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「海外のボーディングスクール(寮制の学校)に興味はあるけれど、学費が高すぎて現実的じゃない…」と感じているご家庭も多いのではないでしょうか。学費に寮費まで加わるとなると、「手の届く寮制校」と聞くだけで、つい気になりますよね。
そんな中、留学情報サイトのStudy Internationalが、「1万5,000米ドル未満」を掲げて「世界で最も手頃なボーディングスクール15校」を紹介する記事を公開しました(ただし、掲載額の上限がこれを超える学校も含まれています)。日本からは愛知県の国際高等学校(NUCB International College)も選ばれています。
ただ、記事に並ぶ金額を一つずつ学校の公式サイトと照らし合わせてみると、「授業料だけ」「1学期分だけ」の数字が混ざっていて、そのまま比べるのは難しいことが分かりました。この記事では、報道の要点と、費用と質を見極めるための確認ポイントを整理します。
ニュースの概要
記事はStudy InternationalのAshreena Kaurさんによるもので、RSS配信日は2026年8月29日、元ページの表示・更新日は同月28日です。地域別にアフリカ、アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、北米の計15校を取り上げています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 媒体・日付 | Study International(RSS配信:2026年8月29日/ページ表示・更新日:2026年8月28日) |
| 取り上げた学校 | 15校(南アフリカ、インド、タイ、マレーシア、日本、アラブ首長国連邦、オーストラリア、英国、スペイン、ドイツ、カナダ、米国) |
| 日本の学校 | NUCB International College(記事の金額は年1万3,667米ドル) |
| 安さの理由として挙げた点 | 運営費の低い立地、比較的簡素な施設、寄付者・卒業生の支援、非営利運営など |
記事は、安い学校の中には施設や開講科目を大きく削っている例もある、と注意も添えています。つまり「安い=お得」とは限らない、ということなんです。
一方で、記事の金額欄は学校によって中身がそろっていません。年額と1学期分の金額、期間の書かれていない金額が混在し、授業料だけなのか寮費込みなのかも学校ごとに異なります。見出しは「1万5,000米ドル未満」ですが、オーストラリアやカナダの学校など、上限がこれを超える金額が載っている学校もあります。
注意:ランキング記事の金額は「入り口の目安」です。学費を比べる前に、費目・期間・対象学年・年度と通貨・留学生の条件の5つをそろえる必要があります。図1にまとめました。

背景と解説
公式サイトと照らし合わせると見えてくること
いくつかの学校について、記事の金額と学校公式の掲載額を並べてみます。
| 学校 | 記事の金額 | 学校公式の掲載額 |
|---|---|---|
| 国際高等学校(NUCB International College、愛知県日進市) | 年1万3,667米ドル | 授業料・寮費・教育充実費の年額合計410万円+入学金50万円(適用年度の記載なし) |
| Colchester Royal Grammar School(英国) | 寮費1学期7,283米ドル | 2026年9月入学の寮費は1学期6,660ポンド |
| Oakdale Christian Academy(米国ケンタッキー州) | 5,250〜1万2,000米ドル | 2026〜27年度の留学生は授業料・寮費・食費込みで2万9,600米ドル |
国際高等学校の場合、公式サイトの「学納金」ページでは授業料が年210万円、寮費が年155万円(光熱費と1日3食を含む)、教育充実費が年45万円で、合計は年410万円です。ここに入学金50万円が加わり、制服や教材、保険、課外活動などは別途かかります。記事の米ドル表記がこのうちどの費目に当たるのかは、記事からは読み取れません。図2にまとめました。

なお、同校はIBO公式の学校ページによると、2022年12月12日にIBのディプロマ・プログラム(DP)の認定を受けた全寮制の学校です。DPとは高校段階の2年間で学ぶIBのプログラムで、海外大学進学を考えるご家庭にとっては気になる選択肢ではないでしょうか。
Oakdale Christian Academyについては、記事の料金欄のリンク先が、名前の似た別の州の学校のページとみられます。学校公式の料金ページでは、留学生の2026〜27年度の費用は2万9,600米ドルとされており、記事の金額とは大きな差があります。
英国の「授業料無料」の寮制校は留学生向けではない
記事には、授業料がかからず寮費だけで通える英国の公立寄宿学校(state boarding school)として、Dallam SchoolとColchester Royal Grammar Schoolが登場します。英国政府の案内でも、公立寄宿学校は教育費が無料で、寄宿費がかかる仕組みと説明されています。
ただし、両校の公式案内では、寄宿生として入学するには英国のパスポート、または英国での居住権(もしくはそれに準じる資格)が必要とされています。英国政府も、英国外に住む外国籍の子どもが英国の学校に通うには、原則として居住権や就学を認める在留資格が必要だと案内しています。つまり、日本国籍のお子さんが学生ビザで入学できる学校ではない、ということなんです。また、Colchester Royal Grammar Schoolの寄宿はシックスフォーム(16歳以降の2年間)が対象です。
保護者への影響と今できる対応
ランキング記事は、これまで知らなかった学校に出会うきっかけとしてはとても便利です。ただ、実際に候補に入れるなら、ご家庭で「同じ物差し」に直して比べる作業が欠かせません。次の点を、学校の公式料金表で確認してみてください。
- 費目: 授業料のほかに寮費・食費・登録料・教育充実費などが別にかかるか
- 期間: 年額か学期ごとの金額か。1年が何学期か
- 対象学年と寮の種類: 最も安い金額が幼児課程や通学生の授業料になっていないか。全日寮か週単位の寮か
- 年度と通貨: 料金表は何年度のものか。円に直すときは、いつの為替で計算したか
- 留学生の条件: 留学生向けの料金が別にあるか。ビザで入学できるか、現地の保護者(ガーディアン)が必要か
- 質の確認: 開講科目(IBのDPなど)、進学実績、寮の生活サポート、医療体制、認定・認可の状況
ポイント:IB校かどうかは、学校のパンフレットだけでなくIBO公式サイトの学校ページで認定プログラムを確かめると安心です。費用は「年間の総額」と「入学時の一時金」を分けてメモしておくと、学校同士を比べやすくなります。
帰国後の進路も考えておきたいところです。文部科学省によると、海外から帰国した学齢期の子どもが日本の小・中学校に入る場合は、原則として年齢に応じた学年に編入します。一方、高校への編入は学校ごとの判断になり、文部科学省は帰国生の編入学の機会を広げるよう配慮を求める通知を出しています。高校段階で海外の寮制校に進む場合は、帰国の可能性も含めて、希望する学校や教育委員会に早めに確認しておくと安心ですね。
重要:学費は年度ごとに改定されることがあります。この記事で紹介した金額も2026年10月1日時点で確認したものです。出願前には必ず学校に最新の料金を問い合わせてください。
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まとめ
- 報道の内容: Study Internationalが「1万5,000米ドル未満」を掲げた寮制校15校の紹介記事を公開(掲載額の上限がこれを超える学校もあり)。日本の国際高等学校(NUCB International College)も含まれています
- 数字の注意点: 授業料のみ・1学期分・年額などが混在し、そのままでは比べられません
- 公式との差: 国際高等学校の公式掲載額は年410万円(入学金別)、Oakdale Christian Academyの留学生費用は2万9,600米ドルなど、記事と差がある学校があります
- 英国の公立寄宿学校: 授業料は無料ですが、記事に登場する2校は英国パスポートや居住権が必要で、原則として留学生の学生ビザでは入学できません
- 今できること: 公式料金表で費目・期間・年度をそろえ、IB認定はIBO公式で、帰国後の進路は早めに確認しましょう
出典・参考リンク
- Study International: 15 cheapest boarding schools(「1万5,000米ドル未満」を掲げた寮制校15校の紹介、2026年8月28日更新・RSS配信2026年8月29日)
- 国際高等学校(NUCB International College): 学納金(2026年10月1日確認)
- International Baccalaureate: NUCB International College(2026年10月1日確認)
- Colchester Royal Grammar School: Boarding Information(2026年10月1日確認)
- Dallam School: Visit and apply(2026年10月1日確認)
- Oakdale Christian Academy: Tuition and Financial Aid(2026年10月1日確認)
- GOV.UK: State boarding schools(2026年10月1日確認)
- GOV.UK: School applications for foreign national children and children resident outside England(2026年10月1日確認)
- 文部科学省: 外国から帰国した学齢児童生徒の就学手続について(2026年10月1日確認)
- 文部科学省: 海外から帰国した生徒に対する編入学の機会の拡大等について(2026年10月1日確認)


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