合計が98以上」または「5教科の2〜3年の合計が36以上」のいずれかです。面接会場は鶴岡高専のみなので、首都圏からは鶴岡まで出向くことになります。
- 学力選抜は全国の会場から選べる場合も:国立高専機構の「最寄り地等受験制度」を使うと、全国の国立高専などの会場で受験を希望できます。ただし会場の都合で希望が通らないこともあり、事前相談(2026年11月2日〜2027年1月22日)が必要です。令和9年度の首都圏の会場は、機構ホームページの会場一覧で確認してください。
寮生活と費用の目安
学生寮「鶴鳴寮」には、2026年4月1日現在で379名(うち女子85名)が暮らし、本科生の約半数が寮生活だそうです。低学年は2〜3人部屋、高学年は1人部屋が基本です。なお募集要項には、3〜5年生は希望者が多いと入寮選考があると書かれています。
正直にお話しすると、費用は学費と寮費を分けて考えるのがわかりやすいです。学校公式サイトに掲載されている2026年10月時点の額で、入学料は84,600円、授業料は年額234,600円です。1〜3年生は申請により高等学校等就学支援金が授業料相当額(原則通算36月)支給され、学校が代わりに受け取って授業料に充てます。寮費(一般寮・複数人居室)は入寮月23,900円、その後は月18,200円で、別に給食費が1日1,579円かかります。内訳は図2にまとめました。

注意:令和9年度新入生向けの「自立応援入学支援金」(入学料相当額84,600円の給付)は、給付人数4人です。入寮希望、自宅から公共交通機関で3時間以上かかるなどの条件を満たし、作文を含めて申請した人の中から、試験の成績順に決まります。県外生全員がもらえるものではなく、入学料の免除制度でもありません。申請期限は推薦受験者が2027年1月12日、学力検査受験者が2月1日です。
ご家庭で話し合っておきたいこと
- 5年間の専門教育と、その後の就職・編入学・専攻科という進路を、お子さん自身がどう考えているか
- 15歳からの寮生活(相部屋・日課のある生活)に向けた心の準備と、帰省の頻度や交通手段
- 秋の学校説明会(2026年10月24日に鶴岡高専、11月21日にオンラインなど。申込は各日の1週間前まで)やキャンパスツアーで、寮と授業を直接見る機会をつくれるか
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まとめ
- 構想の中身:鶴岡高専が首都圏の中学生に、15歳から寮で暮らしながら学ぶ「国立高専留学」を提案(3〜5年生は希望者が多いと入寮選考あり)。まずは友好都市の江戸川区から呼びかけています。
- 入試は通常の選抜:首都圏向けの特別枠はなく、推薦(面接は鶴岡、入学確約が条件)か学力選抜(最寄り地等受験は要相談)を受けます。
- 費用の考え方:入学料84,600円、授業料年234,600円(1〜3年は就学支援金を充当)、寮費は入寮月23,900円、その後は月18,200円で、別に給食費が日額でかかります。
- 支援金は狭き門:自立応援入学支援金は条件を満たす4人に成績順で給付される制度です。
- まずは説明会で確認:条件や金額は年度で変わるため、最新の募集要項と説明会で確かめるのが安心です。
出典・参考リンク
- 山形新聞: 鶴岡高専に「留学」ぜひ 首都圏中学生に魅力アピール、「構想」基に取り組み開始(2026年10月5日)
- 鶴岡工業高等専門学校: 東京の中学生に「15歳から地方へ」という新しい進路 ~「国立高専留学」構想をスタート~(2026年9月18日)
- 国立高等専門学校機構(PR TIMES): 【鶴岡高専】東京の中学生に「15歳から地方へ」という新しい進路(2026年9月16日)
- 鶴岡工業高等専門学校: 令和9年度 学生募集要項(2026年10月5日確認)
- 鶴岡工業高等専門学校: 入学料・授業料・諸納付金(2026年10月5日確認)
- 鶴岡工業高等専門学校: 学生寮のご案内(2026年10月5日確認)
- 鶴岡工業高等専門学校: 自立応援入学支援金申請要項(令和9年度)(2026年10月5日確認)
- 鶴岡工業高等専門学校: 学校説明会(2026年10月5日確認)
- 鶴岡市: 姉妹・兄弟・友好都市等(2026年10月5日確認)


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