【解説】滋賀県が高校生の海外留学をクラウドファンディングで後押し 支援金と応募の流れ

滋賀県の高校生留学支援プログラムとクラウドファンディングの仕組みと概要 IB最新ニュース

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「子どもが留学に興味を持ち始めたけれど、費用を考えると正直ためらってしまう」。そんな思いを抱えているご家庭は多いのではないでしょうか。高校生の短期留学でも、渡航費や現地での活動費を合わせると家計への負担は小さくありませんよね。

そんななか、滋賀県が高校生等の海外留学を応援するため、クラウドファンディングを実施していることが報じられました。京都新聞が「経済状況に左右されない『高校生の海外挑戦』後押し」との見出しで伝え、Yahoo!ニュースなどにも配信されています。

この記事では、滋賀県教育委員会の公式発表と募集要項をもとに、クラウドファンディングの中身と、その資金が使われる留学支援プログラムの仕組み、そして海外挑戦を考えるご家庭が今から準備できることを整理してお伝えしますね。

ニュースの概要

滋賀県教育委員会は、県内の高校生等の探究型留学を支援する「トビタテ!留学JAPANアライアンス事業『未来を描け!滋賀の海外留学応援プログラム』」の拡充と認知度向上を目的に、2026年8月28日からクラウドファンディングを始めました。実施サイトはREADYFORで、プロジェクト名は「『滋賀から世界へ』高校生の海外留学を応援してください!」です。

項目 内容
実施主体 滋賀県教育委員会(事務局 高校教育課)
実施期間 2026年8月28日(金)から10月30日(金)まで
目標金額 600万円(県は「600万円で12人の高校生等の留学を支援可能」と説明)
寄附金額 5千円から
実施サイト・方式 READYFOR(ページ上の表示は「ふるさと納税型」、目標未達でも寄附を受け取る「All in方式」)
事業の目標 令和8〜12年度の5年間で300人の海外派遣

県の発表によると、このクラウドファンディングは財源の確保だけでなく、事業の意義や魅力を広く発信し、多くの人に応援してもらえる事業として定着させることも大きな目的だとしています。また、2026年8月20日の教育長定例記者会見では、留学費用の負担が大きく経済的な理由で断念する生徒もいることから、機会を経済状況に左右されない形で整えたいという趣旨が説明されています。

READYFORのページでは、寄附金は令和9年度(2027年度)の派遣留学生の支援金や事業運営費などに充てると説明されています。つまり、今回集まったお金は、主に来年度に留学する生徒たちの支えになるということです。全体像は図1にまとめました。

滋賀県の高校生留学支援プログラムとクラウドファンディングの仕組みと概要
図1:クラウドファンディングと留学支援の仕組み(滋賀県教育委員会の発表・2026年度募集要項より作成)

背景と解説

「トビタテ!留学JAPAN」から県独自の制度へ

このプログラムの土台にあるのは、文部科学省と日本学生支援機構(JASSO)が官民協働で2013年度から進めてきた「トビタテ!留学JAPAN」です。2023年度からの第2ステージでは、高校段階からの留学を強化するため、都道府県単位で留学のモデル拠点をつくる「拠点形成支援事業」が始まりました。

募集要項によると、滋賀県はこの拠点形成支援事業に2023年度に採択され、2025年度まで「未来を描け!滋賀の海外留学応援プログラム」を実施してきました。そして2026年度以降は、そのノウハウを生かして「トビタテ!留学JAPANアライアンス事業」として、機構と連携しながら県独自の制度として続けることになりました。国の支援で始まった仕組みを、県が自前で続けていくための資金づくり、というのが今回のクラウドファンディングの背景といえそうです。

「探究型留学」ってどんな留学?

このプログラムの特徴は、語学学校に通うだけの留学ではなく、生徒自身が問いを立てて留学先や活動内容を計画する「探究型」であることです。2026年度(第3期)の募集要項では、社会課題・STEAM・スポーツ芸術の「一般探究コース」と、琵琶湖を切り口にしたMLGs探究、ものづくり産業探究、農業・森林産業探究などの「地域探究コース」が用意されています。地域探究コースは2〜4人のチームで応募することもできます。

IB(国際バカロレア)で学ぶお子さんや、学校の「総合的な探究の時間」に熱心に取り組んでいるお子さんにとっては、自分の探究テーマを海外で深める機会として相性がよい制度ではないでしょうか。一方で、各高校が主催する海外実習などには使えないと要項に明記されている点は押さえておきたいところです。

支援金の金額と人数

2026年度の募集要項では、支援金は留学先がアジア地域なら30万円、その他の地域なら50万円で、1回限りの定額です。留学期間の長さで増減はしません。対象となるのは現地活動費や授業相当額、往復渡航費、査証取得や予防接種など留学準備にかかる費用の一部で、全額をまかなうものではないと明記されています。支援予定人数はアジア地域25人程度、その他の地域25人程度の計50人程度でした。READYFORのページでは、2026年度の派遣人数は48人と掲載されています。

ポイント:支援金は原則アジア30万円・その他の地域50万円の定額で、留学費用の「一部」を支えるものです。応募状況によっては減額されることがあると要項にあり、残りの費用は家庭で準備する前提で計画を立てる必要があります。

保護者への影響と今できる対応

対象となるのはどんな家庭?

対象は、滋賀県内の高等学校、中等教育学校後期課程、特別支援学校高等部、専修学校高等課程に在籍する生徒と、広域通信制高校に在籍して県内の連携施設で学び、滋賀県に住んでいる生徒です。県内の公立・私立を問わず高校等に通うお子さんがいるご家庭が中心になります。

ただし在籍校や居住地だけで応募資格が決まるわけではありません。2026年度の要項では、日本国籍を有するか、応募時までに日本への永住が許可されていることなども必須条件とされています。外国籍のお子さんがいるご家庭は、特に要項の応募資格を細かく確認してくださいね。

気になる所得要件については、確認できた2026年度募集要項には所得上限などの家計基準の記載は見当たりませんでした。ただし「所得要件がない」と明示した資料も確認できていないため、2027年度の募集要項が出た段階で改めて確認するのが安心です。

応募までの流れと時期の目安

2026年度(第3期)の日程は、第一日程の応募締切が3月18日、新高校1年生のみの第二日程が4月8日から4月15日(新高校2・3年生は第一日程のみ、新高校1年生はどちらか一方で応募し、両方への応募は不可)、面接審査が5月9日、採否通知が5月下旬で、留学期間は8月1日から10月31日まででした。応募は在籍する高校等を通じて行い、学校が指定する期間に提出する仕組みです。流れは図2にまとめました。

2026年度の派遣留学生募集から成果報告会までの流れ
図2:2026年度(第3期)の募集スケジュール(2026年度派遣留学生募集要項より作成)

主催者のREADYFORページでは、2027年度(滋賀県第4期)の募集を2026年12月に開始する予定と案内されています。応募締切などの詳細は最新の募集要項で確認が必要ですが、募集開始に向けて秋のうちから準備を始めておくと安心です。2026年9月時点で高校1・2年生のお子さんや、2027年4月に高校へ進む中学3年生のお子さんが関係してくる可能性があります。ただ、対象学年は2026年度の例からの目安なので、学年ごとの応募可否は最新の要項で確認してくださいね。

注意:2027年度の募集要項・支援金額・人数・日程は公式発表待ちです。本記事の数値は2026年度(第3期)の要項に基づくもので、次年度に変わる可能性があります。

今からできる準備チェックリスト

  • 探究テーマを話し合う:「なぜその国で、何を調べたいのか」を言葉にしておくと、書類や面接の準備がぐっと楽になります
  • 学校の担当の先生に相談する:応募は学校経由なので、校内の締切や手続きを早めに確認しておきましょう
  • 費用の全体像を見積もる:支援金は定額の一部支援です。渡航費や滞在費の総額と家庭で負担する分を試算しておくと安心です
  • 研修の日程を意識する:壮行会・事前オリエンテーション、事後オリエンテーション、成果報告会は参加必須とされています
  • 安全面の準備:要項では海外旅行保険への加入が求められ、無保険での留学は認められていません

寄附という形で関わりたいご家庭にとっては、10月30日までがクラウドファンディングの受付期間です。ふるさと納税型と表示されていますが、控除の扱いなど詳しい条件はREADYFORのページや県の案内で確認してください。

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まとめ

  • 何が起きたか:滋賀県教育委員会が高校生等の留学支援のため、READYFORで目標600万円のクラウドファンディングを2026年8月28日から10月30日まで実施しています
  • お金の使い道:県は600万円で12人の留学を支援可能と説明し、READYFORでは令和9年度の派遣留学生の支援金などに充てるとしています
  • 支援の中身:2026年度要項では支援金はアジア30万円・その他の地域50万円の定額で、費用の一部を支える仕組みです
  • 対象:県内の高校等に在籍する生徒などが対象で、自分で計画する探究型の留学が条件です
  • 次の一歩:2027年度の募集要項は公式発表待ち。探究テーマの話し合いと学校への相談から始めておくと安心です

出典・参考リンク

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